- 3 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:30:06.27 ID:K03fxvWJ0
− 第四章 友と私とうさぎさん −
〜 第一話 〜
こんにちは、都村トソンです。
入学式から2週間ほどが経ち、大学生活のリズムにもだいぶ慣れてきました。
授業の履修は、先輩方から頂いた紙片を参考に、それに自分の興味を加味して選択しました。
とは言え、1年時は必修科目が多いらしく、それほど選択幅もないようでしたが。
どこかのアホが、みんないっしょの方がノートの貸し借りとか楽じゃね?とか言っておりましたが黙殺しました。
貸し借りではなく、貸しの一点張りになりそうな予感が拭えませんでしたので。
(゚、゚トソン 「出欠の確認は取れましたか?」
ミセ*゚−゚)リ 「出……血……?」
(゚、゚トソン 「デレ?」
ζ(゚ー゚*ζ 「何の?」
- 4 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:32:05.14 ID:K03fxvWJ0
悪い予感というものは概ね当たるものですね。なんでしょう、このWボケはコンビは……。
川д川 「今日の新歓コンパの出欠確認では?」
そうです。本日は新入生歓迎コンパ、略して新歓コンパが開催されます。
基本的に1年生は全員参加ですが、出欠の確認は取るように2人ともヘリカル先輩に言われてたはずですが。
ζ(゚ー゚*ζ 「ああ、そうだった、そうだった」
ミセ*゚ー゚)リ 「えぇ? 全員出席なんでしょ? 別に取る必要ないでしょ?」
川д川 「どうしても外せない用事がある人もいるかもしれないし、それに、急に来れなくなった時の
対処や連絡先も話しておく必要があるんじゃないかな?」
あれから、貞子さんとも行動を共にするようになりました。縁は異なもの味なもの、男女ではないので誤用ですが、
そういった奇妙な縁でしたが、付き合ってみると中々話しやすく、デレ曰く、この中で一番常識人らしいです。
少々腑に落ちない点がないわけでもありませんが、確かに、貞子さんはこうやってフォローを入れてくれる常識人ですね。
私達以外には相変わらずの人見知りではありますが。
- 5 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:34:02.48 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚*ζ 「ミセリちゃん、めんどくさがらずにちゃんとやろうよ」
ミセ*´д`)リ 「はいはい、わかりましたよ」
現在はお昼の休憩時間。私達4人は早めに次の授業の講義室に入っておしゃべりの最中でした。
幸いにも次の授業は必修科目なのでクラスの皆は集まるはずです。
幸いと言いましたが、それがわかってたから今、話を切り出したんですけどね。
デレとミセリは既に講義室に来てる同級生のもとに歩いていきました。
(゚、゚トソン 「どうされました?」
ふと横を見ると、貞子さんはなにやら微笑んでいます。
顔を覆うように伸ばしている髪のせいで、表情はわかりづらいですが、最近は何となく雰囲気で察せられるようになってきました。
川д川 「いえ、相変わらずだなぁーって……」
(゚、゚トソン 「ええ、相変わらずです」
貞子さんと行動を共にし始めた当初、言われたことは、トソンさんってお2人の保護者みたいですね、でした。
- 7 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:36:22.28 ID:K03fxvWJ0
不本意ながら、多少は自覚があります。
ミセリはいわずもがなアレですが、デレもミセリといると、そっちの方に引っ張られがちで、時折色々とやらかしてくれます。
もともと少々天然風ではありましたが……。
さすがに放っておくわけにも行かず、結果、私が事態収拾に当たることになります。
ミセリ1人なら躊躇いなく放置ですが。
(゚、゚トソン 「まあ、少しは変わりましたけどね」
川д川 「そうなんですか?」
(゚、゚トソン 「いえ、あの2人がではなく……」
私達の全体の関係が、という意味で少し変わりました。貞子さんのおかげで私の負担が減っています。
そういった事を貞子さんに伝えると、
川*д川 「そう言ってもらえると、なんだか嬉しいです」
というような事を言って頬を染められました。ちょっとかわいいです。
- 8 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:38:08.34 ID:K03fxvWJ0
ほどなくして、デレとミセリの2人は戻ってきました。全員出席とのことです。
参加費用も先輩&教官持ちとのことですし、今後の人間関係も含めて、参加しないメリットがないんですから、
当然といえば当然なのかもしれません。
ただ、問題があるとすれば──
・・・・
・・・
ミセ*゚ー゚)リ 「いやっほぅ、タダ酒が飲めるぞー!!!」
授業も終わり、私達は駅前の繁華街に来ています。
新歓コンパはこの辺りの店で行われるらしいです。
ζ(゚д゚;ζ 「うぇ? 私達、未成年だよ?」
ミセ*゚ー゚)リ 「ところがぎっちょん、大学生はお酒の席では未成年じゃないんだなーこれが」
アホが何か言ってますが、今回の件に関しては、あながち間違いでないのが頭の痛いところです。
私が何か言う前に、貞子さんがやんわりとデレにその意味を説明してくれています。
- 9 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:40:08.74 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚;ζ 「トソンちゃんは知ってたの?」
(゚、゚トソン 「そういうものだとは聞き及んでおりました」
ある意味、今日のコンパは大学生にとって試金石みたいなものでしょうね。
お酒が飲めるか飲めないか、強いか弱いか、飲むとどうなるか等々。既に嗜んで来た人は別として。
ζ(´д`;ζ 「ええ……、あんまり飲みたくないなぁ……」
ミセ*゚ー゚)リ 「何言ってんの、デレ! 男は度胸、何事も試してみるもんさ?」
ζ(゚ー゚;ζ 「男ではないけどね」
デレの気持ちはわかります。かく言う私も余り気が進みませんしね。
ふとそこで、先ほどからもう1人が黙りこくっていることに気付きました。
(゚、゚トソン 「大丈夫ですか、貞子さん?」
川д川 「…………え?」
- 10 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:43:27.67 ID:K03fxvWJ0
ミセ*゚ー゚)リ 「緊張してんの、貞ちゃん?」
川д川 「い、いいいえ、そ、そそそそそんなことは……」
明らかに緊張されています。私達には慣れたというだけであって、
貞子さんの人見知りが本質的に解決されたわけではないですからね……。
こういった集まりは苦手とされるところでしょう。
逆に言えば、こういうことに積極的に参加して、少しずつ慣れて行くのも手なのでしょうが。
ミセ*゚ー゚)リ 「大丈夫、大丈夫、お酒飲んで何もかも忘れて、ひゃっほーいってね」
(゚、゚トソン 「お酒の力で克服してもしょうがないでしょうに」
川д川 「あうあう……」
(゚、゚トソン 「大丈夫ですよ、貞子さん。なるべく私やデレがそばにいますから」
ミセ;゚ー゚)リ 「あれ? 私は……?」
- 12 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:48:18.64 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚*ζ 「貞子ちゃんは、私とトソンちゃんの間に座ろうねー」
ミセ;゚ー゚)リ 「あれ、わた──」
ドゴォォォ! ゲフゥッ!!!
