650 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:40:14.65 ID:0e0pjRCB0
体臭ってのは、自分自身のじゃそこまで気にならないものだ。

まぁ、それは至極当然のことなんだが。

それでも気にならないってのは、そいつ自身だけがそう思ってるんであって。

結構ね、本人はわかってないけどね、周りには迷惑なんであって……

まぁ、俺が言いたいのはただ一つ。


隣の席のコイツ、誰かなんとかしてくれ…………


( ^ω^)











('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです

651 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:43:11.40 ID:0e0pjRCB0
六月だ。いや、現実では既に七月なんだけど話の中では六月なんだ。梅雨真っ盛りな六月なんだ、話の中では。
本当はコレ先月投下するはずだったんだけど、エロゲにハマってた所為で遅れちまったんだ。(←チラ裏)つまりはそういうことなんだ。

ところで、なんだか雨を見てると陰鬱になってくる。
いや、陰鬱なのはもうそろそろ期末のテスト期間入るからなのか、どうなのか。今の俺にはわからない。
てゆーか、そんなことを気にしていられるほど、俺は今ゆとりがない。
もっとずっとハイパーでアイパーな、生死に関わる様な重大な問題を抱えているからだ、さぁ大変。

事の?末は、些細な定期的イベントの始まりからだった。


( ´∀`)「それじゃあ今日のHRは、昨日言ってた通り席替えを行うモナ」

席替え。担任のモナー先生の台詞の通り、昨日から予告されていた本日行われる小規模イベント。
それでも、変わり映えしないしない日々を送る俺たち高校生をテンションを少し引き上げるのには充分だった。


( ´∀`)「ほらほら、みんな静かにするモナよ。じゃあ、出席番号順にくじを引きに来るモナ」

多少煩くなり始めたクラスメイトたちを注意して、先生は教卓にくじ箱を置き、黒板に座席表を書き出す。
ウチのクラスでは席を決めるのにくじ引きを用いる。単純に公平だし、何処の学校の何処のクラスでも似たようなことをやっているだろう。
俺の出席番号は4番、名前は鬱田毒男(うつだどくお)。見て分かると思うが、苗字がア行からなので比較的順番が早い。
後ろの人間を待たせるわけにもいかんので、俺はとっとと席を立って教卓の上にあるくじ箱からくじを引いた。
引いた結果、くじの番号は7番。そいつを見てから、先生作の即興座席表を見て席の位置を確かめる。
それによると、俺の新たな席は窓側の一番後ろ。なかなかのナイスポジションだ。


('A`)(お、ラッキー。ついてるな俺)

俺はこの先に待ち構える不幸も知らずにそう思った。

653 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:45:42.62 ID:0e0pjRCB0
( ´∀`)「それじゃあ、みんな新しく決まった席に移動するモナ」

クラスの全員がくじを引き終わり、席が決定した。
モナー先生が声をかけると、クラスメイトたちは一斉に新たな席の位置へと移動を開始した。


川 ゚ -゚)「ドクオ、席は何処になった?」

と、そこで先日まで隣の席だった女子クーが、
今の今まで熱心に読みふけっていた小説『ハンニバル・ライジング』を鞄にしまい、そう聞いてきた。


('A`)「ん? 窓側の一番後ろんとこだよ」

川 ゚ -゚)「そうか。ということは、また私とは近所だな」

('A`)「なんだ? またお隣さんか?」

川 ゚ -゚)「いや、そうではない。私は君の前の席、窓側の後ろから二番目だ。
     それとだな、ドクオ。先日貸した2000円札はいつ返ってくるのだろうか」

あ、いかん。クーにはこの間、財布を忘れて困ってた時に金を借りてたんだったな。
すっかり失念してたぜ。つーか2000円はあっても2000円札は持ってねーよ。

('A`)「あー、スマン。今手持ちがなくてな……もうちっと待って貰えるか?」

川 ゚ -゚)「ふむ、そうか。まぁそこまで急ぐ問題でもないのだが、こういうのはキチンとしておいた方が良いからな」

「あーすまないな、近いうちに必ず返すよ」俺がそう言うとクーは机を持ち上げて移動を始めた。
それに続いて俺も机を持ち上げ、クラスメイトたちと同様に新たな席の位置へと赴いた。

