- 3 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:17:05.17 ID:XhcSQzQc0
− 第十六章 夏祭りと私と金魚さん −
〜 第一話 〜
こんばんは、都村トソンです。
('A`) 「こんばんは、ドクオです」
( ^ω^) 「こんばんは、ブーンですお」
初っ端からお見苦しいものをお見せして申し訳ありませんが、私とブーンが、食後の夕涼みにいつもの公園に散歩に出かけた所、
珍しくこんな時間帯にドクオさんに遭遇いたしました。
考えてみれば、ブーンとドクオさんは面と向かって話したことはなかったかもしれません。
2人とも、今更ながら初めての挨拶を交わしているところです。
(゚、゚トソン 「こんな時間帯に珍しいですね」
('A`) 「まあ、俺的にはそうでもないんだが、確かに宵の口に会うのは初めてだな」
- 5 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:19:44.50 ID:XhcSQzQc0
( ^ω^) 「お! ドクオもいっしょにブーンするかお?」
('A`) 「あー……、スマンが、俺はどっちかというと肉体労働向きじゃないんでな……」
(゚、゚トソン 「ブーン? ドクオさんのように見るからにくたびれた中年のような方が、ブーンと同じペースで遊んだら
突然死してしまいますよ?」
(;'A`) 「いや、死にはしないけどさ……。てか、久しぶりだってのに相変わらず容赦ないな……」
私は、ブーンにちょっと1人で遊んでてくれるよう頼んで、ドクオさんと話をすることにしました。
ちょうどあの件で相談したいと思っていましたし。
('A`) 「“雲井ヶ浜”に“荒巻”ね……」
ドクオさんは無表情でそうつぶやかれました。
雲井ヶ浜に何らかの反応を示されるかと思いましたが、その辺りはさすがに臭わせるような事はされません。
伊達にくたびれた中年のような顔をしているわけではありませんね。
('A`) 「本人に心当たりがある以上、何らかの関係はあるんだろうな……」
(゚、゚トソン 「ええ、ですが……」
- 8 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:22:12.72 ID:XhcSQzQc0
('A`) 「当てがない……か」
そうですね。あれから、シャキンさんやでぃさんにお礼の電話ついでに、荒巻という名について聞いてみましたが、
これといって収穫はありませんでした。
残された当ては2つ。ペニサスさんと、今目の前にいる……
('A`) 「……少なくとも、俺に心当たりはない。──が」
(゚、゚トソン 「……が?」
('A`) 「……調べられたら調べてみよう」
(゚、゚トソン 「……お願いしても?」
('A`) 「ああ」
知らない、興味ない、その手の言葉で断られるのではと思っていた私からしてみれば、ドクオさんの言葉は意外なものでした。
触れられたくない昔の事に、係わってくる場所の話でしたしね。
- 9 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:22:38.20 ID:XhcSQzQc0
ブーンはしばらく走り回って疲れたのか、1人でブランコで遊んでいるようです。
晩ご飯前にお風呂に入れたのですが、もう1度入ってもらわなければいけませんね。
(゚、゚トソン 「雲井ヶ浜に行かれるのですか?」
('A`) 「うん、その内行ってみるかな……」
雲井ヶ浜の話はあまりせずに、ドクオさんに任せた方がよいのかもしれませんね。聞き辛い話ではありますし。
そう思うと、これといって話す事もなくなったので、再びブーンの方へ視線を向けます。
しかし、その視線を遮る影が1つ。
ドクオさんが、ブーンの方へ歩き出していました。
('A`) 「中々いい乗り方だが、まだまだ甘いな」
( ^ω^) 「おー? ドクオはブランコ得意なのかお?」
('A`) 「まあ、見てな……」
そう言うとドクオさんはブランコに乗り、立ち上がって揺らし始めます。
自分で言うだけはあり、中々器用なもので、静止状態だったブランコは次第に勢いを増して行きます。
終いには、ほぼ地面と水平になるほどの勢いでドクオさんを乗せたブランコは揺れます。
- 12 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:25:34.84 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「おー!」
ブーンが感嘆の声を上げます。私も、思わず魅入られそうになりますがその顔が現実へ引き戻します。
そうして、十分に勢いを付けておいて、ブランコが最大限前に振れた時にドクオさんはブランコからジャンプされました。
(〃^ω^) 「おお!? すげーお!」
ドクオさんは空へ飛び立ち、ブランコの遥か先の植え込みに突っ込みました。
……どうやら目測を誤ったらしいですね。
(;'A`) 「あたた……、こんなとこに植え込みなんかあったか?」
(゚、゚トソン 「割と新しい植え込みのようですね」
ドクオさんが飛び込んだ植え込みは、まだ境界にあるレンガの色落ち具合などから、比較的新しいものだと推測されます。
(〃^ω^) 「おっおっお。最後こけちゃったけど、すごかったお!」
(;'A`) 「ちっと締まらんかったが、まあ、こんなもんだ」
(〃^ω^) 「今度、僕もやってみるお!」
- 14 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:27:10.36 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「ダメですよ、ブーン? 危ないですから」
(;^ω^) 「お……? ダメかお?」
('A`) 「固い事言うなよ。子供は無茶してなんぼ、ケガしてなんぼだ」
(゚、゚トソン 「ダメですよ。ブーンがケガをしてドクオさんみたいに取り返しの付かない顔になったらどうするんですか?」
(;'A`) 「うん、生まれ付きだけどね、これ……」
(;^ω^) 「おー……」
ブーンとドクオさんは困ったように顔を見合わせます。
わかってはいるんですけどね。男の子が、そういった風に無茶な遊びをするのも。
(-、-トソン 「ケガをしないように遊んでくださいね。……無茶かどうかは自分で判断してください」
私が言った言葉の意味を、ドクオさんがきょとんとしてるブーンにこっそりと耳打ちします。
平たく言えば、やってもいいけどケガするなって事なんですけどね。
- 16 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:27:44.76 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「うんお!」
ブーンは元気よく頷き、ドクオさんは不気──にこやかに微笑みます。
私も、呆れたように微笑み、ブーンの頭を軽く撫でます。
('A`) 「んじゃ、そろそろ行くわ」
(゚、゚トソン 「はい、ではまた」
(〃^ω^)ノシ 「バイバーイだお」
('A`) 「……例の件はまあ、期待せずに……、その内な」
(゚、゚トソン 「ええ、気長に待ってますよ」
ドクオさんは、例によって覇気のない気だるい歩き方で去って行かれました。
私は、ブーンにそろそろ帰ろうかと提案します。
- 17 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:28:16.65 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「お。帰るお。ちょっと汗かいちゃったし、のども渇いたお」
(゚、゚トソン 「もう1度お風呂に入ってくださいね」
(〃^ω^) 「わかったお。じゃあ、お家までブーンして帰るお!」
(゚、゚;トソン 「この暑いのに、走って帰りたくはありませんよ?」
( ^ω^) 「おー? トソンもちょっと運動した方がいいお? 太るお?」
(゚、゚トソン
( ^ω^) 「お?」
(゚、゚トソン 「そうですね、ちょっとダイエットしましょうか」
(〃^ω^) 「お! じゃあブーンして──」
(゚ー゚トソン 「これからは1日1食で、ご飯を我慢して痩せましょうかねー」
- 18 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:28:35.47 ID:XhcSQzQc0
(;゚ω゚) 「おおー!? それはないお!」
(゚、゚トソン 「でも、太ってますからねぇ?」
(;゚ω゚) 「お! トソンは太ってないお! ホントだお! ダイエットとかしなくてもへーきだお!」
(゚ー゚トソン 「うーん、じゃあ、3食全部サラダでヘルシーに……」
(;゚ω゚) 「そ、それもダメだお! お野菜ばっかじゃ元気が出ないお!」
(゚ー゚トソン 「それじゃあ──」
ブーンは必死に痩せなくていい事を力説しますが、それが可笑しくてついつい意地悪してしまいます。
私達は、夏の夜道を楽しくいっしょに部屋に帰りました。
〜 第一話 おしまい 〜
− つづく −
- 20 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:30:52.28 ID:XhcSQzQc0
〜 第二話 〜
ミセ*´ー`)リ「「だーうー……」」ζ(´ー`*ζ
(゚、゚トソン 「はぁ……」
これといって行事も予定もない夏休みのお昼。
特に用事もないのにデレとミセリは私の部屋に押しかけ、特に何もすることなくクーラーの効いた室内でだらりとしています。
U(゚、゚トソン 「ふぅ……」
私は、今日は家庭教師のアルバイトがありますが、それまでは特にこれといって用事もないので、
冷たいアイスコーヒーを飲みながら読書に勤しんでいます。
ブーン達はこの暑い中、またも外です。多分、公園ではなく、川の方でしょうが。
ヾζ(´ー`*ζ 「トソンちゃーん、私も、私も」
(゚、゚トソン 「どうぞ」
そう言って、私は、読み終えたままそばに積んでおいた文庫本を1冊デレに手渡します。
- 22 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:31:14.94 ID:XhcSQzQc0
ζ(´д`*ζ 「いや、本じゃなくて、そっち、コーヒー」
ミセ*´ー`)リ 「あー、私も私も」
(゚、゚トソン 「自分で淹れてください」
ミセ*´д`)リ「「えぇー?」」ζ(´д`*ζ
私がそう言うと、2人して駄々をこね始めます。
正直言ってこの上なくウザいので、しぶしぶ私は立ち上がり、冷蔵庫開けます。
(゚、゚トソン 「……作り置きはもうないですね。お湯でいいですか?」
ζ(´д`;ζ 「よくないよ!」
ミセ;´д`)リ 「せめて冷たいもんにしろよ!」
(゚、゚トソン 「面倒ですね。はい、水道水」
- 23 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:32:18.68 ID:XhcSQzQc0
ζ(´д`;ζ 「ぬるいよ!」
ミセ;´д`)リ 「面倒くさがり過ぎだろ!」
この辺りはそれほど都会というわけでもありませんし、一応水道水はそのまま飲めるのですがね。
そろそろ本格的にウザくなってきたので、ポットから熱湯を注ぎ、熱いお茶を淹れました。
(゚、゚トソン 「口と頭、どちらから飲みたいですか?」
ミセ;゚ー゚)リ 「何だその強制1択問題は?」
ζ(゚ー゚;ζ 「お茶、頂きますね」
デレとミセリは、熱いお茶を冷まし冷まし飲み始めます。
部屋がかなり涼しいのですから、熱いお茶も乙なものだとは思いますがね。
(゚、゚トソン 「しかし、2人とも、だらけ過ぎでは?」
いくら用事も何もないとは言え、何をするでもなく、いい若人がただごろごろしてるだけというのは。
もう少し、時間を有功に使えないものですかね。例えば──
- 24 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:33:02.82 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「趣味とかなかったですかね?」
ミセ*゚ー゚)リ「「趣味……?」」ζ(゚ー゚*ζ
ミセ*゚ー)「「……」」(ー゚*ζ
ミセ*´ー`)リ「「ひるねー」」ζ(´ー`*ζ
_, ,_
(-、-トソン 「……バイトとかしないのですか?」
ミセ*´ー`)リ「「働きたくないでござるー」」ζ(´ー`*ζ
_, ,_
(-、-トソン 「……はぁ」
私は、この2人の相手をするのは時間の無駄だと悟り、読んでいた文庫本を再び開こうとします。
ふとそこで、視界の端に何かちらつく光が見えました。
(゚、゚トソン 「……あ、携帯?」
どうやら、マナーモードにしたままだったらしく、携帯に何らかの着信があったのに気付いていませんでした。
携帯を手に取り、確認すると1通のメールが。差出人は……
- 25 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:33:59.09 ID:XhcSQzQc0
( ー トソン 「……いいタイミングですね」
私は、メールの返事を打ち、密かにほくそ笑みました。
・・・・
・・・
ミセ*´ー`)リ「「へーゔーん……」」ζ(´ー`*ζ
(゚、゚トソン 「……」
ピンポーン
ガチャ
(゚、゚トソン 「……はい」
「……いるか?」
(゚、゚トソン 「ええ」
- 28 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:36:42.00 ID:XhcSQzQc0
「あがっても……?」
(゚、゚トソン 「どうぞ」
ミセ*´ー`)リ「「?]」ζ(´ー`*ζ
/ ゚、。 / 「さすが……綺麗な部屋……」
ミセ;゚д゚)リそ 「うえ!? 何で先輩が!?」
ζ(´ー`*ζ 「あ、ダイオード先輩、ちーっす」
突然現れたダイオード先輩に、ミセリは日頃の経験から警戒心をあらわに、
反対にデレは、何とも気の抜けた挨拶で出迎えます。
/ ゚、。 / 「じゃ……連れて行く……」
(゚、゚トソン 「はい、ご自由に」
エ!? ガシッ ガシッ ナンデスカ?
