2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:08:51.28 ID:4/si0qHhO

ガチャリ
(;^ω^)ノ 「おいす〜」

川 ゚ -゚) 

(;^ω^) 「話は聞いてるお。君の友達のブーンだお。覚えてないかお?」

川 - -) 「ブーン……ブーン……? ブーン、ベーン……ボーン──」

川 ゚ -゚) 「バーン?」

(;^ω^) 「いや、ブーンだお」

川 ゚ -゚) 「ビーン?」

(;^ω^) 「やっぱり事故の後遺症があるのかお?」



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:11:04.12 ID:4/si0qHhO

( <●><●>) 「記憶に大きな混乱があるのはわかっています」

(;^ω^) 「うぉ、どちらさまですかお?」

( <●><●>) 「担当医のワカッテマスです」

(;^ω^) 「把握。それで、クーの容態はどうなんですかお?」

( <●><●>) 「外傷自体はほとんどありません。 ただ、頭を強く打ったようで、
        先ほども言ったように記憶に大きな混乱が見られます」

( <●><●>) 「早い話が記憶喪失ですね」

(;^ω^) 「なるほど……。それで、どうすれば治るのですかお?」

( <●><●>) 「それはなんとも言えません」

(;^ω^) 「え?」

( <●><●>) 「この手の症例は、何がきっかけで回復するのか我々にも予測がつかないのです」

(;^ω^) 「そんな……」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:56:41.63 ID:JWXBUw/H0

( <●><●>) 「記憶以外はどこも問題ありません。ですから、できるだけ普段通りに接してあげて
        自然に記憶を戻るのを気長に待つのが懸命だと思われます」

(;^ω^) 「……わかりましたお」

( <●><●>) 「では、私はこれで……」


(;^ω^) 「……」

川 ゚ -゚) 「なるほど、話は聞かせてもらった」

(;^ω^) 「聞いてたのかお?」

川 ゚ -゚) 「まあ、狭い部屋だしな。というわけでプーン、いつもどおり気兼ねなく接してくれたまえ」

(;^ω^) 「だいぶ近くなったけどブーンだお。大丈夫だお、きっとクーの記憶は戻るお」

川 ゚ -゚) 「うむ、大船に乗った気で任せておけ」


 − 川 ゚ -゚)クーの記憶は書き換えられるようです −



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:58:16.63 ID:JWXBUw/H0

( ^ω^) 「もうしばらくしたら、クーの親友と恋人もお見舞いに来るお」

川 ゚ -゚) 「ほう、私には親友と恋人がいたのか。ビューンは恋人ではないのだな?」

(;^ω^) 「ち、違うお。僕はただのお友達だお。僕が一番に着いたのは多分、僕が足が速かったからだお」

川 ゚ -゚) 「ボューンは足が速いのか」

( ^ω^) 「それどうやって発音してんの?」

( ^ω^) 「この分だと僕の本名とか絶対わからんおね……」

川 ゚ -゚) 「なに? ヴゥーンは本名ではないのか?」

( ^ω^) 「やべ、ちょっとかっけぇ。ブーンはあだ名だお。本名は内藤──」

川 ゚ -゚) 「な……いとう……」
  _, ,_
川 - -)∩ 「待て、もう少しで何か……、何か思い出せそうだ」

( ^ω^) 「おk、ゆっくり考えておくれお」



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:00:22.12 ID:4/si0qHhO

川 - -) 「ないとう……、な……いとう……、さ……いとう? 」

川 - -)そ !!!

川 ゚ -゚) 「内藤──ベルメゾン?」

( ^ω^) 「おっしい! どっかで聞いたような家族だけど違うお」

川 ゚ -゚) 「違ったか……」

( ^ω^) 「そんなに気を落とすなお。惜しかったお。正解は内藤ホ──」
  _, ,_
川 - -)∩ 「ホ──? 待て待て待て、今度こそ、今度こそ思い出せそうだ」

川 - -)そ !!!

