- 750 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:33:26 ID:wEXc9gOk0
( ^ω^)「彼女の居場所……か」
あの池での出来事の後、特に何事もなく普通に帰宅した翌朝の事だ。
夢を見る事もなく、何かの怪異が起きる事もなく、ごく普通に目覚めた僕は、
横になったままこれからやるべき事を考える。
昨日は何だかんだで疲れていたので、その辺は保留で寝てしまった。
だから今日、僕は僕自身の進む道を決めなければならない。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第八章
.
- 751 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:39:02 ID:wEXc9gOk0
( ^ω^)「進む道かねえ……」
とは言ったものの、彼女との思い出について特に思い当たる事がないから、これまで迷走して来たようなものだ。
すぐには思い付くものではない。
これはと思って出向いたあの池も、彼女との思い出は何も喚起される事はなかった。
( ^ω^)「クーは僕の中に答えがあるみたいな事を言ってはいたけど……」
身体を起こし、しばし考えてみてもやはり何も思い浮かばない。
今思えば、あの時クーは最大級のヒントをくれた様に思えたが、冷静に考えてみると、
( ^ω^)「これって、ノーヒントと同じことじゃないかお?」
そういう結論に達した僕は、再びベッドに身体を横たえた。
いざ動こうとし勢い込んでみたら、やる事が特にないという空回った僕は、早くもやる気が薄れ掛けて来た。
既に、また相手の出方待ちの方が楽かもしれないと考え始めている。
( ^ω^)「それじゃあ話が終んないみたいなんですけどね」
- 752 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:49:47 ID:wEXc9gOk0
自分で動かなければ始まりも終わりもしない。
そういう事らしい。
( ^ω^)「ん……じゃあ、そもそもの始まりはどうなるんだお?」
今の話をを前提に考えると、どこかで僕が話を始めたという事なのだろうか。
それとも、始まりは別の原因があり、それに巻き込まれた結果、自分で終らせねばならないという事だろうか。
( ^ω^)「発端は自体はあの同窓会だろうけど……」
あれ以降、不可思議な事が起こるようになったのだし、そう考えるのが普通であろう。
それ以前の可能性もあるのだが、今は思い当たる点もないし、その方向では考えない方がいい。
手を広げ過ぎては多分、答えが見付からない気がする。
( ^ω^)「発端はあの同窓会で彼女にあった事とすると……」
そこで考える必要があるのは、彼女自体の発端だ。
彼女自体の発端、この場合は過去に僕がどこで彼女と会ったかと考えるべきか。
これがわかれば、道は開ける気がする。
- 753 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:57:49 ID:wEXc9gOk0
( ^ω^)「現状でわかってるのは……」
接点は小学生時代にあった。
僕のブーンというあだ名も知っているようだった。
彼女はジョルジュの事も知っていた。
同じ小学校の生徒ではない。
( ^ω^)「こんなとこかお」
彼女の自己申告による職業等は省かせてもらった。
その辺は僕との接点とは関係なさそうだし。
( ^ω^)「何というか、意外と少ないおね……」
こんなものかとも思えるが、色々と調べ、振り回された割には少ないかもしれない。
どうにも無駄な事をし過ぎた気がする。
( ^ω^)「でも、そうなると調べる点は自ずと見えて来るおね」
選択肢は少ないが、少ないからこそやるべき事も見えて来る。
- 754 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:03:40 ID:/zmx1mPQ0
( ^ω^)「僕が小学生時代、行った事のある場所だお」
考え付く条件から、一先ず範囲を定めてみたが、これだとまだ広過ぎる。
あまり活動的な人間ではない僕とはいえ、小学生時代の全てだと、その範囲はそれなりにはある。
( ^ω^)「まず、学校関係は範囲から削れるおね」
彼女とは同じ小学校ではない。
その条件を加味すると、小学校の敷地内、学校内は省けそうだ。
写生会のように、外に出向くものだったら関わりはあるかも知れないので、こちらは残しておくべきだろう。
( ^ω^)「親戚とか家族とかのベタなオチはないはずだけど……」
そういった関係性なら、もう少し違った情報があってもいいはずだ。
不可思議な状況を受け入れた今、そうであっても驚きはしないが、いとこの名前や顔は全て思い浮かぶし、違うと思える。
( ^ω^)「だとしたら、やっぱり学校終ってからの時間だおね」
放課後、学校が終ってから僕が行動していた範囲。
この部分で接点があったと考えるのが一番自然な気がする。
- 755 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:10:07 ID:/zmx1mPQ0
通学路で会ったとか、公園で会ったとか、色々と有り得そうな場所はある。
通学路なら朝の時間もあるかも知れないが、昔から朝が弱かった僕が、朝から誰かと遊んでいたとは思えない。
( ^ω^)「それに、あの時浮かんだあの感じは放課後のそれだおね」
あの同窓会の時に感じた、遠くから人の輪を眺めている感覚。
あれは放課後の、遊んでいる時の感覚だったと思う。
( ^ω^)「あの頃の僕は、何をやってたんだろうかおね」
ジョルジュに引っ張られ、遊びに付き合いはするものの、ジョルジュ以外とはほとんど話せず、
ジョルジュの周りに人の輪が出来ると遠くから見ていた。
それから年月を経て、最初から付き合わないという術を覚えた僕は、人の輪を見ることすらなくなったけども。
それが良かったのか悪かったのかわからない。
( ^ω^)「……と、昨日までは思っていたんだおね」
それが悪かったのだと、僕は昨日はっきりと気付いたんだと思う。
昨日の時間が楽しいと思えた時に。
( ^ω^)「最初から諦めていれば、夢を見なければ楽だって、そう思っていたお」
- 756 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:23:06 ID:/zmx1mPQ0
それが間違いだと、気付いた僕はここから抜け出さなければならない。
( ^ω^)「……抜け出す?」
どこから?
( ^ω^)「ここから……」
ここはどこ?