ミセ;゚д゚)リ/ ゚、。 /ζ(゚д゚;ζ
- 31 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:38:53.50 ID:XhcSQzQc0
ζ(´д`;ζ 「トソンちゃーん!?」
ようやく自分の置かれた状況が大変まずい物だと気付いたのか、デレは私に助けを求めます。
しかし、当然この件の共犯者である私は、にこやかな笑顔で2人を後押しします。
ビシッ!
d(^ー^トソン 「ぐっどらっく」
ミセ;゚д゚)リ 「トーソーン!」
ζ(´д`;ζ 「おーろーしーてー!」
/ ゚、。 / 「諦めろ……行くぞ……」
セ;゚д゚)リ「「いーやー!!!」」ζ(´д`;ζ
ヾ(゚、゚トソン 「いってらっしゃーい」
バタン
- 33 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:39:10.01 ID:XhcSQzQc0
ガン!
「あいたー!」
「む……ぶつけた……すまん」
ゴン!
「いてっ!」
「ドン……マイ……」
(゚、゚トソン 「……」
(゚、゚トソン 「さて、ビロード君の所へ行く準備をしますか」
ようやく平和になった部屋をすぐに離れるのは名残惜しいですが、今日は家庭教師がありますからね。
私は、のんびりと余裕を持って出かける準備をしました。
〜 第二話 おしまい 〜
− つづく −
- 36 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:42:57.67 ID:XhcSQzQc0
< ビロード宅 >
(-、-;トソン 「……」
(;><) 「……」
( <●><●>) 「……」
(-、-;トソン 「……ビロード君?」
(;><) 「はいなんです」
(゚、゚トソン 「この白いノートは何ですか?」
(;><) 「学校指定のノートで、どこも違反していないと思うんです」
ピシッ
(゚、゚|トソン 「そうですね。では、何故白いのですか?」
(;><) 「何も書いてないからなんです」
- 38 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU:2008/12/18(木) 21:43:30.01 ID:XhcSQzQc0
- ピシッ
(゚、゚||トソン 「そうですね。では、何故何も書いてないんですか?」
(;><) 「まだ慌てる様な時間じゃないからなんです」
ピキッ
(゚、゚廾トソン 「そうですか。では、間に合うとお思いでも?」
(;><) 「僕達の夏はまだこれからなんです」
ビキッ
(゚ー゚#トソン 「そうですか。では、言い残す事はそれだけで十分ですか?」
(;><) 「……ごめんなさいなんです」
(゚、゚#トソン 「よくできました」
┐( <●><●>)┌ 「やれやれ……」
・・・・
・・・
- 39 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:44:16.73 ID:XhcSQzQc0
- カキカキ
φ(><;) 「うぉぉぉぉ、がんばって書くんです! まだ死にたくないんです!」
(゚、゚トソン 「全く……」
( <●><●>) 「申し訳ありませんね、ビロードが」
(゚、゚トソン 「いえ……、と言うかワカッテマス君のせいじゃないですしね」
( <●><●>) 「……私が何故、ビロードを手伝わなかったか疑問をお持ちですか?」
(゚、゚トソン 「0ではないですが……」
( <●><●>) 「ビロードの自主性を重んじたのが1つ」
( <●><●>) 「もう1つは、学校からの宿題ならば、間に合わなさそうなら私も手伝って終わらせますが、
トソン先生が出された課題はビロード自身がやらなければ意味がないのはわかってます」
(゚、゚トソン 「その辺りを理解してもらえてたのは助かります」
- 40 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:46:11.22 ID:XhcSQzQc0
( <●><●>) 「今のビロードに必要だから出されわけでしょうからね。質問に答えるぐらいはしますが、
その質問も、自分で考えてそこまでたどり着いてほしいですからね」
(゚ー゚トソン 「よいお兄ちゃんですね」
( <●><●>) 「私は弟ですよ」
(゚、゚トソン 「……あ、そうでした、海のお土産。食べます?」
( <●><●>) 「頂きます」
φ(;><) 「あ、僕も食べたいんです!」
(゚、゚トソン 「その範囲が終わったらですね」
( <●><●>) 「これは中々美味ですね」
(゚、゚トソン 「でしょう? 私も名前でちょっと、と思っていましたが、試食を頂いて惹かれました」
φ(;><) 「……僕も……」
( <●><●>)「「課題」」(゚、゚トソン
- 43 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:48:31.55 ID:XhcSQzQc0
- カキカキ カキカキ
φ(><;) 「うぉぉぉぉ!」
・・・・
・・・
< ビロード宅 トソン帰宅後>
(;><) 「半端なく疲れたんです……」
( <●><●>) 「自業自得ですがね」
(;><) 「……わかってるんです」
( <●><●>) 「なら、いいんですよ。がんばってくださいね、お兄ちゃん」
(;><) 「ぜってーバカにしてるんです」
( <●><●>) 「してませんよ。そこで駄々をこねなくなった分、成長しましたね」
( ><) 「僕がやんないと僕の成績が上がんないんです。成績上がんないと、トソン先生が困るんです」
( <●><●>) 「その通りです」
- 44 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:49:41.21 ID:XhcSQzQc0
( ><) 「でも……」
( <●><●>) 「でも?」
( ><) 「でも……成績上がっちゃうと、僕に家庭教師はいらなくなっちゃうんです……」
( <●><●>) 「……そう……ですね」
( ><) 「……」
( <●><●>) 「すみません、私が浅はかでしたね」
( ><) 「……何でワカッテマス君が謝るんですか? 浅はかって何ですか?」
( <●><●>) 「考えが足りなかったという事です。学習という頭の成長だけを見て、ビロードの心の成長まで考えておりませんでした」
( ><) 「よくわかんないんです。でも、ありがとうなんです」
( <●><●>) 「……ビロード、学問に終わりはありませんよ。成績が上がって、人並みになっても、今度は更にその上を目指せばいい」
( ><) 「……」
- 46 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:51:29.10 ID:XhcSQzQc0
( <●><●>) 「今の目標をクリアしたら、次の目標を作りましょう。1つ上の高校を目指すのもいいかもしれませんね」
( ><) 「……そうすれば、また勉強を教えてもらえるんです」
( <●><●>) 「ええ、だからがんばりましょう。そのように、サボって気を惹くのではなく、ね」
( ><) 「はいなんです」
( <●><●>) 「まあ、でも、別に家庭教師をしてもらわらなくても、それで縁が切れるわけでもないとは思うんですけどね」
( ><) 「?」
( <●><●>) 「私達は、既にトソン先生とお友達なのはわかってます」
( ><) 「友達……、そうですね、友達なんです!」
(;><) 「でも、友達……、友達かあ……」
( <●><●>) 「ビロードがトソン先生を好きなのはわかってます」
(;><) 「ば、バカなこと言わないんで欲しいんです。違うよ、ぜんぜん違うよなんです。何言ってるかわかんないんです」
- 47 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:51:51.61 ID:XhcSQzQc0
( <へ><へ>)
(;><) 「キモ! その顔、なんかムカつくんです!」
( <●><●>) 「パクりにならないように微妙に眼の中を変えたのはわかってます」
(;><) 「かわんないんです!」
( <●><●>) 「まあ、まずは友達からですね。……更に歩を進めるため、明日の昼は私といっしょに公園に行きましょう?」
( ><) 「公園? 何するんですか?」
( <●><●>) 「将をを射んと欲すれば先ず馬を、ですよ」
( ><) 「?」
( <●><●>) 「まあ、わからずとも、ビロードは普段通り、元気に遊んでればそれでいいのはわかってます」
( ><) 「遊ぶんですか? それなら任せてくださいなんです」
- 48 :(;><)……課題は?(-、-;トソン ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:54:02.88 ID:XhcSQzQc0
( <●><●>) 「ええ、お任せしますよ。……では、これを」
( ><) 「何ですか、これは? 雲井ヶ浜銘菓……海月煎餅……?」
(;><) 「微妙な一品なんです」
( <●><●>) 「味は悪くなかったですよ。あ、こっちの袋はトソン先生に開けてもらった──」
(*><) 「いただくんです!」
┐( <●><●>)┌ フーッ
(*><) 「美味しいんです!」
( <●><●>) (本当は私が開けた事は黙ってます)
− (;><)……課題は?(-、-;トソン おしまい −
- 50 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:55:38.19 ID:XhcSQzQc0
〜 第三話 〜
ミセ;゚д゚)リ 「トソーン!」
ζ(´д`;ζ 「暑いー! だるいー!」
夕食後、貞子の家でくつろいでいると、デレとミセリがなだれ込む様に部屋に入ってきました。
露骨に疲れた様子を見せ、何故か恨みがましい目でこちらを睨んでいます。
(゚、゚トソン 「おかえりなさい」
ξ゚听)ξノパ听)(〃^ω^)「「「おかえりー(だお)」」」
川д川 「お疲れさま。晩ご飯は?」
ζ(´ー`*ζ 「食べてきたー。でも、食べるー」
ξ゚听)ξ 「太るわよ?」
dζ(´ー`*ζ 「今日はいっぱい身体動かしてきたから平気」
- 54 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:57:16.00 ID:XhcSQzQc0
ツンちゃんのもっともなつっこみに、笑顔で言い切るデレ。
その理論はどうかと思いますが、案外真面目に働いてきたようですね。
まあ、あの2人の監視下でしょうし、デレは一応は真面目な子ですからね。
ミセ;゚д゚)リ 「いやいやいや、何で普通の応対で普通に和んでんのさ? こいつ私ら売ったんだよ?」
和やかになりかけた空気を、ミセリが激しく捲し立ててぶち壊します。
失礼ですね、代価はもらってませんから売ったわけではないですよ?