/ ゚、。 /┌┛#)д゚)リ.・。 ’
*(‘‘)* 「てめーらそろってやがるですか?」
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、ヘリカル先輩、ダイオード先輩、こんにちは〜」
*(‘‘)* 「トソン?」
(゚、゚トソン 「何故私に聞かれるのか疑問なのですが、もう2名ほどが来てませんね」
*(‘‘)* 「その方が手っ取り早いからですよ」
不本意ですが、そうですね、と頷かざるを得ません。
時間までもうちょいあるから、ここで待つと言うヘリカル先輩の言葉に従い、私達はまた雑談に耽ります。
- 13 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:49:56.62 ID:K03fxvWJ0
ミセ*;ー;)リ 「何で私が蹴られてる事にはスルーなの?」
(゚、゚トソン 「え?」
ミセ;゚ー゚)リ 「心底不思議そうな顔すんなよ」
ミセ;゚ー゚)リ 「てか、ヘリカル先輩、ダイオード先輩に蹴らさせないで下さいよ」
*(‘‘)* 「うるせーですよ、私じゃてめーの顔面に届かないから止む無くですよ」
ミセ;゚ー゚)リ 「何で蹴る前提で、しかも顔面一点狙いなんですか」
/ ゚、。 / 「蹴りたい……頭?」
ミセ*;ー;)リ 「ダイオード先輩の蹴りは正直シャレになんないから勘弁してください」
まあ、確かに、長身のダイオード先輩の蹴りの威力は中々のものでしょうね。
ダイオード先輩は何かスポーツをやってらっしゃるのか、普段の鷹揚とした感じからは想像できない鋭い蹴りを放たれます。
*(‘‘)* 「んじゃ、次からはずっと座ってやがれです。そしたら私が蹴りますから」
- 14 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:52:16.66 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚*ζ 「仲良きことは美しきかな」
川д川 「麗しの師弟愛ですね……」
ミセ;゚ー゚)リ 「何か色々違ーーーう!!!」
(゚、゚トソン 「何だかんだで、まだ余裕ありますね」
/ ゚、。 / 「次から……本気出す……」
ミセ*;ー;)リ 「かんべんしてくださぁーーーい!!!」
〜 第一話 おしまい 〜
− つづく −
- 16 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:54:17.72 ID:K03fxvWJ0
〜 第二話 〜
(゚、゚トソン 「先輩方はそう多いというわけではないのですね」
/ ゚、。 / 「自由参加……だから……。カンパだけ……のも……」
今日のコンパは大体40人程度の学生が参加している模様です。
1年生全員と、各学年の総代2名、その他が自由参加組ということですね。
後から教授方も参加されるそうなので、もう少し人数は増えそうですが。
ζ(゚ー゚*ζ 「トソンちゃん、ここ座ろー」
*(‘‘)* 「あー、トソン?」
そんな事を考えてると、ほぼ同時に2人から声がかかりました。
私はデレにちょっと待って、と合図をして、ヘリカル先輩の方に行きます。
ヘリカル先輩は、多少たわいもない話をされてから、少々言い難そうに本題を切り出されました。
- 18 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:56:43.29 ID:K03fxvWJ0
*(‘‘)* 「自由参加してる暇な先輩方の中にはですね、色々と下心のある方もいるんですよ」
もちろん、眼に余る方には参加は控えてもらってるし、今回も目に付いたらやんわりと制しますが、と、言葉を続けられました。
/ ゚、。 / 「慣れないお酒……飲み方わからず……暴走……過ち」
なるほど。その辺りを自主的にも気を付けろということですね。
もちろん、自由恋愛として、単に仲良くなるのはかまわないのでしょうが、
その場の勢いで、というのは好ましくないのかもしれませんね。
*(‘‘)* 「特に──」
ζ(^ー^*ζ
(゚、゚トソン 「──デレですね」
私達の中では、デレが1番目を引くでしょうね。同性の眼から見てもかわいいですし、雰囲気が1番女の子らしいです。
そしてちょっと抜け──天然気味なとこがあり、見ていて危なっかしいのかもしれませんね。
*(‘‘)* 「まあ、お前は大丈夫でしょうけど──」
(゚、゚トソン
- 19 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 21:58:41.34 ID:K03fxvWJ0
*(;‘‘)* 「い、いや、声かけるやつがいねーって言ってる訳じゃねーですよ?」
しっかりしてるからって意味でですよ、とフォローするヘリカル先輩の言葉が私の耳に空しく響きます。
(゚、゚トソン 「いえ、自分のことは自分が1番わかってますから」
/ ゚、。;/ 「眼が……笑ってない……」
(゚ー゚トソン 「そんなことはないですよ?」
*(;‘‘)* 「と、とにかく頼みましたですよ?」
(゚ー゚トソン 「ええ、謹んでお受け賜り致しました」
*(;‘‘)*/ ゚、。;/ 「「……」」
私は、笑顔と共に先輩方の前を辞しました。
何故かお2人とも、顔色が優れませんでしたが大丈夫でしょうかね?
- 21 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:00:42.76 ID:K03fxvWJ0
ミセ*゚ー゚)リ 「あ、トソン、話は──」
ゲフゥ! ズビシ!
