1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:17:46.21 ID:d5D4TkQmO

ダメだ……
このままじゃダメだ……

いい加減、俺も現実を見つめなきゃならん時が来た。
いつまでもニートとかダメだろ、JK?

俺だって、真面目に働けば、春が来るたび戸惑ったり出来るはずだ。

リア充の道へ踏み出すんだ。


ミ'A`シ 「というわけで新生活をはじめようと思う」

(゚、゚トソン「キモいの1点張りなので髪を切って下さい、お兄さま」



 − ('A`)が部屋を借りるようです −


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:19:52.67 ID:d5D4TkQmO

('A`)「髪切られました」

(゚、゚トソン「何故突然、そのようなこと仰られたのです?」

('A`)「まあ、あれだ、俺もこのままじゃいけないと思い、心を入れ替えただけだ」

(゚、゚トソン「どうせ不純な動機なのでしょうね。俺も春が来るたび戸惑いたいZE!とか」

(;'A`)「そ、そんなことねーYO!」

(゚、゚トソン「春が来るたび現実から逃げ惑うだけだったくせに小賢しいですよね」

(゚、゚トソン「取りあえず、お兄さまが部屋から出られただけでも多大な進歩なのでそこは良しとしましょう」

('A`)「というわけでだ、まずは住むところを探すことからはじめようと思う」

(゚、゚トソン「働いてもいないのにですか?」

(;'A`)「住所不定だと採用されにくいじゃないか」

(゚、゚トソン「実家住まいなら関係ないかと」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:22:05.05 ID:d5D4TkQmO

(;'A`)「か、環境が変われば俺のやる気も鰻登りに……」

(゚、゚トソン「当面の家賃は親持ちですか? どうしようもないクズですね」

(;A;)「お、俺、引っ越して、心入れ替えて……」

(゚、゚トソン「どうせ不純な(ry まあ、よいでしょう。私も、お兄さまが出て行くことにはやぶさかではありません。
     むしろ大歓迎です」

(;A;)「ほ、ホント? 俺、1人暮らししてもいいの?」

(゚、゚トソン「ええ、私はお兄さまの1人暮らしを応援します。即刻出て行く事をお勧めします」

(;A;)「うう、トソンはやさしいなー。俺、がんばって出て行くよ。……あれ?」

(;'A`)「何か微妙におかしくね?」

(゚、゚トソン「どこも。お兄さまは1人暮らしをしたい。私は応援する。どこもおかしくありません」

('∀`)「そっかー、そうだよねー、ごめんねー、かわいい妹を疑ったりして」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:24:09.82 ID:d5D4TkQmO

(゚、゚トソン「気にしてませんから、さっさと出て行ってください(応援)」

('∀`)「うん、俺、出て行くよー」

・・・・
・・・

(゚、゚トソン「……で、何でまたここにいるんですか?」

(;A;)「ふ、不動産屋……、1人で入れない……」

(゚、゚トソン「全く……、このクズが(応援)」

(;A;)「ごめんね、せっかく応援してもらってるのにごめんね」

(゚、゚トソン「1人で入れないなら、お友達についてきてもらえばよいではありませんか」

Σ(;A;)!!!


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:26:23.61 ID:d5D4TkQmO

(;A;)「トソンは今、ヒドい事を言いました」

(゚、゚トソン「(うぜえ)なんでしょうか?」

(;A;)「お兄ちゃんに友達がいると思ってるのか?」

(゚、゚トソン「……失礼致しました。全く持って正論でございます。この度はわかりきった事を申し上げて、
     お兄さまの心を深く傷付けた事を心よりお詫び申し上げます」

(;'A`)「あ、いや、冗談だったんだけどさ。1人ぐらいいるから。お兄ちゃんにも友達1人ぐらいはいるから」

(゚、゚トソン「御無理をなさらずに……」

(;'A`)「そいつ社会人だから。ただ忙しいだけだから。これないだけだから」

(゚ー゚トソン「ええ、わかりました、そういうことにしておきましょう」

(;'A`)「何、その慈しむようで哀れんだ微笑は?」

・・・・
・・・


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:29:48.85 ID:d5D4TkQmO

(゚、゚トソン「そういうことならまあいいでしょう。まことに不本意ではありますが、一応は肉親の頼みです。
     聞かないこともありません」

(゚、゚トソン「私の、ほんのささやかなお願いを聞いていただければのお話ですが」

('∀`)「かわいい妹の頼みなら、お兄ちゃんなんでも聞いてあげるよ。ドゥフフフフwww」

(゚、゚トソン「そうですか。では──」

('∀`)「何かな〜? 何か買って欲しいのかな〜? お兄ちゃん初任給でプレゼントしちゃうぞ〜wwwwww」

(゚、゚トソン「受取人を私宛てで生命保険に入ってください」

('∀`)「……」

('A`)「……え?」

(゚、゚トソン「出来れば、死に方問わずのやつに。自殺でも払われるような」

(;'A`)「……え?」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:35:04.11 ID:d5D4TkQmO

