1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:42:26.90 ID:eXqrxgAF0


   _   ( ^ω^)
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./..\\          旦 \⊂. )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「……ふぅ」

(´・ω・`)「……ふぅ」

( ^ω^)「やはり冬はこたつに限るお」

(´・ω・`)「暖房は邪道だね、許せるのはストーブまで」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:43:34.94 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「そういえばさ、レバニラってあるおね?」

(´・ω・`)「随分唐突だけど、あるね、ニラレバ」

( ^ω^)「そう、それ」

(´・ω・`)「それ? どれ?」

( ^ω^)「レバニラとニラレバ、どっちが正しいとか検証番組とかなかったかお?」

(´・ω・`)「ああ、何かそんなのあったね。薀蓄とかトリビアとか、そういった知識ブームで」

( ^ω^)「あれって結局どっちが正しかったか知ってるかお?」

(´・ω・`)「いや、知らない。見てない」

(´・ω・`)「つか、ぐぐれ……と言いたいとこだけど、確かヒットするのはレバニラの方が多かったはず」

( ^ω^)「じゃあ、レバニラの方が正解?」

(´・ω・`)「いや、結局答えは出てないはず。どっちも明確な根拠がなくて」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:44:47.41 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「普通に考えたら、メインが先に来そうなもんだおね」

(´・ω・`)「ニラとレバーのどちらに重きを置くかって話だね」

(´・ω・`)「そういう考察もあったはずだけど、結局作り手次第でどっちが正しいとは決められなかったはず」

( ^ω^)「じゃあ、火に掛ける順番とか」

(´・ω・`)「レバーが先の一択じゃね? 生焼けの臓物は危険すぐる」

( ^ω^)「ニラが先だと多分焼き過ぎた緑色の繊維質になるお」

(´・ω・`)「そんな感じで結局答えは出てないんじゃないかな」

( ^ω^)「ふむ……それじゃ他の誰かに聞いてみるかお」

( ^ω^)
  つ目 ピッ


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:46:04.01 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)目「あ、もしもし、ドクオ? 俺、俺、内藤だお」

(´・ω・`)「ドクオ? ドクオってあの? てか、その言い方って俺々詐欺みたいだよ」

(^ω^ )「少し黙ってろお。あいつの声は聞き取り難いんだお」


      ススッ
   _ 目(^ω^ )))
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´・ω・`)
  ./..\\          旦 \  ⊃
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


( ^ω^)目「うん、そう、レバニラ。……わかんない? まあ、いいお」

( ^ω^)目「うん……うん……そうそう……それじゃ、また」

( ^ω^)
  つ目 ピッ


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:47:06.85 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「ドクオはレバニラ派だったお」

(´・ω・`)「ああ、そう。てか、さっきのドクオって、あのドクオ君?」

( ^ω^)「多分そのドクオ君。大学の」

(´・ω・`)「いつの間に友達になってたの?」

( ^ω^)「大学入って割とすぐ」

(´・ω・`)「えー、僕、全然気付かなかったよ?」

( ^ω^)「お前は授業サボりすぎなんだお」

(´・ω・`)「試験は全部通ったよ」

( ^ω^)「お前は昔から要領だけはいいおね」

(´・ω・`)「うん。いやいや、今は僕の話はいいからドクオ君。何で?」

( ^ω^)「何で? って、大学は友達多いほうが何かと便利だお?」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:49:09.05 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「人付き合いめんどくさいです」

( ^ω^)「まあ、そこは否定しないお。お前はめんどくさがり過ぎだけども」

(´・ω・`)「僕は事なかれ主義だし、極力余計な接触は避けるんだよ」

(´・ω・`)「しかし、便利と言う意味はわかるけど、何でまたドクオ君?」

(´・ω・`)「他にもうちょいマシ──は失礼か、付き合いやすい人間いなかった?」

( ^ω^)「ああ、やっぱそう思うのか。ドクオ、全然しゃべらねーし、暗い雰囲気だもんね」

(´・ω・`)「そうそう、絶対友達いなさそうなタイプ」

( ^ω^)「そこは否定しないし、確かに友達いなかったみたいだけど、お前も俺しか友達いねーじゃねーかお」

( ^ω^)「他人の事言えんだろが」

(´・ω・`)「人付き合いめんどくさいです」

( ^ω^)「大事な事なので2回(ry」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:51:19.76 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「まあ、僕には君がいるからね」

(;^ω^)「うわ、何か悪寒が走るお。果てしなくキモいです」

(´・ω・`)「言い過ぎじゃね?」

(´・ω・`)「まあ、それはいいや。……で、何でドクオ君なの?」

( ^ω^)「一応断っとくけど、俺、クラスの皆の携帯番号は知ってるからね? 全員友達と言ってもいいお?」

(´・ω・`)「何、このリア充?」

( ^ω^)「まあ、それでも家に呼ぶような友達はドクオぐらいだけどね」

(´・ω・`)「え、ドクオ君もここに来てんの?」

( ^ω^)「来るお。てか、さっきの電話で呼んだからもうすぐ来るお」

(´・ω・`)「え?」

( ^ω^)「え?」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:53:37.25 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「いや、え? じゃなくて、何で僕がいるのにドクオ君呼んだの?」