ミセ*゚д(#⊂(゚、゚トソン
ミセ;゚д゚)リ 「え? なに? え!?」
(゚、゚トソン 「別に、動揺をチョップで鎮めただけです」
ミセ;゚д゚)リ 「え? 私? 何か慌ててた?」
( 、 トソン 「落ち着け……私……、自制心自制心」
ミセ;゚д゚)リ 「お前のかよ!」
(゚、゚トソン 「私は、ミセリと軽いスキンシップを交わして、デレの待つ席へ移動しました」
ミセ;゚д゚)リ 「地の文風!? いや、軽くないから! 意味わかんないから!」
- 22 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:02:44.43 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、トソンちゃん、何のお話だったの?」
(゚、゚トソン 「格差社会における、持てる者と持たざる者の絶対的な優位性の差についてです」
ζ(゚ー゚;ζ 「ずいぶんと社会派なお話だったんだねー」
それはもう、と深く頷き、私は貞子さんの隣に座ります。
先ほどのヘリカル先輩の言葉を思い出し、何気なく周囲を伺ってみます。
……確かに視線を感じますね。主にデレに向けられてるものでしょうが。チラチラと見ている方も──
( ゚д゚ )
(゚、゚トソン 「こっちみんな」
ζ(゚ー゚;ζ 「えぇ!?」
(;゚д゚ ) 「え、俺?」
私は、部屋に入ってこられたばかりのミルナ先生と眼が合い、思わず言葉が口をついていました。
- 23 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:05:07.09 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「すみません、言葉の綾です」
(;゚д゚ ) 「そ、そうか?」
ミルナ先生は、少々納得のいかない体の表情でしたが、何故かヘリカル先輩達に強引に連れて行かれました。
大方、主賓席にでも案内されたのでしょうね。
ミルナ先生がいらっしゃったことで、ようやくコンパが始まる模様です。
挨拶やら1年生の自己紹介が終わり、飲んで話すだけ、としか言い様のない時間が訪れました。
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、意外とおいしいかも」
デレは、レモンハイを飲みながらそういいます。ビールは苦くてダメだったようですが、このくらいなら大丈夫みたいですね。
後は変な酔い方をしなければよいのですが……
川д川 「……どうかしましたか?」
(゚、゚トソン 「いえ、貞子さんはお酒お強いのですね、と思ってただけですよ」
川д川 「……そういうトソンさんも、全く変わりないように見えるけど」
(゚、゚トソン 「私は大して飲んでませんので」
- 24 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:10:03.69 ID:K03fxvWJ0
- モギュ モギュ
川д(⊂ミセ*゚∀゚)リ⊃)、゚トソン 「2人とも、飲んでるぅ〜?」
突如として私と貞子さんの間に割って入るアホ1名。
どうやら程よく酔ってるみたいで、かなりのウザいテンションです。
私は、ミセリを張り飛ばす振りの振りをしながら答えます。
(゚、゚トソン 「ほどほどには。余り美味しいとも思えませんが、この雰囲気はそう悪くないかもしれませんね」
川д川 「そうだね。何か話しやすいよね」
よくよく見れば、貞子さんお顔はほんのり赤く、心なしかいつもより饒舌な感じがします。
良い酔い方、とでも言うのでしょうか? 雰囲気も柔らかく、良い感じです。
ミセメ゚ー゚)リ 「んじゃ、いっちょ、貞ちゃんのお話でも聞きましょうかね」
川д川 「え?話?」
きょとんとする貞子さんに、ミセリは続けます。
- 26 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:14:54.04 ID:K03fxvWJ0
ミセ*゚ー゚)リ 「話ってったら、あれだよ、あれ、コ・イ・バ・ナ」
川д川 「コ……イ……バナ?」
ミセ*>∀<)リ 「そーそー! 恋のお話、略してコイバナ。キャーキャー」
ハイテンションで貞子さんに詰め寄るミセリ。貞子さんは言葉の意味を把握できていないのか、ぽかんとされていてます。
しかし、私に振らないのは懸命ですね。
振ってきたら、延々と祖父の家の錦鯉の話でもしてやろうかと思っていたところです。
川д川 「……コイ……恋!?」
川゚д川 「いえいえいえ、恋のお話とかそんな、微塵もありませんから無理です無理、無理無為無理無駄無理無茶」
ようやくその意を理解した貞子さんが、久しぶりにテンパって後退ります。
ミセリがその後を追って話を聞こうとしていますが、まあ、放っておいていいでしょう。
私はデレについているべきでしょうから。
ζ(´ー`*ζ 「そーいやさー、私もお話あったんだよねー。てか相談?」
そのデレが、話しかけてきましたが、いつの間にかえらく酔ってる気がします。
先ほどまではもっとしゃんとしてなかったでしょうか?
- 27 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:16:51.36 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「お金と恋愛の相談以外なら承りますが」
ζ(´ー`*ζ 「あはは、そんなトソンちゃんに相談しても仕方がない話はしないよ〜」
(゚、゚トソン 「……そう……ですか」
お金の相談をされても困りますよね。学生ですし、そういう話が仲が壊れる引き金になるのはよくあることです。
そして恋愛の相談をされても困りますよね、そういう経験のない私に。
学生なのにそういう浮いた話が過去に1つもない私に。
無愛想で高校時代に頂いたあだ名が鉄面皮という私に。
今、この場でも全く男性から話しかけられる素振りのない私に。
川;д川ミセ;゚д゚)リ アワワワワ タイチョウ、ナニヤラドスグロイオーラガミエマス
*(;‘‘)*/ ゚、。;/ オマエ、トメテキヤガレデス ムリ……
ζ(´ー`*ζ 「冗談だよ、じょーだん。お金の話は当然だけど、私も恋愛とかないからね〜」
(゚、゚トソン 「冗談ですか、そうですか」
- 28 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:18:50.11 ID:K03fxvWJ0
何故か、店内が水を打ったように静寂に包まれていたような気がしましたが気のせいでしょう。
私は、デレに話の先を促します。
ζ(´ー`*ζ 「ん、まあちょっと個人的なことなんだけどね〜」
まあ、世界情勢等、ワールドワイドな相談をされても答えようがないですが、
いちいち口を挟んでも仕方ありませんので、黙って話を聞きます。
ζ(´ー`*ζ 「世の中にはね〜不思議なこともあるんだよね〜」
ζ(´ー`*ζ 「トソンちゃんは、そう言う話信じない方?」
(゚、゚トソン 「信じる方ですね、おそらくは」
ζ(´ー`*ζ 「アレ、意外だな〜。ガチガチのリアリストだと思ってたよ」
(゚、゚トソン 「私だって、夢を見ますし、夢を信じたりしますよ」
ええ、信じていますよ、私は。実際に体験しているわけですからね。
- 29 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:21:26.80 ID:K03fxvWJ0
ζ(´ー`*ζ 「まあ、いいや、トソンちゃんが夢見る乙女なら話しやすいし」
ボフーッ!
ミセ*゚3゚)リ 「夢見るwww乙女wwwwww」
ドゴォォッ!
ミセ;゚д(#∩(゚、゚トソン 「その表現は流石に、勘弁してください」
ζ(´ー`*ζ 「うん、それでね〜、それでね〜」
(゚、゚トソン 「それで?」
ζ(´q`*ζ 「それで──ぴょろ〜ん……」
(゚、゚;トソン 「デレ?」
これは……寝てますね。何となく予想はしてましたが、デレはお酒は弱いようですね。
さて、どうしましょうか。とりあえずは寝かせておきますか。
- 30 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:23:38.52 ID:K03fxvWJ0
ミセ*゚ー゚)リ 「ありゃ? デレちゃん寝ちゃった?」
(゚、゚トソン 「そのようですね」
ζ(´ー`*ζ ムニャムニャ
そっか、と一言だけ言って、ミセリはどこかへ行きました。
宴もたけなわ、辞すには頃合なのでしょうが、デレは一応クラスの総代なわけですし、最後までいるべきでしょうか?