656 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:48:07.45 ID:0e0pjRCB0
( ´∀`)「これでHRは終わりだモナ。今日も一日頑張るモナよ。一時間目は英語の授業だモナ」

HR終了のチャイムが鳴り響くと、モナー先生はそう言って教室を出て行った。
一時間目は言われた通り英語だ。今日は俺、当てられるかも知れんから起きておいた方がいいな。
そんなことを考えながら、学校のロッカーに置きっぱなしの教科書を取り行こうとすると、隣の席の人間から声をかけられた。


( ^ω^)「おっお、今日から隣だお。よろしくだお」

('A`)「ん? あぁ、こちらこそよろしくな、内藤」

声をかけてきたのは、そう内藤だ、内藤ホライゾン。たしか今年から同じクラスになったばかりのはずだ。
ちょいとピザ気味で、いつもニヤニヤ顔なのが特徴の男だ。


( ^ω^)「おっお、内藤なんて堅苦しいお。ブーンと呼んでくれお、ドクオ」

ブーン? そういやクラスの何人かにコイツがブーンと呼ばれているのを聞いた覚えがあるな。コイツのあだ名なんだろうか。
てゆーか、俺コイツとあんまり話したことないはずなんだが……なんか既に呼び捨てで呼ばれてるし。
結構、思っていたより馴れ馴れしい奴なんだな。まぁ、悪い気はしないけどな。


('A`)「おう、わかったよ。ブーン」

そう返事をし、ロッカーへ行こうとブーンの傍を通り過ぎようとしたその時だった。
俺の鼻がなんの臭いかわからない、異臭を感知したのは。

657 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:49:24.66 ID:0e0pjRCB0
(;'A`)「うぉッ!?」

俺は思わず驚嘆の声を上げて、鼻をつまんだ。な、なんだ今の臭いは!?
まるで、下水と牛乳拭いた雑巾と俺が今朝出した排泄物を混ぜたような臭いだ。
クセェーーーッ! こいつはゲロ以下の(ry。しかし、ついさっきまでは感じなかったが、いったい何処から……。


( ^ω^)「? ど、どうしたお?」

ブーンが不思議そうな顔でこちらを見てくる。そりゃあなんの前触れもなしにいきなり大声出されれば驚くわな。
俺はブーンに「……いや、なんでもない」と言い残し、すぐさまロッカーへと向かった。
そうしてその場から離れると、既にその臭いは感じなくなった。いったい、なんだったんだ今のは……?

ハハ ロ -ロ)ハ「Good morninng everyone.」

そこに勢いよく教室のドアを開けて、流暢な英語の挨拶をしながら英語教師のハロー先生がやってきた。
うわ、もう来たのかよ。俺はすぐさまロッカーから教科書を取り出し、急いで席に戻った。
しかし……本当にさっきのはなんだったんだろう……。

ハハ ロ -ロ)ハ「Open the text book to page 801.」

当然、俺の疑問に誰一人答えることなく、いつも通りに授業が始まった。
俺も周りと同様に教科書を開き、授業を聞く態勢に入る。えっと、801ページっと……。

ハハ ロ -ロ)ハ「I'm free to be whatever. Repaet after me.」

みんなが先生の指示の通りに、英文を復唱し始める。無論、俺も同様に。
そうして授業に集中しだすと、さっき感じた異臭のことはすっかり頭の中から消えていた。
尚、この授業の間にさっきの感じた異臭を感じることは一回もなかった。

659 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:51:51.27 ID:0e0pjRCB0
それから数時間後、授業も既に四時間目。国語の授業前になった。
朝の件以来、懸念していた例の異臭を感知することは一回も無かった。
やっぱりなにか俺の勘違いだったのだろうか。
そんな事を考えているところに、ブーンが声をかけてきた。


(;^ω^)「おっお……すまんおドクオ……。教科書見せてくれないかお……?」

('A`)「なんだ、忘れたのか?」

(;^ω^)「実は忘れたっていうか、教科書がないんだお……」

('A`)「は? 教科書がない? なんで?」

(;^ω^)「それがこの前、宿題やるのに家に持って帰って、そんでその時に部屋に置いておいたんだお……。
       そしたらウチのカーチャンが間違えてゴミと一緒に捨てちゃったんだお……」