( ^ω^)「何でお前がいたらドクオ呼んじゃダメなんだお?」

(´・ω・`)「だって、僕、ドクオ君と面識ないし」

( ^ω^)「いや、面識ぐらいあるだろうが、同じクラスなんだし」

( ^ω^)「友達を介してその友達に会うのは珍しい事じゃないお?」

( ^ω^)「そうやって知り合い増やしていったりするもんだお」

(´・ω・`)「人付き合いめんど( ^ω^)「黙れお」

( ^ω^)「まあ、ちょっと会って話すぐらいだからそんなに難しく考えんなお」

( ^ω^)「話してみて合いそうにないようだったら、次回からは無理に会わせたりはしないお」

(´・ω・`)「何で僕をドクオ君と会わせようとするの?」

( ^ω^)「お前に友達がいなくて、ドクオにも友達がいないから」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:55:48.96 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「というのが建前の理由」

(´・ω・`)「本当は?」

( ^ω^)「それがさっきのショボンが聞いてきた事の答えでもあるんだお」

(´・ω・`)「どれ? 今日の晩ご飯の献立?」

( ^ω^)「そんな話してねーお。てか、晩飯たかる気満々だおね?」

(´・ω・`)「たかる気はないよ。ご馳走になるだけで」

( ^ω^)「同じだお。てか、その話は後だお」

( ^ω^)「さっきショボンが聞いた、『何でドクオなの?』って話だお」

(´・ω・`)「ああ、聞いたね。それと僕とドクオ君を会わせることが関係あるの?」

( ^ω^)「ドクオは完璧なぼっちだったお」

(´・ω・`)「そうなの?」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:59:17.67 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「どうやら大学のみならず、中学、高校とずっと筋金入りのぼっちらしいお」

(´・ω・`)「それはある意味すごいね」

( ^ω^)「だから、僕が7年ぶりぐらいの友達らしいお」

(´・ω・`)「それで、君が友達になってあげたのはやっぱり同情から?」

( ^ω^)「そういうわけでもないお」

( ^ω^)「その話は後から聞いたんだし」

( ^ω^)「取り敢えずクラスの皆と一通り話してみて、一番気が合いそうだったのがドクオだっただけだお」

(´・ω・`)「ふーん……。僕はドクオ君の事は良く知らないけど、パッと見だと不釣合いに見えるね」

( ^ω^)「そうかお?」

(´・ω・`)「ガリとデブだし」

( ^ω^)「……おいこら、今何つった?」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:01:28.27 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「根明と根暗ってイメージだし」

( ^ω^)「俺はデブじゃねーお。ちょっと太めなだけだお」

(´・ω・`)「はいはい、太め太め」

( ^ω^)「……しょうがないんだお」

(´・ω・`)(あ、やばい、スイッチ入った)

( ^ω^)「カーちゃんは昔すごく貧乏らしかったんだお」

( ^ω^)「子供の頃、日々の食事も満足に取れず、毎日ひもじい思いをしてたらしいんだお」

( ^ω^)「それでも逆境にめげず、勉強していい大学に入って、いいとこに就職して」

( ^ω^)「職場結婚して、ようやく中流と呼べるくらいのごく普通の幸せな家庭を手にしたんだお」

( ^ω^)「だからカーちゃんは自分と同じ思いをさせたくないから、子供にひもじい思いをさせたくないからって」

( ^ω^)「食事だけは満足に食べさせてあげたいと、いつも大量に出されてたんだお」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:03:52.83 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「うん、知ってるよ。何度も聞いたし、君ん家行った事もあるし」

(´・ω・`)「流石に茶碗がどんぶりだったのには引いたけど」

( ^ω^)「だから俺は、そんなカーちゃんの気持ちを踏みにじらないように、いつも笑顔でおかわりしてたんだお」

( ^ω^)「それにカーちゃんのご飯、これがまた美味いんだお」

(´・ω・`)「それは確かに。あの量であの味は素直に感心した」

( ^ω^)「だろ? それならもう、食うしかないじゃん?」

( ^ω^)「だからちょっとぐらいポチャっても仕方がない」

(´・ω・`)「うん、まあ、そうだね」

(´・ω・`)「でも、今は実家から離れてるんだし、少しは痩せてもいいんでない?」

( ^ω^)「甘い。月2回のペースで米を始めとした食料品が実家から送られてくるお」

(´・ω・`)「ああ、そういえばそうだったね……」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:06:07.77 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「大事にされてるね(ちょっと過保護だと思うけど)」

( ^ω^)「お前ん家、基本的に放置だおね?」

(´・ω・`)「うん、荷物とか来たことないね」

( ^ω^)「まあ、お前見てるとそれも仕方なしと思う」

(´・ω・`)「それ、どういう意味? ドライな家系なだけだよ。基本的に個人主義」

(´・ω・`)「仕送りはちゃんともらってるしね」

( ^ω^)「だったらたまには晩飯の材料代ぐらい出せお」

(´・ω・)「あれ、テレビのリモコンどこいった?」

( ^ω^)「おい、こら、こっち見ろお?」


   _    (#^ω^)
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´・ω・)
  ./..\\          旦 \   ノシ
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:08:26.64 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「ああ、そうだ、今日は手土産があるんだった」