( ^ω^)「僕の部屋……いや、僕の……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……お?」
いつまで経っても、形を成した言葉が口をつく事はなかった。
昨日も感じた、思考の最中に、思い浮かんだ言葉の一部が不自然に消えるようなこの感覚。
- 757 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:29:35 ID:/zmx1mPQ0
( ^ω^)「それが多分、答えに繋がる何かなのかおね?」
僕は問い掛けるように、誰もいない中空に視線を向ける。
当然、誰からの返事もない。
( ^ω^)「ま、今はいいお。それより具体的な場所だおね」
彼女の居場所、僕が彼女と出会った場所。
今の成長した僕の脚なら、小学生時代の放課後に回った場所を一通り見て回るのはそれほど難しくもない。
とにかく動いて、手当たり次第見て回るのも一つの手だ。
しかし同時に、ここと決めてかからないと、彼女は姿を現さない様な予感もある。
僕がそこに向かう理由を、彼女がそこにいる理由を、明確に見付けないといけないのかもしれない。
( ^ω^)「候補の場所自体は、ジョルジュも知ってるおね」
僕はジョルジュに連れられて行ったのがほとんどなので、
むしろ僕よりジョルジュの方がそれらの場所に詳しいかもしれない。
ジョルジュに聞いてみるのも手だろう。
今更頼るのを遠慮するのも逆に失礼な話だと思う。
- 758 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:42:47 ID:/zmx1mPQ0
昨日のような有様なら、逆に足を引っ張ってくれそうな悪い予感もなくはないが。
( ^ω^)「あと、それらの場所のいわく付きの度合いとか、弟者なら知ってそうだおね」
弟者はこの辺りで遊んだ覚えはないかもしれないが、場所自体の情報は弟者は知っているだろう。
何かしらのいわく付きの場所なら、今回の件の原因に繋がる何かを見つけられるかもしれない。
弟者にも頼っていいだろう。
あれもあれで場を掻き回しそうな不安はあるが。
さて、僕はどうするべきだろうか。
ここは……
1 僕自身の問題だ。ここは一人で場当たり的に周ってみよう。
2 僕自身の問題だ。まずは場所の見当をつけよう。
3 ジョルジュに電話するか。
4 弟者に電話するか。
5 ジョルジュと弟者、二人に電話するか。
安価
>>759
- 759 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 02:53:14 ID:2DFK5D0s0
- 5
- 760 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 22:57:57 ID:ZmzCsc2w0
ここはジョルジュと弟者、二人に電話するか。
( ^ω^)「ここまで来てハブってのは、流石に駄目だおね」
最初、自分一人で片付けるつもりの話ではあったが、結局二人には色々と頼ってしまった。
そしてそれが、悪い事ではないと気付いてしまった以上、僕は二人に頼るべきなのだろし、何より、
( ^ω^)「僕自身が頼りたいと思ってるんだおね」
それもきっと、僕が得た答えの一つ。
だから僕は、この選択をきっと悔やむ事はない。
( ^ω^)】 プルルー プルルー
( ^ω^)】ガチャ
( ^ω^)】「おいすー、ジョルジュ、もう起きてたかお?」
【】<「よう、早いな。今日はどうするんだ?」
( ^ω^)】「行きたい所があるお」
- 761 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:13:43 ID:ZmzCsc2w0
【】<「今度はどこだ?」
( ^ω^)】「それをジョルジュにも探して欲しいんだお」
【】<「何だそりゃ?
( ^ω^)】「斯く斯く云々」
【】<「把握。朝食食ったら向かうわ」
( ^ω^)】「サンクス、待ってるお」
僕はジョルジュに電話し、現状考えていることを説明し、場所の選定を一緒に考えて欲しい事を伝えた。
今日は世間的には日曜日、大学も休みだから都合も良い。
( ^ω^)「あとは弟者か……」
携帯電話のアドレス帳を開き、弟者の名前を呼び出した所で手が止まる。
弟者にも手伝ってもらおうと考えていたのだが、果たして今日は手伝ってくれるかどうか。
昨日は弟者の念願の怪異に遭遇は出来たものの、結局写真や映像は撮れなかった様だ。
その事でひどく落ち込んでいたから、また今日も手伝ってくれるとは限らない。
- 762 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:19:57 ID:ZmzCsc2w0
ポジティブに考えれば、昨日駄目だったから今度こそと、張り切って手伝ってくれる可能性もあるが、
弟者に張り切られると若干ウザいという事が昨日わかった。
( ^ω^)「あのお弁当みたいな方向の張り切りなら大歓迎なんだけどね」
前回駄目だったからと、今回は更に巨大な撮影器具でも持ち込んで来そうである。
( ^ω^)「まあ、とにかく電話してみるかお」
( ^ω^)】 プルルー プルルー
( ^ω^)】ガチャ
( ^ω^)】「あ、弟者? おいすー」
【】<「いやぁ、これはこれは我が心の友、ブーンじゃないか!」
( ^ω^)】
予想に反してひどく上機嫌な弟者の声に、一瞬僕は言葉に詰まった。
しかしすぐに気を取り直し、用件を告げる事にする。
- 763 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:26:17 ID:ZmzCsc2w0
( ^ω^)】「今電話大丈夫かお?」
【】<「君からの電話ならエブリタイム、オールオッケーに決まってるだろ、心の友よ」
(;^ω^)】「……ええっと」
上機嫌を通り越して、若干ウザいテンションの弟者。
用件を告げる前に、まずこのテンションの正体を知っておくべきかも知れない。
( ^ω^)】「何でそんなに朝から上機嫌なんだお?」
【】<「何でって、そりゃあ、君、昨日あんな素敵な映像が撮れたからに決まってるじゃないか!」
( ^ω^)】「お? でも、昨日、クーの姿は撮れなかったって言ってたお?」
【】<「ああ、残念ながらあの女神様の映像は撮れなかった。しかし!」
( ^ω^)】「しかし?」
【】<「宙に浮いて腕を振りまくる、謎の金と銀の像の映像はばっちり撮れてたんだよ!」
- 764 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:33:50 ID:ZmzCsc2w0
( ^ω^)】「……謎って、ジョルジュじゃねえかお」
【】<「だとしても、普通の人から見れば謎の金の像にしか見えないさ」
【】<「それに、あの時のあれはジョルジュにしてジョルジュではない存在には違いないだろ?」
( ^ω^)】「まあ、そうだおね。増えてたし」
【】<「あれが怪異である事は紛う事無き事実!」
【】<「よって私は長年の夢である、怪異の存在を映す事に成功したという事なのだよ!」
【】<「わかるかい、心の友よ、この歓喜に満ちた私の気持ちが?」