(;'A`)「何それ? その、妙に生々しいお願いは?」

(゚、゚トソン「単なる保険です」

(;'A`)「え、う、うん、生命保険だしね」

(゚、゚トソン「お兄さまに何かあって、失意の私が生きていけなくなってしまった時のための保険です」

('∀`)「そ、そうだよね、お兄ちゃんが死んだら妹はショックで生きていけないよね」

('∀`)「わかった、俺、生命保険に入るよ!」

・・・・
・・・

(゚、゚トソン「といったわけで不動産屋です」

(;'A`)「ね、ねえ、さっきの保険屋さん、何か変じゃなかった?」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:38:29.10 ID:d5D4TkQmO

(゚、゚トソン「どの辺がですか?」

(;'A`)「今時の保険屋さんは、身体のパーツ単位での譲渡先とかそんなもの決めんの?」

(゚、゚トソン「お兄さま、僭越ながら言わせてもらえますが、お兄さまは長く引き篭もっておられたので、多少、
     世間の常識に疎い部分が御有りなのですよ」

(;'A`)「そっかー、俺が世間知らずなだけだったんだー。最近の保険屋さんは前金とかくれるんだー
    初めて知ったよ」

(゚、゚トソン「また1つ賢くなられましたね、お兄さま」

(゚、゚トソン「さあ、このお店に入りますよ」

ガチャ

( <●><●>)「いらっしゃいませ。あなた方が物件をお探しなのはわかってます」

(゚、゚トソン「1番安い物件1つ」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:41:21.98 ID:d5D4TkQmO

(;'A`)「ちょ、ちょっと待ってくれないかな、妹よ?」

(゚、゚トソン「なんですか?」

(;'A`)「こういうものって、希望とか色々聞かれるものじゃないの?」

(゚、゚トソン「お兄さまの人生にこの先、希望などあるとでも?」

(;'A`)「え? 人生単位で? い、いや、あるよ、きっと、多分……」

(゚、゚トソン「いい歳して大学へも行かず、履歴書に書く職歴、資格ともに真っ白で、年金すら払っていないお兄さまに?」

(;'A`)「あれ? 年金は親が……」

(゚、゚トソン「私が独断で支払いを止めさせました」

(;'A`)「ええ? 何で!? 何でそんなこと独断で決めちゃってんの?」

(゚、゚トソン「昨今は不況の時代です。家計にしてもそれは然り。無駄のものから削減して行くことが必要でしたので」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:44:50.11 ID:d5D4TkQmO

(;'A`)「ええ? 俺の老後は無駄なものなの!?」

(゚、゚トソン「一概にそうとは言いませんが、男の人生などは太く短くが格好良くありませんか?(応援)」

(;'A`)「いや、応援されても、意味わかんないから」

(゚、゚トソン「ならば言い換えましょう。美男薄命……と」

('∀`)「なんだ、そう言うことかー。もう、美男とか、お兄ちゃん照れちゃうなー。それなら仕方ないかー」

( <●><●>)「それで、人生の御希望は無しとして、物件の御希望はございますか?」

(゚、゚トソン「とにかく安いやつで」

(;'A`)「いやいや、そっちはもうちょっと何かあるんじゃないかなーとお兄ちゃんは思うんだけど……」

、(゚、゚トソン「チッ、仕方ないですね、では、屋根付き、床付き、壁付き、扉付きで1番安い物件を──」

(;'A`)「いやいやいやいや、それ付いてない物件の方がないでしょ? そういうことじゃなくて──」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:48:16.52 ID:d5D4TkQmO

( <●><●>)「屋根がなくてよろしいなら、ちょうど手頃な物件がございますが?」

(゚、゚トソン「まあ、仕方ないですね。そこは譲りますので、その物件を──」

(;'A`)「あんの? 屋根なし物件って何? というか妹よ、そこは譲らないで欲しいんだけど?」

(゚、゚トソン「屋根なんて飾りですよ」

(;'A`)「いや、飾りじゃないから。雨とか防ぐから」

(゚、゚トソン「いちいち注文の多いクズですね。では、どんな御希望がおありなのですか?」

(;'A`)「ク……? いや、そんな大した希望はないんだけどさ、ほんのささやかにはあるよ」

(゚、゚トソン「では、ためしに言ってみてください。聞く振りぐらいはするかもしれません」

(;'A`)「せめて聞いてよ」

( <●><●>)「取りあえず仰ってみてください。聞く振りはしますので」

(;'A`)「お前は聞けよ! 不動産屋だろ!?」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:51:04.12 ID:d5D4TkQmO

