- 4 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 20:53:04.67 ID:7u6eUIgl0
− 第十三章 バイトと私と海の家 −
〜 第一話 〜
おはようございます、都村トソンです。
(゚、゚;トソン 「などと悠長に言ってられませんね……」
旅行2日目の朝、目が覚めて気付く違和感2つ。
まず布団が違う。これは現在、私達が旅行で隣県の雲井ヶ浜という海水浴場の旅館に宿泊しているからですね。
ショボンさんの従兄弟のシャキンさんが経営する旅館、るんるん雲井ヶ浜、略してるん雲に泊めてもらっています。
そして日の高さ。これは明らかに昼近いですね。そう思って時計を見ると、時刻は既に午前11時を回った頃。
完全に寝坊です。よほど疲れていたのでしょうか。
まあ、寝坊と言っても、午前中に特に予定を入れていたわけでは無いので別に問題もないのですが。
精々朝食を食べ損なった程度でしょう。
周りを見渡せば、全員まだ夢の中のようです。
- 5 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 20:53:44.66 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「まだ寝かせておきますか……」
どの道、午後からお手伝いの予定なので、昼食前には起こす事にはなるでしょうが、もうしばらく寝かせておきましょう。
私は部屋を出て、シャキンさんかでぃさんを探し、この後の予定を確認する事にしました。
・・・・
・・・
(#゚;;-゚) 「おや、ようやくお目覚めかいな」
(゚、゚トソン 「おはようございます」
フロントまで行くと、何か記録を付けておられるでぃさんを見付けました。
(#゚;;-゚) 「お昼になったら起こそうかと思ってたんだけどね」
(゚、゚トソン 「朝でも構わなかったんですけどね」
御予定を狂わせてたらすみませんと謝ると、気にしなくていい、疲れてたんだろうし、と返されました。
- 8 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 20:54:54.90 ID:7u6eUIgl0
(#゚;;-゚) 「ドンとでぃすたーぶってやつだね。お昼は食べるでしょ?」
(゚、゚トソン 「あ、はい。それまでには全員起こします」
私は、でぃさんのお仕事を長時間妨げる訳にもいかないので、用件を手早く伝えました。
午後からのお手伝いについてです。
でぃさんの話では、やって欲しいのは1つ隣の海水浴場での海の家の手伝い。
そちらにるん雲の名前で出店しているそうなので、日中そこで働いているシャキンさんの手伝いをして欲しそうです。
日程は、今日は13時から17時までの4時間を全員で。
明日、明後日は9時〜14時と12時〜17時の5時間ずつを2交代でやって欲しいそうです。
もちろん、私達人間4人だけです。ブーン達は数に入っていません。
(゚、゚トソン 「3日間だけでよろしいのですか?」
(#゚;;-゚) 「あんたらここに遊びに来たんでしょ? そんなにやってたら遊ぶ時間無くなるでしょうが」
(゚、゚トソン 「まあ、確かに」
(#^;;-^) 「1週間しかいないんだから、別にやんなくても良かったんだけどね。てか、ペニサスちゃんなら絶対やらんわ」
- 9 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 20:57:42.70 ID:7u6eUIgl0
そう言ってでぃさんは、さもおかしそうに大笑いされました。あんたは真面目すぎだと。
私は、そういうお仕事も経験としてやってみたいので、という話もして、したらしたでまた感心されたりしましたが、
あくまでこちらの興味でやりたいということを主張してからでぃさんとの話を終えました。
(#゚;;-゚) 「あんたはホントに真面目ないい子やね」
(゚、゚トソン 「そうでもないんですけどね」
(#゚;;-゚) 「そうかい? 少なくとも、責任感は人一倍ありそうだけどね」
(゚ー゚;トソン 「どうですかね? 不器用で融通が利かないだけな気もしますけど」
・・・・
・・・
川д川 「あ、おかえりー」
(゚、゚トソン 「お目覚めでしたか」
部屋に戻ると、貞子が起きていて出迎えてくれました。
どうも私が部屋を出る音で起こしてしまったようです。
- 10 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 20:59:23.55 ID:7u6eUIgl0
貞子は端の方の布団をたたみ、お茶を飲めるスペースを広げていました。
お茶とコーヒーとどちらがいいか聞かれましたので、私はコーヒーをお願いしました。
川д川つ旦~ 「はい、どうぞ」
~旦(゚、゚トソン 「ありがとうございます」
やはり湯飲みにコーヒーは妙な感じがしますが、この際仕方が無いでしょう。
ちゃんと洗えば数回の使用でコーヒーの匂いが染み付いたりはしないでしょうしね。
私は、貞子にでぃさんと話したこの後の予定を伝えました。
そして、後30分ほどしたら全員を起こすことに決めました。
( つω`) 「おー……? コーヒーの匂いがするお……?」
(゚ー゚トソン 「おやおや、寝坊助さんが一番早くお目覚めですか」
意外にも、普段から寝坊の多いブーンが一番早く起き出して来ました。
コーヒーの匂いに惹かれたようですね。食い意地が眠気に勝りましたか。
- 11 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:02:21.59 ID:7u6eUIgl0
( つω`) 「おはようだお。ぼくもコーヒー飲みたいお……」
(゚、゚トソン 「おはよう、ブーン。まずは顔を洗ってきましょうね」
(〃´ω`) 「うんお」
ブーンは素直に頷いて、トテトテと洗面所へ歩いていきました。
ブーンが顔を洗いに行ってる間に、私はブーンの分のコーヒーを淹れます。
(゚、゚トソン 「ブーン、砂糖は持ってきてましたっけ?」
(〃^ω^) 「お! もってきたお!」
顔を洗って目が覚めたのか、昨日の疲れも見せず、すっかりいつもの調子でブーンは自分のバッグの所へ走って行きます。
ガサゴソとバッグをあさり、ブーンは角砂糖の袋を取り出しました。
(゚、゚;トソン 「袋ごとでしたっけ?」
(〃^ω^) 「念のためだお!」
(゚、゚;トソン 「どこでそんな言葉を覚えたんでしたっけ?」
- 12 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:05:07.22 ID:7u6eUIgl0
ブーンは、昨日、日記書くのを忘れたお、と、ちょっとしょんぼりして言いましたが、私が今書けばいいと言うと、
すぐにバッグから日記を取り出し、日記を書き始めました。
川д川 「ブーンちゃん、毎日日記書いてるの?」
(゚、゚トソン 「昨日みたいにすぐ寝ちゃった時以外は毎日ですね」
昨日のように、大きなイベント的な出来事があった時は欠かさず書いていましたから、
書けなかったのが残念だったのでしょうね。ブーンは一心に鉛筆を動かしています。
私と貞子がコーヒーを飲みながらたわいも無い話をしていると、私達が起こす前に皆起き出して来ました。
ノパ听) 「おはよぉぉぉぉ!」
ξ゚听)ξ 「ごめん、ちょっと寝すぎたわ。おはよう」
ミセ;゚ー゚)リ 「おは。つーか身体がだるいな……」
ζ(´q`*ζ zzz
デレ以外は。
- 13 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:07:37.12 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚;トソン 「……」
ξ;゚ー゚)ξ 「……叩き起こす?」
ミセ*゚ー゚)リb 「おっけー!」
ツンちゃんの問いに何故かミセリが真っ先に反応し、そのままデレの布団めがけて走り出しました。
<「ミセリだ〜いぶ!」
<「みぎゃぁ〜!?」
ξ;--)ξ 「あんま無茶すんじゃないわよ……」
(゚、゚;トソン 「さすがにやり過ぎでは……?」
ミセ*゚ー゚)リb 「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ほら、私結構軽いし、布団越しだから大してダメージ無いよ、多分」
ζ(´へ`||ζ 「おはにょろ〜」
ミセリの言葉通り、ふらふらと起き出して来たデレですが、寝惚けてる以外は問題なさそうです。
- 14 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:10:18.22 ID:7u6eUIgl0
ξ゚听)ξ 「早くないから。さっさと顔でも洗ってしゃきっとしなさいよ」
ζ(´へ`||ζノシ 「うえいおぁ〜」
のそのそとデレは洗面所へ歩いていきます。
その間に、私とミセリと貞子で布団を畳んでしまいます。
全員揃ったところで改めて私はこの後の予定をみんなに伝えます。
ブーン達は、私達4人がバイトの間、こちらの海で遊んでてもらうつもりでしたが、
どうしても付いて行きたいという主張があったので、3人とも連れて行くことにしました。
まあ、小さい3人ですから、隅っこにいたりする分には邪魔にならないでしょう。
(゚、゚トソン 「こちらで遊んでいた方が楽しいかもしれませんよ?」