( ^ω^)】「うん、わかった。わかったから暇なら僕の家に来てくれお。じゃあ」
( ^ω^)
つ】 ピッ
( ^ω^)「……はぁ」
灘か妙に疲れたので、用件だけを告げて電話を切る事にした。
まあ、来てくれてもくれなくてもいいかと思う。
あのテンションのままなら来ない方が助かるような気がするが。
- 784 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:43:48 ID:zWLwTwbY0
───────────
─────
─
_
( ゚∀゚)「お母さん、ジュースまだー?」
( ^ω^)「当店はセルフービスになっておりますと前も言っただろうが、馬鹿息子めが」
それから一時間もせずにジョルジュが僕の家を訪ねて来た。
もう少し時間がかかると思っていたが、相変わらず腰が軽い。
それだけ本気で取り組んでくれてるのだと思うと、感謝したい気持ちだが、飲み物はセルフサービスで維持する。
変に僕がやさしいと、それだけ引け目を感じていると取られてしまうだろうから。
_
( ゚∀゚)「まあ、そう言うと思って、あらかじめ買って来たよ」
( ^ω^)⊃「ジョルジュにしては気がきくおね」
_
( ゚∀゚)「……何、その手?」
( ^ω^)⊃「当然、僕の分も買って来てくれたんだお?」
- 785 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:49:29 ID:zWLwTwbY0
- _
( ゚∀゚)「欲しいの?」
( ^ω^)⊃「もらえるものはもらっておくのが我が家の家訓だお」
_ ゴソゴソ
(∀゚ )「仕方ねえな、ちょっと待っ……」
( ^ω^)「やっぱいらないお」
ジョルジュがそのカバンという名の魔窟を漁り始めた時点で、もらうのは危険だという事を思い出した。
ちょっとカバンの中身が見えたが、相変わらずのゴミボックスな有様だ。
_
( ゚∀゚)つ[]「何でだよ! いいから受けとれよ!」
( ^ω^)「来がけに買って来たなら、カバンじゃなくてビニール袋とかに入れて持って来ればいいのに」
_
( ゚∀゚)つ[]「エコを考えりゃ、ビニール袋はもらえねえよ」
( ^ω^)「エコとかお前の口から聞くとは思わなかったお」
いらないと拒否の姿勢を見せたのに、なおも僕に缶ジュースを押し付けてくるジョルジュ。
ここに来る途中で買って来たのなら、カバンの中の滞在時間も短いだろうという計算の元、
僕は渋々ながらそれを受け取った。
- 786 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:55:57 ID:zWLwTwbY0
( ^ω^)つ[]「……飲み物?」
_
( ゚∀゚)つ[]「汁粉は飲み物だろ?」
( ^ω^)つ[]「そうだけども……何でわざわざこんなものを……」
_
( ゚∀゚)つ[]「美味いからに決まってるだろ?」
( ^ω^)つ[]「ああ、そうですかお……」
嫌がらせなのかと思ったが、ジョルジュは純粋に汁粉が好きらしい。
冬場の寒いときに飲む暖かい汁粉は嫌いではないが、この寒暖が中途半端な時期に飲む、
これまた中途半端な温度の汁粉は微妙だと思う。
( ^ω^)「で、早速だけど」
_
( ゚∀゚)「ああ、場所がどうとかって話だったな」
( ^ω^)「ジョルジュは昔、遊んでた場所で印象深い場所はあるかお?」
- 787 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:03:58 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「うーん、そうだな……すぐには思い浮かばねえな」
_
( ゚∀゚)「つーか、あんまり場所のバリエーションは無かったよな?」
( ^ω^)「だおね。精々、公園とか帰り道で何かやってたりとかだったおね」
_
( ゚∀゚)「遊び自体もなあ、走ったり駆けたりランニングしたりぐらいだったし」
( ^ω^)「走ったのしか覚えてねえのかお。そこは流石にもう少しあったお?」
この辺りは、世間一般の基準で分類すれば田舎の方であろう。
大学はあるが、高台の町中から離れた場所にあるし、
小学校の周辺は田んぼや畑が目立つ様な所だった。
今時の子供の様に、わざわざ公園に集まって携帯ゲームという様なハイテクな遊びはしていない。
ジョルジュが言う様に、主に走り回るような遊びばかりだった。
_
( ゚∀゚)「鬼ごっこに缶蹴り、かくれんぼに影踏みに三歩当てとか」
( ^ω^)「多分、三歩当て辺りはローカル過ぎて伝わらないと思うけどスルーするお」
- 788 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:10:24 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「球技はあんまりやってねえよな」
( ^ω^)「それは場所が必要だったしね。あと人数も。三歩当て以外は」
思いつく限りの事を二人で挙げてみたが、どれもこれも今一つピンと来ない。
この分だと当初の候補の一つである、総当りで探すしか手は無いのかもしれない。
( ^ω^)「もう少し何か、いわくありげな場所に行ったりしなかったかおね?」
_
( ゚∀゚)「ねえと思うな」
( ^ω^)「そうかお?」
_
( ゚∀゚)「うん、俺が避けてたし」
( ^ω^)「あの頃からそういう怖いの苦手なんだったのかお?」
_
( ゚∀゚)「むしろあの頃苦手じゃなきゃ、今も苦手じゃないと思う」
( ^ω^)「それもそうだおね」
- 789 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:17:08 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「どうする? 適当に探すか? 何なら、昔遊んでたやつにも聞いてみるが?」
あの当時僕やジョルジュ、というよりジョルジュと遊んでた誰かが何か覚えているかもしれない。
その可能性は無いわけではないが、当事者の僕が覚えていないような事を、
これまで全く話に関わりもしなかった誰かが覚えているのはあまり考え難いとも思う。
_
( ゚∀゚)「そういや、画伯はどうしたの?」
( ^ω^)「画伯……ああ、弟者なら一応電話はしたけど──」
< ピンポーン♪
( ^ω^)⊃「噂をすれば、かお?」
_
( ゚∀゚)「その手は何だよ、ってか、自分で迎えに行けよ」
( ^ω^)「いや、何かワンクッション置きたいんで」
_
( ゚∀゚)「どういう意味?」
- 790 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:26:54 ID:EI3Vlkog0
( ^ω^)「会えばきっとわかりますお」
_
( ゚∀゚)「……よくわかんねえけど、仕方ねえ、ちょっと行ってくるか」
いぶかしみながらもジョルジュは僕の言葉に従い、弟者を迎えに階下に降りる。
これで違う人だったらどうしようというのもあるが、勝手知ったる人の家、
ジョルジュなら何とかするだろう。
< オウ、オトウトジャ、アガレヨ
< オオ! ココロノトモ、イヤ、ゴシンタイヨ!
< ア? ゴシン……ナニ?