(;'A`)「じゃ、じゃあ、とりあえず……」

('∀`)「広さとか普通でいいんだけどさ、駅に近くて、コンビニに近くて
    風呂があってエアコン付いてて、ベランダがあって風通しが良くて
    あと、管理人さんが女性だったりするといいなー
    まだ、仕事になれてない感じで、ちょっとどじっ娘で、でも、責任感は強くて
    それで、隣の部屋もかわいい女性が住んでて、で、その娘が、間違って鍵掛けて
    なかった俺の部屋に入ってきたりのドッキリハプニングがあったり、
    最初はちょっと仲が険悪なんだけど、次第に──」

( <●><●>)「それがダウトなのはわかってます」

(゚、゚トソン「クッ、なかなかやりますね、不動産屋さん」

(;'A`)「やっぱり聞く振りすらしてねー!!!」

(;'A`)「しかも何? トランプ? 2人ダウトとか絶対終わんないから! クリア不能だから!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/05(水) 23:54:56.43 ID:d5D4TkQmO

(゚、゚トソン「あ、終わりました? では、不動産屋さん、先ほどのお兄様の希望を踏み躙って──」

(;'A`)「踏まえてよ! 難しい漢字使えば俺がわかんないと思ったかもしんないけど、踏みにじらないでよ!」

( <●><●>)「ではこれなど如何でしょう?」

( <●><●>)「駅、コンビニに近く、風呂、エアコン完備、8Fなので風通しもよく、管理人さんは女性です」

('∀`)「なんだ、ちゃんと聞いてんじゃん、不動産屋さんも意地が悪いなぁー」

( <●><●>)「──が、床がありません」

(;'A`)「ええぇー?」

(゚、゚トソン「仕方ないですね。そこは譲りましょう」

(;'A`)「いや、だからそこは譲らないでよ。こだわってよ、妹よ」

(;'A`)「てかこれあれじゃん、建設途中じゃん? 骨組みの鉄骨オンリーじゃん」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:01:07.36 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「いえ、これで完成です。発注主が潰れたので、以降、工事の予定がありません」

(;'A`)「それ、未完成だよね? てか、壁とか屋根とかブルーシートじゃん。
     管理人さん明らかに現場からコンバートしたガタイだよね?」

(゚、゚トソン「お兄さま、希望の内からいくつかは妥協しなければならないもの出て来るのは仕方のないことですよ?」

(;'A`)「俺の希望全部妥協するから、壁とか屋根とか床とか扉は付けてください、お願いします」

( <●><●>)「……失礼ですが、勤め先は御決まりですか? なるべくなら、職場に近い方が何かと便利ですよ?」

(゚、゚トソン「恥ずかしながらまだ決まってない上に、これから先も全く決まる予定がありませんので」

(;'A`)「あるよ! これから先はちゃんとあるから!」


(゚ー゚トソン「ええ、わかりました、そういうことにしておきましょう」

(;'A`)「だから、その微笑みは止めてよ。心折れそうになるから」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:04:06.00 ID:KsIWzTt4O

(゚、゚トソン「しかし、その点を失念していましたね。盲点でした」

(゚、゚トソン「……不動産屋さん、少々わかりにくい注文で恐縮なのですが」

( <●><●>)「なんでしょう?」

(゚、゚トソン「その、いわゆる、なるべく人通りが少なく、近所付き合いの少ない物件で、孤独死し易い部屋というのは──」

(;'A`)「わかりやす!!! めっちゃわかりやす!!!」

( <●><●>)「ございますね。ただ、壁と屋根と床は付いていますが扉と窓がございません」

(;'A`)「密封!? どうやって入んの? てか、孤独死し易そうだよねー!!!」

(゚、゚トソン「せっかくお兄さまが引き篭もりやすい、失礼、職場に近い物件をと考えてみましたのに」

(;'A`)「引き篭もらないから! 自宅警備員じゃなくてちゃんと働くから!!!」

( <●><●>)「では、御希望の職種などございますか? 予め、そういった会社の多い界隈に住むというのもありますよ?」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:06:50.21 ID:smoKvJT7O