( ^ω^) 「おー? ミセリ売られちゃったのかお? 売れなさそうだお?」
ミセ*゚д゚)リ 「聞いてよ、ブーンちゃん! トソンったらひでーんだよ?」
(;^ω^) 「お……、ミセリ、何かくさいお……」
ミセ*゚д゚)リそ 「ええー!?」
ζ(´ー`*ζ 「……」
ξ゚听)ξ 「……くさ」
Σζ(´д`;ζ
- 55 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 21:58:34.25 ID:XhcSQzQc0
川;д川 「2人とも、ちょっと汗臭いかなー。お風呂入る?」
中々の重労働だったのでしょうかね。
外にいるだけで汗をかくような、真夏の炎天下の中の作業ですからそれも当然でしょうか。
ミセリは文句を言いつつも、デレはしょんぼりと肩を落としながら、それぞれお風呂に行きました。
2人とも、貞子の部屋、それと私の部屋に着替えは常備しています。
・・・・
・・・
ζ(´ー`*ζ 「うぃー、いいお湯だった。晩ご飯何ー?」
川д川 「青椒肉絲だよ」
ζ(´ー`;ζ 「……お腹いっーぱい」
ξ゚听)ξ 「もう用意してあるわよ。さっさと食べなさい」
ピーマンがピーマンが、と、うるさいデレですが、ブーンもちゃんと食べました、と言うと、大人しく席について食べ始めました。
- 58 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:01:06.47 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「そんなにはピーマンの味しなかったでしょう?」
(;´ω`) 「おー……、そうかお? はっきりピーマンの苦い味したお」
川ー川 「苦手なものは敏感に感じ取れたりするものだよ。もうちょっと小さく切ればよかったね」
(;´ω`) 「できれば、ピーマン以外がいいお……」
(゚、゚トソン 「そんなんじゃ立派な大人になれませんよ?」
ミセ;゚ー゚)リ 「ブーンちゃんは純粋なままで、友達を売るような汚い大人にはなって欲しくないねー」
お風呂から上がったミセリが私達の会話に割って入り、再び話題を蒸し返します。
だから別に売ったわけではないと言っていますのに。
ミセ;゚д゚)リ 「そういう問題じゃないだろ」
川д川 「はい、どうぞ」
貞子がご飯をよそい、ミセリの前に差し出します。
すぐさまそれを食べ始めたミセリは静かになりました。
- 59 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:01:40.67 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「それじゃあ、私達はそろそろ帰りましょうか。貞子、ごちそうさま」
ミセ;゚д゚)リ 「いや、帰んなよ! まだ話は終わってねー!」
ノパ听) 「食べながらしゃべると、ご飯が飛んで汚いぞぉぉぉぉ!」
ミセリは、立ち上がろうとしたブーンを捕まえ、自分の膝に乗せます。
ブーンはピーマンの匂いがキツいのか、ちょっと顔をしかめて困った顔でこちらを見ています。
(゚、゚トソン 「別に話すような事は……。明日以降の予定は、自分達で決めてきたんでしょ?」
ミセ;゚д゚)リ 「あの状況で断れるか!」
ζ(´ー`;ζ 「ウフフ……明日からもバイトぉー……」
私が聞かれたのは今日の予定だけです。
それ以降の予定は、直接あの御二方と交渉したでしょうから、私の与り知る所ではありませんね。
( ^ω^) 「おー? ミセリ達はどんなお仕事してるのかお?」
そう言えば、ちゃんと話してませんでしたね。皆には、大学の先輩に連れられてバイト、としか言っていません。
私自身も、詳細は聞いていませんが、何でも──
- 61 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:02:51.74 ID:XhcSQzQc0
ミセ*゚ー゚)リ 「お祭りの準備だよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「商店街のお祭がね、今度あるの」
(〃^ω^) 「おおー! お祭りかお! 行きたいお!」
ミセ*゚ー゚)リ 「お、ブーンちゃんはお祭りがどんなものか知っていたか!」
(〃^ω^) 「知ってるお! みんなで楽しくさわぐんだお!」
そう言えば以前にブーンには教えましたね、祭り。かなり適当に教えていた気もしますが。
ミセ*゚ー゚)リ 「おお、わかってんじゃん」
川;д川 「かなりアバウトだけど、まあ、間違ってはいないね」
貞子がお祭りをブーン達にわかりやすく教えてくれています。
デレの話だと、今度のお祭りは夜祭みたいですね。メイン会場となる広場での盆踊りがメインで。
商店街には夜店が並ぶようです。
- 66 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:06:42.23 ID:XhcSQzQc0
ノハ*゚听) 「楽しそうだぞぉぉぉぉ!」
川ー川 「そうだね。始まったら行ってみましょうかね」
(〃^ω^) 「お!」
(゚、゚トソン 「ええ、私達も行きましょう」
ミセ*゚ー゚)リ 「もちろん、私も──」
ミセ;゚д゚)リ 「──って、違うだろ! ナチュラルに話そらしおって!」
私はそらしたつもりはないと言いますか、私がそらしたわけでもないと思うのですが、ミセリはまたも噛み付いてきます。
そんなにバイトで愉快な事があったんですかね?
ζ(´へ`;ζ 「こき使われたねー」
ミセ;゚ー゚)リ 「主に私がな」
私に来たメールの送り主はヘリカル先輩。
祭りの設営のバイト、主に設営を運営、監視するバイトみたいです。
バイトでそんな内容はあまり一般的ではない気もしますが、主催者側と太いパイプでもお持ちなのですかね?
- 67 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:07:06.18 ID:XhcSQzQc0
メールの内容は、私にその監視のバイトをしないかという話でしたが、私は家庭教師のバイトもありましたから、
謹んでお断りする代わりに、デレたちを人手として差し出したわけです。
運営、監視以外に、人手を集めるのも仕事だったようですので。
ζ(´д`;ζ 「私もがんばってたよ?」
ミセ;゚д゚)リ 「デレが何かやろうとすると、他のバイトの野郎共が変わりに運んでくれたりとかですぐ仕事取られてたじゃんか?」
ζ(´ー`*ζ 「みんな親切だよねー。女の子には重い物持たせないのが当たり前なんだって」
ミセ;゚д゚)リ 「私は鉄棒やらシートやら滅茶苦茶運ばされてたけどな!」
(゚、゚トソン 「中々充実した時間を送れたようで何よりです」
ζ(´ー`*ζ 「うーん、ちょっと暑かったけど、まあ、そうかも」
ミセ;゚д゚)リ 「言いたい事はそれだけか?」
家で何もせずにごろごろしてるよりは何倍もマシだと思うんですがね。
自分の家ならまだしも、私や貞子の家で。
- 69 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:09:29.22 ID:XhcSQzQc0
ξ゚听)ξ 「どーせごろごろしてるだけだから丁度いいじゃないの?」
私が言おうとした事を、そのままツンちゃんが代弁してくれます。
ミセ;゚ー゚)リ 「ごろごろしてるだけとは失礼な」
ζ(゚ー゚*ζ 「ちゃんとご飯食べたり、お風呂入ったりはしてるよ?」
(゚、゚トソン 「それをごろごろしてるだけと言うのでしょうけどね」
食事やお風呂の準備も他人任せなんですし。
どの道、ここで愚痴ってたところで、明日以降のバイトがなくなるわけでもないのですから諦めればいいものを。
(;^ω^) 「ミセリ達お仕事やめちゃうのかお? お祭りできなくなっちゃうのかお?」
ミセ;゚ー゚)リ 「いや、私達が辞めたぐらいじゃ──」
ζ(^ー^*ζ 「辞めないよ? だから、ちゃんとお祭りもあるよ」
デレがそう言って、ミセリの膝の上から不安そうな目を向けるブーンの頭を撫でます。
そしてそのまま、ミセリのに視線を向け首をかしげ、にっこりと微笑みます。
- 70 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:11:45.40 ID:XhcSQzQc0
ミセ;-へ-)リヾ 「あー……もう……」
ミセリは罰の悪そうな顔で頬をかきますが、すぐにパッと明かるい表情を見せ、ブーンに話しかけます。
ミセ*゚∀゚)リb 「安心しなさい、私らがちゃーんと立派な祭り開けるように、ちょちょいと準備しちゃうからさ?」
ヾ(〃^ω^)ノシ 「お! ホントかお? ミセリもデレもすげーお!」
dζ(゚ー゚*ζ 「まかせなさーい! デレお姉ちゃんもやるときはやるんだよ?」
ξ゚听)ξ 「その、やる時がほとんど来ないけどね」
ミセ*゚ー゚)リ 「お祭り、楽しもーぜ?」
(〃^ω^) 「うんお!」
ノパ听) 「祭りだぁぁぁぁ!」
(゚、゚トソン 「わーい」
ミセ;゚д゚)リ 「お前はわざとらしいんだよ!」
- 72 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:13:01.21 ID:XhcSQzQc0
おかしいですね、ミセリとデレが立派にお仕事しているのが嬉しいだけですのに。
まあ、冗談はさておき、これで明日からしばらくはのんびりできますね。明日は家庭教師もありませんし。
ξ゚听)ξ 「明日からは私も付いていくからね?」
ζ(゚ー゚*ζ 「あれ? お祭りの準備に興味ある?」
ああ、ツンちゃんにはちょっと悪い事をしましたかね。
きっと、デレが心配なのでしょうね。仕事自体もそうですが、先ほどのミセリの話の事とか。
( ^ω^) 「お? トソンは行かないのかお?」
(゚、゚トソン 「行きませんし、ブーンも行かなくていいですよ?」
ミセリの膝の上から抜け出してきたブーンが私に聞いてきます。
私は、ビロード君の家庭教師があることと、今見てしまうとお祭り本番に楽しめないと言い、ブーンを納得させました。
ζ(^ー^*ζ 「あ、ひょっとして寂しいんだ?」
ξ゚听)ξ 「違うわよ、バカ。あんたがバカやんないか目を光らせておく必要があるだけよ、バカ」
- 73 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:14:26.13 ID:XhcSQzQc0
ζ(´へ`;ζ 「バカバカ言い過ぎー」
ξ゚听)ξ 「うっさい、バカ」
相変わらずのデレとツンちゃんを見ながら、私はブーンの頭を撫で、言います。
(゚、゚トソン 「準備はデレ達に任せましょう」
( ^ω^) 「お!」
(゚ー゚トソン 「私達は私達でやるべきことをし、お祭りはお祭りで楽しみましょうね」
(〃^ω^) 「うんお!」
私達は、お祭りにはどんなお店があるかをお話したりして、お祭りへの期待を募らせました。
〜 第三話 おしまい 〜
− つづく −
- 74 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:16:21.03 ID:XhcSQzQc0
< ヘリカル宅 AM 07:00 >
|::━◎┥P、P、P-
ポチ
|::━◎┥⊂*(‘‘)*
*(‘‘)* 「さて、今日は……駅前のマクドリアスバーガーですね」
・・・・
・・・
< ダイオード宅 AM 08:00 >
( ∴) G、G、GOE-
/ -、- / zzz
( ∴) G、G、GOE-、GOE-、GOE-
/ -、- / zzz-zzz-
・・・・
・・・
- 76 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:16:41.35 ID:XhcSQzQc0
< McSバーガー AM 09:00 >
*(‘‘)* 「いらっしゃーせー」
*(‘‘)* 「ごいっしょにポテトはいかがっスかー?」
*(‘‘)* 「スマイルはたけーですよ?」
*(‘‘)* 「ごめん、私は朝はパンよりご飯派」
*(‘‘)* 「いらっしゃーせー」
・・・・
・・・
< ダイオード宅 AM 10:00 >
/ ゚、。 / パチッ
/ ゚、。 / 「む……寝坊……」
ペシン
( ∴)ヾ/ ゚、。 / 「ちゃんと……働け」
- 79 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:19:40.80 ID:XhcSQzQc0
/ ゚、。 / 「今日は……どうしよう……?」
/ ゚、。 / 「!」
/ ゚、。 / 「山へ……行こう」
・・・・
・・・
< McSバーガー PM 00:00 >
*(‘‘)* 「いらっしゃーせー」
*(‘‘)* (平日なのに客多いですよ)
*(‘‘)* 「ごいっしょにポテトでいいですね?」
*(‘‘)* 「あ? いいですね? オーケー、わかればいいんですよ」
*(‘‘)* 「いらっしゃーせー」
- 80 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:20:03.05 ID:XhcSQzQc0
ノハ `ハ´) 「ヘリカルちゃん大変アルよ!」
*(‘‘)* 「どうしやがりましたか、シナ子?」
ノハ `ハ´) 「2階の8番席でお客さんが……」
*(‘‘)* 「オーライ、皆まで言うなですよ。ここは任せたですよ」
ダダダダダ!