('A`)「ちょwwwカーチャン気づけよwwwww」

(;^ω^)「それで今、書店の方で注文してるんだけど、届くのに結構時間がかかるんだお……。
       だから、今日だけじゃなくてこれからしばらく見せて欲しいんだお……」

('A`)「あぁ、そういうことなら構わねぇよ」

( ^ω^)「おっお、マジかお。助かるお」

「礼なんかいいよ、教科書見せるくらいこっちとしてはなんでもことだ」そう言って、
俺は教科書を共有する為に自身の机をブーンの机の方に移動させた。

すると次の瞬間、

662 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:54:29.34 ID:0e0pjRCB0
(;'A`)「ぬぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおっぉッ!?」

すると次の瞬間、あの異臭が俺の嗅覚を刺激しに再来日した。ク、クセェーーーッ! こいつはゲロ以下の(ry。
こ、これはまさに数時間前に感じた、下水と牛乳拭いた雑巾と俺が今朝出した排泄物を混ぜたような臭いだ!!


( ^ω^)「? どうしたお?」

ブーンはそう言って、俺の方に身を近づけてきた。
するとさっきまで感じていた異臭は、更にその濃度を増して俺の嗅覚をこれでもかというくらい刺激してきた。
くっ……これは酷い……。でもまさか、この臭い……コイツが原因なのかッ!?

だとしたら、コイツが原因であるんだとしたら、これはキチンと伝えた方が良いのだろうか?
「ちょ……お前……臭いぞ?」みたいな感じに。
正直、この下水と牛乳拭いた雑巾と俺が今朝出した排泄物を混ぜたような臭い、耐え切れない……
そうだよ、言うべきだ。流石にこの臭いをずっと嗅いだまま授業なんて……まるで拷問だ。
こんな拷問されたら俺は吐くね、知ってること洗いざらい。ついでになんか嘔吐物的なものも吐くだろうな。
さぁ、言うぞ。このままじゃ俺の平穏な日常はブチ壊しだ。準備は良いか?
カウントダウン、3・2・1……


('A`)「い……いや、なんでもない」

だが俺は今朝のやり取りをトレースしたかのようにそう言い、ブーンに俺の本心を伝えなかった。

663 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:56:04.09 ID:0e0pjRCB0
何故そうしたのか。たしかに言ってしまえばブーンは俺に対しなんらかの手段をとってくれるだろう。
それで、この異臭問題は解決するだろう。でもそうなるとブーンは、
そんなことを正直に伝えてブーンはどんな反応をするだろうか。


( ^ω^)「…………」

この隣のただならぬ異臭を放つニヤケ面を見ながら考えた。
俺がこの場で正直に「おまwwwwなんかクサッwwwwてかおまクサッwwwちょwww離れてくんね?wwwww」
なんて言ったら、次の瞬間にこのニヤケ面はどんな顔をするだろうか。

人には言って良いことと悪いことがある。

これは、その言って良いことなのだろうか?

そんなことを考えた結果、俺は正直に伝えるのをやめた。
素直にそいつを言ってしまったら、ブーンが傷つくんじゃないか。
そう思い、自身のこの苦しみを胸に秘めて、やり過ごした。







('A`)(……いや、でもこれヤベーぞ。マジで。いいのか? 本当にそれでいいの俺!?)

665 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:57:55.06 ID:0e0pjRCB0
( ´∀`)「それじゃあ801ページを都村、読んでくれモナ」

(゚、゚トソン「はい。『聡史「零れ落ちる砂の様に、誰も時止められない。この定め冒す者、僕が消してみせる必ず」
     聡史は手にした短剣を振り上げ、彼の背後で膝をつく私に向かって…………」

授業が始まり、女子生徒が先生に指示されて教科書の文を読み上げる。だが今の俺にそれを聞く余裕はなかった。
くっ……しかし、本当にすげえ臭いだ……。比喩じゃなくて、リアルに鼻が曲がりそうだぜ……
俺はこの異臭で刺激される度に、もうブーンにはっきり伝えるか!? という考えが何回も浮かび上がった。
「お前、クセーんだよ!」って伝えるか? でもそんなことをしたら、ブーンの心に消えない傷が残るかも知れない……