川 ゚ -゚) 「内藤ホネオリゾン!!!」

( ^ω^) 「僕のご両親はどんな願いを込めてその名前をつけて下さったんでしょうね」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:01:08.10 ID:JWXBUw/H0

(;^ω^) 「てか、実は記憶あったりしないかお? 微妙に近い線をキープしてるお」
  _, ,_
川 - -) 「うう、頭が……」

ガチャリ
ξ゚听)ξつ 「邪魔するわよ」

( ^ω^) 「お、ツン来たのかお」

( ^ω^) 「クー、ツンが来てくれたお。覚えてないかお?」

川 ゚ -゚)

ξ゚听)ξ

川 ゚ -゚) 「はじめまして、洗濯板さん」

ξ゚听)ξ 「よし、コロス」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:03:04.48 ID:JWXBUw/H0

(;^ω^) 「ちょwww待てお、相手は病人だお」

ξ゚听)ξ 「ショック療法とかよくね?」

川 ゚ -゚) 「すまない、君を見て真っ先に思出した点がそれだ」

ξ゚听)ξ 「うん、とりあえず殴っていい?」

(;^ω^) 「思い出したと言うより見たまm──」

ボグシャァー!!!

ξ゚听)ξ 「で、あんた本当に何も覚えてないわけ?」

川 ゚ -゚) 「どうやらそのようだな」

(xxメ^ω^) 「かくかくしかじか」

ξ--)ξ 「なるほどね……。なるべく普段通りにしてればいいのね」

( ^ω^) 「そういうことらしいお」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:03:23.40 ID:4/si0qHhO

ξ゚听)ξ 「で、ザザ虫は何でそんなケガしたの?」

( ^ω^) 「ちょっと待てお。お前、普段はそんな風に呼んでなかっただろ?」

川 ゚ -゚) 「いや、その呼ばれ方は何となく感ずるところがある」

(;^ω^) 「マジで?」

川 ゚ -゚) 「うむ、実際には呼ばれてなかったが心の中ではそう呼ばれてたような気がする」

川 ゚ -゚) 「ならば私もこの心の向くままに返答しよう、事故にあったからだよ、フナ虫」

( ^ω^) 「お前ら親友じゃなかったのかお」

ξ゚听)ξ 「さすがね、私たちの友情は記憶喪失ぐらいじゃビクともしないわ」

川 ゚ -゚) 「そのようだな」

( ^ω^) イイハナシカナー?



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:05:12.35 ID:JWXBUw/H0

ξ゚听)ξ 「とりあえず仮にクー、事故って交通事故なの?」

川 ゚ -゚) 「そうだ、ツン(仮称)、車同士の事故だ」

( ^ω^) 「お? クーは免許持ってたのかお?」

ガチャリ
('A`)ノ 「ああ、クーは免許持ってたぜ、二輪のな」

( ^ω^) 「ドクオ! やっと来たのかお、おせーお」

('A`) 「悪いな、クー、遅くなっちまった。大丈夫か?」

川 ゚ -゚)    ('A`)

川 ゚ -゚)σ  ('A`)

川 ゚ -゚)∂  ('A`)

( ^ω^) 「そうだお、クーの恋人のドクオだお」

川 ゚ -゚)    ('A`)


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:07:05.55 ID:JWXBUw/H0


川 ゚ -゚) 「……これはないわー」

('A`)

(;^ω^) 「え?」

川 ゚ -゚) 「いや、だってこれ→('A`)よ? 私はこれ→川 ゚ -゚)だそ?」

川 - -) 「どう見ても釣り合い取れてないだろ、常考」

('A`)

(;^ω^) 「た、確かにドクオは見た目アレ→('A`)だけど、すごくいいやつなんだお」

('A`)

ξ゚听)ξ 「そうね、私も前からアレ→('A`)はないと思ってたわ」

('A`)

川 ゚ -゚) 「やはりそうか。大方、私は何か弱みでも握られてたのではなかろうか」

(;^ω^) 「ちょ、ツン何言ってんだお。クーも落ち着けお、ドクオは本当にいいやつなんだお」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:07:52.63 ID:4/si0qHhO

川 ゚ -゚) 「つーか、お前ら親友なら止めろよ。脅されてなくても一時の気の迷いだったかもしれんだろ?」

ξ゚听)ξ 「そうね、確かに止めるべきだったわね。ごめんなさい、私、親友失格だわ」

(;^ω^) 「いやいやいや、だから話を聞けお。ド、ドクオも何とか言えお」

('A`) 「うん、俺も前から常々そう思ってた」

(;^ω^) 「ちょwwwお前まで何言い出してんだお」

('A`) 「二人で歩いていると、見知らぬ人に何かの罰ゲームですか? と聞かれるクーを見るたびにそう思ってました」

ξ゚听)ξ 「あるあるwww」

('A`) 「俺が謝ると、気にするな、こんなもんは罰ゲームだと思えば気にならないさ、と答えるクーを見て確信を募らせました」

川 ゚ -゚) 「罰ゲームとしてもキツいだろー、これ→('A`)は」

('A`) 「基本的にこちらから連絡は取れませんでした」

( ^ω^) 「それ、ホントに付き合ってたの?」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:11:13.80 ID:JWXBUw/H0