(;^ω^)「mjd? 明日は絶対雪降るお」

(´・ω・`)「ひどい言い草だな……僕だってたまにはちゃんと礼儀をわきまえた振る舞いもするさ」

( ^ω^)「たまにしかしない自覚はあるんだおね」

(´・ω・`)「そういうこと言うとあげないよ? 折角冬のこたつの風物詩とも言える丸いあれ持ってきたのに」

(*^ω^)「悪かったお。悪かったからその丸いあれ出せお」

(´・ω・`)「まだちょっと緑だから食べらんないかもしれないけど……」

(*^ω^)「大丈夫、少しくらい酸っぱくても許される範囲だお」

(´・ω・`)「そうかい? じゃあ、はい、どうぞ」


   _   (*^ω^)
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄○○○\(・ω・`)
  ./..\\          旦 \⊂. )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
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     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:10:40.61 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)○「……」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)○「……」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)○「……おい」

(´・ω・`)「丸くて緑だよ?」

( ^ω^)○「随分かてえミカンだな?」

(´・ω・`)「ミ……カン……?」

(#^ω^)○「ああ、クソ、どうせこういうオチだとわかってたお」

(´・ω・`)「僕はミカンだなんて一言も言ってないけどね」

(#^ω^)○「何で冬のこたつの風物詩がアボカドなんだお?」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:13:55.10 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「食べたことないんで食べてみたかったんだ。安かったし」

( ^ω^)「冬関係ねーだろ、輸入だろうし」

(´・ω・`)「食べたことあるの?」

( ^ω^)「食べた事ぐらいはあるけど、料理した事はない」

(´・ω・`)「取り敢えず、手で押して凹むぐらい柔らかくないと食べられないみたいだね」

( ^ω^)つ○「カチカチじゃねーか」

(´・ω・`)「それまでは常温で熟成させるとか」

( ^ω^)「しばらく食べられねーじゃねーかお」

(´・ω・`)(文句は言うけど受け取りはするんだね……)


   _○と(^ω^ )
   |\○○ ̄ ̄ ̄旦 ̄ ̄\(´・ω・`)
  ./..\\          旦 \  ⊃
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   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:17:42.08 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「まあ、ショボンが曲りなりにでも食べられるもの持ってきただけでも大いなる進歩だお」

(´・ω・`)「失礼だね。今後もちゃんと持ってくるさ、自分が食べたいものを」

( ^ω^)「持ってくるなら俺の趣味に合わせろお」

(´・ω・`)「君、嫌いなものってあったっけ?」

( ^ω^)「……ねーお」

(´・ω・`)「うん、知ってたけどね」

( ^ω^)「まあ、茶請けぐらいはドクオがきっと持って来てくれるお」

(´・ω・`)「律儀だね、彼」

( ^ω^)「そういうとこは礼儀正しい真面目な好青年だお」

( ^ω^)「一応断っておくけど、強制はしてないお?」

(´・ω・`)「わかってる。君がそんな事をしない人間だということも、君に食べ物を持ってくる人の気持ちも」

( ^ω^)「前半はともかく、後半はどういうことだお?」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:20:21.45 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「君には食べ物を引き付ける力があるって事だよ」

( ^ω^)「わけわからんお」

(´・ω・`)「冗談だけど」

( ^ω^)「冗談かお」

(´・ω・`)「実は冗談ではない」

( ^ω^)「どっちだお」

(´・ω・`)「てか、その様子だと気付いてないのかな?」

( ^ω^)「何をだお?」

(´・ω・`)「ほら、高校の時の?」

( ^ω^)「高校の時?」

(´・ω・`)「君、やたらと女子からお菓子もらってなかった?」

( ^ω^)「あー、それかお。確かにもらってたお」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:24:06.95 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「何でか知らんけど、お菓子くれるんだおね。未だに理由は謎だお」

(´・ω・`)「僕はその理由知ってたけど」

( ^ω^)「ワッツ?」

(´・ω・`)「まあ、一言で言えばツンのせいなんだけど」

( ^ω^)「レアリィ?」

(´・ω・`)「君さ、よくくだらない事でツンとケンカしてたよね?」

( ^ω^)「否定はしないが、あれは大体ツンが悪いんだお」

( ^ω^)「すぐ変な意地張るし」

(´・ω・`)「知ってる。彼女、素直じゃないからね」

( ^ω^)「でも、謝ってくるのはツンの方からだし、あれで結構かわいいとこあるんだお」

(´・ω・`)「のろけ話を聞きたいわけじゃないんだけど、理由はそれだよ」

( ^ω^)「ウェアー?」

(´・ω・`)「さっきから何で英語なの?」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:26:21.37 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「その謝る時さ、無言で君のとこに来てお菓子置いていってたよね?」

( ^ω^)「うん、それが昔っからのツンの謝罪方法だお」

( ^ω^)「物につられるわけじゃないけど、素直じゃないツンの精一杯の素直な気持ちとして──」

(´・ω・`)「のろけはいいからさ、とにかくそのお菓子だよ」

(´・ω・`)「ある時ね、他の女子に聞かれたんだって」

(´・ω・`)「あのお菓子は何? と」

(´・ω・`)「んで、その素直になれないツンちゃんはね、何て答えたと思う?」

( ^ω^)「……続けて」

(´・ω・`)「あれはおまじないだ、ってね」

(´・ω・`)「ブーンにお供えをすると、幸運が訪れるとか何とか」

( ^ω^)「……俺、お地蔵さんか何かかお?」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:29:36.95 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「それでね、またある時、ツンの話を間に受けた1人の女子がそれを試したわけですよ」