<「おらー! お客様! 店内ではご静かにですよ!」
バキッ!
・・・・
・・・
< VIP山 PM 02:00 >
( ゚∋゚)
ヽ/*゚、。 / 「鳥さん……かわいい……」
- 82 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:21:05.32 ID:XhcSQzQc0
< McSバーガー PM 04:00 >
*(‘‘)* 「いらっしゃーせーでした」
ノハ `ハ´) 「あ、ヘリカルちゃん、もうあがりの時間アルよ?」
*(‘‘)* 「わかってますですよ。この客までです」
・・・・
・・・
< VIP山山頂 PM 04:00 >
/ ゚、。 / 「よい……景色」
/ ゚、。 / 「空気……美味しい」
/ ゚、。 / グゥー
/ ゚、。 / 「うむ……空腹……帰る」
・・・・
・・・
- 85 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:22:05.81 ID:XhcSQzQc0
< 商店街 PM 05:00 >
(’e’) 「あ! ヘリカルちゃん! いい所に!」
*(‘‘)* 「商工会長じゃねーですか。どうしやがりましたか?」
(’e’) 「実は今度の商店街の夏祭りなんだけど──」
*(‘‘)* 「ああ、例のあれ──」
(’e’) 「実行役員がね──」
*(‘‘)* 「そりゃお気の毒──」
(’e’) 「だから代わりに──」
*(‘‘)* 「そこまで言われて無碍には──」
(’e’) 「本当かい!?」
*(‘‘)* 「ま、頂くもんは頂きますですがね?」
・・・・
・・・
- 87 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:22:41.09 ID:XhcSQzQc0
< 蕎麦処 孟宗 PM 05:30 >
;;/ ゚、。 /;; 「む……メール……?」
/ ゚、。 / 「ヘリカル……把握……」
/ ゚〜。 / ツルツルツル
・・・・
・・・
< 商工会議所 小会議室 PM 06:00 >
*(‘‘)* 「やっときやがりましたか」
ヽ/ ゚、。 / 「おいすー」
*(;‘‘)* 「何ですか、その気の抜けた挨拶は?」
/*゚、。 / 「教えてもらった……」
*(‘‘)* 「まあ、いいですよ。それより、お前もこの話に一枚噛みやがれですよ」
- 89 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:24:07.33 ID:XhcSQzQc0
/ ゚、。 / 「うむ……しかし……この規模だと……」
*(‘‘)* 「人手が足りませんね。まあ、私のつてで適当に集めるですよ」
/ ゚、。 / 「あれを……呼ぼう」
*(‘‘)* 「あー、あれは使えますね。どちらかと言えばこちら側の人間として使えますよ」
/ ゚、。 / 「他は……」
*(‘‘)* 「後は雑用でしょ。まあ、明日にでも聞いてみますか」
/ ゚、。 / 「フフ……」
*(‘‘)* 「何ですか?」
/ ゚、。 / 「かわいい……後輩……」
*(‘‘)* 「そんなんじゃねーですよ。使えるか使えないかです」
/ ゚、。 / 「見込み……ある」
*(‘‘)* 「まあ、確かに、あいつらは最近の若いもんにしちゃあ、中々使えますですよ」
- 92 :/ ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み ◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:25:10.39 ID:XhcSQzQc0
/ ゚、。 / 「黒いのと……蹴り易いの……」
*(;‘‘)* 「打たれ強いですよ……。もう一方は同意ですが」
・・・・
・・・
< トソン宅 >
ミセ*>д<)リ「「ハックション」」(>д<トソン
ζ(゚ー゚*ζ 「あれー? 2人とも風邪?」
ミセ*゚ー゚)リ 「誰かが私らの事、噂してんでしょ」
(゚、゚トソン 「まあ、よくない噂でしょうね、特にミセリ」
ミセ*゚д゚)リ 「何だとー?」
ζ(゚ー゚;ζ (どっちも悪い噂な気がするなー……)
− / ゚、。 / と*(‘‘)*の夏休み おしまい −
- 93 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:26:15.35 ID:XhcSQzQc0
〜 第四話 〜
(´・ω・`) 「うん、僕の所も臨時で出店を出す予定だよ」
翌日、家庭教師のアルバイトもなく、これといって予定を入れていなかった私は、ブーンといっしょに
のんびりと商店街へ買い物に来ていました。
今日はデレもミセリも私の家で食事をする予定らしいですから、その買出しです。
まあ、ほんのわずかも負い目は感じていないですが、2人もちゃんと働いているのなら、その位してあげるのも吝かではありません。
(〃^ω^) 「ホントかお? どんなお店出すんだお?」
ブーンは、公園で遊んで来た帰りです。今日はツンちゃんがいない代わりに、ワカッテマス君とビロード君も来てたらしいですから、
いつもと変わらないほどには走り回ってきたようですね。
私達は買い物帰りに、ショボンさんのお店に寄る事にしました。
遊び回ってお腹もすいてのども渇いているブーンのためと、そのついでに商店街に店を構えるショボンさんに
お祭りの話でも聞いてみようかと思った次第です。
- 95 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:28:32.15 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「やはり和菓子のお店ですか?」
(´・ω・`) 「うん、和菓子は和菓子だけどね、夏らしい1品を模索中だよ」
ということは、まだ何を売るのか決まってないという事ですかね。
しかし、ショボンさんの発想はある種独特と言いますか、多少ずれた所が見られますので、
ここはどんなアイデアが出ているのか聞いておくべきでしょうか。
(〃^ω^) 「夏のおまんじゅうかお? どんなのだお?」
(´・ω・`) 「フフフ……、知りたいかい? よろしい、ブーン君達にだけ特別に教えちゃおう」
そう仰られ、ショボンさんは店の奥に入って行かれました。
私とブーンはアイスグリーンティーを飲みながら、ショボンさんのアイデアがどんなものか、想像したことを話していました。
(´・ω・`) 「お待たせ。さあ、これだ。名づけて“愛スショボン饅頭”。試食してみてくれないか?」
ショボンさんは高らかにその名前を宣言され、私達の前に例のあの外見のお饅頭を差し出されました。
- 99 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:32:22.51 ID:XhcSQzQc0
(;^ω^) 「おー……? いつものショボンまんじゅうだお?」(愛・ω・`)
(゚、゚;トソン 「アイスまんじゅうとか言うような名前のアイスクリームは見た事ありますが……」(愛・ω・`)
アイスまんじゅうは確か、小豆をアイスでくるんだものでしたが、これはどう見てもただのお饅頭ですよね?
アイスを饅頭の皮で包んだものでしょうか?
(´・ω・`) 「まあまあ、まずは食べてから、ね?」
そう言われますが、相変わらずの外見のため、口にするのを躊躇います。
私は、まずブーンの動向を見守る事にしました。
(〃^ω^)(愛・ω・`)「いただきまーすお!」
ジャリ
( ^ω^)}・ω・`) 「……」
(゚、゚;トソン 「ジャリ?」
(;^ω^) 「おー? 氷かお、これ?」
(´・ω・`) 「その通り。愛スショボン饅頭の中身は夏らしく、カキ氷だ。どうだい、このアイデア?」
- 100 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:32:49.93 ID:XhcSQzQc0
ショボンさんの説明によると、お饅頭の中身は、いわゆる“すい”と呼ばれるシンプルなカキ氷で、
小豆入りの金時のような感じになっているようです。
(´・ω・`) 「美味しいだろう?」
(;^ω^) 「おー……、皮がべしゃべしゃで変な味だお……」
(;´・ω・`) 「ナ、ナンダッテー!?」
(゚、゚トソン 「あ……」
ブーンの言葉で私も自分の前に置かれているお饅頭を確認した所、既に氷が溶け出しています。
皮も確かに指で突付けば破れそうな感じですね。
お祭り出すならば、外で食べる機会が多いでしょうし、そうなると余計に溶ける速度も早まり、何より持ち辛いでしょうから、
あまりよくないかもしれません。
私が思った事をショボンさんにそのまま伝えました。
(;´・ω・`) 「うーん……、確かにそうだねー……」
(;^ω^) 「お。まずくはないけど、僕はこれよりいつものショボンまんじゅうの方がいいお」
- 102 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:34:18.15 ID:XhcSQzQc0
ブーンの率直な意見を聞き、さらに眉をひそめ、普段で見られない厳しい表情のショボンさんは、
ケースからいつものショボン饅頭を取り出し、ブーンの前におきます。
さりげなくサービスする辺りは、いつものショボンさんですね。
(゚、゚トソン 「これだと、カキ氷の上にお饅頭の皮をトッピングとして乗せた物の方がまだ成り立つ気もしますね」
(;´・ω・`) 「やはり皮がネックか……」
その事には一応気付いておられたみたいですね。
皮も改良を重ねているとのことですが、まだまだのようだと仰られてます。
(゚、゚トソン 「何故、いわゆるアイスクリームじゃなくてカキ氷なのですか?」
(´・ω・`) 「アイスだとありがちかなー、なんて」
(゚、゚;トソン 「そんな理由なんですか?」
(´・ω・`) 「最初はね、周りをお餅で中身をアイスにしたんだけどねー。よく考えたらこれって、雪見──」
職人としては、オリジナリティを失うわけにはいかないとのことで、色々と悩んだ挙句のようです。
そういった仕事に妥協をしないショボンさんの姿は見習うべき所ではありますね。
……やはり、ショボンさんとシャキンさんが従兄弟とは考え難いです。
- 104 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:36:13.19 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「あくまでこの路線で行くなら、皮自体に思い切った改造が必要でしょうね」
(´・ω・`) 「……だね。正直、煮詰まってきてるんだけどね」
(〃^ω^) 「お! じゃあ、僕も考えるお!」
(´・ω・`) 「ハハハ、ありがとう。今はどんなアイデアでも有難いよ。思い付いたら何でも言って欲しい」
(〃-ω-) 「おー……、うーんと、えーと……」
ショボンさんがそう言われると、ブーンは目を閉じて一生懸命考え始めました。
時折、頭を振り、左右に首をかしげ、見ているとその仕草が可笑しくて吹き出しそうになります。
(〃^ω^)b 「お! 皮も氷で作っちゃえばいいお!」
(゚、゚トソン 「氷をくりぬいてですか? ちょっと大変かもしれませんね」
(´・ω・`) 「でも、まあ、皮自体を変えてしまうのは手だね」
( ^ω^) 「おー……、じゃあ、皮も凍らせればいいお!」
(´・ω・`) 「あ、それは中々……」
- 105 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:36:51.74 ID:XhcSQzQc0
ブーンの言葉に、何かをひらめいたのか、ショボンさんが眉根を寄せ、考え出します。
(゚、゚トソン 「和風の皮にこだわらないのであれば、中華風でそういうのもありますよね」
(´・ω・`) 「と言うと?」
(゚、゚トソン 「小龍包みたいに、最初から液体を入れられる事を想定したような……」
(´・ω・`) 「あー、なるほどなるほど……」
そう言われるなり、ショボンさんは再び考えの海に沈みこまれます。
ブーンが何か言おうとしましたが、私はそっと唇に指を当て、ブーンに黙って見ているようにお願いしました。
(;´・ω・`) 「あ! ごめんごめん、つい、ね……」
ほどなくして覚醒されたショボンさんは、すまなさそうに謝られます。
さして長い時間ではなかったですし、気にしないで欲しいと私は言い、そろそろ帰る旨を告げます。
(´・ω・`) 「いやいや、中々参考になったよ。ホントに。すぐにでも試作してみたいぐらいにね」
ショボンさんはいつものように快活な笑みでそう言われます。
お世話になっていますし、少しでもお力になれたのなら、私達にとっても喜ばしいことです。
- 113 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:48:06.47 ID:zcywYG5lO
(´・ω・`) 「ありがとう。やはり自分以外に違った方向から意見を出してくれる人がいると助かるね」
(゚、゚トソン 「差し出がましい真似をしました」
(〃^ω^) 「がんばっておまんじゅう作ってくださいお」
紙袋を抱えたブーンが嬉しそうに言います。
考えてくれたお礼、と、ショボンさんにお饅頭を詰めた紙袋を頂きましたからね。相変わらずです。
(´・ω・`) 「またきてね」
ペコッ "(゚、゚トソン(〃^ω^)ノシ
私達は油蝉の鳴く街路樹をくぐり、我が家を目指し歩いて行きました。
茜さす空に揺れる向日葵が、まだまだ夏が終わらないこと告げているようです。
〜 第四話 おしまい 〜
− つづく −
- 115 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:52:58.87 ID:zcywYG5lO
〜 第五話 〜
ヾ(〃^ω^)ノシ 「トソーン、早く行くおー!」
(゚、゚トソン 「そんなに急がなくても、お祭りは逃げませんよ?」
ξ゚听)ξ 「全く、ガキねぇ……」
ヾ(〃^ω^)ζ(´ー`*ζノシ 「おーい、ツンちゃーん、こっちこっち」
ξ;゚听)ξ 「……はぁ」
デレ達がお祭りの準備に行き出してから数日後、ようやくお祭りの当日と相成りました。
夕方頃から4人で商店街の方へ向かいます。
貞子達とは現地で合流ですが、ミセリはまだアルバイト中なので別行動です。
(゚、゚トソン 「しかし、浴衣でお祭りなど久しぶりな気はします」
- 116 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:54:23.42 ID:zcywYG5lO
浴衣自体は、るん雲で着ていましたから、ある意味懐かしくもありますが。
中学、高校と祭自体、1回か2回しか行ってないのではないでしょうか。
ξ゚听)ξ 「なかなか似合ってるわよ」
(゚、゚*トソン 「ありがとうございます。何か照れますね」
ζ(´ー`*ζ 「ほーらー浴衣包みー」
ヾ(〃>ω<)ノシ 「おおー!? 前が見えないお!」
ξ;゚听)ξ 「あのバカ……」
(゚、゚トソン 「何をやってるんでしょうね」
ξ;゚听)ξ 「何やってんのよ、パンツ見えるでしょうが、バカ!」
ζ(´д`;ζ 「み、見えないよ! ギリギリセーフだよ!」
ξ;゚听)ξ 「あんたは頭がギリギリアウトよ!」
- 120 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 22:57:52.90 ID:zcywYG5lO
- ζ(´д`;ζ 「てか、ツンちゃん、女の子が往来でパンツとか言っちゃダメだよ!」
ξ;゚听)ξ 「お前は言うな! アタシの声は聞こえなくても、あんたの声は聞こえるでしょうが!」
やれやれ。デレは本当に何をやっているのでしょうかね?