と言うか、ミセリ1人残してデレを連れて帰るのも、それはそれで不安だらけです。
しばらく考えていると、ミセリが戻って来て、
ミセ*゚ー゚)リ 「タクシー呼んだからさ、それでデレちゃん連れて帰ってよ」
(゚、゚:トソン 「は?」
ミセ*゚ー゚)リ 「あれ? もうちょっといたかった? 気になる人とかいた?」
(゚、゚トソン 「そういうことは一切ありませんが……」
- 32 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:27:04.34 ID:K03fxvWJ0
と言うか、ほとんどこの3人としか話していない気がします。
たまに、クラスの他の女子とは話しましたが。
そういった点では、こういうとこに出向いた意味がない気はしますが、この4人でお酒を飲んだこともないのですから、
これはこれで初めてのことですしね。
が、しかし、今はそういった話ではありません。
ミセ*゚ー゚)リ 「タクシー代は教授持ちだから気にしなくていいよ」
(゚、゚トソン 「それは助かりますが、その……、ミセリ1人で大丈夫ですか?」
ミセ;゚ー゚)リ 「え?」
ミセリは、ほんのわずか考える素振りをして、大した間もなく私の言う意味が理解できた模様です。
ミセ*゚ー゚)リ 「ああ、そういう心配ね。大丈夫大丈夫、貞ちゃんいるし、ヘリカル先輩達もね」
何ということでしょう、初めてミセリがまともに見えました。
ミセリの言うことはもっともですし、ここはお任せすることにしましょうか。
- 33 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:29:42.12 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「そうですか、ではお言葉に甘えまして」
それでは、お先に失礼しますと、周りに頭を下げ、デレに肩を貸して起こそうとしましたが、
/ ゚、。 / 「私が……やろう……」
と、ダイオード先輩がデレを運んでくれました。軽々と抱えて。
(゚、゚トソン 「助かります」 <
BR>
/ ゚、。 / 「他にも……手伝いたそうな……男子がいたから……」
(゚、゚トソン 「ああ……。お気遣い、感謝いたします」
/ ゚、。 / 「ん……」
私達は、ダイオード先輩に見送られ、タクシーで帰路に着きました。
・・・・
・・・
- 34 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:31:41.86 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚;トソン 「デレ、ちゃんと歩いてください」
ζ(´ー`*ζ 「でーじょうぶっスよ、私はちゃんとやれますから〜」
タクシーを降りた私達は、全然大丈夫じゃないデレに肩を貸しながらマンションの階段を昇ります。
( 、 ;トソン 「4……階……」
ようやくデレの部屋の前までたどり着きましたが、まだ問題があります。鍵です。
デレに鍵を出すように言いますが、何とも要領を得ません。
仕方なく、身体を探りますがくすぐったいのか、変な声をあげてくれます。
このままではかなりの変質者状態だと思い始めた矢先に、鍵は見つかりました。
私は扉を開け、デレを担ぎなおします。
(゚、゚;トソン 「デレ、歩けますか?」
ζ(´ー`*ζ 「だだいま〜」
相変わらずデレは、無人のはずの部屋に挨拶をします。
- 35 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:34:16.06 ID:K03fxvWJ0
<「おかえり、遅かったわね──」
(゚、゚;トソン 「!?」
無人のはずの部屋から返事がしました。
女性のようですが、誰か親類の方でもいらしているのでしょうか?
私は、デレを肩を貸したまま、部屋の中に踏み入りました。
∩∩
.ξ゚听)ξ
∪ i
.. し'ノ
ζ(´ー`*ζ(゚、゚トソン
そこには、少し大きめのうさぎみたいな生き物がいました。
〜 第二話 おしまい 〜
− つづく −
- 38 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:38:29.75 ID:K03fxvWJ0
〜 第三話 〜
(゚、゚トソン 「こんばんは。夜分遅くにお邪魔します。お酒に酔ったデレさんを連れてまいりました。
デレさんは酔っているだけなので、寝かせておけば大丈夫かと。それでは失礼します」
ξ゚听)ξ 「ちょっと待ちなさいよ。何、普通の対応して帰ろうとしてるわけ?」
(゚、゚トソン 「混乱している時は、なるべく普段通りの行動を心がけております」
その方が失敗は少ないんですよ、と続けた。
ξ゚听)ξ 「その考え方は嫌いじゃないわね。そっか、あんたがトソンね。デレの話によく出てくる」
(゚、゚トソン 「都村トソンと申します」
ξ゚听)ξ 「ツンよ」
私達は、お互いに短い自己紹介をしました。
- 39 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:40:26.96 ID:K03fxvWJ0
ξ゚听)ξ 「私を見ても不思議がらないと言うことは、と言うかそれ以前に──」
(゚、゚トソン 「ええ、見える見えないの話から、ある程度のことは把握しています」
なるほどね。そういってうさぎさん、ツンちゃんは深く頷きました。
ξ゚听)ξ 「それなら話は早いわね。……で、どこからそういった話を?」
(゚、゚トソン 「うちにも1人いますので」
ξ;゚听)ξ 「は? うそ、そんな感じしなかったけど?」
(゚、゚トソン 「ああ、やはりお互い何となく感じでわかるものなんですか?」
ξ゚听)ξ 「そのはず……」
ツンちゃんが私のほうに近づいてきて、何やら匂いをかぐような仕草をされました。
少々お酒臭いと思いますが、大丈夫なのでしょうか?
- 40 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:44:19.01 ID:K03fxvWJ0
ξ゚听)ξ 「──ああ、確かにあんたからはちょっと感じるわ」
(゚、゚トソン 「夢見とは中々便利なものですね」
ξ゚听)ξ 「夢見?」
またですか。ブーンよりもしっかりして見えるツンちゃんもこの言葉をわからないようです。
これはどういうことでしょう?