(〃^ω^) 「みんなといっしょがいいお! 海の家も見てみたいお!」
ξ゚听)ξ 「こいつら2人には邪魔させないから、付いて行くだけさせてもらえないかな?」
(゚、゚トソン 「それは構いませんが……。ブーン? お仕事の邪魔はしちゃダメですよ?」
ビシッ
(〃^ω^)ゞ 「はいですお!」
- 15 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:10:44.75 ID:7u6eUIgl0
川д川 「ヒートちゃんもね?」
ノパ听)ノ 「わかったぞぉぉぉぉ!」
ξ゚听)ξ 「デレもね?」
ζ(´д`*ζ 「ふわ〜い…………あれ?」
(゚、゚トソン 「さあ、お昼ご飯を食べに行きましょうか」
私は全員を促し、部屋を出て、大食堂に向かう事にしました。
ζ(゚ー゚;ζ 「あれ〜? 何で誰もつっこまないのかなー?」
〜 第一話 おしまい 〜
− つづく −
- 16 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:14:04.77 ID:7u6eUIgl0
〜 第二話 〜
お昼は、メニューにあるいくつかの丼物から好きなのを選ぶという形の物でした。
お勧めは当然のごとく海鮮丼。ここの魚の美味しさは先日の夕食で証明されています。
私達は思い思いの品を注文し、のんびりと昼食を終えた後、食材を届ける旅館の従業員さんの車に乗せてもらって
隣の浜の海水浴場まで行きました。
ミセ*゚ー゚)リ 「おおー、こっちは大盛況だねー」
ζ(゚ー゚;ζ 「うわー、芋洗い状態だねー」
( ^ω^) 「お……? どこかでおいもさん洗ってるのかお?」
(゚、゚トソン 「こういう風に人で混みあった海を芋洗いというのですよ」
車で約30分ほど。旅館からは結構離れてますが、こちらに海の家を出すメリットは、
この人出を見れば自ずとわかる気がします。
川д川 「あの建物みたいですね」
- 17 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:15:50.96 ID:7u6eUIgl0
従業員さんの後に続き、砂浜を歩いていると、建物が等間隔で並んでいる地点が見えました。
その中に、何でしょう、恐らく雲をモチーフにした看板がある店、それがシャキンさんの海の家のようです。
私達は、ここまで送って頂いた従業員さんにお礼を言い、忙しそうに働いているシャキンさんに声をかけました。
(`・ω・´) 「やあ、待ってたよ。今はちょうど忙しい時間帯でね。少し待ってもらえるかな?」
私達はその言葉を受け、お店の外に出てしばらく待つことにしました。
今日も夏らしい、日差しの強い天気です。私達は水着ですので、多少の暑さは問題ないですが、やはり暑い事には変わり無いので、
適当に日陰を探し、お店の様子を伺っていました。
ζ(゚ー゚;ζ 「忙しそうだねー」
(゚、゚トソン 「ちょうどお昼時ですしね」
ζ(´ー`;ζ 「私にできるかなー?」
忙しなく働くシャキンさん達の様子に、デレは不安そうに言います。
デレに限らず、私もこういうバイトは経験した事が無いので少なからずの不安はあります。
唯一、貞子だけが高校生時代に物販のバイトを少しやったことがあるらしいですが。
- 19 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:17:56.10 ID:7u6eUIgl0
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、何とかなるでしょ」
川д川 「私達は指示通り真面目にがんばるだけだよね」
ξ゚听)ξ 「そもそも、あんたはそんなに期待されて無いから」
不安そうなデレを、それぞれがそれぞれの言葉で慰めます。
ツンちゃんの言葉も、多分、気負うなという意味のアドバイスでしょうね。
それから、程なくしてシャキンさんが私達を呼んでいるのが見えました。
(`・ω・´) 「ごめんごめん、とりあえず、今日はちょっと時間がずれ込んだみたいでね」
いつもなら、この時間帯はぼくが抜けても大丈夫くらいなんだけどね、とシャキンさんは言います。
(`・ω・´) 「で、やって欲しいことなんだけど──」
シャキンさんの説明では、私達がやることは主に4つ。
- 21 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:18:56.26 ID:7u6eUIgl0
1つは製造、調理。素人がやっていいものかと思いもしましたが、監督者もいるし、基本的に分量通り、
手順通りの単純作業なのでバイトがやっても問題は無いようです。
2つめは、接客。主に店内での注文取り、配膳です。
3つめは、店外への配達、可能なら、店外での注文取りも受けていいらしいです。
最後は掃除。これはそのままですね。
基本的にこれらを兼任しながらやっていくようです。
とは言え、大まかに担当は決めておいた方がいいというシャキンさんの言葉で、私達は役割分担を決めることにしました。
(゚、゚トソン 「調理はまあ、順当に考えて貞子でしょうね」
ミセ*゚ー゚)リ 「そだね、サポートにトソンが付くぐらいかかな」
川;ー川 「うーん、ちょっと緊張するけど……」
(`・ω・´) 「一応、僕や他の従業員もいるからそんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
時間的にも、そう混む時間でもないしね、と、シャキンさんは続けます。
貞子はそんなシャキンさんの言葉に、はにかみながらもがんばります、と応えました。
唯一の物販バイト経験者ではあったのですが、役割的にこの方がいいでしょう。
- 22 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:19:33.64 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「店内での注文受けは──」
(`・ω・´) 「これはそうだね、華があった方がいいからね、うん」
私の言葉を遮り、シャキンさんが早口にまくし立てられます。
そしてその視線の先には──
ミセ*゚ー゚)リ
──ではなく
ミセ;゚д゚)リそ
ζ(゚ー゚*ζ
デレがいます。
ζ(゚ー゚;ζ 「え? 私?」
(`・ω・´) 「そう、君だよ。君は、うん、いいね」
- 23 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:20:18.79 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚;トソン 「……消去法で考えると、私もデレがいいかと思いますが」
調理と外への配達は絶対無理でしょうし、掃除はまあ、大丈夫かもしれませんが、注文取りと配膳だけならそちらも大丈夫でしょう。
それに──
ξ゚听)ξ
甘い考えかもしれませんが、多分フォローしてくれるでしょうね。見かねて。
(`・ω・´) 「よし、じゃあ、君に決定だね、デレちゃん」
ζ(゚ー゚;ζ 「あ、はい、よろしくお願いします」
しかし、これはどうしましょうかね……。
(*`・ω・´) 「そうそう、配膳なんだけど、ソースとか跳ねるから、パーカーは脱いで水着の方がいいね。水着なら洗えば落ちるし」
私は、ツンちゃんに視線を向けます。ツンちゃんは私の視線に気付いたのか、無言で頷きました。
(*`・ω・´) 「いやいや、決してそんなやましい気持ちは無くてだね──」
- 25 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:25:19.15 ID:7u6eUIgl0
- (゚、゚;トソン 「……」
何かシャキンさんとショボンさんの決定的な違いを見つけた気がします。ええ……。
まあ、いざとなったらでぃさんの名前出せば大丈夫でしょう。
ミセ*゚ー゚)リ 「んじゃ、私が外かな?」
(゚、゚トソン 「出来ればお願いしたいですね」
ミセリは、デレみたいに方向音痴ではありませんし、記憶も……まあ、メモすれば大丈夫でしょうから、
後は体力的にも一番適しているでしょうね。
必然的に私は掃除と、皆のフォローですかね。
私は、大体役割が決まったところで、ブーンの方に近付き、話しかけました。
(゚、゚トソン 「ブーン達はどうしますか?」
( ^ω^) 「ここにいてもいいのかお?」
ノパ听) 「私はミセリに付いて行くぞぉぉぉぉ!」
- 26 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:25:51.93 ID:7u6eUIgl0
意外と言うか、当然と言うべきなのか、ヒートちゃんはミセリに付いて外に行きたいようです。
貞子のそばで料理を見てても、それほど面白くないのかもしれません。
ヒートちゃんは身体を動かしてる方がいいのでしょうね。
ミセ*゚ー゚)リ 「おっけー、おっけー、はぐれんなよ?」
ノパ听)ノ 「おー!」
そういった感じで役割も決まり、私達は海の家でのアルバイトを始めることになりました。
(*`・ω・´) 「そうそう、動き易さもあってだね──」
若干の不安も感じつつも……。
〜 第二話 おしまい 〜
− つづく −
- 27 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:28:25.83 ID:7u6eUIgl0