ブーンに正直に言ってこの臭いから開放されるか。ブーンを傷つけない為にも俺がこの異臭を我慢し続けるか。
俺は先刻からずっとずっと、その二つの想いの間で酷く苦悩し、葛藤した。
こいつはまさに、臭人のジレンマってやつだな……

それでも自分の結論はさっきの通りだった。
そんなことを言ったらブーンが傷つく。最終的には結局そこへ行き着いた。

だがしかし、我慢するにも限界がある。言わないなら言わないで、今後どうすべきか考えなければいけない……。
よし、落ち着いて考えよう……。まずとりあえず、国語の時間は週に四回ある。
つまりこの先、少なくともブーンの教科書が入荷するか、夏休みに入るまでは必然的に週四でこの状況に遭遇する……。
だったら、今のうちに何か対策を立てなければいけない。そうでなければ俺の精神がもたない。何かの対策を……。

       |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
    /  `´  \  そうだ! 臭いが気になるなら空気(何故か読めない)の入れ替え!
     ('A`)     換気をすればいいんだ!!
     ノヽノヽ
       くく

668 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 22:59:42.57 ID:0e0pjRCB0
なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ!? こいつはIt's so easyだぜ。
換気だよ、換気。まず思いつくだろうよ、そんなこと。
んじゃあ、早速……窓をガラガラっと……オープン・ザ・ウィンドウ!!


(;゚A゚)(;゚ω゚)「「ぬおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」」

意気込んで窓を開けた、その瞬間。俺とそのすぐ近く、真横にいたブーンは数多の雨水に襲われた。
おかげで、身体と制服、さらに机とその上の教科書や筆記用具までビショ濡れになった。


(;'A`)(あ、そうか……すっかり記憶から抜け落ちてたけど、冒頭で今は梅雨って言ってたな……。外は雨が降ってるんだ……)

(;´∀`)「ちょwwそこww鬱田に内藤www何やってるんだモナ?www」

(;^ω^)「本当だおwww何やってんだおドクオwwww」

(;'A`)「いや……えっと……すんません……。つい天然のシャワーが浴びたくなりまして……」

(;´∀`)「そ、そうかモナ。でも授業中にはやめて欲しいモナ……」

(;'A`)「すんません……」

あぁ、クソッ! 失敗だ! これじゃあ駄目だった! てゆーかなんだよ「つい天然のシャワーが浴びたくなりまして……」って!?
酸性雨なんか諸に被ったら、将来禿げるだろうが。このゆとりまっしぐらのド低脳が!
そうした俺(とブーン)の惨事を見て、クラス中から笑い声が漏れる。
あぁもう! 笑うんじゃねーよ! 今俺がどんな極限状態にいるかも知らないくせにッ!  知らないくせにぃぃぃぃぃッ!!
畜生ッ! 何か、何かないのか!? 俺もブーンも二人とも救えるような解決策はッ!?

670 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:02:56.49 ID:0e0pjRCB0
('A`)(よしッ! もう、こうなったら延々と口呼吸だ! それしかない!
    本来ならコイツに言ってやった方がてっとり早いんだろうが、それではコイツが……)

( ^ω^)「ドクオどうしたんだお? さっきから窓開けたり、なんか変だお?」

あぁぁぁあっぁあっぁあ!! クソッ……ヤバい……このままじゃ耐え切れnくぁwせdrftgyふじこlp;@:
いやいや、耐えるんだドクオ! お前は昨年と一昨年のあの夏の糞暑い中、夏コミの長蛇の列にも耐えたじゃないか!!
がまんだ。その技は初代ポケモンでならわざマシン34で覚えられる。でもがまんなんて技、正直あんまり使わないよな……
じゃあ、もっと高みを目指して悟りだ。悟りを啓こう。全ての苦しみからの解脱!
そう、釈迦レベルの悟り。ガウタマ・シッダールタくらいに、ハイクオリティな悟りをッ!!!!!