(゚、゚トソン 「ペニサスさん、ここの管理人さんから聞いた言葉で、同じであろう夢見のドクオさんは知っておられました」
ξ゚听)ξ 「あんたドクオ知ってんの?」
あのキモい、とツンちゃんは続けられましたので、ええ、あの小汚い、と返しておきました。
ξ;--)ξ 「これはあんたから色々と聞く必要が出て来たわね……」
(゚、゚トソン 「私も色々お聞きしたいですね」
これはいい機会です。ツンちゃんは賢そうですし、色々とブーンのことがわかるかもしれません。
ですが、問題も……
- 41 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:47:12.57 ID:K03fxvWJ0
ζ(´д`*ζ 「うおぇぁぁぁ……。何これ、何か気持ちわるぅー。ツンちゃーん、お水ちょうだーい」
ξ゚听)ξ 「はいはい、うるさいわね。ちょっと待ってなさいよ」
そういうが早いか、ツンちゃんはぴょんぴょんと台所へ走りました。
走り方もうさぎっぽいんですね。
そうして、椅子を引き、器用に飛び乗り、水道から水を汲みます。
そこまで見て、自分が入れてやればよかったんじゃないかと気付きましたが、もう遅かったようです。
ζ(´д`*ζ 「ありがど〜……」
ξ゚听)ξ 「こぼさないでよね……どうかした?」
(゚、゚トソン 「いえ、器用と言いますか、何と言いますか、偉いですね」
ξ゚听)ξ 「コレζ(´д`*ζは頼りないからね。私がしっかりしてないと」
ツンちゃんのその物言いが、やけに堂に入ったものだったので、私は思わず吹出していました。
- 43 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:50:27.71 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「今日はお暇した方がよろしいようですね」
ζ(´д`*ζ 「ええ〜、トソンちゃん帰っちゃうの〜? さ〜びしい〜」
ξ゚听)ξ 「わがまま言わないの」
(゚、゚トソン 「ツンちゃんがいるから寂しくないでしょ?」
ζ(´д`*ζ 「うん、寂しくはないけど〜……」
(゚、゚トソン 「けど?」
ζ(´q`;ζ 「たぶん……吐く……」
ξ;゚听)ξ 「ちょ、トイレ行きなさいよ!!!」
私は、慌ててデレを引っ張り、トイレに放り込みます。程なくして─自主規制─
(゚、゚;トソン 「そばに着いてないとまずいですかね……?」
ξ;--)ξ 「出来ればお願いしたいところだけど……」
- 44 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:54:16.55 ID:K03fxvWJ0
ツンちゃんが言葉の先を言い淀みます。
ブーンのことがありますからね。私もおいそれと返事は出来ません。
どうするか考えていると、ツンちゃんから1つの提案がありました。
ξ゚听)ξ 「デレ、トソンちに泊めてもらえない?」
(゚、゚トソン 「それはかまいませんが、何故うちに?」
ツンちゃん曰く、世話する方が慣れた環境の方が楽だろうから、との事です。
確かに理に適ってますね。この子は随分と賢い子のようです。
ξ゚听)ξ 「あんたんとこのやつ、なんて名前だっけ? そいつも放っておけないんでしょ?」
(゚、゚トソン 「ええ、ブーンといいますが、ツンちゃんに比べるとかなり幼い考え方の子ですね」
ξ--)ξ 「なら、そうして。申し訳ないけど。埋め合わせはちゃんとするから」
(゚、゚トソン 「埋め合わせとか、そういうのはいいですよ。友達ですから」
- 46 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:57:30.37 ID:K03fxvWJ0
そもそも、埋め合わせをさせるならデレにでしょう、と、私が言うと、ツンちゃんはトイレの方を指差し、
あれにそれを期待できるの? と、全く持っての正論で返されました。
ζ(´д`*ζ 「うえいおあぁ……。お酒とかもうないわ〜……」
ξ--)ξ 「……全く。そういうことだから、お願いしてもいいかしら?」
(゚、゚トソン 「ツンちゃんはどうされるのですか?」
ξ゚听)ξ 「私は別に……、元気なんだし、1人で大丈夫よ」
そうでしょうか? ツンちゃんもデレと離れたら寂しいのではないでしょうか?
私がそういった風な事をツンちゃんに伝えると、
ξ#゚听)ξ 「さ、寂しいとかあるわけないじゃない!」
急に怒り出されました。どうやら余計なお世話だった模様です。
(゚、゚トソン 「ごめんなさいね。じゃあ、デレは連れて行きますね」
- 47 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 22:59:43.53 ID:K03fxvWJ0
そう言って、ぐっちゃりしているデレを引き起こそうとしましたが、デレは急にぴょこんと飛び起きて、
ζ(´д`*ζ 「ええ、ツンちゃんいないとさ〜びしい〜。いっしょに行こうよ〜」
と、ツンちゃんに抱き付いて駄々をこね始めました。
私は、ちらりとツンちゃんの方を見ましたが、その顔からは怒りの色が消えていません。
私は、デレをなだめ、ツンちゃんから引き剥がそうとしました。
ζ(´д`*ζ 「やだやだ、ツンちゃんもいっしょ、ツンちゃんもいっしょ」
(゚、゚トソン 「デレ、ツンちゃんにあんまり迷惑を掛けちゃダメでしょ?」
私がそろそろ実力行使に出ようかと考えていると、意外にも、
ξ*゚听)ξ 「全く、しょうがないわね……、どうしてもって言うのなら行ってあげなくもないわ」
ツンちゃんが折れてくれました。
- 48 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:01:46.78 ID:K03fxvWJ0
ζ(´∀`*ζ 「わ〜い、ツンちゃん好き〜」
ξ*゚听)ξ 「わかったから離しなさいよ。いい、仕方なくよ? 仕方なくだからね!」
(゚、゚トソン 「……」
先ほどから、ツンちゃんの後ろで何かがぴょこぴょこ動いています。なんでしょう?
私は、目を凝らして見ました。あれは……尻尾?
まあ、うさぎっぽい外見ですし、尻尾ぐらいあっても不思議ではありませんが……
ξ*゚听(ζ(´∀`*ζ
……そういうことですか。
ツンちゃんも嬉しいんですよね。デレといっしょにいれて。
先ほどの発言は、意地を張っていただけだと、私が気付いてあげるべきだったんですね。
何だかんだ言ってても、いくらしっかりしていても、中身はブーンと同じようなものなのかもしれませんね。
まだまだ子供といったところでしょうか。
そう思うと、デレとツンちゃんがじゃれあってるのが、非常に微笑ましく見えました。
- 49 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:03:42.72 ID:K03fxvWJ0
(゚ー゚トソン
ξ*゚听)ξ 「な、何よ?」
(゚、゚トソン 「何でもありませんよ。デレが迷惑掛けてすみませんね」
ξ゚听)ξ 「それはこっちのセリフよ。デレが迷惑掛けて悪かったわね」
ζ(´д`*ζ 「あれ〜? なんか悪いの全部私みたいな話になってない?」
ξ゚听)ξ「その通りよ(です)」(゚、゚トソン
・・・・
・・・
私達3人は、デレの部屋を出て、私の部屋へ向かいました。
少々遅くなってしまいました。ブーンはちゃんとご飯食べたでしょうか?
- 51 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:05:40.10 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「ただいま」
ξ゚听)ξζ(´д`*ζ 「「おじゃましま〜す」」
(〃^ω^) 「おかえりなさい──!」
サッ
ω^;)三3
いつものようにトテトテと走って出迎えに来たブーンですが、私が1人じゃないことに気付くと、
慌てて部屋の方へ引き返していきました。
確かに、私はブーンに、私が人を連れて帰って来た時は出迎えに出ずに隠れていてくださいと頼みました。
まあ、今のタイミングだと明らかに遅すぎますが。
(゚、゚トソン 「……」
そして隠れ場所。部屋の隅に畳まれた布団の一箇所が不自然に盛り上がっています。
お尻が出たりしてないだけまだマシですが、どう見ても隠れきれてません。
- 52 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:08:32.39 ID:K03fxvWJ0
ξ゚听)ξ 「ねえ、トソン、あれ、何してんの?」
私は、先ほどの様な事情をツンちゃんに説明しました。
ξ--)ξ 「……なるほどね。確かに、幼いってか、お馬鹿ね」
(;^ω^(ζ(´д`*ζ 「うわ! 何これ! 白〜い! 丸〜い!」
私とツンちゃんが話していると、いつの間にやらデレがブーンを引っ張り出していました。
そしてブーンに抱き付いて頬ずりしています。
ξ;゚听)ξ 「ちょ、デレ、何やってんのよ!? 他人様の家で!」
つ<;゚ω゚) 「トソーン!!! たすけてお!!!」
(゚、゚トソン 「はいはい、ちょっと待っててください」
私はツンちゃんと協力して、ひとまずデレを引っぺがし、面倒なのでそのまま布団に押し込みました。
- 54 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:10:58.06 ID:K03fxvWJ0
( ;ω;) 「おー……。なんだお? なんだお?」
ブーンは突然もみくちゃにされた意味がわからず、ちょっと涙目になっています。
私はブーンをそっと抱き寄せ、軽く頭をなでて落ち着かせます。
(゚、゚トソン 「お客様ですよ、ブーン。ちょっと具合が悪くて、変な行動取ってしまったみたいですね」
( ;ω;) 「お客? 僕、見つかっちゃったお? ごめんお……」
(゚、゚トソン 「いいんですよ。彼女達はブーンのことも知っています。驚かせてごめんなさいね」
ξ゚听)ξ 「……」
私は、こちらに向けられる視線に気付き、顔を上げます。
ツンちゃんが無言でこちらを眺めているようです。
(゚、゚トソン 「どうかされましたか?」
ξ゚听)ξ 「……なんでもないわ。……デレが馬鹿やってごめんね」
ツンちゃんは何か言いたそうでしたが、結局デレの謝罪だけで口をつぐみました。
- 55 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:14:01.51 ID:K03fxvWJ0
( ^ω^) !!!