(;'A`)「え、希望の職種……?」

(゚、゚トソン「……」

('A`)「……」

( <●><●>)「……」

('A`)「……」

(;'A`)「……ま、まあその方向から考えるのは止めとこうよ」

、(゚、゚トソン「チッ……、クズが……」

┐( <●><●>)┌ フーッ

(;'A`)「不動産屋は自重しろよ、俺は客だろ?」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:09:43.54 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「では、こちらからお勧めの物件を上げていきましょう。そうして行くうちに御自分の御希望も固まるでしょう」

(゚、゚トソン「うちの愚兄が御手数をお掛け致します」

(;'A`)「うん、取りあえずようやく普通の流れになってきた気がするから文句は言わない」

( <●><●>)「では、この写真の物件など如何でしょう?」

(;'A`)「……え? 何これ? すごく普通! 壁も屋根も床も扉もあるよ! ……あれ? この扉の傷みたいなの何?」

(゚、゚トソン「弾痕ですね、これは。この大きさからすると30口径、トカレフクラスですかね」

(;'A`)「何でそんなに詳しいの? 妹の口から口径なんて言葉聞くとは思わなかったよ!」

(゚、゚トソン「ということは──」

( <●><●>)「はい、御隣さんは興務店(仮)ですね」

(;'A`)「え、それって、あれ? 今日からヤの付く自由業の人達?」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:12:20.98 ID:smoKvJT7O

(゚、゚トソン「譲りましょう」

(;'A`)「いやいやいやいや、譲らないでよ!」

(゚、゚トソン「これ掘り出し物ですよ。いわゆる、訳有り物件でしょうが、どうせ引き篭もるお兄さまには余り関係ありません」

(;'A`)「だから、引き篭もらないって! 掘り出し物じゃなくて彫り物だらけだよ!」

( <●><●>)「折り目正しい方々ばかりですよ? ちゃんとお礼には参られますし」

(;'A`)「それ、意味合い違くね?」

( <●><●>)「お気に召されませんか」

(゚、゚トソン「申し訳ありません、身の程をわきまえないクズで」

(;A;)「クズでいいから別の物件をお願いします」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:15:03.93 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「では、こちらなどは如何でしょう?」

(;'A`)「屋根、床、壁、扉、窓オッケー、その他不思議な傷はなし」

(;'A`)「割と普通ですね。部屋のカラーリングがちょっと赤とか鮮やか過ぎて俺のイメージに合わないけど」

( <●><●>)「白なんですけどね、元は」

(;'A`)「元!?」

( <●><●>)「いくら張り替えても染み出てくるんですよね、何か赤いものが」

(;'A`)「それはあれか、あれだな?」

(゚、゚トソン「リンゴジュース?」

(*'A`)「チクショー、ここに来て何だその、かわいらしい発言は? お兄ちゃんちょっとトキメいちゃったよ?
    リンゴジュースは赤くないけども」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[はいはい猿猿]2008/11/06(木) 00:35:06.05 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「どちらかといえばトマトジュース的なものですね」

(;'A`)「やっぱりか、あれだな、この部屋は憑かれ易い──」

( <●><●>)「('A`)はつかれやすい体質のようです(笑)」

(;'A`)「体質関係ないから! むしろ部屋オンリーの問題だから!」

(゚、゚トソン「('A`)はつかえない体質のようです」

(;'A`)「それヒドくね? 妹の発言としてはヒドすぎね?」

(゚、゚トソン「体質は関係ありますけどね」

(;A;)「お兄ちゃんがんばるから! 心入れ替えてがんばるために部屋探しに来たんだから!!!」

( <●><●>)「これもお気に召されませんか」

(゚、゚トソン「折角の掘り出し物を……」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:38:05.66 ID:smoKvJT7O

(;'A`)「どう考えてもそれ、寿命縮むでしょ?」

(;'A`)「て言うか、やけに死亡率の高そうな物件ばっかり勧めてね?」

( <●><●>)「死亡率などただの数字です」

(゚、゚トソン「打ち勝ってこその生。お兄さまはそう思われませんか?」

(;'A`)「いや、言ってることはカッコいいけど、何で日常生活で生死をかけなきゃなんねーの?」

(゚、゚トソン「お兄さまの人生にかける思いはそんなものですか?」

(;'A`)「人生にかけるものはないけど、かかっているものはあるなー、主に生命保険的な」

( <●><●>)「気を取り直して、こちらの物件など如何でしょう?」

(;'A`)「なになに……、屋根とかオッケー、職付き、毎日美味しい海産物が食べられます──」

(;'A`)「これ船じゃん! 漁船じゃん!」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:41:55.75 ID:smoKvJT7O