( ^ω^)「……南無」
それから程なくして、ジョルジュを褒め称える弟者の声と、気持ち悪がるジョルジュの声が聞こえて来たが、
僕は部屋の扉を閉め、音を遮る事に決めた。
ズズ…
( ^ω^)[]「汁粉微妙」
- 794 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:35:17 ID:6viJOcgU0
───────────
─────
─
(*´_>`)「それで、俺は何をすればいいんだ、心の友よ?」
( ^ω^)「取り敢えず、この町のいわく有り気なスポットを教えて欲しいお」
_
(;゚∀゚)「あと、その気持ち悪い呼び方止めろ」
( ´_>`)「呼び方といえば俺の名も、オトウトジャじゃなくてオトジャだからな」
_
(;゚∀゚)「し、知ってるっつーの! わ、わざと間違えたんだし?」
時間にして十分以上は経っただろうか。
えらく疲れ果てた様に見えるジョルジュが、弟者を連れて僕の部屋に戻って来た。
対照的にやたらと上機嫌な弟者だが、今朝の話の通りらしい。
僕のみならず御神体ことジョルジュもいることで、更にご機嫌らしい。
(*´_>`)「そんな事ならお安い御用だ」
昨日と同じく、大き目のバッグから一冊のファイルを取り出す。
用意のいい弟者だが、来いとだけしか伝えていなかったのにこれがあるという事は、
常に携帯しているのだろうか。
- 795 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:40:24 ID:6viJOcgU0
( ^ω^)「そういうファイルがあるって事は、この町はそんな場所が多いのかお?」
( ´_>`)「いや、数は大した事無い。というより少ないというべきかな」
_
( ゚∀゚)「なら何で、そんなにファイルが厚いんだよ」
( ´_>`)「俺の調査や注釈が入ってるからだ。読むか?」
_
( ゚∀゚)「遠慮しとく」
僕は弟者からファイルを受け取り、頭の方にあった目次に目を通す。
なるほど、確かに場所は少ないようだ。
( ^ω^)「ジョルジュ、この中から何か思い当たる場所ないかお?」
_
(;゚∀゚)「やっぱ、俺も見なきゃなんねえのか……」
僕は眉を潜めたジョルジュにファイルを手渡し、目次の項を指差す。
僕自身、気になる場所もありはしたが、まずはジョルジュの話を聞こうと思う。
- 796 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:46:36 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「えーっと最初は……ああ、ここか」
( ^ω^)「町外れの廃墟、ってか単に空き家だおね」
_
( ゚∀゚)「幽霊屋敷とか言われてたな。行った事はねえが」
( ^ω^)「ないおね。しかし、僕らが子供の頃からずっと空き家だおね、あそこ」
( ´_>`)「持ち主は夜逃げ。差し押さえられたがその差し押さえたとこもごたごたがあって放置」
( ´_>`)「そのまま今に至るってとこだな」
弟者はファイルの情報は大よそ頭に入っているらしく、解説を入れてくれる。
助かるし、すごい記憶力だが、使い所を間違っている感が否めないのは何故だろうか。
(*´_>`)「夜の散策にはお勧めのスポットだ」
_
(;゚∀゚)「ぜってー行かねえよ」
( ^ω^)「空き家か……」
- 797 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:52:15 ID:6viJOcgU0
昔の僕らとの接点は無いが、こういったいわく付きで、しかも人が来ない場所なら隠れるには都合のいい場所だ。
彼女がここにいる可能性はないとは言い切れない。
しかし、実際にその空き家の詳細が書かれたページを見ても、喚起されるものはない。
( ^ω^)「でもやっぱ、僕らとの接点がない場所は外れかおね?」
( ´_>`)「昨日、当たりを引いた経緯を考えれば、やはりお前がピンと来る場所だと思うな」
_
( ゚∀゚)「俺もそう思う」
( ^ω^)「うーん、じゃあこれは無しで次見るかお」
_
( ゚∀゚)「次は……これは交差点か?」
( ´_>`)「そうだ。三丁目三番地の交差点。通称、衝突交差点」
( ^ω^)「あ、それ聞いたことあるお。確かこの町で一番事故が多い場所だおね」
( ´_>`)「流石心の友と書いて心友、よく知ってるな。正解だ」
( ^ω^)「その称号は僕には分不相応なのでジョルジュに譲るお」
_
(;゚∀゚)「いらねえよ。つーか、そんな場所があんのかよ……」
- 798 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:01:02 ID:6viJOcgU0
( ^ω^)「大して視界が悪いわけでもないのに、何故か事故が多いんだったおね」
( ´_>`)「そうだ。不思議とな、事故がよく起こるらしい」
_
(;゚∀゚)「うへえ、気味悪いな。しかも実害あるしで最悪だ」
露骨に嫌な顔をするジョルジュ。
確かに、事故ともなると怖いだけじゃなく、実際の被害も大きいわけだから笑えない話だ。
( ^ω^)「原因はわからず仕舞いかお?」
( ´_>`)「それらしい考察はいくつか挙がってる」
( ´_>`)「日の差し具合であったり、道路の歪みであったり、科学的な根拠はあるんだが決め手に欠けている」
( ´_>`)「まあ、だからここがこの町一の心霊スポットだと思っていたよ」
( ^ω^)「思っていた? 過去形かお」
(*´_>`)「そりゃ一番は、昨日のあの池が入って来たからな」
( ^ω^)「なるほど」
- 799 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:09:23 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「てかさ、科学的根拠って、お前、そういう調査もやったのかよ」
_,
( ´_>`)「いや、それは俺がやったわけじゃない……」
ジョルジュの質問に、声のトーンを落とし、難しい顔をしてみせる弟者。
その眉間に寄せた皺に、僕は一つ思い当たる事があった。
( ^ω^)「こないだの彼女さんかお」
_
( ゚∀゚)「彼女……だと……?」
( ´_>`)「誰が彼女だ、誰が。都村は宿敵と書いてライバルだ」
彼女の件は否定する弟者だが、やはりそういった現実的な事を調べたのは、
僕が弟者の家で会った女性、都村さんらしい。
_
( ゚∀゚)「お前……俺に内緒で彼女とラブラブチュッチュしてやがったのか……」
( ´_>`)「だから彼女じゃないし、ラブラブチュッチュもしてなければ、お前に断る義理も無い」
- 800 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:16:17 ID:6viJOcgU0
( ^ω^)「結局、あの後どうしたんだお?」
あの日、僕が弟者の家に行った時、僕は話の結末を見ずに帰って来た。
あの論争は決着がしたのだろうか。