( ^ω^)「……1年の終わり頃かな」

(´・ω・`)「んでその結果、どうなったと思う?」

( ^ω^)「アイドンノウ」

(´・ω・`)「数日前に失くした財布が見つかったんだって」

( ^ω^)「……偶然だろ」

(´・ω・`)「だろうね」

(´・ω・`)「でも、女の子ってさ、そういうの好きだよねー。占いとかさ」

(´・ω・`)「その子も例外じゃなかったんだよね」

(´・ω・`)「さらに言えば噂好き」

( ^ω^)「……もういいお。その先はわかったお」

( ^ω^)「今初めて知る高校三年間の驚愕の真実」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:32:21.59 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「まあ、特に害のある話でもないからね」

( ^ω^)「いや、そのせいでポチャ化に拍車を掛けられたんだお」

( ^ω^)「あの野郎……」

(´・ω・`)「律儀に全部食べるからだよ」

( ^ω^)「何を言う。食べ物を粗末にする事だけは絶対に許せない」

(´・ω・`)「いや、1人で食べなくても……」

( ^ω^)「まあ、それはそれとして」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「如何に女の子がおまじないとか好きだったとしても、そう何度も偶然は起こらないお?」

( ^ω^)「その内、効果のないお供えは廃れていくもんじゃないかお?」

(´・ω・`)「それも気付いてないんだね」

( ^ω^)「ワッツ?」

(´・ω・`)「英語はもういいから」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:35:52.33 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「さっきのアボカドもそうなんだけど、君ってさ……」

(´・ω・`)「食べ物を受け取る時に非常に良い笑顔するよね?」

( ^ω^)「そうかお?」

( ^ω^)「別に普通だと思うお?」

(´・ω・`)「……あ、ポケットにまだ飴が残ってた」

(´・ω・`)「ブーンも食べるかい?」

(*^ω^)「頂くお」

          ササッ
   _    (((*^ω^)つ
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./..\\          旦 ∽⊂. )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:39:16.81 ID:eXqrxgAF0

(*^ω^)∽「イチゴかお、中々良いチョイスだお」

(´・ω・`)(うん、良い笑顔だ)

(´・ω・`)「で、まあ、その笑顔のお陰でね、女の子達の間で君にお菓子を渡すのが流行り続けたんだよ」

( ^ω^)「イマイチ納得はし兼ねるが、まあ、そういう事にしておくお」

(;^ω^)「しかし、その割にはモテる気配もなかったお……」

(´・ω・`)「そりゃまあ、愛玩動物的な扱いだし」

(´・ω・`)「さらに言えばツンもいたからね」

( ^ω^)「高校時代は大っぴらに付き合ってるとは言ってた覚えはないお……」

(´・ω・`)「いつも一緒にいたじゃん。そんなの見ればわかるよ」

( ^ω^)「そりゃまあ、幼馴染だったし、家は隣だったし」

(´・ω・`)「実際付き合ってたんでしょ?」

( ^ω^)「まあ、そうだお」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:41:25.75 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「やれやれ、羨ましい話ですな」

( ^ω^)「もともと、家族ぐるみの付き合いだし、兄妹みたいなもんだったお」

(´・ω・`)「でもさ、小学校の頃とか中学校の始めの頃はしょっちゅうケンカしてたよね?」

(´・ω・`)「ケンカするほど仲が良いって話だろうけどさ」

( ^ω^)「まあ、なんつーか素直じゃないからな、ツンは」

( ^ω^)「自分が悪いとわかってても意地張っちゃう子だったし」

( ^ω^)「俺としては、手のかかる妹みたいな感じだったんだけどね」

(´・ω・`)「ふーん……」

(´・ω・`)「で、どうしてそんな妹と付き合う気になったの?」

( ^ω^)「どうしてって……自然に?」

(´・ω・`)「告白無しで気付いたら付き合い始めてたって感じかな?」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:47:26.82 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「いや、一応告白はした……のかな?」

(´・ω・`)「何で疑問形なの?」

( ^ω^)「うーん、あれがそうなのか自信がないからだお」

(´・ω・`)「どんな事言ったの?」

( ^ω^)「いやまあ、中学の時だったと思うけど、またいつものようにケンカしてさ」

( ^ω^)「ケンカっつーか、ツンが一方的に拗ねてたんだけどさ」

( ^ω^)「理不尽っちゃー、理不尽な話だったんだけど」

( ^ω^)「でも、毎度の事ながらよく飽きないもんだと、腹を立てるより前に笑っちゃって」

( ^ω^)「それがさらにツンを怒らせて」

( ^ω^)「何で人が怒ってんのに笑ってんだとすごいキレて」

( ^ω^)「そん時俺は、これから先もずっとそばで怒ってるのが目に浮かんだからだと答えたんだお」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:51:58.52 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「そしたらツンが急にしおらしくなって」

( ^ω^)「それ、どういう意味なのって聞いてきたから」

( ^ω^)「きっと最後まで俺のそばにいるのはツンなんだろうなって答えて」

( ^ω^)「そしたら何かものすごい勢いで意味不明な事をまくし立てられて」

( ^ω^)「最後に何かツンが顔真っ赤にしながら謝って来たので、手を繋いで家に帰ったら」

( ^ω^)「翌日から付き合ってる事になってました」


   _    ( ^ω^) !!
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  ./..\\            \(´・ω・)
 /@ \|=================| ,つ つ旦
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:56:17.13 ID:eXqrxgAF0