(゚、゚トソン「職付きとは一石二鳥ですね」

(;'A`)「何で不動産屋がマグロ漁船とか斡旋してんの?」

( <●><●>)「……聞きたいですか?」

(;'A`)「は?」

( <●><●>)「……不動産屋とは本来どういったものか聞きたいですか?と聞いています」

(;'A`)「いえ……聞きたくありません」

(゚、゚トソン「譲りましょう」

(;'A`)「何を!? もう何かどうでも良くなってない、妹よ?」

(゚、゚トソン「失礼な。最初からどうでもいいですよ(保険を掛けた時点で)」

(;A;)「聞きたくなかった本音だなー」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 00:45:05.44 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「大丈夫ですよ、本当に聞きたくなかった本音は聞こえてませんから(括弧内の言葉はね)」

(;A;)「え?」

( <●><●>)「では、こちらなど如何でしょう?」

・・・・
・・・

( <●><●>)「これもお気に召されませんか」

(゚、゚トソン「無駄飯食らいの分際でどこまで引っ張るおつもりですか?」

(;'A`)「これだけ見て、まともな物件が1つもなかったこの不動産屋がある意味すごいと思うけど」

(゚、゚トソン「じゃあ、これまでのやつからアミダで決めましょうか」

(;'A`)「もう、めっちゃ投げやりだね、妹よ」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[さるしね]2008/11/06(木) 01:08:17.42 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「では、最後の取っておきを──」

(;'A`)「え、なになに……、屋根とか……オッケー、床面積は……普通より広いね」

(゚、゚トソン「御風呂等もありますね。立地条件も悪くありませんね」

(;'A`)「空調は……各階完備。部屋は1〜16階?」

(;'A`)「あれ? これ表記ミスですか? この書き方だと、1階から16階までの部屋全てみたいじゃないですか?」

( <●><●>)「ええ、その通りです」

(゚A゚)「mjd!?」

(;'A`)「え、でも床面積は普通ですよね?」

( <●><●>)「こういう言葉を御存知ですか? 立って半畳、寝て1畳。
       人間はこれだけのスペースがあれば暮らしていけるのです」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 01:28:16.90 ID:smoKvJT7O

( <●><●>)「我々はそれをさらに突き詰めました。立って寝れば、全部半畳で済むんじゃね?と」

(゚、゚トソン「なるほど。つまりこの物件は……」

( <●><●>)「はい、半畳の部屋の16階建てです」

(゚A゚)「エエエエエエエエ!!!」

(゚、゚トソン「素晴らしい発想ですね。これならば、狭いスペースにも建造できますし」

( <●><●>)「外に梯子がありますので、移動はそれで。16階もあれば、部屋の役割を様々に振り分けられます」

(゚、゚トソン「もうこれに決めるしかないですね」

(;'A`)「あ、うん、意外といいかも知れない」

(゚д゚トソン(<●>д<●> )「エエエエエエエエ!!!」

(;'A`)「え? ってか不動産屋さんキモいだろ、それ」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 01:34:20.13 ID:smoKvJT7O

(゚、゚;トソン「本気ですか?」

('A`)「うん、結構いい発想じゃない?」

(;<●><●>)「1部屋1部屋は狭いですよ?」

('A`)「俺、かなり細い方ですし」

('A`)「これに決めるよ」

('A`)「2人とも、ありがとう、こんな俺に付き合ってくれて。俺これからの人生はがんばって生きてみるよ」

(゚、゚トソン「お兄さま……」

( <●><●>)「わかりました……。では、御契約いたしましょうか」

('∀`)「よろしくお願いします」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/11/06(木) 01:42:49.09 ID:smoKvJT7O

・・・・
・・・

「次のニュースをお知らせします。本日未明、強風により若手桝興産所有の16階建てマンション(笑)
 が倒壊いたしました。中に住んでいたと思われる──ピッ」

【(゚、゚トソン「あ、もしもし、口座の確認をお願いしたいのですが──そうですか、わかりました」

(゚、゚トソン「振り込まれていないところをみると無事みたいですね。ならば見舞いに行く必要もありませんね」

・・・・
・・・

( <●><●>)「これは盲点でしたね、ハッハッハ」

(メメメ'A`)「ハッハッハ、じゃねーよ!!!死ぬかと思ったわ!!!」


 − ('A`)ドクオは賃貸物件の被害者にされたようです 終わり −

(;'A`)「タイトルちげーってか、やべー!!!!!!」

 おしまい


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