川 ゚ -゚) 「なるほど、やはり私の記憶に間違いはなかったようだな。これ→('A`)が恋人とか有り得んだろ」

( ^ω^) 「その記憶自体が大幅におかしいから病院にいるんですけどね」

ξ゚听)ξ 「そんなことはいいじゃない。確かに記憶は失ったのかもしれないけど、
       代わりに真実を1つ、手にすることが出来たのだから」

( ^ω^) 「無理やりいい話っぽくまとめようとすんなお」

('A`) 「で、免許の話だが……」

( ^ω^) 「お前も、もうちょっとすがるとかねーのかお」

('A`) 「クーはこう見えて走り屋クーたんとしてその界隈ではちょっとした名の知れた存在だった」

川 ゚ -゚) 「お前がクーたんとか言うな、キモい」

ξ゚听)ξ 「つーかこいつ、恋人でもないのに何でそんなにクーのこと知ってんのよ? ストーカー?」

( ^ω^) 「お前ら容赦ねーな」

   ゾクゾク
;((*'A`)); 「あぁ……」

( ^ω^) 「うっわー、もういいや、話続けろお」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:13:02.79 ID:JWXBUw/H0

ξ゚听)ξ 「あ、そう言えば聞いたことあるわね、伝説の走り屋“空胆”。そのもの、空の如き広大なる心胆の持ち主……

( ^ω^) 「何その、もっともらしい民明書房刊」

('A`) 「それで、昨日はたまたま愛車はメンテナンスに出していたんだ。だから代車のセグウェイで走りに行ったんだ」

( ^ω^) 「ふーん……え?」

※セグウェイ

. 川 ゚ -゚) 
 ( つ┯つ
 /  / // 
(__)/ )
(◎) ̄))

(;A;) 「あの時、俺が止めていればこんな事には……」

( ^ω^) 「いや、ホント止めろよ、マジで」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:13:48.36 ID:4/si0qHhO

( ^ω^) 「て言うか、セグウェイ公道走れんの? しかも高速」

ξ゚听)ξ 「ルールに縛られて生きることしか出来ない人間なんてつまらないわ」

('A`) 「飛べない豚はただの豚だ」

川 ゚ -゚) 「だからお前はただのピザなんだ」

( ^ω^) 「え、何、このフルボッコ?」

ξ゚听)ξ 「でも、不幸中の幸いよね。ケガはしてないんでしょ?」

( ^ω^) 「……さっき車同士の事故って言ってなかったかお?」

( ^ω^) (どうせ相手もセグウェイとかパーキングエリアで止まってる車にとかだおね……)

( <●><●>) 「報告では走行中で、相手の乗用車は全損となっているのはわかっています」

(;^ω^) 「ちょ、急に出てくんなお」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:15:14.53 ID:JWXBUw/H0