〜 第三話 〜
川;д川 「焼きそば2つあがったよー!」
ζ(゚ー゚;ζ 「はーい! 少々お待ちくださーい」
ミセ;゚ー゚)リ 「氷3つ! イチゴ、イチゴ、メロン!」
(゚、゚;トソン 「氷は私が──シャキンさん、デレは1人で大丈夫ですよ?」
バイト開始から1時間ほど、シャキンさんの事前の説明とは裏腹に、“海の家・るん雲”は結構な盛況ぶりです。
私達は、初めての作業に戸惑いながらも、短時間で慣れる事を余儀なくされました。
ζ(゚ー゚;ζ 「ラーメン2つ、焼きイカ3つ、あと、えっと……」
ξ゚听)ξ 「カキ氷」
ζ(゚ー゚;ζ 「あ、氷2つ、イチゴ、レモン」
川;д川 「ラーメン1つ、おいとくね!」
- 29 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:30:41.84 ID:7u6eUIgl0
ミセ;゚ー゚)リ 「ラーメン出しとく。デレ!」
ζ(゚ー゚;ζ 「3番テーブル!」
(゚、゚;トソン 「氷はここに──ヒートちゃん、大丈夫?」
ノパ听) 「大丈夫だぞ!」
( ^ω^) 「お!」
(゚、゚;トソン 「ありがとう、ブーン。それはそのままゴミ箱で大丈夫ですよ」
あまりの多忙さに、いつの間にかブーン達も自然に手伝う流れになっていました。
日頃のお手伝いの甲斐あって、ブーン達は自分達が出来る事をちゃんと把握して、率先して手伝ってくれています。
助かると同時に、その成長振りが嬉しい限りです。
ミセ;゚ー゚)リ 「氷これね、サンキュー、ヒーちゃん。行って来るよ」
(゚、゚;トソン 「お気を付けて」
ζ(゚ー゚;ζ 「すみませーん、今、忙しいんで、あはは、ご注文をどうぞー」
- 31 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:33:31.12 ID:7u6eUIgl0
行って来る、と言ったはずのミセリが、何故か立ち止まり、デレを見ています。
そして、こちらに寄って来ると、小声で話しかけてきました。
ミセ;゚ー゚)リ 「何かさー、お客さん多くない?」
(゚、゚;トソン 「そうですね、事前の話よりは。でも、そういう日もたまにはあるのでは?」
ミセ;゚ー゚)リ 「うん、そうだけどさ、何か不自然と言うか、その、男性客ばっかじゃない?」
(゚、゚;トソン 「そう言われてみれば確かに……」
ミセリの言葉通り、大半の客は男性ですね。イートインの客に至っては100%と言っても過言ではないくらいです。
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、それはそれでもいいんだけど、デレには気を付けてあげてね」
(゚、゚トソン 「ええ、わかってます。それに、ツンちゃんもいますしね」
私の言葉に、それもそうだ、と、ミセリは笑って配達に出て行きました。
川;д川 「ラーメン2つ、あがったよー」
私は、しばらく考え事をしていたものの、貞子の普段ではあまり聞けない威勢の良い声で現実に引き戻されました。
今は呆っとしていられる時でもないですね。
- 32 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:34:13.70 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「あ、私が。デレ、テーブルは?」
ζ(゚ー゚;ζ 「ラーメン2つは6ばーん!」
(*`・ω・´) 「フフフ……」
川;д川 「シャキンさん、イカ漕げてますよ?」
慌しい午後は、まだまだ続きそうです。
・・・・
・・・
ζ(゚ー゚;ζ 「ふぅ……」
(゚、゚トソン 「お疲れさま」
それから30分程度で、だいぶ客足も減りました。それでもまだ、普段よりは多いくらいらしいですが、
仕事に慣れた私達は、隙を見て合間に話す時間ぐらいは取れるようになっていました。
- 33 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:38:23.27 ID:7u6eUIgl0
ζ(゚ー゚;ζ 「うん、さすがにお疲れさまだねー」
そう言ってデレは大きく伸びをします。伸びをするとまあ、背がそり、必然的にそうなるわけですから、
私は、さり気なく店内とデレとの間に立ち位地をずらしました。
(´・ω・`) ショボーン
川;д川 「シャキンさん、紛らわしいんでがっかりしないで下さい。はい、焼きそばあがりましたよ」
貞子もシャキンさんの扱いにだいぶ慣れたようで、途中から、結構いい様に使っているようにも見えました。
雇い主をこき使うのもどうかと思いますが、状況が状況でしたから仕方ないということにしておきましょう。
ζ(´ー`*ζ 「うーん、ソースくさ!」
ξ;゚听)ξ 「海の家でその発言はどうなのよ」
(゚、゚トソン 「ツンちゃんもすみませんね、色々手伝わせてしまって。ブーンもありがとう」
(〃^ω^) 「お!」
ξ゚听)ξ 「まあ、しょうがないでしょ、デレだけだと不安だし」
- 34 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:38:54.62 ID:7u6eUIgl0
ζ(゚ー゚;ζ 「ひどいなー、ツンちゃん、今日は意外とがんばったよ?」
ξ゚听)ξ 「自分で意外とか言うな。まあ、今日はそれなりに出来てたんじゃないの? あんたにしてはさ」
(〃^ω^) 「デレはがんばったお! えらいお!」
ζ(^ー^*ζ 「ありがとう、ブーンちゃん。ツンちゃんもね」
相変わらず素直じゃない言い回しのツンちゃんですが、その尻尾はピョコピョコと揺れています。
幸いにも、ブーン達は見付からなかったようで、特に問題になることはありませんでした。
何と言いますか、主に不純な目でデレを見てるような客ばかりのようでしたので、当然といえば当然の結果かもしれません。
(゚、゚トソン 「さあ、まだ終わってませんよ。いらっしゃいませー」
私は、デレに注文を取りに行くように促すと、貞子の方へ歩いて行きました。
(*`・ω・´) 「あ、デレちゃん、ちょっとそこで回ってくれるかな? ──え? いや決してやましい──」
そう言えば何故、シャキンさんはブーン達が見えるんでしょうかね……。
恐らくは、ペニサスさんやでぃさんの影響なんでしょう、と勝手に結論付け、私は貞子を手伝う事にします。
- 37 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:46:00.11 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「休憩しなくて大丈夫ですか?」
川ー川 「ん、平気だよ」
貞子はずっと火の前に立ちっ放しな気もしますが、本人が言う様に、別段疲れた様子も見せていません。
慣れているから、と貞子は言いますが、実際、調理の手際は見事なものでしたが、それ程体力があったとは思いませんでした。
(゚、゚トソン 「そうですか? じゃあ、冷たいお茶でも淹れますね」
川ー川 「ありがとう。……そう言えばミセリちゃんは?」
──ミセリ?
ああ、そう言えば、あれから一度も戻ってきてませんね。忙しさにかまけてすっかり忘れてました。
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(-、-トソン 「……サボりですかね。この忙しい時に」
川:д川 「否定してあげられないのが辛いなー。迷う事は無いだろうし」
ミセリはデレと違い、方向感覚は優れています。一度覚えた場所なら、まず間違う事は無いでしょう。
ミセ;゚д゚)リ 「ぐはー! 死ぬかと思った!」
- 38 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:46:34.70 ID:7u6eUIgl0
噂をすれば何とやら、当のミセリが息も絶え絶え戻ってきました。
よく見ると若干身体が濡れています。泳ぎでもしてきたのでしょうか?
(゚、゚トソン 「随分遅かったですね? 一体──」
ミセリは私の言葉を遮り、一枚の紙を私に突きつけました。
これは……、ちらしのようですね。それもこのお店の。私と貞子は、それに目を通します。
川д川 「海の家、るん雲、特別サマーセールス中……。セールス期間中は──」
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(゚、゚トソン 「水着美人な店員があなたをお出迎え…………シャキンさん?」
(;`・ω・´) 「な、何かな、水着美人店員4号ちゃん」
なるほど、首謀者ですか。この男性客メインの客の入りはそういうことだったんですね。何とも商売上手なことです。
とは言え、実害はほぼ無いわけですし、怒るに怒れませんね……。皆はどう思うかわかりませんが。
しかし、デレはともかく、私などでは看板に偽りが出来てしまうと思うのですが。
川*д川 「び、美人ですか……」
(;`・ω・´) 「そうだよ、水着美人店員2号ちゃん! 君達なら、十分いけると踏んだからこそ、この──」
- 39 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:47:05.76 ID:7u6eUIgl0
ウォォォォ! ドゲシッ! プァ!