( ´_>`)「いや、平行線だった」
( ^ω^)「ですよねー」
( ´_>`)「いつの間にか暗くなって、親も帰ってきたし、飯食わせて送って帰した」
_
( ゚∀゚)「それ、もう彼女だろ」
( ´_>`)「違うよ。全然違うよ」
冷静なジョルジュの一言に僕も同意するが、事実を認めようとしない弟者。
怪異という浪漫を認めない都村さんとは、決して相入れる事はないと弟者は言う。
(;´_>`)「てか、今俺の話はいいだろ? ブーンの思い出の心霊スポットを探すぞ」
( ^ω^)「別に思い出の心霊スポットがあるわけじゃないんスけどね」
- 801 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:23:48 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「わかった。しかし、弟者、これだけは聞いておきたい」
( ´_>`)「何だ?」
_
( ゚∀゚)「その子、巨乳?」
( ´_>`)「皆無だな」
_
( ゚∀゚)「じゃあいいや」
(;´_>`)「そうか……」
( ^ω^)「ジョルジュはわかりやすくていいおね」
(;´_>`)「そういう問題か?」
なんだか納得の行かないような顔をしていた弟者だが、これ以上根掘り葉掘り聞かれるよりはマシと判断したのか、
話を元の流れに戻す。
( ´_>`)「ここを知ってるって事は、昔この辺りで遊んでたのか?」
_
( ゚∀゚)「いや、交差点じゃ遊ばねえだろ」
- 802 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:29:50 ID:6viJOcgU0
( ^ω^)「でも、よく通ったお」
_
(;゚∀゚)「マジ?」
( ^ω^)「マジ。しかも、事故った車も見た事もあったお」
_
(;゚∀゚)「うっそーん? 俺、全然覚えてねえよ」
この交差点で遊んだ事はないが、この場所を通った事は何度もあった。
学校からは少し離れているが、当時、この交差点を通って川の方に遊びに行っていた。
_
(;゚∀゚)「ああ、あそこか。確かに通ってたわ……」
とはいえ、この場所自体に何か思い出があるわけでもない。
事故だって、現場を見たわけではなく、ぶつかった車が止まっているのを見た程度だ。
ここで誰が知り合いが事故にあった記憶もない。
( ´_>`)「ここである可能性はゼロじゃないが、ひとまず保留ってとこか」
( ^ω^)「そうするかお」
- 803 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:41:17 ID:6viJOcgU0
そう結論付け、ファイルのページを捲る。
次のページには、古めかしい建物の写真があった。
_
( ゚∀゚)「これ、どこだっけ?」
( ^ω^)「何となく見覚えあるお」
写真の木造の建物は、普通の家とはどこか違う趣を感じさせる。
豪華というわけではないが、格式ばった造りとでも言うのだろうか。
( ^ω^)「……神社?」
その建物には確かに見覚えがあった。
多分、行った事がある場所だ。
名前は確か……
( ^ω^)「砂子(いさご)神社だったかお?」
- 804 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:48:39 ID:6viJOcgU0
( ´_>`)「正解だ。流石心友」
( ^ω^)「お前の家族になったみたいな言い方は止めろ」
確かこの神社は幽霊屋敷とは反対の町外れ、山の方にある神社だったはずだ。
学校から距離がそれなりにあったから、頻繁に行った覚えはないが、土日とかにやる事がない時は何度か行ったと思う。
_
( ゚∀゚)「そうだっけ?」
( ^ω^)「ジョルジュ……お前、さっきから全然覚えてないおね」
_
(;゚∀゚)「普通、日常の細かい事なんてあんま覚えてねえもんだろ? 誰がいたかくらいは覚えてるけど……」
僕も当時何をやっていたか、細部までは覚えていないが、どこに行ったかぐらいは漠然と覚えている。
ひょっとしたらジョルジュと僕では見ていたものが違うのかもしれない。
ジョルジュは一緒にいた友達の事を見ており、僕は景色を見ていた。
( ^ω^)「で、ここはどんないわくがあるのかお?」
- 805 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:54:50 ID:6viJOcgU0
( ´_>`)「単にこの町で一番古い建物ってだけで、特にはないな」
( ^ω^)「ないのかお」
神社としてはいたって標準的な構成で、特に何かあるわけではないと弟者は言う。
名前の由来ぐらいはあるようだが、それも大したことがないのではという事らしい。
_
( ゚∀゚)「大したことがないらしい?」
( ´_>`)「よくわかってないからな」
( ^ω^)「伝承とかそういうのもないと」
( ´_>`)「ないな。本当の所はわからんが、少なくとも表には何も出されていない」
町の歴史をまとめたような本でも、その辺りの詳しい記載はない。
だから、今後大学での研究のテーマに砂子神社の事を取り上げる予定だという事だ。
( ´_>`)「直接関係者に聞くしか調べる手はなさそうだからな」
- 806 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 02:03:41 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「そういや弟者、専攻は民俗学だっけ」
( ´_>`)「大学の研究という名目があれば、協力は得られると踏んでるよ」
_
( ゚∀゚)「真面目に大学生やってんだな」
( ´_>`)「趣味の延長でもあるからな」
根は真面目な弟者だ。
言葉通り趣味の一部として学業に取り組んでいても、やるべき事はしっかりやっているのだろう。
その言葉はどこか自信に溢れ、そして楽しそうでもある。
( ´_>`)「……っと、少し話がそれたな」
( ^ω^)「そもそも、砂子ってどういう意味だお」
( ´_>`)「小さな砂とか石とかで、特に深い意味も裏の意味もないはずだ」
( ^ω^)「そうなのかお」
_
( ゚∀゚)「……何か気になる事あるか? 聞き覚えあるとか」
( ^ω^)「そうだおね……」
- 807 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 02:11:30 ID:6viJOcgU0
僕がこの神社に行った事があるのは確かだ。
ただ、問題はここで何をしていたのかを覚えていない。
先にも言ったように、僕はあまり人を見ていたわけではないから、そういった事は覚えていないのだろうか。
放課後にしていた遊びの種類はいくつか覚えているが、そのどれを神社でやっていたかまではわからない。
この辺はジョルジュの方が覚えてそいうだが、一連の反応を見る限り、あまり期待は出来ないかもしれない。
( ^ω^)「1 一つ気になる事があるお
2 ジョルジュ、ここで僕たち何してたっけかお?