( <●><●>) 「ノックはしたのですがね。クーさんの車も全損だったようです」

(;^ω^) 「何でクー無事なの?」

( <●><●>) 「正確には無事ではありませんが、おそらくは受け身を取ったからだと……」

川∩゚ -゚)∩ 「この掌の擦り傷はそれか」

('A`) 「さすがはクー、通信柔道3級の腕前は伊達じゃないな」

( ^ω^) 「柔道すっげ」

ξ゚听)ξ 「まさに芸は身を助けるね」

ガチャリ
(´・ω・`)つ 「やあ」

( ^ω^) 「帰れ」

(´・ω・`) ショボーン


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:17:22.07 ID:JWXBUw/H0

川 ゚ -゚) 「む、誰だ、貴様は?」

ξ゚听)ξ 「そうよ、名乗りなさいよ」

('A`) 「(元)俺のクーになんのようだ」

( ^ω^) 「いや、ショボンじゃん。同じクラスの。帰れとか言っちゃったけど」

(´・ω・`)  「クーさんの事故の知らせを聞いてね、慌ててやってきたんだ。ほら、僕、委員長だから」

ξ゚听)ξ 「立候補者1名の委員長選挙(笑)」

('A`) 「無効票過半数の委員長選挙(笑)」

川 ゚ -゚) 「ぶっちゃけお呼びじゃないよな」

(´・ω・`) ショボーン


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:17:48.72 ID:4/si0qHhO

ξ゚听)ξ 「で、その委員長様(笑)が何の御用かしら?」

('A`) 「御忙しい委員長様(笑)が御越しなのですからさぞかし大変な御用向きなのでしょうね」

( ^ω^) 「普通に見舞いじゃね? てか、何でお前らそんな上から目線なの?」

(´:ω;`) 「お゙、お゙みばいに……きひゃ……」

川 ゚ -゚) 「泣ーかしたー、泣ーかしたー♪」

ξ゚听)ξ 「ブーンが泣かした♪」

('A`) 「せーんせーに言ってやろー♪」

( ^ω^) 「こいつらウッゼ」

( <●><●>) 「ブーン君、ショボン君を泣かしちゃダメじゃないですか。先生は悲しいです」

( ^ω^) 「お前まで乗ってくんなお」



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:19:12.10 ID:JWXBUw/H0

川 ゚ -゚) 「そんなことよりだ、私はこれまでの一連の流れで気付いたことがある」

ξ゚听)ξ('A`)(´;ω;`) ナンダッテー!!!

川 ゚ -゚) 「今の私には欠けているものがある。おそらくそれが記憶回復の鍵となるだろう」

( ^ω^) 「その欠けているものってなんだお?

川 ゚ -゚) 「そう、それだよ、ピザーン」

( ^ω^) 「それまだ引っ張るの? つっこむのもめんどくさいんですけど」

川 ゚ -゚) 「私に欠けているもの、それは──語尾だ!」

( ^ω^)ξ゚听)ξ('A`)(´;ω;`) !!!!


( ^ω^)「……え?」

( ^ω^)「え? いや、語尾とかねーお。そんな語尾とか付けてる変な人いねーおってか、はい、俺────!!!」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:19:51.15 ID:4/si0qHhO

ξ゚听)ξ 「そうだツン。クーは語尾を忘れてるからおかしいんだツン」

('A`) 「ああ、その通りだポイズン。語尾がないせいでお前らしさが欠けているんだポイズン」

( ^ω^) 「お前らなんなの? さっきまで普通にしゃべってたじゃんかお。つか、ドクオの語尾、不自然すぎだろ」

('A`) 「言いたいことも言えないこんな世の中だポイズン」

(´;ω;`)  「そうだョボン。僕らが知ってるクーさんはちゃんと語尾がついてたョボン」」

( ^ω^) 「お前も? てか、“ョ”がウッゼ。JKのメールみたいでウッゼ」

川 ゚ -゚) 「やはりそうクーか。私もなんだか不自然だと思ってたクーよ」

( ^ω^) 「何かモナーっぽいNE!」


( <●><●>)

( ^ω^) 「お前まで乗ってくんなお?」



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:21:25.42 ID:JWXBUw/H0

ガチャリ
( ´∀`)ノ 「お邪魔するモナ」

川 ゚ -゚) 「誰だクー」

ξ゚听)ξ 「名を名乗れツン」

('A`) 「怪しいやつだポイズン」

(´;ω;`)  「どちら様ですョボン?」

ガチャリ
´A`)彡 「お邪魔しましたモナ」

( ^ω^) 「帰りおったーっ!」


( ^ω^) 「てか、モナーじゃん。クラスメートじゃん。何で不審者対応すんの?」

川 ゚ -゚) 「知らない人だったので」

( ^ω^) 「うん、記憶ないからね」



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:23:08.21 ID:JWXBUw/H0

川 ゚ -゚) 「しかし、なかなか記憶は戻らんクーな」

( ^ω^) 「医者も気長に待てって言ってたお。不安かもしれないけど、時間に任せるしかないお」

ξ゚听)ξ 「みんなで、クーとの思い出話とかしたらどうかしらツン?」

('A`) 「それはいいアイデアかも知れんP」

( ^ω^) 「いい加減語尾止めね? あとドクオ、略すなお」

<「ハッハッハーインリッヒ、話は聞かせてもらったぜ」

ξ゚听)ξ 「あら、ハインじゃない」

('A`) 「高岡さん、ちわーッス」

川 ゚ -゚) 「流れから察するに、クラスメートのハインリッヒ高岡さんという方かな? 覚えてなくてすまんな」

カチャッ……
゚д从

( ^ω^) 「そこはむしろ、誰だとか言ってやれお」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:23:51.69 ID:4/si0qHhO