ヽノパ听)┌┛#)`゚ω゚´).・。 ’
ミセ;゚ー゚)リ 「1発ぐらいはいいよね?」
(-、-トソン 「私は何も見ていません」
ζ(゚ー゚*ζ 「オーダー、ソフトクリームと氷マロン……あれ? これどうしたの?」
デレは、これ、と店の隅に転がっているシャキンさんを指差します。
さすがにお人好しのデレでも、シャキンさんには少々不信感を抱いていたようです。
いつの間にかこれ扱いです。まあ、私達の中でこれに対する尊敬の念が薄れて行ったことは確実ですが。
ミセ*゚ー゚)リ 「さあね? ころんだんじゃないかな?」
(-、-トソン 「私は何も見ていません」
ζ(゚ー゚*ζ 「ふーん……。あ、そんなことよりオーダー入りまーす!」
川*д川 「はーい」
- 40 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:49:32.93 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「……しかし、何故それで戻り遅くなったのですか?」
ミセ;゚ー゚)リ 「それが原因ってわけでもなくてだね、それを渡された相手に問題があってね……」
(゚、゚トソン 「相手?」
ミセ;゚ー゚)リ 「後で話すよ。まあ、サボってたわけじゃない事は信じてよ」
川д川 「はい、ソフトに氷。それと、ヒートちゃん達にもソフト」
ノハ*゚听) 「いいのかー!」
(〃^ω^) 「おおー!」
ξ*゚听)ξ 「さすがに売り物は……まあ、いいか」
ツンちゃんすら止めないのは、偏にシャキンさんの人徳のお陰でしょうね。
もちろん私は私は何も見ていません。ええ……。
〜 第三話 おしまい 〜
− つづく −
- 41 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:50:38.97 ID:Y1BLA7ouO
< 隣の浜の海水浴場 >
ミセ*゚∀゚)リ 「毎度ありー」
ノパ听) 「ありぃぃぃぃ!」
ミセ*゚ー゚)リ 「ふいー、取り敢えず配達終了。さて、注文でも取りつつ戻るかね」
ノハ*゚听) 「……」
ミセ*゚ー゚)リ 「んー? 何だ、ヒーちゃん? ……ははーん、さては泳ぎたいんだな?」
ノハ*゚听) 「そ、そんなこと無いぞ!? ちゃんとお手伝い──」
ミセ*゚ー゚)リ 「いいって、いいって、もう随分手伝ってもらってるからさ。ちょっとぐらい泳いできてもバチは当たらないって」
ノハ*゚听) 「さ、貞子がちゃんと働いてるのに──」
ミセ*゚ー゚)リ 「貞ちゃんは貞ちゃん、ヒーちゃんはヒーちゃんね。30分ぐらいしたら迎えに来るから、それまで
この辺で泳いでるといいよ。あんまり遠くに行っちゃダメだけど」
- 43 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:51:50.78 ID:Y1BLA7ouO
ノハ*゚听) 「い、いいのか?」
ミセ*゚∀゚)リb 「子供が遠慮すんな!」
ノハ*゚听)ノシ 「うぉぉぉぉ! ありがとー!」
ミセ*゚ー゚)リ 「……元気なことで。まあ、そういうとこがかわいいんだけどね」
ミセ*゚ー゚)リ 「んじゃ、るん雲に戻りま──」
ドゴォォォ! グハァ!
┌┛#)゚д゚)リ.・。 ’
ザッパーン!!!
ミセ; д )リ 「な、なんじゃ!? 期せずして海ダイブ!?」
ミセ;゚ー゚)リ 「しかし、この足の感じは蹴られ覚えが……」
- 44 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:52:56.56 ID:Y1BLA7ouO
*(‘‘)* 「何でてめーがここにいやがるですか?」
ヽ/ ゚、。 / 「よ……」
ミセ;゚д゚)リ 「やっぱり凸凹先輩達かー!」
*(#‘‘)* 「誰が凸凹先輩ですか?」
ミセ;゚д゚)リ 「つーかビキニとか似合わねー!」
*(#‘‘)* 「あ?」
ミセ;゚д゚)リ 「こっちはこっちで何でスクール水着なんですか?」
/ ゚、。
/ 「サイズの……問題……。特注……面倒……」
ミセ;゚д゚)リ 「何か納得ー!」
*(#‘‘)* 「だから何でてめーがピンで海なんかにいやがるですか?」
ミセ;゚ー゚)リ 「いや、4人でですよ? 他の連中は海の家でバイト。私もその配達帰り」
/ ゚、。 / 「何か……納得……」
- 45 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:54:17.52 ID:Y1BLA7ouO
ミセ;゚ー゚)リ 「てか、何で蹴るんですか? いきなり海ダイブしちゃったじゃないですか」
*(‘‘)* 「あ? そりゃ──」
/ ゚、。 / 「お題?」
ミセ;゚д゚)リ 「は?」
*(‘‘)* 「んで、私らは──」
/ ゚、。 / 「日帰り」
ミセ;゚д゚)リ 「日本語で、おk?」
*(‘‘)* 「んなことより、てめーらどこでバイトしてやがるですか?」
ミセ*゚ー゚)リ 「海の家、るん雲ってとこですよ」
/ ゚、。 / 「るん雲……? ここ……?」
ミセ*゚ー゚)リ 「何ですか、この紙──」
- 46 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:55:41.61 ID:Y1BLA7ouO
ミセ;゚д゚)リそ 「なんじゃこりゃ!?」
*(‘‘)* 「そこがてめーらの店ですか? 看板に偽りありまくりじゃねーですか」
d/ ゚、。 / 「いや……なかなか……いけてる」
ミセ;゚д゚)リ 「うわー、むしろダイオード先輩の反応の方がこえー!」
*(‘‘)* 「まあ、てめーらの店は避けときますですよ。けど──」
/ ゚、。
/ 「今日は……この辺で泳いでる。何かあったら……」
ミセ*゚ー゚)リ 「ああ、はいはい。荒事だけは頼りにしてますよ」
*(‘‘)* 「……時間、いいんですか?」
ミセ*゚ー゚)リ 「え?」
ミセ;゚д゚)リ 「うお、ヤバ! 今めっちゃ忙しい、ってか忙しいのこの紙のせいか!?」
- 47 :日帰り海ダイブ◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:56:54.46 ID:Y1BLA7ouO
ミセ*゚ー゚)リ 「んじゃ、先輩方。私はバイトに戻りますんで」
*(‘‘)* 「ああ、さっさと行きやがれです。それとまあ、トソン達に迷惑かけないようがんばりやがれですよ」
/ ゚、。
/ 「ん……がんばれ……」
ミセ*゚ー゚)リb 「ええ、どうもでした」
・・・・
・・・
/ ゚、。
/ 「店……行ってみる?」
*(‘‘)* 「行ったら気を使うでしょーが。どうせいっぱいいっぱいでバイトしてやがるんでしょうし、ほっとくに限るです」
/
゚、。 / 「ん……。では……泳ごう」
*(‘‘)* 「ええ、こっちはこっちで日帰りで海ダイブを楽しんでくるですよ」
/
゚、。 / 「うむ……」
− 日帰り海ダイブ おしまい −
- 49 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:57:26.84 ID:7u6eUIgl0
〜 第四話 〜
あれから予定の17時まで、客足は昼ほどの大波はなかったもののまずまずの入りで、終わる頃には食材は尽き、
私達の体力も尽きていました。
(`・ω・´) 「みんなお疲れさん! いやー今日はホントにすごかった。開店以来一番の売り上げじゃないかな?」
ζ(^ー^#ζ 「それは良かったですねー」
(;`・ω・´) 「う、うん、それもこれも君達のお陰だよ。いや、もう、ホントに」
デレがにこやかに笑いながら例のチラシをヒラヒラと振って見せます。
シャキンさんは、さすがにまずいと思っているのか、完全に下手に出ています。
(;`・ω・´) 「そうだ! 今日はこのお礼に夕食をグレードアップしよう! うん、それがいい!」
(゚、゚トソン 「まあ、実害があったわけでは無いからいいんですけどね。……ただ、事前に言っておいて欲しかったのですが」
ミセ*゚∀゚)リ 「やらしい目でじろじろ見られたデレの精神的苦痛だけだね」
- 50 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 21:58:17.45 ID:7u6eUIgl0
ζ(^ー^#ζ 「別に気にしてないよー?」
ξ;゚听)ξ 「あんた、さっきから目が全然笑って無いわよ?」
(〃^ω^) 「ご飯がふえるのかお?」
ノハ*゚听) 「もっと美味しくなるのか?」
川ー川 「活け作りとかいいですよねー」
さり気に食べたいものを主張する貞子。何だかんだで一番がんばってましたからその権利はあるでしょう。
しかしまあ、ここはブーン達に免じて、このくらいで許してあげましょうかね。
(゚、゚トソン 「デレ、取り敢えず旅館に戻ってゆっくりお風呂にでも入りましょう」
ζ(゚ー゚*ζ 「……うん、そうだね」
(*`・ω・´) 「あ、ワタクシがお背中を──」
ζ( ー #ζ 「──あ?」
(;`゚ω゚´) 「い、いえ、何でもありません」
- 53 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:01:56.45 ID:7u6eUIgl0
ミセ;゚ー゚)リ 「珍しくデレちゃんが怖いんスけど?」
(゚、゚;トソン 「私に言われても困りますけどね……」
折角のフォローもご自分で台無しにされましたしね、シャキンさん。
とは言え、私も相応に疲れているのでシャキンさんに帰ることを提案して、車まで移動しました。