(#^ω^)「お前が話振ったんだろうが、聞けよ!」

(´・ω・`)「いやー、他人ののろけ話ほどどうでもいい話ってないよね」

(#^ω^)「お前は……」

(´・ω・`)「そんな事よりドクオ君遅いね」

( ^ω^)「まだそんなに時間経ってねーし、ドクオの家からはここに来るのに1時間近くかかるお」

(´・ω・`)「結構遠いんだね」

( ^ω^)「大学まではここと大して変わらない時間で行けるみたいだけど、場所が真反対なんだお」

(´・ω・`)「ふーん」

(´・ω・`)「しかし、ドクオ君来たとして、僕は何話せばいいの?」

( ^ω^)「何って、普段俺に話してるように普通のどうしようもない話でいいお」

(´・ω・`)「そんな蔑ろな態度でいいんだ」

( ^ω^)「お前、ちょっと表出ろ」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:00:22.72 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「まあ、そんな感じで軽口を挟みながらでいいお」

( ^ω^)「少し手加減はしてな」

(´・ω・`)「随分ドクオ君の事気に掛けてるね」

( ^ω^)「うーん、まあ、聞き様によっては誤解を受けそうだが、やっぱかわいそうなんだお」

(´・ω・`)「友達がいないのが?」

( ^ω^)「それもあるけど、それ以前に本人の印象がね」

( ^ω^)「ぼっちだったのはさ、まったく本人に原因がなかったわけでもないと思うんだお」

( ^ω^)「どうも対人恐怖症なとこあるみたいだしさ」

( ^ω^)「ぼっちが先か、それが先かはさておき」

( ^ω^)「まあ、普通の人は付き合いづらいと感じるぐらいには」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:02:14.51 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「そうするとますます人が寄り付かなくなり、負のスパイラルが加速する」

( ^ω^)「それはやっぱりかわいそうかなーと思うし」

( ^ω^)「出来ればその辺を緩和してやりたいと思う」

(´・ω・`)「君は良い人だねー」

( ^ω^)「お前に言われると馬鹿にされてるようにしか聞こえない、不思議!」

(´・ω・`)「ちゃんと褒めてるんだけどね」

(´・ω・`)「そういうの、押し付けと言う人もいるだろうけど」

(´・ω・`)「君のそれが善意から来ているのは僕はわかってるからね」

( ^ω^)「何か気持ち悪い!」

(´・ω・`)「昔からそうだったじゃん?」

(´・ω・`)「正義のピザって呼ばれて──」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:04:17.50 ID:eXqrxgAF0

(#゚ω゚)「あ? 今何つった?」

(;´・ω・`)「な、何でもないです、はい」

(´・ω・`)(そういやこのあだ名大嫌いだったんだっけ)

(´・ω・`)(意外に動けるピザとか、怒らせると怖いピザとか、影でしか言われてなかったもんな……)

(´・ω・`)「まあ、とにかく、弱いものいじめが嫌いだったのは知ってるから」

(´・ω・`)「君がドクオ君を何とかしてあげたいと思うのは自然なことだと思うよ」

( ^ω^)「まあ、おこがましいのもわかってるお」

(´・ω・`)「うん、まあ、大体の所は把握」

(´・ω・`)「なるべく自然に話し掛けてみるよ」

( ^ω^)「頼むお」

( ^ω^)「最初すげえきょどると思うけど、引くなお?」

(´・ω・`)「何となくその姿が想像出来るな……」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:06:20.49 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「だお? ツンが最初話しかけた時も壮絶にきょどったんだお」

(´・ω・`)「ふーん……って、ドクオ君、ツンとは面識あるんだ」

( ^ω^)「まあ、校外でツンと2人でいる時に偶然会ったりしたんだお」

( ^ω^)「見てて面白いぐらいきょどった」

( ^ω^)「まあ、友達いない、イコール彼女いないだから女性はことに不慣れなようだお」

(´・ω・`)「加えて、ツンはちょっと取っ付き難いとこあるしね」

( ^ω^)「その辺はツンに言い含めてあるから、むしろ俺に話す時より刺がないように感じるお」

(´・ω・`)「えー? あの子にそんな真似が出来るとは思えないけどな」

(´・ω・`)「僕と話す時なんて汚いものを見る目で話すよ?」

( ^ω^)「それはお前だからだお」


   _  ( ^ω^)9m
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(´・ω・`)
  ./..\\          旦 \  ⊃
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48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:08:42.55 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「いや、僕は女性には基本的に紳士的に振舞うから、そんなに女性受けは悪くないはずだよ?」

(´・ω・`)「さっきのお供えの話だって、そうやって他の女子から聞きだしたんだし」

(´・ω・`)「自分から話すのがめんどくさいだけで、受け答えはきっちりこなしてるよ」

( ^ω^)「まあ、ツンがお前を汚いものを見る目で見るのもしょうがないお」

(´・ω・`)「どうしてさ?」

( ^ω^)「そりゃ、俺の部屋にあるいかがわしい本やDVDは全てお前から回って来たことになってるし」

(´・ω・`)「は?」

( ^ω^)「彼女がいる手前、自分で買って来たとは言えんお?」

(;´・ω・`)「いや、何さらっと無茶苦茶な事言ってんの?」

(;´・ω・`)「それ、思いっきり冤罪じゃん」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:10:30.22 ID:eXqrxgAF0