連日のアルバイトの疲れからか、終わった今、何やら妙にハイな調子です。
酔っ払いでもしてるのかと思いましたが、どうやら素面らしいです。
ζ(゚ー゚*ζ 「まあ、ドンマイ? そんなことより、お祭り♪ お祭り♪」
(〃^ω^)ノ 「おー!」
ξ;゚听)ξ 「……ああ、もう。トソンも何か言って──トソン?」
ヽ(゚、゚トソン
ξ#゚听)ξ 「何でそんなに離れてんのよ?」
そりゃあまあ、往来ではしゃいでパンツパンツ言ってる方々の仲間と思われたくないからですよ。
そのまま言うとツンちゃんに怒られそうでしたが、何も言わなくても怒られそうなので、いい笑顔で誤魔化しておきました。
- 123 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:00:35.45 ID:zcywYG5lO
(^ー^トソン
ξ#゚听)ξ 「バカにしてる?」
・・・・
・・・
川д川 「あ、こんばんはー」
ノパ听) 「おぉぉぉぉっス!」
待ち合わせ場所に行くと、既に貞子とヒートちゃんはそこで待っていました。
さすが時間に折り目正しい貞子ですね。
ζ(゚ー゚*ζ 「さて、行こっか?」
ξ゚听)ξ 「あんたが先導なんて珍しいわね」
ζ(゚ー゚*ζ 「まあ、商店街1本道だしねー」
そう言うなりデレは歩き出します。やはり、少々浮かれ気味ですね。
- 124 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:00:55.57 ID:XhcSQzQc0
私もブーンと並んで歩き出しますが、ブーンは普段と違う商店街の様子に目を奪われ、歩みが遅いようです。
薄ぼんやりと明るい提灯の光。CDでしょうが、聞こえてくる笛や太鼓の音。沢山の人々が溢れる喧騒。
(〃^ω^) 「おー……」
(゚ー゚トソン 「皆さん楽しそうに騒いでいるでしょう? これがお祭りですよ」
(〃^ω^) 「お! お祭りすげーお!」
ピョンピョン飛び跳ねるブーンを、他の人にぶつからないように抑えながら、私達は雑踏のする商店街を歩きます。
進むに従い、色々な出店が見えてきますが、まずはお世話になっているショボンさんのお店を探します。
ノパ听)σ 「あれじゃないかー?」
ヒートちゃんが指差した先には、黄色い暖簾のかかった、よくありがちな出店の1つですが、確かに名前が
愛スまんじゅう・ショボン屋となっています。
(´・ω・`) 「やあ、これはこれは、そろいも揃って浴衣美人で。いらっしゃい」
(゚、゚トソン 「こんばんは。店名を見る限り、あのままのお饅頭ですか?」
(´・ω・`) 「うん、良くぞ聞いてくれた。あれから、君達のアイデアを元に、改良に改良を重ねた、
新生愛スショボン饅頭、お1ついかがかな?」
- 126 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:01:42.77 ID:XhcSQzQc0
ショボンさんがそこまで自信を持って勧めるならば、頂かない道理はありません。
私達は、またサービスと言われる前にお金を払い、6つ買ってみました。
(゚、゚;トソン(愛・ω・`N) 「……外見は相変わらずなのですね」
(´・ω・`) 「そりゃあね。その形でなければ、ショボン饅頭はショボン饅頭であってショボン饅頭でなくなってしまう」
力説されるショボンさんですが、その外見を止めた方が確実に売り上げが増えそうなのは黙っておきます。
ζ(゚ー゚*ζ(愛・ω・`N) 「何か中華まんみたいだねー」
川д川(愛・ω・`N) 「でも、冷たいですね」
(´・ω・`) 「まあ、とにかく食べて見てよ。話はそれからさ」
(〃^ω^)(愛・ω・`N) 「お! いただきまーすお!」
ノパ听)}・ω・`N) 「ムグ……」
ξ;゚听)ξ(愛・ω・`N) 「……食べるのかー、これ……」
- 128 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:03:04.23 ID:XhcSQzQc0
私とツンちゃん以外は、それほど抵抗なく愛スショボン饅頭に口を付けているようです。
ハイテンション気味なデレはともかく、冷静な貞子までがそうしているのは、
料理人として未知の饅頭に惹かれたのでしょうか。
とは言え私も興味はあったので、覚悟を決めて端の方をかじってみます。
(゚、゚トソン 「あ、これは……」
ξ゚听)ξ 「皮が二重に……?」
(´・ω・`) 「うん、そうだよ。皮を二重にして水漏れを防いでいるんだ」
なるほど。よく考えられてますね。しかしこの皮は──
(〃^ω^)}ω・`N) 「中の皮は冷たくて甘いお! おいしいお!」
(´・ω・`) 「ははは、ブーン君、その皮、何か気付かないかい?」
( ^ω^) 「おー……? 冷たくて甘いお? おいしいお?」
ショボンさんがブーンに聞かれますが、ブーンはショボンさんが言わんとするところがわからないようです。
ショボンさんの言い様からすると、やはりこの皮はブーンが出したアイデアから作られた皮のようですね。
私はブーンにそのことを教えます。
- 132 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:05:17.94 ID:XhcSQzQc0
(´・ω・`) 「お、さすがはトソンちゃん。気付いてくれたようだね。その通り。この皮は外側はトソンちゃん、
そして内側はブーン君のアイデアを採用した物だよ」
( ^ω^) 「おー……? お!」
ヾ(〃^ω^)ノシ 「ホントだお! 中の皮は凍ってるお!」
ようやく合点がいったブーンは嬉しそうに飛び跳ねます。
私も、お役に立てたことが嬉しいので、ショボンさんにその旨を伝えます。
川ー川 「美味しいですね、これ。珍しい食感で」
ノパ听) 「美味かったぞぉぉぉぉ!」
ζ(^ー^*ζ 「夏向きですし、美味しいですね」
ξ゚听)ξ 「確かに。……外見はあれだけど」
(*´・ω・`) 「好評の様で何よりだ。そして、ご協力ありがとう。君達のアイデアのおかげだよ」
(〃^ω^) 「おいしいお! ショボンすごいお!」
- 135 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:07:45.02 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「ええ、本当に、この残念な外形、失礼、見た目はともかく、味はいいですね」
('、`*川 「へー、そんなに美味いんだ。私にも1つもらえる?」
(;´・ω・`) 「うぉ、ペニちゃん!?」
いつの間にか私の隣に立つペニサスさん。
そう言われるや否や、ショボンさんの眼前に右手を突き出し、ひらひらと振って催促されます。
(゚、゚トソン 「こんばんは。今日はお仕事はよろしいので?」
('、`*川 「こんばんは。店? 休み休み、お祭りだしね。ありゃ、浴衣じゃん? かわいいねー」
七五三みたいで、とペニサスさん。それは誉めてないと言いますか、色々と間違っている気もします。
ペニサスさんは普段どおりのラフなジーパンスタイルで、浴衣は着ておられません。
('、`*川 「ショボンって毎年店出してたの?」
(´・ω・`) 「去年からだよ。色々とチャレンジしたくってね」
('、`*川 「チャレンジねー……。伝統を守るのが大事だー、って前に言ってなかったっけ?」
- 137 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:08:48.94 ID:XhcSQzQc0
(;´・ω・`) 「時には新しい風を入れるのも、伝統には必要なんだよ」
('、`*川 「だったらこのしょんぼりな饅頭、もうちょっと可愛くすればいいのに」
(;´・ω・`) 「しょんぼり!? この伝統の姿形を指してしょんぼりだと?」
('、`*川 「伝統? 新しい風はどうしたの?」
世間話をしていると思いきや、瞬く間にヒートアップしていかれるショボンさんとペニサスさん。
止め様にも口を挟む暇もないほどの、ある意味息のあった掛け合いの前に、ただ私は眺めていることしかできません。
そんな折、背後からちょいちょいと肩を突付かれました。
ζ(゚ー゚*ζ 「次、行こっか?」
(゚、゚トソン 「これを放っておいていいのでしょうか……?」
ζ(゚ー゚*ζ 「いいんじゃないかな?」
不安に思う私に、デレはあっけらかんと言い放ちます。
それでいいのか疑問に思った私は、なおもデレに言いますが、デレはにこやかに微笑んで言います。
- 140 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:11:17.48 ID:XhcSQzQc0
ζ(^ー^*ζ 「2人っきりにさせてあげよ?」
(*´・ω・`) ('、`*川
(゚、゚トソン 「……あ、……そうですね」
そう言えば、以前にデレには話したかもしれませんね、ショボンさんとペニサスさんとの事は。
それ以前に、見てて気付けよ的な視線も感じなくはありませんが。
ξ゚ー゚)ξ 「……にぶ」
ツンちゃんがボソッと私につぶやきましたが、黙殺して私はブーンの手を引き、商店街の奥へ歩みを進めました。
・・・・
・・・
ノハ└( ∵)┘ 「正義のヒーロー! ビコーズ仮面だぁぁぁぁ!」
(゚、゚;トソン 「何ですか、あのお面?」
川ー川 「今、子供達に人気の特撮番組、ビコーズ仮面だよ?」
- 142 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:13:05.85 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「日曜の朝にテレビでやってるお」
ζ(゚ー゚*ζ 「主人公がかっこいいよねー」
(゚、゚トソン 「そう言えばブーンが見てたような……。デレも知ってるんですね」
ζ(^ー^*ζ 「うん、ツンちゃんが──」
ヨケイナコトイウナ! ボカッ!