行きは食材を運ぶ車ということでライトバンでしたが、帰りは駅まで来ていただいたあの軽トラです。
(〃^ω^) 「おー、この車、風が気持ちよくて好きだおー!」
ζ(^ー^#ζ 「ダサいけどねー」
(゚、゚トソン 「デレ、今日はデレが助手席に乗りますか?」
(;`゚ω゚´) 「ああああ、あの、出来れば別の人が……」
ζ(^ー^#ζ 「みんな荷台でいいじゃん」
川;д川 「そ、そうしましょうか」
にこやかに微笑むデレに皆が圧倒されているという、非常にレアな空気に従い、私達はシャキンさんを除く全員が
軽トラの荷台に乗り込みました。
- 55 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:02:50.85 ID:7u6eUIgl0
ミセ;゚ー゚)リ 「おい、リーダー? あれ、どーすんのさ?」
(゚、゚トソン 「その呼び方はやめてください。……まあ、考えは無くもないですが」
・・・・
・・・
(〃^ω^) 「おー! 車はえーお!」
ζ(゚ー゚*ζ 「そーだねー。やっぱりブーンちゃんも男の子かなー? 車好き?」
(〃^ω^) 「おー? よくわからんお。でも、ぴゅーんって速いのは好きだお! ぼくも速く走りたいお!」
ζ(^ー^*ζ 「あはは、車ぐらい速く走れたらすごいねー。多分世界で一番だよ」
(〃^ω^) 「おー! 世界一かお? すごいお!」
ζ(゚ー゚*ζ 「そしたらブーンちゃん有名人だねー」
どうやら私の考えは上手くいっているようです。私の考え、ブーンに任せるです。
ブーンは何故デレが怒っているのか状況をわかっていないでしょうし、普通に接してくれさえすれば、
自ずと笑みが浮かんでくるのは、いっしょに暮らしている私が一番よくわかっています。
- 56 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:03:25.62 ID:7u6eUIgl0
ミセ*゚ー゚)リ 「さすが」
川д川 「よくわかってらっしゃる」
(゚、゚トソン 「これで後はシャキンさんが逆撫でしなければ大丈夫でしょう」
ξ゚听)ξ 「でぃさんに話通しとけば釘は刺せるんじゃない?」
そうですね。でぃさんに告げていいものか迷いますが、このチラシを見せるぐらいはいいでしょうかね。
私は、仲良く笑顔でお話しているデレとブーンを見ながら考えていました。
(〃^ω^) 「デレは車動かせないのかお?」
ζ(゚ー゚*ζ 「うーん、動かせないねー。車を動かすためにはね、免許ってものが──」
・・・・
・・・
- 58 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:04:15.41 ID:7u6eUIgl0
行きと同じく30分ほどでドライブは終わり、旅館に着きました。
初日と同じ様に、でぃさんが玄関の所で迎えてくれます。
(#゚;;-゚) 「おかえり。お疲れさん」
(゚、゚トソン 「ただいま戻りました」
(;`・ω・´) 「あ、僕は晩ご飯の支度するからこれで。期待しててね」
そう言うと、シャキンさんはそそくさと旅館の奥へ入っていきました。
私としても、シャキンさんがいない方が聞きやすいので、それを止めたりはしませんでした。
(#゚;;-゚) 「んー? なんやー?」
(゚、゚トソン 「あの、でぃさん?」
(#゚;;-゚) 「んー?」
ζ(゚−゚*ζ 「これなんですけど……」
(#゚;;-゚) 「ん? ああ、これか。どうだった?」
- 59 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:07:00.36 ID:7u6eUIgl0
ミセ;゚ー゚)リ 「おかげさまで大盛況っすよ」
(#^;;-^) 「そーか、そーか、そりゃ良かった。さすが私のアイデアだね」
川;д川ミセ;゚д゚)リ「「「「お前かよ!!!!」」」」ζ(゚д゚;ζ(゚д゚;トソン
これは……全く想定外でした。てっきりシャキンさんのあの態度から、ご本人の願望だとばっかり……。
シャキンさんには少し悪いことをしましたかね……。
(#゚;;-゚) 「おー、ホントだ。売り上げすごいな」
川;д川 「出来れば事前に言っておいて欲しかったなと思いますが」
(#゚;;-゚) 「あれ? ペニサスちゃんから聞いてなかった?」
さらに共犯者が増えますか。
バイトとは聞いていましたが、その中身まで詳しく聞いていなかったのは迂闊でしたでしょうか。
まあ、ペニサスさんを信じていましたし、無茶なバイトでもなかったのは確かですが。
(#゚;;-゚) 「聞いてない? あー……、ペニサスちゃんの時もやったんだけどねー」
客の視線に切れたペニサスさんが大暴れしたらしく、それ以降封印してたらしいです。
- 60 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:07:23.80 ID:7u6eUIgl0
……ペニサスさんが言わなかった理由はどっちでしょうね?
私達に対する些細な悪戯か、それともキレた私達が大暴れするのを期待したのか。
(#゚;;-゚) 「まあ、何にせよ、お疲れさん、それと悪かったね。ちょっと茶目っ気が過ぎたか」
ζ(゚ー゚;ζ 「ま、まあ、お世話になっていますし……、でも、明日からはチラシまかないでくださいね?」
(#゚;;-゚) 「はいはい、わかってるよ、ごめんね。晩ご飯はドンとサービスするからさ」
川ー川 「シャキンさんと同じ事言ってますね」
(゚、゚トソン 「シャキンさんには後で謝っておかなければなりませんね」
ミセ;゚ー゚)リ 「あー、そうだねー。でも、一番堪能してた気はするからいいんでない?」
ζ(゚ー゚;ζ 「うーん、でも一応……」
(#゚;;-゚) 「ん? シャキンがどうしたん? ……まさか、あれ着せようとしたか?」
(゚、゚トソン 「あれとは?」
(#゚;;-゚) 「あら? 違った? いやね、最初にあいつが企画したのはね──」
- 61 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:11:10.90 ID:7u6eUIgl0
『ドキ! るん雲特別サマースペシャル! メイドさんがお迎えする海の家! お帰りなさい、ご主人様!』
……だそうです。ええ……。
そんなことが書かれたピンクのチラシをでぃさんに渡されました。
川;д川 「うわー……」
ミセ;゚д゚)リ 「さすがに引くわー」
(#゚;;-゚) 「まあ、さすがにねー。海の家でそれは無いだろと。あんな服暑そうだし」
ζ(゚−゚
ζ 「……あの人消そうか?」
ξ;゚听)ξ 「淡々と言わないでよ。普通に怖いから」
(;#゚;;-゚) 「と、取り敢えずお風呂にでも入って部屋でゆっくりしときなよ。晩ご飯はもうちょっとかかるから、ね?」
(゚、゚;トソン 「そ、そうさせて頂きますね」
私は、やけに落ち着いた眼差しのデレを引っ張るようにして部屋に戻りました。
何だか色々と疲れましたが、ただ1つ言えるのは、私達の中でシャキンさんを見る目が大きく変化したのは間違いありません。
- 62 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:11:42.57 ID:7u6eUIgl0
- ・・・・
・・・
ζ(´ー`*ζ 「あーいいお湯だーねー」
ノハ*--) 「そうだなー」
お風呂に肩まで漬かり、ようやくデレから怒気と言うか殺気と言うかが消えました。
今までデレを怒らせた事はありませんでしたが、今後も怒らせないようにしようと心に決めました。
ξ゚听)ξ 「まあ、色々とおつかれ」
(゚、゚トソン 「ツンちゃんも、悪かったですね。海に来て全く遊べずで」
ξ゚听)ξ 「まあ、アタシは別に……。あっちのガキ共がいいならいいんじゃない?」
(〃^ω^) 「ぼくはトソンといっしょの方がいいお」
ノハ*゚听) 「配達楽しかったぞー!」
川д川 「やっぱり、一日一度は料理した方が調子いいね」
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、満場一致で問題なしと」
- 63 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:12:28.24 ID:7u6eUIgl0
今日は昨日よりは遅い時間帯なので、他のお客さん達もまばらながらお見えです。
ですので、ブーン達は私達のそばで大人しくお湯に漬かっています。
ζ(´ー`*ζ 「そだねー。ちょこぉーっとイラっときたけど、お世話になってる恩が返せて、
美味しい物が食べられるならいいよねー」
川;д川 「そ、そう、ちょこっとなんだね、あれで……」
貞子が、こちらに無言で視線を向けてきます。
私とミセリは、同じく無言で頷きました。やはり怒らせないようにしましょうね。
(〃^ω^) 「ぼく、おなかすいたお!」
ノハ*゚听) 「私もだー!」
ζ(´ー`*ζ 「私もー」
ミセ*゚ー゚)リ 「んじゃ、ちゃちゃっとお風呂上りますか」
(-、-トソン 「急いだところで、まだ準備が出来て無いのでは?」
そういう風にでぃさんは仰られてましたから、もう少し時間をかけるべきだと思いますが。
恐らく、予定にはなかった料理もこしらえていたりするのでしょうかね。
- 65 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:14:47.43 ID:7u6eUIgl0
ミセ*゚д゚)リ 「相変わらずノリ悪いなー」
(-、-トソン 「ノリとかそういう問題では──」
ザバーン!