ξ゚听)ξ 「何かごめんね、ブーンが空気読まなくて」

川 ゚ -゚) 「こいつは昔っからKYでな、悪かったな」

( ^ω^) 「今のお前が僕の何を知っていると」

从 ゚∀从 「おう、まあ、ブーンならしゃーねーな」


( ^ω^) 「……あれ? そういやショボンいなくね?」

ξ゚听)ξ 「ショ……ボン……?」

('A`) 「おいおい、脳内フレンドか、ブーン?www」

( ^ω^) 「さっきまで普通にいただろ。お前らも記憶喪失かお。あとドクオと一緒にすんなお」

川 ゚ -゚) 「どんなやつだったっけ?」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:25:08.66 ID:JWXBUw/H0

( ^ω^) 「輪郭が ( ) で、目が・な感じで……」

ξ゚听)ξ('A`)川 ゚ -゚) 。○( (・?・) )

( ^ω^) 「僕みたいな特徴的な鼻だか口だかなオメガがついてて……」

ξ゚听)ξ('A`)川 ゚ -゚) 。○( (・オメガ・) )

( ^ω^) 「垂れ下がった眉毛の印象が強い感じだお」

ξ゚听)ξ('A`)川 ゚ -゚) 。○( (/・Ω・\) ショボーン )

ξ゚听)ξ('A`)川 ゚ -゚) 「「「ああ……、あの……」」」

( ^ω^) 「お前らどんなの想像した?」

从 ゚∀从 「しょぼくれならさっき廊下ですれ違ったぜ?
      絡ませづらいから除外されたー、とか泣きながら走ってったけど──」

( ^ω^) 「見なかったことにしてあげてください」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:27:21.67 ID:JWXBUw/H0

ξ゚听)ξ 「そんなことより、ハイン、あんた話がどうのこうの言ってたけど──」

从 ゚∀从 「そうそう、あれだろ、記憶回復のために思い出がなんちゃら」

川 ゚ -゚) 「む、高岡は私と仲良しさんだったのか?」

从 ゚∀从 「いんや、そうでもねえな」

从 -∀从 「むしろライバルだった。勉強やらスポーツやらいつも競い合ってたぜ」

( ^ω^) 「あれ? スポーツはともかく、勉強のライバルってドクオレベルじゃね?」

从 ゚∀从 「うっせーな、あれだ理想は高く、現実はドンマイってやつだ」

( ^ω^) 「意味わからんお……」

从 ゚∀从 「ともかくだ、俺に任せておけ──」

       .。。
ドギャーン!  .||
从 ゚∀从つ□ ナンカキカイテキナモノー!


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:27:41.43 ID:4/si0qHhO

( ^ω^) 「それはなんだお?」

从 ゚∀从 「これか? こいつはあれだ、いわゆる電撃的なものを流す装置だ」

( ^ω^) 「……はい?」

从 ゚∀从 「記憶戻すのって、ショック療法がよくね?」

( ^ω^) 「発想がツンと一緒だお。てか、思い出は?」

从 ゚∀从 「上手くやれば君が思い出に変わって逝くよ」

( ^ω^) 「こいつ、ここぞとばかりにクーを消しに来おったか」

从 ゚∀从 「大丈夫、大丈夫、理論上は100%成功するから」

( ^ω^) 「どっちが成功?」

从 ゚∀从 「100%だ」

( ^ω^) 「ねえ、どっち? 消える方? 消えない方?」




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:29:23.46 ID:JWXBUw/H0

川 ゚ -゚) 「なるほど、いいアイデアだな」

ξ゚听)ξ 「実に合理的ね」

( ^ω^) 「マジで?」

川 ゚ -゚) 「疑ってるわけではないが、まずはドクオで試してみてくれ」

从 ゚∀从 「お安い御用だ」

( ^ω^) 「え、ドクオは別に記憶──」

    ... ;;;.。。;;; アバババババ  
ポチットナ   ||  从从从从从 
从 ゚皿从つ□ ノ <(゚A゚)>人 
          ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