(;´・ω・`)「ひょっとして高校の時からそう言ってんの?」

(;´・ω・`)「ああ、何か僕も長らくの謎が解けた気がするよ」

( ^ω^)「そりゃ良かった」

(;´・ω・`)「微塵も良くないよ」

( ^ω^)「それも致し方なし」

(;´・ω・`)「いやいやいや」

( ^ω^)「まあ、そう怒んなお」

( ^ω^)「こういうのは助け合いだお」

( ^ω^)「お前に彼女が出来た時は、お前も同じように、俺から回って来たものだという事にしていいからさ」

(;´・ω・`)「納得いかないな……」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:12:48.82 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「でもまあ……さして実害ないからいいか」

( ^ω^)(いいんだ)

(´・ω・`)「ツンもまあ、男がそういう風なのは仕方ないとわかっちゃいるだろうし」

( ^ω^)「良い顔はしないけど、捨てるまでは行かないとこを見ると理解はしてくれてるのだと思おう」

(´・ω・`)「机の上に並べられてないだけマシか」

( ^ω^)「……マシだな」

(´・ω・`)「それに今度からはドクオ君から回って来たことにしてもいいし」

( ^ω^)「それは止めてあげて」

( ^ω^)「それでツンから吊るし上げ食ったら、ドクオ自殺しかねないから」

(´・ω・`)「かえって耐性付くんじゃない?」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:15:52.58 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「あの冷たい目で見られるのも中々乙なもんだよ」

( ^ω^)「それはお前だけだ」

(´・ω・`)

( ^ω^)「まだちょっと高いハードルだお」

( ^ω^)「それにドクオ、ちょっとツンに惚れてるとこあるし」

(´・ω・`)「えっ?」

( ^ω^)「えっ?」


   _   ( ^ω^) ?
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`) ?
  ./..\\          旦 \⊂. )
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     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:18:12.07 ID:eXqrxgAF0

(;´・ω・`)「いや、えっ? じゃなくてさ……」

(´・ω・`)「惚れてるって、あんた……。ツンは君の彼女だよね?」

( ^ω^)「だおね」

(´・ω・`)「それなのに惚れられてるって、あれ、ドクオ君って意外とワイルド?」

( ^ω^)「んなわけねーお。多分、俺らが付き合ってんのに気付いてないだけだお」

(´・ω・`)「え? 何で? 紹介してないの?」

( ^ω^)「したお? 幼馴染だって」

(´・ω・`)「いや、幼馴染って……いやいや、それにしても見てればすぐわかるよね、君らが付き合ってるの」

(´-ω-`)「……ああ、そっか、気付かないのか」

(´・ω・`)「友達いなかったんだし、そういうの察するの出来ないのか」

( ^ω^)「多分、そんな感じだと思う」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:21:36.84 ID:eXqrxgAF0

(;´・ω・`)「そんな感じって……早いとこ訂正すべきとこじゃないの?」

( ^ω^)「まあ、実害はないお」

( ^ω^)「それにこれも、ドクオの対人スキル向上の為には良い機会だお」

( ^ω^)「空気を察する事を学ぶ」

(;´・ω・`)「そんな、騙されたと知ったら逆効果じゃないの?」

( ^ω^)「付き合ってないとは言ってないお」

( ^ω^)「幼馴染なのも本当」

(´・ω・`)「そんな詐欺みたいな言い回しで……」

(´・ω・`)「でもまあ……それはそれで面白そうだからいいか」

( ^ω^)(いいんだ)


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:24:41.05 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「でもさ、ツンはそれどう思うのかな?」

( ^ω^)「んー……多分どうも思ってないんじゃないかお?」

(´・ω・`)「ちゃんと恋人って明言されないのは嫌なんじゃない?」

( ^ω^)「まあ、あいつの方が明言しないだろうし」

( ^ω^)「照れて」

(´・ω・`)「それもそうか」

(´・ω・`)(バレバレだけど)

(´・ω・`)「万が一、ドクオ君が暴走してツンの身に危険が及ぶような事は……」

( ^ω^)「ないお」

(´・ω・`)「言い切ったね」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:28:37.91 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「まあ、僕も自分で言っといてなんだけど、ないと思うね」

( ^ω^)「ドクオの性格とか対人スキルとかがまずあって……」

(´・ω・`)「ツンの性格というか腕力がある」

( ^ω^)「うかつに手を出したら死を見るお」

(´・ω・`)「南無……」


   _   ( -ω-)
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(-ω-`)
  ./..\\          旦 \⊂. )
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63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:32:00.16 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「しかし、お前がそういうの心配するとは思わなかったお」

(´・ω・`)「まあ、君との腐れ縁があるということはツンとも腐れ縁があるということだからね」

(´・ω・`)「一応心配はするさ、妹のような」

( ^ω^)「ぞんざいに扱われてる兄だけどな」

(´・ω・`)「その原因が君のせいだとさっきわかったけどね」

(´・ω・`)「まあ、それもゾクゾクして( ^ω^)「黙れ変態」


   _    (#^ω^)
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(*´・ω・`)
  ./..\\          旦 \人 )
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65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:35:35.88 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「普通の家庭で普通に育ってきたのに」