ξ*゚听)ξつ#)゚д゚;ζ
・・・・
・・・
(〃^ω^) 「わたあめ甘くておいしいお!」
ノハ*゚听) 「チョコバナナ美味いぞぉぉぉぉ!」
ξ*゚听)ξ 「りんご飴美味しいわ」
- 144 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:14:04.03 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「おー? ツンの舌、緑だお? 変だお」
ξ*゚д゚)ξ 「うそ? 何で?」
(゚、゚トソン 「飴の色素が付いたんですよ。無害ですし、そのうち落ちるから大丈夫です」
ζ(゚o゚*ζ 「ほらほら、私の方は赤いよー?」
ξ;゚听)ξ 「ホントだ、なかなかキモイわね……」
川д川 「うーん……、わた飴は無理だけど、チョコバナナぐらいなら作れそう……。がんばればりんご飴も……」
(゚、゚;トソン 「貞子、すっかり料理人の目で……」
・・・・
・・・
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、くじだ」
(゚、゚トソン 「こういう所で当たってる人を見たことないですよね」
川д川 「そう言われるとそうだね」
- 145 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:15:17.58 ID:XhcSQzQc0
ξ゚听)ξ 「射的とか、商品が見えてるのならまだしもね」
ζ(゚ー゚;ζ 「みんな現実的だね……」
・・・・
・・・
私達は、お祭りで賑わう商店街を、寄り道をしながらのんびりと中央会場の方へ向かっていました。
そちらの方が盆踊り会場になっており、ミセリはヘリカル先輩達に捕まって、今も準備等に奔走しているようです。
( ^ω^) 「おー?」
川д川 「あ、金魚すくいだね」
ζ(゚ー゚*ζ 「小さくて可愛いねー」
縁日には付き物の金魚すくい。私も小さい頃は色取り取りの金魚の姿に惹かれたものです。
ですが結局、私が金魚すくいをやる事はありませんでした。その当時私は、猫を飼っていましたから。
川д川 「ヒートちゃん、やる?」
ノパ听) 「魚は大きい方がいいぞぉぉぉぉ!」
- 147 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:16:34.89 ID:XhcSQzQc0
ζ(゚ー゚*ζ 「やんないんだ。ツンちゃんは……やらないよねー」
ξ゚听)ξ 「世話が面倒だしね」
川д川 「ブーンちゃんはこういうの好きそうだよね?」
ζ(゚ー゚*ζ 「やる?」
( ^ω^) 「おー……、お! お……」
デレと貞子に聞かれたブーンは、すぐには返事をせず、何やら考え込んでいます。
私は、何も言わずにブーンの答えを待ちました。
ζ(゚ー゚*ζ 「?」
( ^ω^) 「お! やんないお」
川д川 「あ、そうなんだ」
ζ(゚ー゚*ζ 「ん? どして? 可愛くない?」
- 148 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:17:11.33 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「お! 金魚さんかわいいお! でも……」
(゚、゚トソン 「……」
( ^ω^) 「僕はお母さんにはなれないんだお」
ブーンはそう言うと、ミセリの所に行くお、と駆け出します。
走り去る横顔が、寂しそうに見えたのは私の見間違いではないんでしょうね……。
ζ(゚−゚*ζ 「どういうこと?」
(゚、゚トソン 「……後で説明します」
私は、駆け出すブーンを追って、自分も小走りで走りました。
走り難い浴衣を、恨めしく感じながら。
〜 第五話 おしまい 〜
− つづく −
- 154 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:24:17.96 ID:XhcSQzQc0
〜 第六話 〜
ミセ*゚д゚)リ 「やっときやがった! おせー!」
(〃^ω^) 「おっおっおっ」
ブーンを追って広場へ行くと、そこには腕組みをして仁王立ちのミセリと、
そのそばで何事もなく微笑むブーンの姿でした。
(゚、゚トソン 「もう設営の方はいいので?」
ミセ*゚ー゚)リ 「終わり終わり。もうバイト代分働いたってーの」
いつまでもこき使いやがって、と愚痴るミセリですが、それなりにミセリが使えると判断して、つまりは信頼しての
処置だとは思うんですがね。あまりあの先輩方に気に入られているという意識がないようですね、ミセリは。
まあ、会う度に蹴られていれば、それも仕方のないことかもしれませんが。
ミセ*゚ー゚)リ 「他の連中は?」
(゚、゚トソン 「もう来ますよ」
- 155 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:24:48.60 ID:XhcSQzQc0
ミセ*゚ー゚)リ 「別行動? ブーンちゃんだけいきなり走って来た時はちょっと驚いたけど──」
ミセ;゚ー゚)リ 「あれ、ブーンちゃんは?」
ミセリの言葉に私はブーンがいた辺り、ミセリの右隣に目を向けますが、ブーンの姿が見えません。
顔を上げ、周囲を見回すと、広場の隅、林になっている方にブーンの姿が見えました。
(゚、゚トソン 「すみません、ちょっと」
ミセ*゚−゚)リ 「何やった?」
(゚、゚トソン 「……何も。でも、私の考え方を押し付けていたかもしれません」
ミセ*゚ー゚)リ 「……ちゃんとお互いが納得出来るように話し合えよ?」
(゚、゚トソン 「ええ。ブーンには、少し良い子でいさせ過ぎたかもしれません」
私は、そう言ってミセリに手を振り、ブーンの後を追いました。
後ろでミセリが何か言っていましたが、祭りの喧騒で全く聞き取れませんでした。
・・・・
・・・
- 156 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:26:52.36 ID:XhcSQzQc0
( ´ω`)
(゚、゚トソン 「……ブーン?」
( ^ω^) 「お! トソン、どうしたんだお?」
林の中に入り、少し進んだところに開けた場所があり、ベンチが置いてありました。
簡易の公園施設のようですが、照明も薄暗く、目立たない所にあるので誰もいません。
そのベンチの1つにブーンは座っていました。
(゚、゚トソン 「どうしたじゃないでしょう? 勝手に歩き回っちゃダメでしょ?」
(;^ω^) 「お……、ごめんお。暑かったんで涼しいとこ行きたかったお」
私は何も言わず、ブーンの横に座りました。
遠くから、太鼓や笛の音が聞こえてきます。広場の方のはCDではなく、実際に叩いたりしているらしいですね。
ミセリやデレがそう言っていました。
(゚、゚トソン 「ブーン?」
( ^ω^) 「お?」
- 159 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:27:59.29 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「うそはダメですよ? いつもそう言っていますよね」
(;^ω^) 「おー……」
私はブーンの方を向き、じっと目を見ます。
ブーンも目をそらさず、じっと私を見ますが、急にしゅんとして、目を伏せました。
( ´ω`) 「ごめんお……」
(-、-トソン 「金魚さん……飼いたかったですか?」
( ´ω`) 「おー……」
(-、-トソン 「……ブーン?」
( ´ω`) 「ううんだお。まだ僕に飼えないのはわかってるお」
(゚、゚トソン 「ブーン、無理をせず、正直に──」
( ´ω`) 「無理じゃないお。前にトソンに言われたお」
- 162 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:29:27.16 ID:XhcSQzQc0
私がブーンに言った事。それは、生命に対する責任です。
動物や魚が好きなブーンは、人間がペットを飼う習慣があることを知ると、自分も飼いたがりました。
私は、自分が昔飼っていた猫の事も踏まえて、ブーンに説明しました。
猫はまだ世話は楽な方ですが、それでも自分の時間を取られることには変わりありません。
相手の考えている事がわからない事も、それを難しくする要因です。
ツンちゃんは何となく、猫などの言っている事がわかるような事を言っていましたが、それも漠然とですし、
ブーンに至っては全くわからないようです。
私は、ブーンにその生命に対して最後まで責任を持てない限り、ペットを飼う事は難しいと諭しました。
本当は、最後まで責任持てたとしても、むしろ最後まで責任を持てた時の方が、その後が辛いのですけどね。
自分より長くは生きられない生き物を飼う事。
ブーンはきっと、その別れの悲しみに耐え切れないと思い、
私は、まだブーンではペットのお母さんになってあげられない、と、かつて言いました。
( ´ω`) 「僕はまだ、お母さんはできないお。それがわかってるのに、金魚さんを見たら飼いたい気持ちで
いっぱいになっちゃった僕がイヤなんだお……」
(゚、゚トソン 「ブーン……」
- 163 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:29:45.05 ID:XhcSQzQc0
私はブーンをそっと抱き寄せます。
ブーンは素直にそのまま私に寄りかかりました。
(-、-トソン 「それがわかっているなら、ブーンはもう、お母さんが出来るかもしれませんね」
(〃´ω`) 「まだ出来ないお。僕、お昼はお外で遊びたいし、夜はいっぱい眠りたいお。
お世話してあげられる時間がないお」
(-、-トソン 「私もいますよ?」
(〃´ω`) 「トソンに手伝ってもらうと、ついつい甘えちゃうお。それじゃダメだお」
(-、-トソン 「そうですか。ごめんなさい、ブーン。少し脅かし過ぎたかもしれませんね」
私は、少し大げさに言い過ぎていたかもしれません。
それはきっと、私自身がペットを飼う事、いえ、いずれ来る、ペットととの別れを怖がっていたからです。
(〃´ω`) 「トソンの言ってる事は間違ってないお。金魚さんも、僕といっしょに暮らす事で
幸せになれなきゃかわいそうだお」
- 168 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:34:34.81 ID:zcywYG5lO
(゚、゚トソン 「でも、金魚さんを飼いたいんですよね?」
(〃´ω`) 「……うんお。……いつか飼いたいお」
(゚ー゚トソン 「じゃあ、いつか飼いましょう」
(〃´ω`) 「お……、でも、僕、まだ全然お母さんにはなれてないお?」
(゚、゚トソン 「お母さんにはならなくていいです」
(〃´ω`) 「お?」
(゚、゚トソン 「お母さんにはならなくていいですから、今よりお兄ちゃんになってください」
(〃´ω`) 「おー? お兄ちゃんかお?」
(゚、゚トソン 「そうです。お兄ちゃんです。今より勉強して、お家のお手伝いもがんばって、立派なお兄ちゃんになってください」
(〃´ω`) 「でも、お兄ちゃんじゃお母さんみたいにちゃんとお世話できないんじゃないかお?」
(゚、゚トソン 「お兄ちゃんじゃ足りない分は、私が補います。いっしょにお世話しましょう」
- 172 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:39:17.71 ID:zcywYG5lO
(〃´ω`) 「でも、でも、トソンに甘えちゃうと──」
d(゚、゚トソン 「だから、甘えないお兄ちゃんになるんですよ」
私は、人差し指を立て、そのままその指でブーンのおでこをちょんと突付きます。
ブーンは軽くのけぞり、首をかしげ私の方を見ます。
(゚、゚トソン 「人間だって、子供を1人で世話しているわけではありませんよ?」
お母さんがいて、お父さんがいて、おじいちゃんやおばあちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、
それから、血は繋がっていなくても周りにいてくれる人達、友達、色んな人がいます。
(゚、゚トソン 「だから、ブーン、あなたは今よりもっとお兄ちゃんになってください」
(゚ー゚トソン 「お兄ちゃんになれたら、いっしょに金魚さんを飼いましょう」
ブーンは私を見つめます。私も、目をそらさず、ブーンを見つめ返します。
ブーンは何かを言いかけ、でも言えずに黙ります。私は黙ってそれを見つめます。
ブーンが自分の答えを言うまで、私は黙ってブーンの頭をゆっくりと撫でていました。
- 174 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:40:20.07 ID:zcywYG5lO
(〃´ω`) 「……どうすれば、お兄ちゃんになれるのかお?」
(゚、゚トソン 「そうですね……ピーマンを残さず食べられるようになる事」
(〃´ω`) 「おー……?」
(゚、゚トソン 「セロリもですね。生野菜を残さない事。火を通したものもですが、とにかく、好き嫌いをしない事」
(;^ω^) 「おー……、お野菜かお……」
(゚、゚トソン 「それと、朝寝坊をしない事」
(;^ω^) 「お! 厳しいお……」
(゚、゚トソン 「毎日、漢字の書き取りをする事」
(;^ω^) 「おー……、がんばるお」
(゚、゚トソン 「それから……」
(;^ω^) 「まだあるのかお?」
- 181 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:46:34.98 ID:zcywYG5lO
(゚ー゚トソン 「お兄ちゃんの道は厳しいのですよ?」
(;^ω^) 「おー、大変だお、お兄ちゃん……」
私は、ここぞとばかりにブーンがちゃんと出来てない事をいくつもあげました。
ブーンは困り顔をしながらも、1つ1つをちゃんとやると、頷きました。
(゚、゚トソン 「その位ですね」
(;^ω^) 「おー……、すごいいっぱいだったおー……」
(゚、゚トソン 「2人でいっしょになりましょう。ブーンはお兄ちゃんに、私はお姉ちゃんに」
私も、直さなきゃいけない事が沢山あります。
私自身も、もっとがんばって成長しなければならないことを、ブーンに話しました。
- 182 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:47:15.34 ID:zcywYG5lO
( ^ω^) 「おー」
(゚ー゚トソン 「約束です」
(〃^ω^) 「お! うんお!」
オッ!