( ゚ω゚) 「ドクオ───ッ!!!」



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:31:26.62 ID:JWXBUw/H0

 プスプス…
;( A );

( ゚ω゚) 「セーフ! 消えてないお」

从 ゚д从 「あるぇー? 100%のはずだったのニナー」

( ゚ω゚) 「やっぱり消える方かお!!!」

(;^ω^) 「ドクオ、ドクオ、しっかりするお、大丈夫かお?」

( A ) ア…アア……

(;^ω^) 「……大丈夫かお? 自分が誰だかわかるかお?」

('A`) 「……ダダ、ダ、大……丈夫……」

(;^ω^) 「よ、よかったお──」

('A`) 「……俺の名は暗黒騎士ダークナイト・ドクーオ。七つの龍玉を捜して旅をしている最中だ」

(^ω^) 「大丈夫じゃなかったぁ──────っ!!!」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:31:40.95 ID:4/si0qHhO

从 ゚∀从 「お、成功だ。ちゃんと記憶が戻ってるな」

(;^ω^) 「この記憶違わね? 前世かなんかの記憶とかじゃね?」

('A`) 「ぐわッ……、静まれ、我が聖剣カラドボルグよ!」

ξ゚听)ξ 「クックック……、皇かなる無法の闇と恐れられた貴方が無様なものね──」

( ゚ω゚) 「ツン────っ!?」

从 ゚∀从 「ついでにビリっとイってみました」

( ゚ω゚) 「何してんの?」

('A`) 「貴様は、光と闇の狭間に揺蕩う翡翠の搦め手、ツン・ザ・フォルティッシモ!!!」

(;^ω^) 「うっわー、さすがに引くわー……」

川 ゚ -゚)

( ^ω^) 「仲間になりたそうな目で見んなお」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:33:14.70 ID:JWXBUw/H0

从 ゚∀从 「というわけで、2人は何か最終戦争的なバトルを繰り広げながらどっか行きました(笑)」

川 ゚ -゚) 「2人へのごほうび(笑)」

( ^ω^) 「肝心のクーの記憶は戻る気配なし」

ガァァァッチャァッリーーーーーーーッ!!!
ノパ听)ノシ 「大丈夫かぁぁぁっ!!! ねえちゃぁぁぁぁぁーんっ!!!」

( ^ω^) 「お、ヒートちゃん、おいすー」

ノパ听)ノシ 「内藤先輩ぃぃ、おいすぅぅぅーっ!!!」

( ^ω^) 「病院なんで静かにね」

ノパ听) 「わかりましたぁぁぁぁーっ!!!」」

(;^ω^) (わかってねぇ……)



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:35:13.38 ID:JWXBUw/H0

从 ゚∀从 「なんだ、クーんとこのチビジャリじゃねーか。見舞いか?」

ノパ听) 「あ、バカ岡先輩、コンニチワ」

从# ∀从 「あ?」

ノパ听) 「あれ? 挨拶も出来ないんですか? あ、スミマセン、言葉わかんないんでしたっけ?」

从#゚A从 「てめぇぇぇぇぇーっ、今日こそはコロス!!!」

ヒソヒソ
(;^ω^) 「ちょ、クー、あの2人仲悪いのかお?」
ヒソヒソ
川 ゚ -゚) 「いや、私に聞くなよ」
ヒソヒソ
(;^ω^) 「そうでした、すまんこ」


( ^ω^) 「ちょ、ヒートちゃん?」

ノパ听) 「はいぃぃぃぃっ!!! なんでしょうぅぅぅぅっ!!!」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:35:35.10 ID:4/si0qHhO

(;^ω^) 「えーっと、ハインのこと何かその、嫌い?」

ノパ听) 「そんなことないですよぉぉぉっ!!!」

从#゚∀从 「俺はてめえが嫌いだ」

ノパ听) 「毛ほども興味ないだけです」

从#゚皿从 「ブッコロス」

∩川 ゚ -゚)∩ 「私のために争うのはやめてー」

( ^ω^) 「お前、何言い出しちゃってんの?」

川 ゚ -゚) 「女が一度は言ってみたい台詞ベスト30。そこの雑誌に書いてあった」

ノハ///) 「ね、ねーちゃんがそういうのなら……」

从//∀/从 「チッ……、しゃーねーなあ……」


(^ω^)