(´・ω・`)「成績も悪いわけじゃなかったのにね」

( ^ω^)「ツンとその友達の会話、傍から聞いてるとツッコミ所満載だったお」

( ^ω^)「高校の時、好きな食べ物の話になって、他の女の子がパスタとかスイーツを挙げる中」

( ^ω^)「やつの放った一言」

( ^ω^)b「ξ゚听)ξ『カツ丼』」

( ^ω^)「漢らしいったらありゃしない」

(´・ω・`)「何となくその場のシュールな空気が目に浮かぶよ」


   _  ∩( ^ω^)∩
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
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67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:40:45.62 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「その時はみんなツンの冗談だと思って笑って済んだんだお」

( ^ω^)「まあ、でも流石にそれはどうかと思うので後からツンに言い含めることにしたんだお」

( ^ω^)「カツ丼は至宝だけど、好きなものはそれだけじゃないだろと」

( ^ω^)「もうちょっと空気読んで、女の子らしい食べ物にした方がいいんじゃないかと」

( ^ω^)「何かこう、小さくてさっぱりした食べ物とか、甘いものとか」

(´・ω・`)「空気の読めなさには定評あったよね」

( ^ω^)「そんな風な事を言ったら、ツンも納得して、次からそうすると言ってくれたんだお」

( ^ω^)「しかし後日」

( ^ω^)「また別の機会に別の友達と同じ様に好きな食べ物の話になった時」

( ^ω^)「やはり他の女の子がパスタとかスイーツを挙げる中」

( ^ω^)「やつの放った一言」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:44:21.74 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)b「ξ゚听)ξ『砂肝』」

(´・ω・`)「うわぁ……」

( ^ω^)「うん、小さいね、砂肝」

( ^ω^)「塩だけのさっぱり味付けいいよね、砂肝」

( ^ω^)「そーじゃねーだろ」

( ^ω^)「好きな食べ物は砂肝ですって、どんな女子高生だよ」

( ^ω^)「居酒屋でおっさんが食ってるイメージしかねーよ、砂肝」

( ^ω^)「美味いけども」

(´・ω・`)「まあ、画一的にパスタ、スイーツ言ってるよりは個性的でいいじゃないか」

( ^ω^)「美味いしね」

( ^ω^)「流石にツンの女友達もこれは冗談で言ってるんじゃないって気付きだしてきたお」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:49:37.27 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「仕方ないからそれとなくツンはそういうとこあるからって周りに説明したお」

( ^ω^)「まあ、みんな笑ってそういうキャラだと受け入れてくれてけど」

(´・ω・`)「微笑ましいねぇ(君らの夫婦っぷりに笑ってたんだと思うけどそれは言わない)」

( ^ω^)「大学生となった今では、居酒屋も普通に行くし、そんなに浮くような話でもなくなったけどね」

(´・ω・`)「でも、そういう食べ物好きな方が君にとってはいいんじゃない?」

(´・ω・`)「一緒に食べに行くにしても、小洒落たパスタやスイーツじゃ君のお腹は満たせないだろうし」

( ^ω^)「うん、そこは俺がツンを大好きな点の1つだお」

(´・ω・`)「平然と大好きとか言うのね……知ってるからいいけどさ」

(´・ω・`)「理由がちょっとなんだけど」


   _   (*^ω^)ノ
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(-ω-`)
  ./..\\          旦 \⊂. )
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74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:53:31.46 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「一緒に飯食いに行くときはもっぱら定食屋」

( ^ω^)「定番は四月軒」

(´・ω・`)「ご飯がセルフでおかわり自由な定食屋ね」

(´・ω・`)「まさに君のためにあるようなお店だよね」

( ^ω^)「ツンはそんなに食うわけでもないから丼物がメインだお」

( ^ω^)「カツ丼あるし」

(´・ω・`)「やっぱそれなんだ」

( ^ω^)「ごくたまに、フェアと称して特定のメニューが値引きされる時があるんだお」

( ^ω^)「カツ丼390円とか」

(´・ω・`)「ああ、見たような気がするよ」

( ^ω^)「そういう時は毎日のように行きやがる」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:58:21.91 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「俺を誘わずに行く事も」

(´・ω・`)「……好きなんだね、カツ丼」

(´・ω・`)「てか、ツン、自分で料理はしないの?」

( ^ω^)「その話はツンの前では絶対にするな」

( ^ω^)「食材の生命が惜しければ絶対だ」

(´・ω・`)「……下手なんだね」

( ^ω^)「下手という一言で言い表せないほどの」

( ^ω^)「野菜とともに切られて炒められるまな板」

( ^ω^)「それすらもわからぬほど黒に染まる野菜炒めだったらしきもの」

( ^ω^)「食べる俺」

(´・ω・`)(それでも律儀に食べるんだね)

( ^ω^)「悶絶」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:00:24.19 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「料理は自分でやることにしたお」

(´・ω・`)「そういえば君は男性にしては料理上手いよね」

( ^ω^)「自炊の方が食べたいものをだけ食べたいだけ作れるからいいんだお」

(´・ω・`)「好き嫌いないのにね」

( ^ω^)「カーちゃんの教育の賜物だお」

( ^ω^)「食いっぱぐれないように、自分でも作れるようになっておいた方がいいと」

(´・ω・`)「ツンも鍛えておいてくれたら良かったのにね」

( ^ω^)「……うん」


   _   ( ´ω`)
   |\ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./..\\          旦 \⊂. )
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 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:02:56.65 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「そういやショボンは好きな食べ物は何なんだお?」