いつの間にか、ブーンもツンちゃんの方に視線を向けています。そう言えば紹介していませんでしたね。
初めて見るであろう同じ種族に、ブーンはどういう反応を示すのでしょうか。
(〃^ω^) 「うさぎさんだお!!!」
ξ゚听)ξ 「は?」
(゚、゚トソン 「……あ」
ブーンはそう言うが早いか、私の膝の上から飛び起きて、ツンちゃんの元に一目散に駆け出しました。
ξ;゚听((^ω^〃)
そう言えばそうでした。ブーンにお月様の話をした数日後、図書館から図鑑を借りてきてうさぎの説明を
してあげた覚えがあります。
ブーンは、その動物図鑑が大層気に入ったみたいで、何度も読み返してました。
もう、図書館に返却してしまいましたが、あまりの気に入りようでしたから、今度買ってあげようかと
考えていたところです。
- 56 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:17:35.70 ID:K03fxvWJ0
(〃^ω^) 「うさぎさんかわいいお! おみみ長いお!」
ξ;゚听)ξ 「ちょ、やめなさいよ! 私はうさぎじゃないわよ!!!」
ツンちゃんの言葉が全く聞こえていないのか、ブーンはツンちゃんにじゃれついて離れません。
子供同士がじゃれあっているみたいで、見ていて微笑ましいですね。
ξ;゚听)ξ 「ちょっと、トソン! ボケっと見てないで何とかしなさいよ!」
(゚、゚*トソン 「え?」
(〃^ω^) 「うさぎさん、お月さまから来たのかお?」
ξ;゚听)ξ 「ああ、もう……いい加減に──」
シロ!!! バキッ!!! オ!!!
ξ#゚听)ξ∩#)ω<).・。 ’
それはそれは見事なショートアッパーでした……。
〜 第三話 おしまい 〜
− つづく −
- 57 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:19:30.05 ID:K03fxvWJ0
〜 第四話 〜
私は、ブーンとツンちゃんにお互いの事を説明しました。
理解の早いツンちゃんと違って、ブーンに説明するのは少々手間取りましたが、何とかツンちゃんが
うさぎさんではないことはわかってもらえたようです。
( ´ω`) 「おー……、そうかお……、うさぎさんじゃなかったのかお……」
ξ#゚听)ξ 「そんなもん見りゃわかるでしょ?」
同意を求めるように、こちらをキッと睨まれましたが、肯定だか否定だかわからない、ええ、
と返すのが精一杯でした。
ξ#゚听)ξ 「……まあ、いいわ。取りあえず、色々と話をしたいとこだけど、今日はもう遅いわね」
(゚、゚トソン 「そうですね、お話はまた明日ということで。……ブーン?」
( ´ω`) 「お?」
- 59 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:22:46.51 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「ツンちゃんはうさぎさんじゃありません。それはわかりましたね?」
( ´ω`) 「うんお……」
(゚、゚トソン 「ですが、おそらく、ツンちゃんはブーンと同じ夢見と呼ばれる種族──仲間です」
( ´ω`) 「僕と……同じ?」
ξ゚听)ξ 「そうね、同じなのは確か。説明は出来ないけど、私達はわかる、そうでしょ?」
ツンちゃんがそう言うと、ブーンは不思議そうにツンちゃんの方を見ていました。
( ´ω`) 「……おー? なんだお? なんだかわかんないけど、なんだかわかるお?」
ξ;゚听)ξ 「どっちよ?」
ツンちゃんが間髪入れずつっこむと、ブーンは、よくわからないけど、何だか懐かしい気がする、と言いました。
(゚、゚トソン 「ツンちゃんがうさぎさんじゃなかったのは残念かもしれませんが、ブーンと同じということは
ブーンのお友達になってもらえるということですよ?」
- 60 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:24:48.48 ID:K03fxvWJ0
( ^ω^) 「おともだち……?」
ξ゚听)ξ 「何でアタシがこんなのと……」
ツンちゃんは不満げな口調で言いますが、私はその尻尾を見てそのまま続けます。
(゚、゚トソン 「そう、お友達です。いっしょにお話したり、遊んだりするお友達ですよ」
(〃^ω^) 「おともだち……!」
ブーンの顔がパアっと明るくなり、羨望のまなざしでツンちゃんを見つめます。
ξ*゚听)ξ 「だ、だから、何でアタシが……」
(゚、゚トソン 「ブーン、ツンちゃんにお願いしてみなさい」
(〃^ω^) 「うんお!」
ブーンは元気良く頷いて、ツンちゃんの前まで走って行きました。
- 62 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:27:44.07 ID:K03fxvWJ0
( ^ω^) 「はじめまして、僕はブーンだお!」
ξ*゚听)ξ 「ツ、ツンよ、はじめまして」
(〃^ω^) 「ツン! 僕とおともだちになってくださいお!」
ξ*゚听)ξ 「え、な、えっと……」
(〃^ω^)
ξ*゚听)ξ 「ど、どうしてもって言うのなら、考えてあげなくもないわ」
(〃^ω^) 「どうしてもおともだちになってくださいお!」
ξ*///)ξ 「ま、まあ、そこまで言うのなら仕方ないわね。なってあげるわよ、友達」
(〃^ω^) 「ホントかお!? うれしいお!」
ブーンはピョンピョン飛び跳ねてその喜びを身体全体で表しています。
何事かと、ポカンとそれを見ていたツンちゃんの表情も、いつしか和らいでいました。
- 63 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:29:35.43 ID:K03fxvWJ0
ξ゚听)ξ 「……ったく、しょうがないわねぇ。ほら──」
そう言って、ツンちゃんは右手を差し出します。
ブーンはそれをどうしていいかわからず、首をかしげたあと、こっちを見ました。
(゚、゚トソン 「それは握手と言うんですよ。ブーンの手でツンちゃんの手を握ってあげてください」
( ^ω^)∩ 「お?」
ξ゚听)ξ⊃⊂(^ω^ )
ξ゚听)ξ 「あんた、握手も知らないのね。コレは挨拶や親愛のしるしよ。そのくらい覚えときなさい?」
( ^ω^) 「はいお! 握手おぼえたお!」
ξ*゚ー゚)ξ 「全く……」
案外良いコンビかもしれませんね。2人は仲良くなれそうな感じです。
私は、目が合ったツンちゃんに、口の動きだけでありがとう、と伝えました。
- 66 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:31:27.26 ID:K03fxvWJ0
(〃^ω^) 「よかったおー。初めてともだちできたお!」
ξ゚听)ξ 「初めてって……、トソンがいるじゃない?」
(〃^ω^) 「トソンはともだちじゃないお」
(゚、゚トソン 「そうですね、私達は──」
(〃^ω^) 「家族だお!」
(゚ー゚トソン 「ええ」