(〃^ω^)つ⊂(゚ー゚トソン 「いつかいっしょに、金魚さんを飼いましょうね」
私は、ようやく笑顔の戻ったブーンの手を引き、皆が待つ広場へ向かいました。
途中で、金魚さんを飼うならどんな金魚鉢がいいか、それとも水槽がいいか等と未来の夢を話しながら。
・・・・
・・・
ミセ*゚д゚)リ 「何2人でしけこんでんだよ、おせーよ」
( ^ω^) 「おー……? しけ……なんだお?」
(゚、゚トソン 「それは覚えなくていいです。すみません、遅くなりました」
- 185 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:49:52.37 ID:zcywYG5lO
私はミセリを張り倒し、デレ達に謝ります。
デレ達は、事情を何となくは察しているのか、笑顔で迎えてくれます。
ζ(´ー`*ζ 「いよーし、踊るぞー」
(゚、゚トソン 「踊れるんですか?」
川д川 「さすがに盆踊りぐらい誰でも踊れますよ」
ξ゚听)ξ 「まあ、そうね。アタシも見様見真似で踊れるわ」
(゚、゚;トソン 「……」
(〃^ω^) 「おー? トソン、どうしたお?」
ミセメ゚∀゚)リ 「ははーん、貴様、盆踊りビギナーだな?」
うるさいですね。子供の頃にこういうものに参加する機会がなかったから仕方ないじゃないですか。
私は、ミセリを睨み、ため息をつきます。
- 186 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:50:15.45 ID:XhcSQzQc0
(〃^ω^) 「お! トソン、僕といっしょだお! 僕も盆踊りわからんお!」
ζ(´ー`*ζ 「ミセリちゃんもよくわかんないから、ヘリカル先輩に教わってたよね?」
ミセ;゚ー゚)リ 「教わるってーか、叩き込まれるってーかね」
渋い顔を見せるミセリですが、それに突っ込んでいられるほどの余裕がありません。
私は、掌に嫌な汗をかくのを感じ、両手をこすり合わせます。
(〃^ω^)つ 「お!」
(゚、゚;トソン 「どうしました、ブーン?」
(〃^ω^)つ 「いっしょに踊るお! 2人でいっしょなら、ちゃんと踊れるお!」
(゚、゚トソン 「ブーン……」
顔色の優れない私を気遣ってくれているのか、ブーンは私に手を差し出します。
私はその手を取り、ブーンに言います。
- 187 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:51:27.85 ID:XhcSQzQc0
(゚、゚トソン 「ありがとう、ブーン。でも、盆踊りは1人で踊るものですよ?」
(;^ω^) 「お? そうなのかお?」
(゚ー゚トソン 「まあ、でも、いっしょに踊るのもいいかもしれませんね」
(〃^ω^) 「うんお!」
私は、ブーンといっしょに、皆といっしょに、真夏の夜の盆踊りを楽しみました。
(〃^ω^)人(゚ー゚トソン
手を合わせ、歩幅をあわせ、私達2人は、いっしょに踊り、初めての盆踊りを2人でこなしました。
これからもこんな風に、私達はきっといっしょに乗り越えて行けるんだと思います。
〜 第六話 おしまい 〜
− つづく −
- 189 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:52:36.11 ID:XhcSQzQc0
〜 ( ^ω^)の日記 〜
8月×日 はれ
今日はおまつりだったお。
ふえやたいこの音がピーとかドンとかなって、人がいっぱいだったお。
つめたいショボンまんじゅうおいしかったお。
わたあめおいしかったお。
おこのみやきもタコやきもおいしかったお。
きんぎょさんかわいかったお。
でも、ぼくはまだお兄ちゃんじゃないから、がまんするんだお。
お兄ちゃんになれたら、トソンといっしょにきんぎょさんとくらすんだお。
がんばってお兄ちゃんになるお。
おべんきょうして、お手伝いして、すききらいしないんだお。
トソンとやくそくしたんだお。
- 191 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:53:13.13 ID:XhcSQzQc0
〜 (゚、゚トソンの日記 〜
今日は夜から夏祭りでした。
商店街の規模は小さいのですが、なかなかの人手で賑わっていました。
ブーンたちを連れていて大丈夫かと危惧しましたが、
あの子達もだいぶ周りが見れるほどには成長しましたね。
出店も沢山出ていました。
こういうものにあまり馴染みのない私は、少しはしゃぎ気味だったのですが、
何とか皆にばれないように振舞っていました。
ちょっと恥ずかしいですしね、子供みたいで。
ブーンにも笑われそうです。
出店といえば、ショボンさんも無事に冷たいお饅頭を完成させておられましたね。
まさか私達のアイデアを使っていただけるとは。嬉しい限りでした。
お味の方も、夏向けの爽やかな食感で美味しかったです。外見はなんですが。
- 193 :◆iW2kGg44LU :2008/12/18(木) 23:55:02.35 ID:XhcSQzQc0
しかし、金魚の件は、私はどうだったのでしょうかね?
正しかったのか間違ってたのか。
ブーンに生命の責任を教えることは間違っていたとは思いません。
ですが、それで何も生き物を飼えないほどに萎縮してしまうのはどうなのでしょう。
私自身は、昔飼っていた猫とのお別れの後は、何かを飼うという発想が持てなくなりました。
それを弱さとか、諦めだとか言われるのなら、私は否定できません。
向き合う事を最初から諦めたのでしょうから。
でも今、私は、ブーンという生命に向き合っています。
あまり考えたくない事とも、いくつも向き合い、今は自分で折り合いをつけているんだと思います。
怖さも、悲しさも、全てを理解した上で。それに勝る喜びをくれるブーンといることを。
いつかブーンが、そう考える事もありますが、今、私は、ブーンと共にいる時間を、
悔いなく過ごせるように生きていくつもりです。
(-、-トソン 「昔お別れした、あの子に誓って……」
− 第十六章 夏祭りと私と金魚さん おしまい −
− 夢は次章へつづきます −
- 214 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:42:36.58 ID:VEF/Z5EvO
< デレ宅 AM08:00 >
|::━◎┥P、P、P-
ζ(´ー`*ζ スピー、スピー
|::━◎┥P、P、PPPPPP-
ζ(´ー`*ζ スピー、スピー
・・・・
・・・
< デレ宅 PM01:00 >
ζ(つー`*ζ モガ?
\ζ(´ー`*ζ/ 「ふぁー、よく寝たー」
ζ(゚ー゚*ζ 「ツンちゃんおは──あ……」
ζ(゚ぺ*ζ 「そういやツンちゃんいないんだっけ……」
- 216 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:46:02.59 ID:VEF/Z5EvO
ζ(-へ-*ζ 「時々ふらっといなくなるけど、どこいくか教えてくれないもんなぁ……」
ζ(゚ー゚*ζ 「まあ、夢のためらしいから、しょうがないんだけどね」
ζ(゚ー゚*ζ グゥー
ζ(-へ-*ζ 「お腹すいた……」
dζ(゚ー゚*ζ 「そんな時にはこれ!」
パカッ
⊂ζ(´ー`*ζ 「戸棚の中にカップめ──」
⊂ζ(´ー`*ζ 「……空っぽ?」
ζ(´ー`;ζ 「あれー? 確か前に買っておいたような……」
ζ(´ー`;ζ 「買ったのいつだっけかなー? 確か、雨が多いと外出面倒だからって買いだめしたのが……」
ζ(´д`;ζ 「梅雨前だね……」
ζ(´ー`;ζ 「うぇー、どうしよー、ツンちゃーん……は、いないんだっけ……」
- 218 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:48:46.05 ID:VEF/Z5EvO
ζ(゚ー゚;ζ 「さて、困ったどうしよう」
dζ(´ー`*ζ 「こういう時は──」
・・・・
・・・
< トソン宅前 >
ピンポーン
ζ(゚ー゚*ζ 「……」
ζ(゚ー゚*ζ 「……あれ?」
ピンポーン
ζ(゚ー゚*ζ 「……?」
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
ζ(゚ぺ;ζ 「……?」
ζ(゚д゚*ζ 「!」
ζ(´ー`;ζ 「そういや今日、トソンちゃんとブーンちゃんも出かけていないんだっけ……」
- 220 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:51:32.90 ID:VEF/Z5EvO
ζ(´へ`||ζ ションボリング
・・・・
・・・
< デレ宅 >
ζ(´д`;ζ 「うわーん、どーしよー……?」
ζ(゚ー゚;ζ 「貞ちゃん家行こうかなー」
ζ(´ー`*ζ 「でも、ちょっち遠いし面倒ー」
ζ(´ー`*ζ 「迷うと嫌だしなー」
ζ(´д`*ζ 「もうこのまま寝ちゃおうかなー」
ζ(´д`*ζ ゴロゴロ
ζ(´д`*ζ 「……」
ζ(´ー`;ζ ググゥー
- 221 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:55:23.44 ID:VEF/Z5EvO
ζ(´д`*ζ 「やっぱりお腹すいたー」
ζ(´д`*ζ 「……」
ζ(´ー`*ζ 「……作るか」
・・・・
・・・
⊂ζ(゚ー゚*ζ 「オープン・ザ・冷蔵庫」
ζ(゚ー゚;ζ 「味噌、マーガリン、紅しょうが(小袋)、……あ、このピンクのなんだろ?」
ζ(´へ`;ζ 「サクラ田麩かぁ……。何でこれだけあるんだろ?」
ζ(゚、゚*ζ 「冷蔵庫はダメと……他は──」
ζ(゚ー゚;ζ 「お米もないし……。あ、パスタがある」
ζ(゚、゚*ζ 「冷蔵庫にあるもの使えば……」
- 223 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 00:57:07.97 ID:VEF/Z5EvO
ζ(゚、゚*ζ 「味噌パスタ……マーガリンパスタ……」
ζ(゚、゚;ζ 「紅しょうがパスタ……」
ζ(´ー`;ζ 「サクラ田麩パスタ……」
ζ(゚ー゚*ζ 「ねえ、ツンちゃん、どれが──って、ツンちゃんはいないと」
ζ(´ー`;ζ 「てか、どれもダメでしょ。まだ塩胡椒の方が……うん、塩胡椒切れてる……」
ζ(´へ`;ζ 「全然ダメじゃーん!」
ζ(´д`;ζ 「うわーん」
ζ(´д`;ζ ゴロゴロ
ζ(´д`*ζ ゴロゴロ ゴロゴロ
ζ(´д`*ζ 「……」
ζ(´д`*ζ 「……」
- 225 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:02:03.28 ID:VEF/Z5EvO
ζ(´д`*ζ 「……zzz」
ζ(´ー`*ζ スピー、スピー
・・・・
・・・
< デレ宅 PM07:00 >
ガチャッ
ξ゚听)ξ 「ただいまー」
ξ゚听)ξ 「……」
ξ゚听)ξ 「?」
ξ゚听)ξ 「デレ? 出かけて──」
ζ(´ー`*ζ スピー、スピー
ξ゚听)ξ 「……」
- 229 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:04:38.60 ID:VEF/Z5EvO
ξ#゚ー゚)ξ
ポカッ! ニョワッ!