(´・ω・`)「僕かい? 僕はそうだね……」

(´・ω・`)b「ミルフィーユとか、ガトーショコラとか甘いスイーツが……」

( ^ω^)「梅昆布茶うめぇ」

         ジャー____
.     /⌒ヽ  /__ o、 |、
.     ( ^ω^)^) ii | ・ \ノ
    ( o   ノ 旦| ・  |
   |\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./..\\          旦 \ b )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(;´・ω・`)「ごめんなさいウソつきました。話聞いてください」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:04:51.83 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「スイーツって柄じゃねーだろ」

(´・ω・`)「和菓子の方が好みだね」

(´・ω・`)「好きな食べ物は納豆かな」

( ^ω^)「ガトーショコラから随分シンプルになったな」

(´・ω・`)「勿論、白米とのセットで。炊き立てのご飯に納豆は最高だよ」

( ^ω^)「それは否定しない」

( ^ω^)「むしろ褒め称えよう」

(´・ω・`)「というわけで、今日の晩ご飯は決まりだね」

( ^ω^)「……お前、それは暗にここで食ってく事を示してないかお?」

(´・ω・`)「そのつもりでそんな話振ったんじゃないの?」

( ^ω^)「納豆ご飯ぐらい自分で作れお」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:06:28.47 ID:eXqrxgAF0

(´・ω・`)「ここの方がご飯美味しいんだよ」

(´・ω・`)「文字通りご飯が、炊飯器の差で」

( ^ω^)「まあ、カーちゃんいい炊飯器持たしてくれたからね」

(´・ω・`)「一人暮らしなら3合炊きが普通だけど、5号炊きだしね」

(´・ω・`)「というわけで、晩ご飯よろしく」

( ^ω^)「ふざけんなお」

( ^ω^)「それに納豆の買い置きねーよ」

(´・ω・`)「ああ、それは持ってきてるから大丈夫」

(;^ω^)「何で常備してるんだお」


   _   (;^ω^)
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./..\\          旦>O<⊂ )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:08:31.19 ID:eXqrxgAF0

(*^ω^)>O<「しかも藁包みのいいやつじゃねーかお」

(´・ω・`)「こいつのたれが好きなんだ。他とはちょっと違ってて」

( ^ω^)「たれが……」

(*^ω^)「仕方ないお。今日は晩ご飯食ってけお」

(´・ω・`)「わーい(計算通り)」

(´・ω・`)「しかし……」

(´・ω・`)「ドクオ君遅いね」

( ^ω^)「もうすぐ来ると思うお」

( ^ω^)「さっきも言ったけど距離的に……」

<ピンポーン♪
   _   ! (^ω^ )
   |\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`) !
  ./..\\          旦 \⊂. )
 /@ \|=================|_ノ
 \ @ /@ @ @ @ @ @\
   \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:10:13.57 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「噂をすれば」

(´・ω・`)「影がさすか」


           
.     /⌒ヽ ハイハイオ
    (^   )    ._
.     と   |    .|\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
.      し--J    ./\ \          旦 \⊂. )
           /@ \|=================|_ノ
           \ @ /@ @ @ @ @ @\
             \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


( ^ω^)「ちょっと待っててお」

(´・ω・`)「寒いからドアは早く閉めてね」


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:12:14.56 ID:eXqrxgAF0

ア、ドウモ    オイスー
     /⌒ヽ
 ( 'A) .(^   )    ._
 ( )  と   |    .|\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  | |   .し--J    ./\ \          旦 \⊂. )
           /@ \|=================|_ノ
           \ @ /@ @ @ @ @ @\
             \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


コレ、オミヤゲデス イツモワルイオ
     /⌒ヽ
 ( 'A) .(^   )    ._
 ( )□と   |    .|\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  | |   .し--J    ./\ \          旦 \⊂. )
           /@ \|=================|_ノ
           \ @ /@ @ @ @ @ @\
             \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:14:21.43 ID:eXqrxgAF0

(*^ω^)「おお、新発売のポテチ4種コンプじゃないかお、いいチョイスだお」

(´・ω・`)(いい笑顔だ)

('A`)(いい笑顔だなー……)

( ^ω^)「外は寒かっただろうから、上がってこたつに入るお」

('A`)「あ、どうも……お邪魔します」


 ( 'A) !!!     _   ヾ(^ω^ )
 ( )     .|\ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  | |      ./.\\          旦 \⊂. )
       /@ \|=================|_ノ
       \ @ /@ @ @ @ @ @\
         \ ノ@ @ @ @@ @ @ @\
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


(´・ω・`)「やあ、はじめまして」

('A`)「え、あの……えっと……」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:16:15.79 ID:eXqrxgAF0

( ^ω^)「はじめましてじゃねーだろが」

( ^ω^)「ドクオ、顔ぐらい見たことないかお? 同じクラスのショボンだお」

('A`)「あ、はい……何度か学食で……」

(´・ω・`)「講義室じゃないところが僕らしいね」

( ^ω^)「自分で言うなお」

(´・ω・`)「まあ、とにかくよろしくね、ドクオ君」

('A`)「あ、はい……よろしくお願いします」

( ^ω^)「ドクオもこたつ入れお。暖まるお」

('A`)「あ、はい……どうも」


   _    ( ^ω^)
   .|\ ̄ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄\(・ω・`)
  ./( 'A) 旦        .旦\⊂. )
 /(ヽ)\|=================|_ノ
 \⊂_)ヽ./@ @ @ @ @ @\
     /ノ@ @ @ @@ @ @ @\
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                             ・・・つづく  


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