ξ゚ー゚)ξ 「……そうね、じゃあ私もあんたが始めての友達だわ」
そう言って、ツンちゃんはにこりと微笑みました。
ツンちゃんもやっぱり、デレのことは家族と思っているのですね。
……そう言えば
(゚、゚トソン 「で、一応紹介しておきますが、コレζ(´q`*ζがツンちゃんの家族です」
私は、布団の中からデレを引っ張り出してブーンに見せました。
- 68 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:35:02.88 ID:K03fxvWJ0
(;^ω^) 「お……、それかお……」
ξ;--)ξ 「すごい縁を切りたくなるような顔してるわね……」
(゚、゚トソン 「普段はもうちょっとだけマシですので、ブーンも仲良くしてあげてくださいね?」
(;^ω^) 「お……、トソンが言うなら」
ζ(´q`*ζ 「ムニャムニャ……ツンちゃんそれ、私のごはんー……」
ξ;--)ξ 「何の夢を見てるんだか……」
・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「さて、ブーン、晩ご飯は食べましたか?」
(;^ω^) 「お……」
この様子だとまだみたいですね。大方、私を待っていたのでしょう。
- 69 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:36:48.67 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「遅くなってごめんなさいね。待っててくれたんですよね」
( ^ω^) 「ごめんお……、いっしょに食べたかったお」
さっと簡単なものでも作りましょうか。何があったでしょうか……。
(゚、゚トソン 「パスタでいいですか?」
(〃^ω^) 「ミートソースがいいお!」
(゚、゚トソン 「はいはい……、ツンちゃんはどうしますか?」
ξ;゚听)ξ 「ア、アタシは別にお腹減ってな──グゥー」
(゚ー゚トソン 「ツンちゃんもミートソースでいいですか?」
ξ///)ξ 「……ん」
私はキッチンに行き、タマネギを刻み、挽き肉ともに炒めて、缶のホールトマトを加えて、煮詰めます。
即席のものなので、このままだとトマトの酸味が強いでしょうから、ケチャップを多少加えます。
本来なら一日置いたほうが味はまろやかになり、ブーン向けではあるのですが、今日は仕方ありません。
- 71 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:38:41.99 ID:K03fxvWJ0
部屋の方をそっと伺うと、ブーンはツンちゃんと楽しそうにおしゃべりしています。
時折、バシバシとツンちゃんにはたかれてる様な気もしますが、あれはあれでスキンシップなのでしょう。
私は、そんな2人を見ながら、お湯を沸かし、パスタを茹で、ミートソースに絡めてパスタを完成させました。
(゚、゚トソン 「はい、どうぞ」
(〃^ω^) 「ミートソースだおー!」
ξ゚听)ξ 「へー……」
(〃^ω^) 「いただきますおー」
(゚、゚トソン 「はい、召し上がれ」
ξ*゚听)ξ 「……ん、美味しい」
(゚、゚トソン 「ありがとう。そんな大したものではないですけどね」
このパスタ自体、誰にでも作れるようなものですが、褒められると素直に嬉しいものです。
ちょっとまだ酸味が強かったかな、と言うと、ツンちゃんはこのくらいが丁度いいと答えました。
- 72 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:40:40.31 ID:K03fxvWJ0
(〃^ω^) 「美味しかったおー!」
ξ゚听)ξ 「あんたはもうちょっとゆっくり食べなさいよ。女性に合わせた速度で食べるのは礼儀よ?」
(゚、゚トソン 「まだブーンにはそんなことはわかりませんよ」
ξ゚听)ξ 「トソンはブーンをあんまり甘やかし過ぎないようにね?」
なんだかすっかりブーンのお姉さんですね。微笑ましい限りです。
しかし、ツンちゃんがブーンのお姉さんなら、私はなんでしょう? お母さん?
流石に二十歳前でそれは厳しいですね。
私は、ブーンにお茶を入れてくれるように頼みました。
ξ゚听)ξ 「へー、一応あいつも手伝うんだ?」
(゚、゚トソン 「ええ、いっしょに暮らす以上、役割を割り振るのが道理かと」
ξ゚听)ξ 「まあ、いいことね」
- 73 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:42:29.13 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「ツンちゃんは……」
ξ--)ξ 「アレζ(´q`*ζを見ればわかるだろうけど、一通りのことは出来るわ」
(-、-トソン 「ああ……ご苦労様です」
ξ゚听)ξ 「流石に料理とかは厳しいけどね。
キッチンというか、家全体が私のサイズにはあってないからね、とツンちゃんは言います。
確かにそうですね。そういった理由でブーンにもやらせてないことはいくつかありますし。
ξ゚ー゚)ξ 「でも、さっきのパスタは割と簡単に出来そうね? 今度作り方教えてよ」
(゚、゚トソン 「ええ、喜んで」
(〃^ω^)つ旦旦旦~ 「はい、どうぞだお」
(゚、゚トソン旦~ 「ありがとう、ブーン」
ξ゚听)ξ旦~ 「なかなか美味いじゃない?」
(〃^ω^)旦~ 「おっおっお」
- 74 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:44:29.25 ID:K03fxvWJ0
(゚、゚トソン 「そう言えば、ツンちゃんはどこでデレと出会ったのですか?」
話は明日といいましたが、食べてすぐ寝るのもどうかと思いますので、少しだけ話をさせてもらいましょうか。
やはりツンちゃんもデレの部屋にいたのでしょうか?
ξ゚听)ξ 「そうねぇ、あれは──」
─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─
ζ(゚ー゚;ζ 「うわ゙、ここどこ?」
ζ(゚ー゚;ζ 「見覚えないなぁ……」
ζ(-、-;ζ 「完全に迷ったかも。どうしよ?」
ζ(゚ー゚*ζ 「誰かに道聞くしかないかな?」
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、すみませーん、そこの──」
- 77 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:47:04.11 ID:K03fxvWJ0
- ∩∩
ノリ゚听)レ ?
ζ(゚ー゚*ζ 「うさぎさーん」
─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─
ξ--)ξb 「普通に道聞いてきたわね……」
(゚、゚;トソン 「どこからつっこむべきでしょうかね?」
デレ……。少しは不思議に思わなかったのでしょうか?