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:37:08.66 ID:JWXBUw/H0

( ^ω^) 「え? その、え? マジで?」

川 ゚ -゚) 「さすがの私もこれは引くわー」

ノハ///) 从//∀/从

(^ω^ ) 「何か僕、お邪魔っぽいから帰r──」

川;゚ -゚) 「今、お前に帰られたらガチでやべーっぽいから絶対帰るなよ?」

ガチャリ
(*゚ー゚)人(*゚∀゚) 「「やっほー」」

( ^ω^) 「お、しぃちゃんにつーちゃん、おいすー」

川 ゚ -゚) 「この2人は?」

(*゚ー゚) 「しぃでぇーっす」

(*゚∀゚) 「つーでぇーっす」

(*゚ー゚)人(*゚∀゚)「「二人合わせて──」」

(//ー/)(//∀/) 「「百合ユリシスターズでぇーす」」

川;゚ -゚) 「マジで帰れ。即帰れ」



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:39:20.55 ID:JWXBUw/H0

ガチャリ
∀/从彡 ポイッ

ガチャリ
//)彡 ポイッ

ガチャリ
/ー/)彡 ポイッ

ガチャリ
/∀/)彡 ポイッ


川;゚ -゚) 「ふう……」

(;^ω^) 「……正直記憶どころの騒ぎじゃねーですおね」

川 ゚ -゚) 「記憶がないというのは中々恐ろしいものだな」

(;^ω^) 「そういうもんかお? 僕にはわからんお」

川 ゚ -゚) 「まあ、なくしてみないとわからんだろうな」


そして、その後も──



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:39:33.61 ID:4/si0qHhO

ガチャリ
( ´_ゝ`)ノ 「見舞いに来たよ、クーちゃん」
(´<_` )ノ 「流石だよな、俺達」

川 ゚ -゚) 「あれは?」
(;^ω^) 「えーと、薔薇バラブラザーズ?」

(´<_` ) 「え、何その扱い?」
( //_ゝ/) ポッ

(´<_` ) 「え?」

ガチャリ
(,,゚Д゚) 「見舞いに来たぞゴルァ」
ミ,,゚Д゚彡 「大変だったなゴルァ」

川 ゚ -゚) 「あれも?」
(;^ω^) 「うん、薔薇バラブラザーズかなぁ」

(;゚Д゚) 「いや、流石にそれは……」
ミ;゚Д゚彡 「ねーだろ……」



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:42:58.83 ID:JWXBUw/H0

ガチャリ
( ><)つ 「お見舞いにきたんです」
(*‘ω‘ *) 「ぽっぽ」

ガチャリ
('、`*川ノ 「扉開けづら! 何かいョうって感じになってる私」

ガチャリ
( ФωФ)ノ 「見舞いに来たのである」

ガチャリ
(-_-)
( ゚∋゚)
( ∵)

ガチャリ
从'−'从 「あれれー? 意外とクーちゃん元気そうだよ〜…………チッ」

ガチャリ
( ・∀・)ノ 「見舞いに来たんだからな!」


──たくさんの友達がお見舞いにやって来ました


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:44:43.17 ID:JWXBUw/H0

(;^ω^) 「ほふー……、見舞い来過ぎだろ、常考」

川 ゚ -゚) 「……」

(;^ω^) 「お? 大丈夫かお? 流石に疲れたかお?」

( ^ω^) 「無理もないお。一応病人なんだから──」

川 - -) 「なあ、ブーン……」

川 - -) 「私は確かに記憶を失った。そして戻る気配もない」

( ^ω^) 「……」


川 ゚ -゚) 「だがな、私には私を心配してくれている友達が沢山いる」

川 ゚ -゚) 「それがわかっただけで、私は十分だ」


川 - -) 「記憶なぞ、戻らなくてもいい。また新たに、書き込んでいけばいいのだからな」



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:48:24.33 ID:JWXBUw/H0


( ^ω^) 「クー……」

川 ゚ -゚) 「なーに、すぐ取り戻すさ、前よりいいものをな」

川 ゚ -゚) 「失ったものはたった2つだ。」

( ^ω^) 「2つ? 記憶と……あと何?」


川 ゚ー゚) 「それはな……恋人さ──」



 − 川 ゚ -゚)クーの記憶は書き換えられるようです おしまい−





( <●><●>) 「ちなみに、次の日の朝、クーさんの記憶は普通に戻ってました」



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