(゚д゚;トソン 「うひゃぁっ!?」
ζ(´ー`*ζ 「えへへー、命中ー」
一瞬、何が起こったかわかりませんでしたが、どうやらデレが手で水を飛ばしたようです。
こう、手を重ねて水鉄砲の要領で、わざわざお湯ではなく水を。
私は、思わず湯船から飛び出してしまいました。
(゚、゚;トソン 「デレ、突然何を……?」
ζ(´ー`*ζ 「スキンシップ、スキンシップ。トソンちゃんノリ悪いからさー」
(゚、゚;トソン 「だからノリとかそういう問題では──」
ミセ*゚ー゚)リ 「あー、トソン? そろそろその可哀想な板は隠すべきだと思うんだけど?」
(/、//トソン 「い!?」
ザバーン!
- 66 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:15:11.42 ID:7u6eUIgl0
ζ(´ー`*ζ 「あははー、トソンちゃん、かーいい」
ξ;゚听)ξ 「つーか、デレ、酔ってない?」
川;д川 「そんな気はするね……」
ζ(´ー`*ζ 「んー? なんかでぃさんからお風呂で飲んでいいってお猪口と徳利もらった」
ξ;゚听)ξ 「中身は?」
ζ(´ー`*ζ 「んー? 無くなってた」
川;д川 「あー……」
ミセメメдメ)リ 「てーか、誰かこれ止めてよ。悪いの私じゃなくてデレじゃね?」
(/、//トソン 「よ、余計な事を言うからですよ」
(〃^ω^) 「お風呂気持ちいいおー」
ノハ*--) 「お風呂気持ちいいなー」
- 69 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:19:30.07 ID:7u6eUIgl0
- ・・・・
・・・
(#゚;;-゚) 「おや、おかえり。結構な長風呂やったね。どうだった?」
川*д川 「良いお湯でした」
(゚、゚トソン 「まあ、お風呂自体は」
(;#゚;;-゚) 「取り敢えず後ろに転がっとる物体には触れんよ」
ミセリとデレはお風呂ではしゃぎすぎたのか、疲れて眠ってしまっているようです。
面倒ですが、起こしましょうかね。
ミセ;゚ー゚)リ 「寝てたわけではないんだけどねー」
ζ(´ー`*ζ 「トソンちゃん、本気で沈めに来たよねー」
ξ゚听)ξ 「あんたはまだ酔いが覚めてないみたいね……」
(゚、゚#トソン 「何かご不満が?」
ミセ;゚ー゚)リ 「「ないでーす」」ζ(´ー`*ζ
- 70 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:20:26.34 ID:7u6eUIgl0
(`・ω・´) 「はい、お待たせー。今日は各自のお膳の他にスペシャルメニューが付くよー」
私達が歓談していると、船を模した大きな木造の容器を抱えたシャキンさんが部屋に入ってきました。
(〃^ω^) 「おー! なんかかっこいいお!」
(*`・ω・´) 「え? そうかい?」
(#゚;;-゚) 「いや、あんたじゃなくてその船作りやろ?」
川*д川 「ホントに活け作りが……」
(゚、゚トソン 「あの、でぃさん……?」
(#゚;;-゚) 「皆まで言わんでいいよ。予算の範囲内。今日の稼ぎを抜きにしてもね」
ζ(´ー`*ζ 「いただきまー──」
ξ;゚听)ξ 「何、勝手に食おうとしとんじゃー!」
何と言いますか、デレが暴れると、ミセリより性質が悪いことに今日初めて気付きました。
私は、ツンちゃんと貞子の2人掛かりで止められるデレを見てそう思いました。
- 72 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:24:26.67 ID:7u6eUIgl0
(#゚;;-゚) 「あと、お味噌汁もスペシャルやからね」
(`・ω・´) 「近海ものの鯛の出汁で取ってあるからね、絶品だよ」
(゚、゚*トソン 「それは楽しみですね」
ノハ*゚听) 「お腹すいたぞぉぉぉぉ! 早く食べたいぞぉぉぉぉ!」
ヒートちゃんに言われるまでも無く、私達全員がお腹ペコペコです。早く食べたいのは皆同じで気持ちです。
そんな中、1人空気を読まないシャキンさんが一生懸命解説しているのを、でぃさんが引っ張っていきました。
(#゚;;-゚) 「んじゃ、ごゆっくり。食べた後は昨日のようにしといてくればいいからね」
(゚、゚トソン 「はい。色々とありがとうございます」
ミセ*゚ー゚)リ 「よし、食べよう!」
ノハ*゚听)ノ 「おー!!!」
ζ(´ー`*ζ 「よーし、飲むぞー!」
(〃^ω^)ノ 「おー!」
- 73 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:24:48.21 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚;トソン 「ちょ、飲むって、デレ? それはお酒ですか? ブーンはダメですよ?」
ζ(´ー`*ζ 「うん、でぃさんからー」
いつの間にお酒など渡されたのでしょうか。
というか、何故デレにばかり。今日だけは他の人に渡して欲しいところでした。
( ´ω`) 「おー……? ぼくは飲んじゃダメなのかお?」
川д川 「ブーンちゃん、これはお酒といって、子供は飲んじゃダメな飲み物なの」
(;^ω^) 「お!? ひょっとして辛いのかお?」
ミセ*゚ー゚)リ 「あー、日本酒は結構辛いねー。子供には絶対無理だわ」
ζ(´ー`*ζ 「うんとねー、にが不味かった」
ミセ;゚д゚)リ 「じゃあ、飲むなよ!」
(゚、゚トソン 「辛いどうこう言う前に、子供は飲んではいけないと、国の法律、ルールで決まってるんですよ」
(;^ω^) 「おー……、ぼくは飲まなくていいお。にがいの嫌だお」
- 75 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:27:41.46 ID:7u6eUIgl0
ブーンは素直に納得してくれましたが、このお酒はどうしましょうかね。
いっそデレに飲ませて潰しますか。
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、お酒は私と貞ちゃん、割かし強い組で何とかするよ。トソンも1杯ぐらいね」
川д川 「まあ、それが妥当かな」
ノハ*;;) 「なー、まだ食べちゃダメなのかぁぁぁぁ?」
ξ゚听)ξ 「そんなんで泣くな、鬱陶しい。……ほら、みんな座んなさいよ」
川д川 「あー、ごめんね、ヒートちゃん、ほら、ここに座って」
ノハ*つ;) 「うん!」
(〃^ω^) 「お! じゃあ、みんな手を合わせるお!」
「「「「「「「いただきまーす(お)」」」」」」」
川*д川ノハ*゚听)ミセ*゚∀゚)リξ*゚听)ξζ(´∀`*ζ(^ω^〃)(゚、゚*トソン
私達は、騒がしくも楽しい晩ご飯を頂いて、旅行2日目を無事終えることが出来ました。
〜 第四話 おしまい 〜
− つづく −
- 77 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:29:06.42 ID:7u6eUIgl0
〜 ( ^ω^)の日記 〜
8月×日 はれ
今日は朝ちょっとねぼうしちゃったお。
おきたら、ここがどこかわかんなかったけど、トソンのコーヒーのにおいがしたからあんしんしたお。
ここは海のりょかんだったお。ぼくは海にりょこうにきてるんだったお。
今日は海のいえってところにいったお。
海がすんでないのに海のいえってへんだお。
そこでトソンのおてつだいしたお。いっぱいしょっきかたづけたお。
さだこがソフトクリームくれたお。あまくておいしかったお。またたべたいお。
おふろ気もちよかったお。ひろいおふろはいいお。
ばんごはんもおいしかったお。おみそしるがすごいおいしかったお。
明日もトソンはおしごとだお。すいぞっかんはもうちょっとあとだお。
まちどおしいお。はやく行きたいお。
- 78 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:32:21.93 ID:Y1BLA7ouO
〜 (゚、゚トソンの日記 〜
本日は不覚にも寝坊してしまいました。
旅行で気が緩んでたと言うより、単純に疲れていただけのようですが、
私がしっかりしてないといけませんよね。
貞子やツンちゃんがいるから、少しは安心できてるのですけどね。
さて、本日は初めての海の家でのアルバイトでした。
接客販売業など全くの未経験でしたので、当初はかなり戸惑いましたが、そんなことも言ってられないくらい
忙しかったので、自然にやるべきことが身に付いていきました。
まさに、習うより慣れろですね。
まあ、この忙しさの原因がシャキンさん、いえ、正しくはでぃさんですか?
そのせいであんな状態だったわけですが。
ペニサスさんも、一言教えておいてくれれば良かったものを。
お陰でデレが大変でした。
デレで大変でした、でしょうか?