3 いや、ここは違うと思うお
4 ここよりさっきの交差点の方が気になる事があるお 」
安価
>>808
- 808 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 06:38:22 ID:1zvEgfnEO
- 4
- 809 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:09:26 ID:EcnDsg0M0
( ^ω^)「ここよりさっきの交差点の方が気になる事があるお」
( ´_>`)「何か思い出したのか?」
( ^ω^)「いや、どっちかと言えば消去法だお」
神社の方は、大して何もなかった気がする。
そう頻繁に行ったわけでもないし、神社の境内で出来た遊びはそう多くもないだろう。
神社を管理する人もいただろうから、あの世代特有の無茶な遊びもしてないはずだ。
もっとも、そういう無茶な遊びに僕が加わる事はまずなかったが。
_
( ゚∀゚)「じゃあ、神社はスルーで次行くか」
( ^ω^)「そうするお」
_
( ゚∀゚)「えっと……次は……昨日の池じゃねえか」
(*´_>`)「あの池を足さないわけには行かないだろう。そもそもあの池は……」
_
( ゚∀゚)「ここはパスでいいよな?」
( ^ω^)「いいお」
- 810 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:18:28 ID:EcnDsg0M0
あの池の名前や由来を大袈裟な身振りで語る弟者を無視し、ジョルジュはページを捲る。
しかし、何故かページを開いたジョルジュの動きがぴたりと止まった。
_
( ゚∀゚)
( ^ω^)「ジョルジュ?」
僕はジョルジュに声をかけつつ、その手からファイルを抜き取り目を通す。
そこに映っていたのは、
(;^ω^)「長岡邸……どう見てもジョルジュのアパートだおね」
_
(;゚∀゚)「え? あ? え? 俺の部屋って、心霊スポットだったの? ちょ……、え?」
長岡邸と銘打たれてはいるものの、ジョルジュが持っている物件というわけではない。
正式名称はアパートVIPの二〇四号、ジョルジュが現在住んでいる部屋がいわくありげな場所として、
弟者のファイルに記載されているのだ。
_
(;゚∀゚)「え? 俺、そんな部屋に住んでたの? え、マジで?」
この手の話が苦手なジョルジュにはこれはさぞショッキングな事であろう。
目に見えて狼狽した様子で弟者を問い詰める。
- 812 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:26:32 ID:EcnDsg0M0
- _
(;゚∀゚)「おい、弟者! この部屋で何があったんだ?」
( ´_>`)「何って、それは……」
_
(;゚∀゚)「それは?」
(*´_>`)b「御神体の安置所に決まってるだろ」
( ^ω^)「ああ……」
_
(;゚∀゚)「は?」
現在ジョルジュが住んでいる部屋で、過去に自殺か何かあったのかと思えば何の事はない。
ジョルジュ自身が弟者にとっての怪異という認識になっているようだ。
_
(;゚∀゚)「お前なぁ……冗談にしては度が過ぎるぞ?」
( ´_>`)「冗……談……?」
( ^ω^)「残念ながら彼は大真面目なようです」
- 813 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:33:33 ID:EcnDsg0M0
ひどく疲れ果てた顔で突っ伏すジョルジュは放置し、僕は更にファイルを読み進める。
流石に昨日の今日で写真は撮れなかったのか、ジョルジュの部屋に関しては文章がほとんどだった。
それでも、恐らく今朝にでも撮ったと思われるジョルジュの部屋の外観の写真がある辺りは流石と言える。
(*´_>`)「というわけで、今度室内の取材をさせて頂いてもよろしいでしょうかね?」
_
(;゚∀゚)「良くねーよ!」
このページはこれ以上見ても無駄と思われるので、飛ばして先を見たが、以降のページは何も書かれていないない。
という事は、池とジョルジュの部屋を除くと、この町のいわくありげなスポットは三ヶ所しかないという事か。
( ^ω^)「うーん、じゃあ、弟者のファイルからだと場所はあの交差点ぐらいだおね」
あとはいわくの有る無し関係なく、僕ないしジョルジュが気になる場所ぐらいだろう。
( ^ω^)「何かあるかお、御神体?」
_
(;゚∀゚)「お前まで御神体と呼ぶな。つーかさ、何で俺、御神体扱いされてんの?」
( ^ω^)「そりゃあ……」
- 814 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:44:51 ID:EcnDsg0M0
そこでふと僕はある事に気付く。
ジョルジュはひょっとして、弟者から自分が撮影されていた事は聞いていないのかもしれない。
あの金銀だった時のジョルジュの意識はどうなっていたのかと、単純な知的好奇心の上での気になる部分もあるが、
今はそんなことを考えている時でもない気がするのでこの話は流す事に決めた。
( ^ω^)「昨日のジョルジュさんの活躍を、弟者がいたく気に入ったんではないでしょうかおね」
_
(;゚∀゚)「すげえ白々しく聞こえるんだが、お前ら俺に何か隠してねえよな?」
( ^ω^)「それは置いといて、ジョルジュはあの交差点以外に気になる場所はあるかお?」
_
( ゚∀゚)「置いとくなよ、と言いたいとこだが、そうだなあ……ぶっちゃけるとねえな」
( ^ω^)「ジョルジュって、全然使えねえおね」
_
( ゚∀゚)「親友が相変わらずツン一択だよ」
そうは言ったものの、僕もこの交差点以外には何も思い当たらないので、ジョルジュの事を言えた義理ではない。
ここは候補がゼロでないだけマシと思うべきだろう。
- 815 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:49:47 ID:EcnDsg0M0
- _
( ゚∀゚)「じゃあ、早速行ってみっか?」
( ^ω^)「今回はあんまり気軽に行きたい場所ではないお」
事故の多発地帯という、明確に危険がある場所だけに、何かしらの準備は必要ではなかろうか。
歩行者の身での交通事故に対する備えなんて、すぐには思い付かないが。
_
(;゚∀゚)「そうだな、今回はちょっち危険かもな」
( ´_>`)「防弾チョッキでもあればいいんだがな」
_
( ゚∀゚)「それ、何か方向性が違わねえか?」
( ^ω^)「じゃあ、ジョルジュなら交通事故に備えて何持って行くんだお?」
_
( ゚∀゚)「そうだな……エアバッグとか?」
( ^ω^)「どこに付けんだお」
_
( ゚∀゚)「おでこにでも貼っとけば良くね?」
( ^ω^)「緩衝材でも巻いとけお」
- 816 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:57:13 ID:EcnDsg0M0
根本的に間違っているジョルジュの意見を真に受けても仕方がないのだが、他にこれといった妙案も思い付かない。
この場所は避けた方が良いのかもしれないが、本当に避けても良いのか気になる事がある。
( ^ω^)(さっき僕は、何でこの場所が気になったんだお……)
神社の話の時、僕にはこの交差点の方が気になるという言葉が口を吐いていた。
明確にこれと意識したわけではないのだが、何かが気になったのだ。
それはほんの些細な事なのかもしれない。
しかし、今はその点を見逃すべきではない気がしている。
僕が気になる点、それは……
1 実際に科学的な見地から見て何もないのに、明確に怪しい事が起こっている事だ。
2 その交差点のある場所だ。
3 その交差点の写真だ。
4 その交差点の話が広まった時期だ。
安価
>>817
- 817 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 01:07:17 ID:0Ik7Pqmc0
- 3
- 820 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 15:56:36 ID:9M9eym5Q0
僕が気になる点、それはその交差点の写真だ。
( ^ω^)「弟者、この写真はどうやって手に入れたんだお?」
( ´_>`)「新しいものは自分で撮ったが、古いものはネットで拾ったり、町内史からのコピーだったりだな」