ξ゚听)ξ 「それで、このマンションまで送ってやったんだけど、何か放って置けなくてね……」
(゚、゚トソン 「そうなんですか……」
ξ゚听)ξ 「そんなとこよ。大した話じゃないわ……」
- 79 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:49:04.74 ID:K03fxvWJ0
─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─
ノリ゚听)レ 「ここよ」
ζ(^ー^*ζ 「ホントだ、ここだここだ」
ノリ--)レ 「もっと早く気付きなさいよ」
ノリ゚听)レ 「じゃあ、アタシは行くからね?」
ζ(゚ー゚*ζ 「ええ? せっかくだから上がっていってよ。ちゃんとお礼したいし」
ノリ゚听)レ 「別にいいわよ。どうせ暇だったし」
ζ(゚ー゚*ζ 「暇なら丁度いいじゃん。ついでに、ね?」
ノリ゚听)レ 「ちょ、ちょっと離しなさいよ。わかった、わかったから……」
ζ(゚ー゚*ζ 「よーし。行こ行こ、ケーキあるんだよ、ケーキ」
ノリ*゚听)レ 「ケーキ……。まあ、じゃあ行きましょうか」
- 80 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:50:49.65 ID:K03fxvWJ0
・・・・
・・・
ζ(゚ー゚*ζ 「私はデレ」
ノリ゚听)レ 「ツンよ」
ζ(^ー^*ζ 「さあ、ケーキ、ケーキ。紅茶でいいかな?」
ノリ゚听)レ 「……あんたさ、ちょっとは不思議に思わないわけ?」
ζ(゚ー゚*ζ 「え?」
ノリ゚听)レ 「アタシのことよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「え、うさぎさんがしゃべるお話とかよくあるよ?」
ノリ;゚听)レ 「うさぎじゃないって……。それに話? フィクションでしょ?」
- 81 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:52:37.49 ID:K03fxvWJ0
ζ(゚ー゚*ζ 「ええ? これとか夢があってよくない?」
ノリ゚听)レ 「何よ、これ? 不思議の……国の……アリス? ……へえー……ふーん」
・・・・
・・・
ζ(゚ー゚*ζ 「ツンちゃん、晩ご飯何がいい?」
ノリ゚听)レ 「うーん……何でも──」
ノリ;゚听)レ 「じゃなくて、しまったぁ! すっかり本に夢中に!」
ζ(^ー^*ζ 「あはは。ね、結構おもしろいでしょ?」
ノリ゚听)レ 「まあ、そうね、これは面白い方かな……?」
ζ(゚ー゚*ζ 「……ねえ、ツンちゃん?」
- 83 :◆iW2kGg44LU:2008/11/04(火) 23:59:32.48 ID:CIWMFdbFO
ζ(゚ー゚*ζ 「ツンちゃんは、どこか行くとこあるの?」
ノリ゚听)レ 「別にないわよ。アタシはただの……旅人よ」
ζ(゚ー゚*ζ 「じゃあさ、ツンちゃんさえよければさ──」
「──この話を読んでしまうまでだからね」
「──汚れてるし、お風呂はいろ?」
「──1人で入れるわよ」
「──髪、結ってあげるね。おそろい」
「──あんたね、勝手に──」
─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─※─
ξ--)ξ 「……」
- 85 :◆iW2kGg44LU:2008/11/05(水) 00:02:56.53 ID:d5D4TkQmO
どうしたのでしょう? 急にツンちゃんが黙り込んでしまいました。
デレとの出会いはそんなに話したくない話だったのでしょうか?
ξ--)ξ (^ω^ )? (゚、゚トソン
ムニィ
ξ-->⊂(^ω^ ) !(゚、゚;トソン
ムニィー
ξ-->⊂(^ω^ ) ?(゚、゚;トソン
!!!
ξ゚听>⊂(^ω^ ) !(゚、゚;トソン
ナニシトンジャァ! バキッ!
ξ#゚听)ξ∩#)ω<).・。 ’!(゚д゚;トソン
ブーン……、今のはブーンが悪いですよ……。
話をこの辺りにして、私達は、床につくことにしました。
- 86 :◆iW2kGg44LU:2008/11/05(水) 00:06:07.17 ID:d5D4TkQmO
- ・・・・
・・・
ζ(´q`*ζ うぴぃ、うぴぃ……
ξ--)ξ
(〃´ω`) おー、おー、おー
(-、-トソン
ξ--)ξ 「……ねえ、トソン」
(-、-トソン 「……なんでしょう」
ξ--)ξ 「あんたは、何でブーンといっしょにいるの?」
(-、-トソン 「……それについては、他人を納得させるような理由を述べられませんね」
ξ--)ξ 「どういうこと?」
- 87 :◆iW2kGg44LU:2008/11/05(水) 00:09:29.89 ID:d5D4TkQmO
(-、-トソン 「上手く説明できないんですよ。ただ、私がブーンといっしょにいたいからいるだけなんですから」
ξ--)ξ 「……」
(-、-トソン 「……」
ξ--)ξ 「……それってさあ」
(-、-トソン 「……たぶん、デレも似たようなものだと思いますけどね」
ξ--)ξ 「……」
(-、-トソン 「……いえ、デレはもっと明確な理由を言えるのかも知れませんね」
ξ゚听)ξ 「……どんな?」
(-、-トソン 「たぶん……」
(゚、゚トソン 「ツンちゃんのことが大好きなんですよ」
- 88 :◆iW2kGg44LU:2008/11/05(水) 00:12:28.24 ID:d5D4TkQmO
ξ゚听)ξ 「……」
ξ--)ξ 「……あいつは、ホントほっとくと危なっかしいから」
(-、-トソン 「……ですね」
ξ--)ξ 「……大学でも、あんた苦労させられてるんじゃない?」
(-、-トソン 「……たぶん、御自宅でのツンちゃんには負けますよ」
ξ--)ξ 「まあ、それはそれで退屈はしないけどね……」
(-、-トソン 「……ですね」
ζ(´p`*ζ うにゅー、うにゅー……
〜 第四話 おしまい 〜
− つづく −
- 90 :◆iW2kGg44LU:2008/11/05(水) 00:16:44.71 ID:SqkdFhzI0
〜 (゚、゚トソンの日記 〜
今日は日記を書いてる時間が余りありません。不意に来客を迎えることになってしまいましたから。
初めてのお酒は正直、微妙な味わいでした。
そして、ツンちゃんとの出会い。
ブーンよりは賢い、そしてちょっと意地っ張りでかわいい女の子でした。
ツンちゃんと話せば、明日にはもう少し、色々わかるかもしれません。
ブーンの事、夢見の事、まだまだわからないことだらけですから。
でも、ひとまず今日は……
ξ--)ξζ(´ー`*ζ(-、-トソン(〃´ω`) 「おやすみなさい……」
− 第四章 友と私とうさぎさん おしまい −
− 夢は次章へつづきます −
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