- 80 :◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:34:24.21 ID:Y1BLA7ouO
お風呂でも食事中も、中々の暴れっぷりを見せてくれました。
まさかいきなりミセリの浴衣をはぐとは……。
総がかりで飲ませて潰す事にして、ようやく落ち着いて食事を取ることが出来ました。
明日のバイトはどうなるのでしょうね、デレは? 最悪、午前中は私1人か、私が1日中入るしかなさそうですかね。
あ、食事は本当に美味しかったです。
さすが、としか言い様の無い鮮度の、味わい豊かなお刺身でした。
個人的には、鯛の味噌汁が一番でしたが。
でぃさんの話だと、アラでも鯛ならいい味が出るらしいので、今度家でもやってみましょうかね。
さて、そろそろ寝ないと明日に響きますかね。……しかし──。
(゚ー゚#トソン 「デレはどうしてくれましょうかね? 明日、ミセリと共謀して──」
− 第十三章 バイトと私と海の家 おしまい −
− 夢は次章へつづきます −
- 81 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:34:53.56 ID:Y1BLA7ouO
< 百合の間 深夜 >
ゴソゴソ
( ^ω^) 「……」
トテトテ……
(゚、゚トソン パチッ
( ^ω^) 「おー……」
( ^ω^) 「?」
( ^ω^) 「お? トソ──」 d(゚、゚トソン シーッ
ボソボソ
(゚、゚トソン 「眠れないのですか?」
ボソボソ
( ^ω^) 「うんお……」
- 86 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:37:30.36 ID:Y1BLA7ouO
(゚、゚トソン
( ^ω^)
ボソボソ
(゚、゚トソン 「……ちょっと、お散歩しましょうか?」
・・・・
・・・
< 雲井ヶ浜 砂浜 >
(゚、゚トソン 「どうしました? 疲れ過ぎて逆に目が冴えましたか?」
( ^ω^) 「おー……。 わからんおー。なんか眠れなかったお」
(゚、゚トソン 「そうですか。少し歩いたら程よく疲れて眠れるかもしれませんよ」
( ^ω^) 「お」
- 87 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:38:52.43 ID:Y1BLA7ouO
ザツザツ トテトテ
(〃^ω^) 「おー……! お星さまがきれいだおー!」
(゚、゚トソン 「ホントですね。この辺りは空気も澄んで空も綺麗ですね」
(〃^ω^) 「おー……」
(゚、゚トソン 「あんまり上ばっかり見て歩いてると転びますよ?」
(〃^ω^) 「お! だいじょう──コケッ」
(゚、゚;トソン 「ほらー……」
(;^ω^) 「おー……、しっぱいしっぱいだお……お?」
( ^ω^)っ○ 「これなんだお?」
(゚、゚トソン 「それは……、多分ガラスでしょうかね?」
( ^ω^) 「お? これがガラスかお? 窓とかのガラスかお?」
- 89 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:40:49.62 ID:Y1BLA7ouO
(゚、゚トソン 「ええ、そのガラスですよ。割れたガラスが海を漂い、削られて磨かれてそんな形になったんですよ」
( ^ω^) 「おー……。そうなのかお。なんかキラキラしてきれいだお」
(゚、゚トソン 「そうですね。もうガラスではなく、ガラス玉ですね、それは」
(〃^ω^) 「なんかふしぎだおー」
(゚ー゚トソン 「そうやってガラスを磨く事を研磨と言いますが、これは人に対しても使う言葉なのですよ」
( ^ω^) 「けんま?」
(゚、゚トソン 「ええ、自分を磨く、自分を鍛える、とか、そうやって成長して行くことを指したりします」
( ^ω^) 「おー……、ヒートの修行みたいなものかお?」
(゚、゚トソン 「そんな感じですね」
(〃^ω^) 「お! じゃあぼくもけんまして、りっぱな人間になるお!」
(゚ー゚トソン 「ええ、そのガラス玉みたいにキラキラ輝いた素敵な人になってください」
- 92 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:43:34.19 ID:Y1BLA7ouO
(〃^ω^) 「うんお!」
(゚、゚トソン 「……ねえ、ブーン?」
( ^ω^) 「お?」
(゚、゚トソン 「ひょっとして、眠れなかったのは、何か思い出したからですか?」
(;^ω^) 「おー……、うんお……」
(゚、゚トソン 「……そうですか」
ザツザツ トテトテ ザツザツ トテトテ
( ^ω^) 「……」
(゚、゚トソン 「……」
( ^ω^) 「……前にも、こうやって砂浜を誰かと歩いたことがあるお」
(゚、゚トソン 「……そうですか」
- 96 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:45:48.23 ID:Y1BLA7ouO
( ^ω^) 「……でも、誰だかわからないお」
(゚、゚トソン 「……」
( ^ω^) 「……思い出したのは、この海を見たことがあるってことだお」
(゚、゚トソン 「……それで」
( ^ω^) 「それがよくわかんなくて、でも、頭の中でぐるぐるしてて、それで、眠れなかったんだお」
(゚、゚トソン 「……」
( ´ω`) 「でも、なーんもわからんお」
(゚、゚トソン 「……ブーン?」
( ´ω`) 「おー?」
(゚、゚トソン 「何も力になってあげられなくてごめんなさい」
( ´ω`) 「トソンは悪くないお」
- 98 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:46:56.35 ID:Y1BLA7ouO
(゚、゚トソン 「……その誰かが知りたいですか?」
( ´ω`) 「……うんお」
(゚、゚トソン 「……その誰かに──」
( 、 トソン 「──会いたいですか?」
( ´ω`) 「……」
( 、 トソン 「……」
( ´ω`) 「……わからんお」
(゚、゚トソン 「……わからないのですか? それは記憶は関係なく、今のあなたの気持ち次第では?」
( ´ω`) 「……わからんお。その人のことを考えると、なんだか胸が痛いお」
(゚、゚トソン 「……」
- 99 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:47:14.16 ID:7u6eUIgl0
( ´ω`) 「……なんだか怖いんだお」
( ´ω`((゚、゚トソン スッ
( ´ω`) 「お……?」
(゚、゚トソン 「ゆっくり……、思い出しましょう。無理をせず、ゆっくりと」
( ´ω`) 「お……、うんお……」
(゚、゚トソン 「たとえ思い出せなくても──」
( ^ω^) 「──ぼくには、トソンやみんながいるお」
( ^ω^((-、-トソン ギュッ
(〃^ω^) 「だから、平気だお! ぼくはよくわかんないこといっぱいあるけど、ぼくが今ここにいることはわかるお」
(-、-トソン 「ええ……」
(〃^ω^) 「ぼくは、今ここに、トソンのそばにいるんだお!」
(-、-トソン 「ええ、ブーンはここにいますよ。私のそばにいます」
- 100 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:47:46.09 ID:7u6eUIgl0
・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「さあ、部屋に戻りましょうか。明日は私達が午前中のアルバイトです。ブーンは寝ててもいいんですが……」
(〃^ω^) 「お! ぼくも起きるお! トソンといっしょにお仕事するお!」
(゚ー゚トソン 「そうですか。ありがとう」
(〃^ω^) 「……お? 海がキラキラしてるお? あれもガラス玉かお?」
(゚、゚トソン 「え? ……あれは……夜光虫ですかね」
(〃^ω^) 「おー? やこうちゅう?」
(゚、゚トソン 「私も実物を見たのは初めてなので、正しいかはわかりませんが、多分、夜に光る虫と書いて夜光虫かと」
(〃^ω^) 「あれ、むしさんかお?」
(゚、゚トソン 「正確には違いますね。原生動物の一種ですから」
(;^ω^) 「げんせい? どうぶつさんなのかお?」
- 102 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:48:24.21 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚;トソン 「ごめんなさい、なんだか余計にややこしくなってますね。その辺りはお家に帰ってから図鑑で見ましょう」
(;^ω^) 「お……」
(゚、゚トソン 「あれは虫よりも小さな目に見えないくらいの生き物の一種と思ってください」
( ^ω^) 「おー? 目に見えないのに光ってるお?」
(゚、゚トソン 「それだけ沢山集まってるのですよ」
(〃^ω^) 「おー! そうなのかお! すごいお! きれいだお!」
(゚、゚トソン 「ホントは害が……いえ、綺麗ですね(また長くなりそうなので止めておきましょう)」
(〃^ω^) 「空にお星さま、海にもお星さまだお!」
(゚ー゚トソン 「ええ、どちらもキラキラと輝いていますね」
(〃^ω^) 「おー……」
- 103 :丸い硝子の欠片と夜光虫◆iW2kGg44LU:2008/12/04(木) 22:49:09.07 ID:7u6eUIgl0
(゚、゚トソン 「さあ、帰りましょうか」
(〃^ω^)っ 「うんお!」
(〃^ω^)つ⊂(゚、゚トソン
ザツザツ トテトテ