( ^ω^)「町内史?」
( ´_>`)「言葉通り、町の歴史を編纂したものさ。商工会主体でそう本格的なものでもないが」
僕は弟者の説明に礼を述べ、再び写真に目を落とす。
新しい写真は、交差点のそれぞれの道から交差点を撮った物や近くのビル、と言っても三、四階程度の低い建物だが、
そこから撮ったもの等で、何か不思議なものが写り込んでいるような事もない。
( ^ω^)「で、こっちが古い写真だおね」
色褪せるほど古い写真というわけではない。
精々十年前ぐらいの写真のようだ。
( ´_>`)「そのくらい前だな。確かその頃に町の保存会が発足されたとかいう話だった」
( ^ω^)「なるほど」
- 821 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 16:03:20 ID:9M9eym5Q0
- _
( ゚∀゚)「ああ、思い出した思い出した」
( ^ω^)「前世の記憶をかお?」
_
( ゚∀゚)「ちげえよ、商工会議所だよ」
( ^ω^)「お?」
_
( ゚∀゚)「ほら、俺らが五年か六年の頃、新しく商工会議所が出来ただろ?」
_
( ゚∀゚)「それがこの交差点のすぐそばにあって、見に行ったじゃねえか」
( ^ω^)「そうだっけかお?」
_
( ゚∀゚)「確か、茂良の親父さんが会長になるとかいう話でさ?」
( ^ω^)「そういえばそんな事あったような……」
ジョルジュが言う茂良なる人物の顔は思い出さないが、確かにそんな事があったような記憶はある。
土曜だったか、学校が終ってからこの交差点付近に来たと思う。
- 822 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 20:27:05 ID:O6eX38H60
(*´_>`)「それで、その時お前達が何かやらかしたから、ここはこんな心霊スポットになったのか?」
_
(;゚∀゚)「何もしてねえよ。新しい建物見て、茂良の親父さんにお菓子もらったぐらいだ」
ジョルジュにしてはやけにちゃんと思えているようだが、その記憶は間違いではない気がする。
言われてみればそんなことがあった事を思い出す。
しかし……
( ^ω^)「それだけじゃなかったお」
_
( ゚∀゚)「そうだっけ?」
(*´_>`)「開けちゃいけない禁断の扉を開けたのか?」
_
(:゚∀゚)「だからそういう話じゃねえっつーの!」
僕はじゃれ合うジョルジュと弟者は無視し、ファイルから一枚の写真を抜き出す。
交差点の横断歩道を渡る歩行者の写真。
小さな人影は、顔までは判別出来ないが多分その背丈から子供であろう事がわかる。
- 823 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 20:42:33 ID:O6eX38H60
( ^ω^)「これ、多分ジョルジュだおね」
_
(:゚∀゚)「は?」
僕はその写真の先頭の子を指差し、ジョルジュに見せる。
_,
( ゚∀゚)「そう? 俺にはよくわかんねえんだけど?」
( ^ω^)「ほら、この手は多分ジョルジュだお」
写真の中の子は、左手を高く振り上げていた。
昔から事ある毎にジョルジュはよく腕を振っていたし、間違いないだろう。
(*´_>`)「この頃から御神体のポーズを取っていたのか」
_
(:゚∀゚)「何だよ、御神体のポーズって! しかし、確かにこれは俺っぽいな……」
ジョルジュは僕の手から写真を取り上げ、眉間に皺を寄せて凝視する。
_,
( ゚∀゚)「となると、これが茂良で、こっちが高知か? んで衣陽、頬理……」
- 824 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 22:57:28 ID:O6eX38H60
- _
( ゚∀゚)「で、最後尾が……」
次々と挙げられる名前はどれも聞き覚えがあった。
顔までは思い浮かばないものの、子供の頃の記憶は案外馬鹿にならないようだ。
僕の記憶力はそう悪くはないらしい。
_
( ゚∀゚)「ブーン、だな」
( ^ω^)「そうなるおね」
他の子供達からは少し空いた位置、写真の端の方に写る子供。
それが僕だ。
猫背気味に俯いて前を見ずに歩いているその姿は、あまり子供らしくない。
十年ほど前の写真に、当時の僕の立ち位置が鮮明に記録されていた。
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「……俺、いっつも前しか見てなかったよな」
( ^ω^)「それがジョルジュだし、ジョルジュはそれでいいんだお」
- 825 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 00:06:43 ID:UJCDiM4M0
無言で写真を見詰める僕を慮ったのか、悔いたような言葉を向けてくるジョルジュ。
しかし、返した僕の言葉に嘘はない。
当時、ジョルジュを恨んだ事も羨んだ事もないと思う。
僕は僕の立ち位置で満足していたはずだ。
_
( ゚∀゚)「けどさ……」
( ^ω^)「その話はまた今度にするお。今は他にやることがあるお」
_
( ゚∀゚)「……だな。わかった、この話はまた今度だ」
僕は写真の中の僕をじっくりと見る。
これといって不思議な所は見当たらないような気がする。
_
( ゚∀゚)「この写真、何の為に撮られたんだ?」
( ^ω^)「町内史用、とはこの時点では考え難いかおね」
どちらかといえばスナップ写真の様な写真だ。
記録に残す為というよりは、町の中の風景として撮られた様な印象を受ける。
- 826 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 00:12:34 ID:UJCDiM4M0
( ^ω^)「商工会のパンフレットとかそんな感じかお?」
( ´_>`)「ちょっといいか?」
( ^ω^)「何だお?」
学区の違いから、子供の頃、この交差点にこの写真にも馴染みのなかった弟者は空気を読んでか口を閉ざしていたようだ。
しかし、先の僕とジョルジュのやり取りで気になる所があったという。
( ´_>`)「お前達が遊びに行く時、いつも最後尾はブーンだったのか?」
( ^ω^)「そうだお。たまにジョルジュが並走して来る事はあったけど、基本的に僕が最後だったお」
( ´_>`)「……じゃあ、この写真のこの位置」
( ^ω^)「お?」
弟者が写真のある一点を指し示す。
写真の端、僕より更に後方に位置するその場所。
- 828 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:30:08 ID:c46uqPys0
( ´_>`)「これは誰の手だ?」
( ^ω^)「手……?」
僕はもう一度目を凝らして写真を見る。
写真の中の僕の後ろにある小さな何か。
( ^ω^)「手……だおね」
_
(;゚∀゚)「おいおい、本物の心霊写真来ちゃったの?」
(*´_>`)「ktkr!」
( ^ω^)「いや……心霊写真じゃないんじゃないかお?」
写真の中のその手は、僕を引きずり込もうと伸ばしているような感じではなく、単に歩いている時の手の動きに見える。
普通に考えれば、僕の後ろを誰かが歩いていると見るべきだ。
( ´_>`)「でも、ブーンが最後尾だったんだろ?」
( ^ω^)「別にこの手が僕達と関係ある人の手とは限らないお」
- 829 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:38:18 ID:c46uqPys0
たまたま僕の背後を歩いていた人の手が写っただけと考える出来る。
高さからや大きさ考えると、僕達と同年代の子供の手のようだが、それも偶然と考えても特に不自然な点はない。
町中だし、人通りはそこそこあった。
( ´_>`)「浪漫がない見解だな」
_
( ゚∀゚)「そもそも、心霊写真に浪漫は感じねえよ」
( ´_>`)「これはこれは、生きた心霊写真が何を仰る」
_
(;゚∀゚)「誰が心霊写真だ。つーか、やっぱお前、何か俺にしでかしただろ?」
騒ぐ二人を余所に、僕は写真を見ながら考える。
現実的な考えを示しはしたものの、それでは彼女に辿り着けない気もしていた。
( ^ω^)(この位置関係……)
この写真が心霊写真ではなく、誰かの手が写り込んでいるだけとして、更にこの手が僕と無関係ではないとしたら?