ζ(つд`*ζ 「あ、おかえりー、ツンちゃん」
ξ゚听)ξ 「おかえりーじゃないわよ。何、こんな時間から寝てんのよ。……ただいま」
ζ(´ー`*ζ 「……あれ? いつの間に寝てたんだろ?」
ξ゚听)ξ 「全く……。今日は何してたの? ……簡潔によろしく」
ζ(゚、゚*ζヾ 「うーんと……朝、いや、昼起きて……寝てた?」
ξ;゚听)ξ 「起きてねぇぇぇぇ!!!」
ζ(^ー^*ζ 「あはは、ツンちゃん、ヒートちゃんみたい」
ξ;゚听)ξ 「あんたって子は……。もう……、ご飯は食べたの?」
ζ(´д`*ζ 「食べてなーい。お腹すいたー!」
- 231 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:06:38.11 ID:VEF/Z5EvO
ξ;゚听)ξ 「何も食べずに寝てたの?」
ζ(゚ぺ*ζ 「作ろうとはしたんだけどねー……。さすがにサクラ田麩パスタは無理でしょ」
ξ;゚听)ξ 「何作ろうとしてんのよ……」
ζ(´д`*ζ 「有りもので1品、主婦の知恵?」
ξ;゚听)ξ 「いやいや、作れてないし。……アホな事言ってないで、買い物行くわよ?」
ζ(´ー`*ζ 「はーい」
ξ゚听)ξ 「返事だけはいいわね。……たまにはちゃんと作る?」
ζ(゚ー゚*ζ 「ツンちゃんが手伝ってくれるならがんばるよー」
ξ--)ξ 「やれやれ……、仕方ないわね」
ζ(^ー^*ζ 「ありがと、ツンちゃん」
ξ゚听)ξ 「さ、行きましょ」
- 235 :デレの一人暮らし ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:09:29.93 ID:VEF/Z5EvO
ガチャ バタン
「ちゃんと鍵閉めなさいよ?」
「わかってるよー」
カチッ
「じゃあ、行きましょう……、あんまりべたべたくっつかないでよ。歩きづらいじゃない」
「大丈夫、大丈夫」
「何が大丈夫なんだか……」
「へへへー。……ツンちゃん」
「何よ?」
「おかえり」
「は? さっきも……ただいま」
「フフフ……」
ξ--)ξζ(^ー^*ζ
− デレの一人暮らし おしまい −
- 240 :ヒートと散歩 ◆iW2kGg44LU [ごめ、まだ]2008/12/19(金) 01:17:05.82 ID:VEF/Z5EvO
< 貞子宅 >
ノハ*゚听) 「ごちそうさまでしたー」
川ー川 「はい、お粗末さまでした」
ノパ听) 「貞子、お茶淹れるか? お片付けするか?」
川ー川 「食べてすぐなんだし、まだゆっくりしてていいよ」
ノパ听) 「そうかー?」
川д川 「お茶は私が淹れるね」
・・・・
・・・
ノパ听) 「お片づけ終わったぞぉぉぉぉ!」
川д川 「ご苦労様。ありがとう」
ノパ听) 「よーし、食後の運動だぁぁぁぁ!」
- 241 :ヒートと散歩 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:18:44.62 ID:VEF/Z5EvO
川д川 「あ、ヒートちゃん、今日はいっしょに散歩行かない? それとも、いつものように部屋で体力作りする?」
ノハ*゚听) 「夜にお外行っていいのか? 散歩行くぞぉぉぉぉ!」
・・・・
・・・
< 貞子宅近辺 住宅街 >
テクテク テクテクテクテク
川д川ノパ听)
テクテク タッタッタッタ
川д川 ノパ听)
テクテク !!
川д川 ノパ听)
テクテク
川д川 ノパ听)
- 247 :ヒートと散歩 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:23:29.05 ID:VEF/Z5EvO
テクテク テクテクテクテク
川д川ノパ听)
テクテク タッタッタッタ
川д川 ノパ听)
テクテク タッタッタッタ
川д川 ノパ听)
テクテク !!
川д川 ノパ听)
テクテク
川д川 ノパ听)
テクテク
川д川 ノパ听)
ノパ听) 「貞子、先に行ってごめーん」
川ー川 「いいの、いいの、ヒートちゃんはヒートちゃんのペースでね」
- 248 :ヒートと散歩 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:25:02.20 ID:VEF/Z5EvO
ノパ听) 「でも、私は貞子といっしょに散歩したいぞぉぉぉぉ!」
川д川 「今だって、いっしょに散歩できてるよ。でも、見えるとこにはいてね」
ノパ听) 「なかなか歩くのがあわせられないぞー」
川д川 「まあ、歩幅も違うしね。私はちょっと鈍いし」
ノパ听) 「ブーン達はいっつもいっしょに歩いてるぞー?」
川ー川 「あの2人はホントに仲良いよね」
ノハ´凵M) 「ごめんなー、私がブーンみたいにちゃんと合わせられなくて」
川ー川 「それを言ったら、私だってトソンちゃんみたいにちゃんと合わせられてないよね?」
川д川 「そういうのは気にする事じゃないよ。トソンちゃん達はトソンちゃん達、私達は私達だよ」
ノハ´凵M) 「そーかー? 貞子は私といっしょだとつまらなくないかー?」
川д川 「どうして? そんなことないよ? ヒートちゃんは見てて飽きないし、お手伝いもしてくれる良い子だし、
それに、そういった理由を考えるまでもなく、私の大切な家族だよ」
- 250 :ヒートと散歩 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:27:05.62 ID:VEF/Z5EvO
ノハ*゚听) 「ありがとぉぉぉぉ! 私も貞子が大切で大好きだぁぁぁぁ!!!」
川*д川 「さすがにそんなに大声で言われると照れるね。……でも、嬉しいな」
ノハ*゚ー゚) 「へへへ……」
ノパ听) 「いっしょに並んで歩けるよう、私はがんばるぞぉぉぉぉ!」
川д川 「……それは、がんばらなくても大丈夫かな?」
ノパ听) 「?」
川д川 「だって、ほら……」
川ー川 「今はちゃんと並んで歩いてるよ?」
ノハ*゚听) 「!!!」
テクテク
川ー川ノハ*゚听)
− ヒートと散歩 おしまい −
- 2
- 253 :ブーンと向日葵 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:36:34.46 ID:VEF/Z5EvO
○○○
○###○
(〃^ω^) ○○○
(゚、゚トソン 「どうしました、ブーン?」
(〃^ω^) 「おっきな花だおー」
(゚、゚トソン 「あれは向日葵ですね。こないだ、図鑑で見ませんでした?」
(〃^ω^) 「おー、見たお! これがヒマワリかお! 図鑑で見るよりおっきいお!」
(゚、゚トソン 「ああ、そうですね、図鑑だと本当の大きさはわかり辛いですもんね」
(〃^ω^) 「僕よりおっきいお!」
(゚、゚トソン 「私ぐらいありますからね。ブーンから見たら本当に大きいでしょうね」
ヾ(〃^ω^)ノシ 「お花に届かないお!」
- 255 :ブーンと向日葵 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:38:12.66 ID:VEF/Z5EvO
(゚、゚トソン 「暴れて折っちゃったりしたら、向日葵さんがかわいそうですよ?」
( ^ω^) 「おー。なんでヒマワリって言うんだお?」
(゚、゚トソン 「太陽の方を向くからだと言われてますね。お日様に向かうと漢字で書きますし」
( ^ω^) 「おー、ヒマワリさんはお日さまが好きなのかお?」
(゚、゚トソン 「お花や木などの植物は、皆お日様が好きですよ。お日様の光がご飯の1つなんですよ」
( ^ω^) 「ご飯かなのお? すごいお。僕もお日さま大好きだお!」
(゚ー゚トソン 「ブーンも猫みたいに寒い時はお日様の当たるところで寝ていましたね」
(〃^ω^) 「おー! お日さまの光はぽかぽかで気持ちいいお。夏はちょっとジリジリしてて暑いお」
(゚、゚トソン 「そうですね、今の季節はちょっとお日様が恨めしいですね」
(〃^ω^) 「でも、でも、お日さまはお日さまだお。ないとまっくらで困るお!」
(゚、゚トソン 「ええ、ないと困りますね。……さあ、そろそろ帰りましょう」
- 257 :ブーンと向日葵 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:40:09.59 ID:VEF/Z5EvO
(〃^ω^) 「お。わかったお。ヒマワリさん、バイバイだお」
○○○
○###○
(〃^ω^)ノシ ○○○
(゚、゚トソン 「来年は、私達も何かお花を植えてみましょうか? 植木鉢を買って」
(〃^ω^) 「お! お部屋にお花が咲くのかお?」
(゚ー゚トソン 「違いますよ。家にも小さなベランダがあるでしょう?」
(〃^ω^) 「おー! あるお! なにを植えるのかお? ヒマワリさんかお?」
(゚、゚トソン 「何が初心者向けなんでしょうかね? 朝顔とかですかね?」
(〃^ω^) 「アサガオさん、図鑑で見たお! お外でも見たけど、いっつもお花がしぼんじゃってるお」
(゚、゚トソン 「朝顔は朝しか咲きませんからね。ブーンはお寝坊さんですからね」
(;^ω^) 「お……、そうなのかお? アサガオさん、早起きだおー」
- 258 :ブーンと向日葵 ◆iW2kGg44LU []2008/12/19(金) 01:42:09.22 ID:VEF/Z5EvO
(゚、゚トソン 「そうだ、朝顔を植えましょうか? そうすれば、ブーンもお花を見るために
早起きできるようになるかもしれませんね」
(;^ω^) 「おー……、早起きかお。うんお、がんばるお」
(゚ー゚トソン 「じゃあ、また約束ですね」
(〃^ω^) 「うんお! 約束だお。来年はアサガオさんをいっしょに育てるお!」
(゚、゚トソン 「慣れたら向日葵さんも植えてみましょうか」
(〃^ω^) 「お! 植えたいお! いっぱいお花、咲かせたいお!」
(゚ー゚トソン 「まあ、ベランダがお花だらけだと、洗濯物干すのに困りますけどね」
(〃^ω^) 「おっおっお」
(〃^ω^)(゚ー゚トソン
− ブーンと向日葵 おしまい −
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