(〃^ω^) 「また、いっしょに夜のお空見るお!」
(゚ー゚トソン 「ええ、また、いっしょにね……」
ザツザツ トテトテ ザツザツ トテトテ
− 丸い硝子の欠片と夜光虫 おしまい −
- 128 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 00:57:51.35 ID:CTdEaDxlO
< VIP川近辺 >
( ^ω^) 「お! やっぱり川のそばは涼しいお!」
ξ゚听)ξ 「まあ、確かにそうね。夏の間は公園じゃなくて、こっちでもいいかもね」
( <●><●>) 「ここが以前トソン先生とブーンが寄り道した川なのはわかってます」
ノパ听) 「うぉぉぉぉ! 泳ぐぞぉぉぉぉ!」
ξ゚听)ξ 「待ちなさいよ。この辺は人も多いから、もう少し上流に行きましょう」
( <●><●>) 「そうですね。その方が賢明でしょう」
(〃^ω^) 「お! じゃあ、行ってみるお。あの草むら抜けて行くお」
ノパ听) 「おー。背の高い草だなー」
( <●><●>) 「これは葦ですね」
ノパ听) 「よし? 何が良いんだ?」
- 130 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 00:59:46.56 ID:CTdEaDxlO
( <●><●>) 「そういう名前なだけですよ。よしともあしとも呼びますが」
ξ゚听)ξ 「良いんだか悪いんだかわからない名前ね」
( <●><●>) 「実際、あしが悪しに繋がるので、よしと読んでるらしいですよ」
ξ゚听)ξ 「へー。さすが学者志望。詳しいわね」
(〃^ω^) 「ワカッテマスすげーお!」
ξ;゚听)ξ 「あんたが貞子に見せてもらってた図鑑にも、これ載ってた気もするけどね」
(;^ω^) 「おー……? そうかお?」
ノパ听) 「つまりこれは、草だな」
(;<●><●>) 「ま、まあそうですね」
・・・・
・・・
- 132 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:02:32.49 ID:CTdEaDxlO
(;^ω^) 「おー……。ずーっと葦ばっかりで、ぜんぜん終わんないお」
ξ゚听)ξ 「確かにね。と言うかちょっと変ね。ワカッテマス、川はどっちかわかる?」
( <●><●>) 「ずっと右手にある川に沿って北上していたはずですが……」
ノパ听) 「水の音はするぞー?」
ξ゚听)ξ 「ちょっと川のそばまで行ってみましょうか」
( ^ω^) 「うんお」
( <●><●>) 「足元には気をつけてくださいね」
ノパ听) 「わかったぞぉぉぉぉ!」
・・・・
・・・
- 133 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:05:42.90 ID:CTdEaDxlO
(;^ω^) 「おー……? 川に着かないお?」
ξ;゚听)ξ 「おかしいわね……」
ノパ听) 「でも、水の音はするぞー?」
( <●><●>) 「ヒート、どっちから音は聞こえますか?」
ノパ听) 「んー? ……あっちだぞぉぉぉぉ!」
ξ;゚听)ξ 「そうね、あっちな気もするけど」
(;<●><●>) 「あっちが我々が来た方向なのはわかってます」
(;^ω^) 「おー? ぼくたち迷子かお?」
ノハ;゚听) 「ま、迷子なのか?」
ξ;゚听)ξ 「と、とにかく、水音のする方に行ってみましょう……」
・・・・
・・・
- 135 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:10:44.04 ID:CTdEaDxlO
(;´ω`) 「おー……? おかしいお? まだ川に着かないお?」
ノハ;´凵M) 「まだかぁー?」
ξ;゚听)ξ 「これは本格的に……」
(;<●><●>) 「迷いましたね……」
(;´ω`) 「おー……? ぼくたちここから出られないのかお……?」
ノハ;´凵M) 「おなかすいたぞぉー」
ξ;゚听)ξ 「……出られない……かもね」
(;<●><●>) 「……」
(;´ω`) 「おー……。出られなかったら、もうトソンに会えないお……」
ノハ;´凵M) 「貞子のご飯が食べられないぞぉー」
ξ;゚听)ξ 「デレ……」
- 136 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:11:40.03 ID:CTdEaDxlO
(;<●><●>) 「……」
( ;ω;) 「そんなのやだおー!」
ノハ;;) 「嫌だぞぉぉぉぉ!」
ξつ;)ξ 「バ、バカ。まだそうと決まったわけじゃないんだから、泣くんじゃないわよ!」
(;<●><●>) 「……どうすれば」
( ;ω;) 「おーん、おーん」
ガサガサッ
「「「「!!!!」」」」
( ;ω;)ノハ;;)ξ;;)ξ(;<●><●>)
- 138 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:16:34.56 ID:CTdEaDxlO
/*゚、。 / 「川の……妖精さん……×4」
( ;ω;) 「だ、誰だお!?」
/ ゚、。 / 「怪しいもの……ではない」
(;<●><●>) 「見るからに怪しいのはわかってます」
/ ゚、。 / 「私は……鈴木……ダイオード」
ξつ;)ξ 「こんなとこで何してんのよ?」
/ ゚、。 / 「1人……ワンダーフォーゲル中……」
ノハ;;) 「わっふる?」
/ ゚、。 / 「自然……散策……。涙……? ……ひょっとして……迷子……?」
(;<●><●>) 「端的に申せばそのようです」
- 139 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:18:58.15 ID:CTdEaDxlO
/ ゚、。 / 「この辺りは……大昔の八卦……不思議な陣の空間が残ってる」
ノハ;;) 「わけわからんぞー」
/ ゚、。 / 「とにかく……迷いやすい……」
( ;ω;) 「出られないのかお? お家に帰りたいお」
ヾ/ ゚、。 / 「ん……」
( ;ω;) 「お?」
ξつ听)ξ 「何……?」
(;<●><●>) 「乗れ……と?」
"/ ゚、。 / コクッ
・・・・
・・・
- 140 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:22:19.85 ID:CTdEaDxlO
ξ*゚听)ξ
(〃^ω^)ノハ*゚听)(<●><●> )
└/*゚、。 /┘
・・・・
・・・
/ ゚、。 / 「抜けられた……」
(〃^ω^)ノハ*゚听)ξ*゚听)ξ(*<●><●>)「「「「おおー」」」」
(〃^ω^) 「ありがとうだお! ダイ……、ダイ?」
/ ゚、。 / 「鈴木……ダイオード」
ξ゚听)ξ 「恩に着るわ、ダイオード」
/ ゚、。 / 「ん……」
ノハ*゚听) 「ありがとぉぉぉぉ!」
- 141 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:29:30.65 ID:CTdEaDxlO
/ ゚、。 / 「妖精さん……お家に……」
( <●><●>) 「はい、本当にありがとうございました」
/ ゚、。 / 「ここには……あまり近付いちゃダメ……。それじゃあ……」
(〃^ω^)ノシ ノハ*゚听)ノシ ξ*゚听)ξノシ (*<●><●>)ノシ
ヾ/ ゚、。 /
・・・・
・・・
(〃^ω^) 「ただいまーだお!」
(゚、゚トソン 「お帰りなさい。今日は、随分遅かったですね」
(〃^ω^) 「えっとね、えっとね、今日は川に行ったんだけど、葦の中で迷子になってだお、そんでね、そんでね……」
(゚ー゚トソン 「はいはい、続きはご飯を食べながらにしましょうね」
(〃^ω^) 「おー」
- 142 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:30:48.60 ID:CTdEaDxlO
(゚、゚トソン 「しかし、迷子になったのですか? あんまり知らないとこには行っちゃダメですよ?」
(;^ω^) 「お……。ごめんお。でもね、でもね、おっきい人が助けてくれたんだお」
(゚、゚トソン 「そうなのですか。親切な方もいらしたものですね。お名前は聞いてませんか?
何らかの折にお会いした時にお礼を言いたいですね」
(〃^ω^) 「お! 名前はダ……、ダー……、ダイ……ダイ、ダイ?」
(゚、゚トソン 「ダイ?」
(;^ω^) 「ダイ……ダイナマイト?」
(゚、゚;トソン 「中々豪快なお名前ですね……(あだ名か何かでしょうか?)」
ヾ(〃^ω^)ノシ 「お! ありがとうだお、ダイナマイト!」
・・・・
・・・
- 143 :( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <○><○>)の奇妙な冒険 ◆iW2kGg44LU2008/12/05(金) 01:34:06.77 ID:CTdEaDxlO
< ヘリカル宅 >
、/ ゚、。 / はく……しょん
*(‘‘)* 「何だ、風邪ですか?」
/ ゚、。 / 「む……?」
*(‘‘)* 「また例のサークルですか、1人の?」
/ ゚、。 / 「うむ……」
*(‘‘)* 「物好きですね。楽しいんですか?」
/*゚、。 / 「今日は……妖精さん……見た」
*(;‘‘)* 「妖精って……、寝惚けてやがるんですか?」
/*゚、。 / 「フフフフ……」
− ( ^ω^)ξ゚听)ξノパ听)( <●><●>)の奇妙な冒険 おしまい −
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