( ^ω^)(この手は彼女の手、という事になるのかおね)
- 830 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:50:02 ID:c46uqPys0
( ^ω^)「ジョルジュ、この写真が撮られた日、僕達どこに向かってたか覚えてるかお?」
_
( ゚∀゚)「わかんねえ」
( ^ω^)「……ハァ」
_
(;゚∀゚)「いや、だってこれ撮られたのがいつかもわかんねえじゃん?」
_
(;゚∀゚)「茂良の親父さんに会った日以外もここ通ってんだし」
( ^ω^)「じゃあ、茂良のお父さんに会った日はどこ行ったか覚えてるかお?」
_
( ゚∀゚)「それなら……」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
_
(;゚∀゚)「……どこだっけ?」
( ^ω^)「……使えねえな」
_
(;゚∀゚)「親友の視線が絶対零度だよ」
- 832 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:06:28 ID:Yd.mORe20
ジョルジュにはああ言ったが、僕もはっきり覚えているわけではない。
ただ、先ほども挙げたように、この交差点を通る時は川の方へ遊びに行く事は多かったが。
( ^ω^)「でも、服装からして川に遊びに行く季節じゃないおね」
( ´_>`)「丁度今頃か、もう少し寒い季節かな」
写真の中の僕達はジョルジュ以外一律長袖の服を着ていた。
もう衣替えは済んだぐらいの季節なのだろう。
( ´_>`)「川遊びには向かない頃だろうな」
_
( ゚∀゚)「あれ? 俺、そんな季節のはずの昨日泳げって言われたり、池に落とされた気が」
( ^ω^)「ジョルジュは冬でも泳いで平気だお」
_
(;゚∀゚)「そうなの? って、平気じゃねえよ!」
子供の頃のジョルジュは、冬でも半袖短パンという頭の悪い出立ちだった。
多分、風邪は引かないタイプなのだろう。
( ´_>`)「じゃあ、どこで遊んでいたんだ?」
- 833 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:11:51 ID:Yd.mORe20
( ^ω^)「そうだおね……」
思い付く場所はいくつかある。
どれが正解なのかわからないが、ここは直感に頼るべきか。
弟者が言っていた言葉を考えると、それが正解に繋がるかもしれない。
ただ、この交差点自体も少し気にはなっている。
この手の存在が、ここに誰かが、彼女がいたことを示しているかもしれないのだ。
それらを踏まえて、僕が向かうべき場所、それは……
( ^ω^)「1 学校……じゃないかお?
2 山の方……じゃないかお?
3 やっぱり神社かもしれないお
4 今はこの交差点に行ってみるお 」
安価
>>834
- 834 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:17:16 ID:ssFQ7YhwO
- ここは2でどうだろうか
- 836 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 23:38:59 ID:N0Hqvk9o0
( ^ω^)「山の方……じゃないかお?」
_
( ゚∀゚)「山……?」
( ´_>`)「山? どこの山だ?」
( ^ω^)「VIP山だお」
_
( ゚∀゚)「VIP山……あ、そうか!」
山の名前を聞いてようやく思い出したらしいジョルジュ。
どうして忘れていたのかが不自然なほど、ここはあの頃の僕らにとって馴染みのあった場所だ。
_
( ゚∀゚)「VIP山の秘密基地!」
( ^ω^)「それだお」
秘密基地、そう書くと大層な響きだが、何の事はない、ただの子供の溜まり場だ。
基地と呼んではいるが、それに順ずるようなごっこ遊び的なチームを作ったり等はしていない。
VIP山の登山コースから少し外れた場所に、たまたま見つけた洞窟というには小さ過ぎる、
山の斜面にある窪みが僕らの秘密基地だった。
- 837 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 23:59:57 ID:N0Hqvk9o0
- _
( ゚∀゚)「懐かしいな。よくお菓子とか持ち寄ってだべってたな」
( ^ω^)「しょぼいとこだったけど、ギリギリ雨は凌げたおね」
子供が五人ぐらい座れる程度の幅に、奥行きもほとんどない場所だったので、
物を持ち込んで基地らしく仕上げたりもしていなかっし、何かのコピペの如く浮浪者に場所を奪われる事もなかった。
( ´_>`)「山の秘密基地……」
_
( ゚∀゚)「何か気になる事あんのか?」
( ^ω^)「あの山にも何かいわくがあったのかお?」
僕らが秘密基地の話をしている間、ずっと難しい顔で何かを考えていた弟者が意味ありげに呟く。
弟者ファイルにはこの山の事は載っていなかったが、何か気になる事でもあるのだろうか。
(*´_>`)「めんm( ^ω^)「それ以上口を開くな、このロリコンが」
まあ確かに、山の秘密基地で、子供の頃の思い出で、幽霊、とはちょっと違うがそれらしきものなら連想する話だが、
僕らの集まりは男ばっかりだったからそれはない。
- 839 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:29:59 ID:UfgxADPk0
-
_
( ゚∀゚)「だよな……例の女がいた記憶はないな」
誰かが男装していたなら話は違って来るが、その可能性はないだろう。
当時一緒にいた連中は、今でもジョルジュが連絡先を知っているくらいは付き合いがあるようなので、
誰かが女性だったら流石にこの年まで隠し通すのは無理だと思う。
( ^ω^)「でも、彼女はこの場にいた」
それでも僕はそう考える。
_
( ゚∀゚)「そう言い切れる理由は何だよ?」
( ^ω^)「勘だお」
_
( ゚∀゚)「勘かよ」
いい加減な根拠ではあるが、クーの言葉や僕の記憶を総合してみればそれであっているのではないかと思う。
僕の思うこの場所に、きっと彼女はいるはずだ。
僕の思い出と共に。
- 840 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:31:02 ID:UfgxADPk0
( ´_>`)「場所はわかったとして、これからどうする?」
_
( ゚∀゚)「どうするも何もねえさ」
( ^ω^)「ここに行ってみるお」
僕の言葉にジョルジュは力強く頷き、弟者は軽く笑みを浮かべた。
僕が何を言おうが、一緒に来るつもりなのだろう。
_
( ゚∀゚)「じゃあ、早速行こうぜ。善は急げだ」
今度は僕が頷き返し、立ち上がる。
全てを知るため、そして終らせるため、僕は足を踏み出した。
第八章 了
つづく・・・
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