771 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:34:29.49 ID:2ZBOREoOO

(-、-トソン「……ん」

ゆっくりと目を開け、眠りから解き放たれる。
時刻は7時。
今日もまた、新しく1日が始まる。

(゚、゚トソン「さて、起きますか」

幸い、寝付きはよく、寝覚めもよい体質だ。
さほどの苦労もせず、布団から起き上がる。
初夏にしては少し冷たい空気がまとわりつく。

(゚、゚トソン「……暗いですね。雨ですか?」

私は青い空に飛行機雲が描かれたカーテンを勢い良く開けた。

(゚、゚トソン「……真っ暗?」

私はもう1度、時計をまじまじと見つめた。
PM7時だった。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



774 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:36:11.63 ID:2ZBOREoOO

過ぎ去ったことを悔やんでも仕方がない。
後悔は先に立たないのが世の常だ。
置かれた状況の中で、私は私の出来る最大限の事をやるしかない。

(゚、゚トソン「学校へ行きますか」

私は制服に着替えるべく、パジャマを脱いだ。
いつもなら朝のシャワーを浴びている所だが、今朝は寝坊したのでそんな時間はない。
早く着替えて学校へ向かわねば。

(゚、゚トソン「朝食も抜きですかね」

朝は1日のうちで、もっともちゃんと取るべき食事だが、背に腹は変えられない。
これ以上遅れるわけにもいかない。

(゚、゚トソン「制服、制服……あれ?」

制服がいつもの場所に見当たらない。
私はすぐさま、その可能性に気付き階段を降りる。
そして浴室に入り、蓋を開ける。

(゚、゚トソン「……ありました」

洗濯物干し忘れてた。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



775 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:38:09.25 ID:2ZBOREoOO

失敗は失敗だ。甘んじて受け入れよう。
誰でもない、私自身のミスなのだ。
むしろ、他に害が及ばなかったことを喜ぶべきだろう。

(゚、゚トソン「よし」

私は冷たい制服に着替え、再び2階に上がる。
着ていればそのうち体温で乾くだろう。

(゚、゚トソン「心頭滅却すれば火もまた涼し」

昔、紐股とか随分大胆だな、てか涼しいの当たり前じゃん、などと思ってたのはいい思い出だ。
私は、鞄の中身を確認する。

(゚、゚トソン「忘れ物をしては何の為に学校に行くかわかりませんからね」

筆箱、鉛筆、消しゴム、バナナ、定規、教科書、バナナ、ノート、バナナ。

(゚、゚トソン「よし、完璧……あ、宿題……」

危ない危ない、宿題のノートを忘れる所だった。
私は、勉強机の上のノートを手に取り、パラパラと捲る。
漂白剤に漬けた様な驚きの白さが目に眩しい。

宿題やってない。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



777 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:40:04.54 ID:2ZBOREoOO

ノートに自画像を書き記す。
1ページにつき数秒、サインをねだられた時の為に毎日練習していた腕が生かされる。
鬼軍曹とあだ名される先生も、この100万ペソのスマイルを見たら微笑まざるを得ないだろう。

(゚、゚トソン「これでよしと」

宿題を書き終え、ノートを鞄に押し込む。
バナナが入りきらなかったので、数学の教科書は置いて行くことにした。

(゚、゚トソン「少し時間を取られてしまいましたね」

時刻は7時25分。
食事とシャワーを抜いた分、いつもと一見同じ時間で出られそうだ。

(゚、゚トソン「いってきます」

私は無人の家に声をかけ、靴を履く。
意味のない行為かもしれないが、長く染み付いた慣習は簡単には変えられない。
例え返事がなかろうと、それが私のスタイルだ。

(゚、゚トソン「あれ、スニーカーが履きづらいですね……」

よく見ると、スニーカーじゃなくてスニッカーズだった。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



778 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:42:13.17 ID:2ZBOREoOO

スニッカーズは諦め、おっとっとの中身を取り出し、箱を履く。
これなら遠目には靴に見えるだろう。

(゚、゚トソン「こんな事をしてる場合じゃありませんね」

急がないと遅刻確定だ。
ここから12時間程時間を遡ればギリギリ間に合うかもしれない。
私は玄関のドアを開け、外に走り出す。

(゚、゚トソン 「光速を超えれば大丈夫かもですね」

100m60秒フラットの俊足を飛ばし、道路をひた走る。
学校まで約50000cm、計算だと10分でたどり着ける。

(゚、゚トソン「急ぎましょう」

快調に歩を進め、道程の中ほどまでたどり着く。
そこでふと、ある事に気付き、立ち止まった。

玄関の鍵をかけていない。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



779 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:45:09.75 ID:2ZBOREoOO

急ぎ道を引き返し、家に戻る。
不幸中の幸い、まだ半分しか進んでいなかった。
これなら10分以内に帰り着けるだろう。

(゚、゚トソン「……やはり鍵が開いていますね」

確認のため、おっとっとを脱いで玄関に上がる。
こういう迂闊な失敗をした時は他の失敗も犯しがちだ。
私は、火の元のを見るためにキッチンへ向かう。

('、`*川「はい、お茶」

(`・ω・´)「ああ、ついでに新聞取ってくれ」

(゚、゚トソン「どちらさまですか?」

見覚えのない人達、見覚えのないキッチン。
私は家を間違えた。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



780 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:48:45.53 ID:2ZBOREoOO

(゚、゚トソン「いただきます」

(`・ω・´)「ああ、遠慮なく食べてくれたまえ」

('、`*川「おかわりもありますからね」

私は朝食をご馳走になることになった。
こちらの家は裕福な様で、朝食からかなり豪華だ。
朝食が1日のうちでもっとも重要だということをよくわかっているらしい。

しかし、朝食からビールはどうかと思う。

(`・ω・´)「君も飲むかね?」

(゚、゚トソン「いただきます」

私は酔っ払った。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」



783 :(゚、゚トソン平凡な朝のようです:2009/05/27(水) 11:52:11.30 ID:2ZBOREoOO

(-、-トソン「……ん」

ゆっくりと目を開け、眠りから解き放たれる。
時刻は7時。

(゚、゚トソン「……どうやら時間を超えることに成功したようですね」

見覚えのない布団から起き上がり、ピンクの花柄のカーテンを開ける。
外には雲1つない青空が広がって、朝日が世界を眩しく照らしている。

シャワーを借り、アイロンがけされた制服に着替え、朝食をいただく。
見知らぬ人にいってきますと挨拶を述べ、おっとっとを履いて外に出る。

(゚、゚トソン「さて、学校に行きますか」

今日も昨日と同じ平凡な、でも、それなりに楽しい私の1日が始まる。
軽やかなステップでスキップをし、校門をくぐり教室へ向かう。

(゚、゚トソン「おはようございます」

ミ*゚‐゚彡*(‘‘)*(=゚ω゚)

見覚えのない教室、見覚えのない小さな級友。
ここは小学校だった。私は学校を間違えた。

(゚、゚トソン「なにそれこわい」


 ‐おわり‐


お題
・('、`*川「はい、お茶」
・(`・ω・´)「新聞取ってくれ」
・飛行機雲
・雨
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