( ^ω^)「ドクオ大丈夫かお……?」

ああぁぁっぁぁぁ近づいてくんなあああぁぁぁぁッ!!!!
くっ……もう言っちまうか? 正直に「クセぇんだよおおおぉぉッ!!! 豚ぁぁぁあぁあっぁっぁあッ!!!」って。
でも、そんなこと言うのはコイツが・・・…
ああ、でも……クソッヤバい……このままでは俺の精神衛生上、加えストレスとかで健康面と抜け毛がかなりヤバい……どうすれば……。

       |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
    /  `´  \  そうだ! 頭蓋骨に穴を開けよう!!
     ('A`)
     ノヽノヽ
       くく

672 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:05:31.76 ID:0e0pjRCB0
('A`)

みんなは『トレパネーション』というものを知ってるか?
『トレパネーション』または『頭部穿孔(とうぶせんこう)』
頭皮を切開して頭蓋骨に穴を開ける民間療法の一種とされているものだ。

この施術に於いて、通常の脳外科手術や頭骨骨折等の外科手術と違う所は、
特に治療を目的とした行為というよりも、神秘主義観に基く物であり、
また頭骨に穴を開けた後に何等かの塞ぐ処置を行わずに頭皮を縫合する所にある。

これを取り扱った作品として『ホムンクルス』という漫画がある。
神秘主義的視点から頭部穿孔を受けたホームレスの男が、「他人の深層心理が現実のようにイメージ化されて見える」
という異常な世界に巻き込まれるサイコスリラーだ。

その漫画で見聞きした話だが、
人間というのは、元々生まれて一歳半までは頭蓋骨に隙間があって穴が開いている状態なのだという。
それが塞がって、更に大人になるにしたがって頭蓋骨が閉じていく感じなのだそうだ。
しかし、この閉じてしまった頭蓋骨に穴を開けることによって、頭蓋骨内の圧力が変化し、
脳を活性化した状態に戻すことが出来ると言われているらしい。

そう、脳が活性化! つまりこれが成功すれば、何がしかの策が思い浮かぶはず!!
この状況を打開出来るはずなのだ!! いや、必ず出来る!!(←根拠のない自信)


そうと決まれば、Let'sトレパネーション!!


そう! 合言葉は!!

673 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:07:06.72 ID:0e0pjRCB0

             ('∀`)「頭蓋骨に穴空けろ☆」


                 そう言って俺は


               救いを信じ、未来を信じ

 
                その手にペンを取る


                 それをしっかりと


                 決して放さぬように


                強く固く、握り締め


                  自身の頭部へと


                  突き立てた


677 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:09:15.82 ID:0e0pjRCB0
くっ……血が……血が出る……次から次へと……止まらない。あぁ、痛ぇなぁ……
でも、これで俺はダイジョーブ博士の手術レベルで大丈夫なはずだ……超パワーうpだ。
これで、こんな異臭ごときに惑わされることも無くなる……
この状況を打開することが可能なすんばらしい策が思い浮かぶほどの……
高度な思考能力と……高度な精神状態に……

あれ? でもこれ……あれ? なんかクラクラして……あれ? なんだか……


('A`)「あれれ〜? 意識が遠のくよ〜?」

川 ゚ -゚)「む? ドクオ、なんだそのシャーペンは? そんな所に刺すと危ないぞ?」

(゚、゚トソン「ちょwwwww頭wwwwwシャーペンwwwwww刺さってますよwwwwwwwwww」

(;^ω^)「ちょwwwwwwドクオwwwwww何やってんだおwwwwwwwwwwwww」

クラスのみんながザワめき始めた。みんなじっと俺の方を見つめている。
何をそんなに驚いてるんだ? 俺なら大丈夫だよ。ほらこのとおr……


('A`)「あれれ〜?」

身体に……力が……入らない……? あれ? これもしかして……

  ('A`)⊃ アウアウ?
 ⊂ミ⊃)
  /ωヽ

680 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:10:56.15 ID:0e0pjRCB0
あぁ……そうか……俺は……間違えたのか……
内藤に言うべきか、言うまいかと、葛藤して……なんとかここまできたのに……

俺は……最期に選択を……間違えたのか……


( A`)「あ、駄目だ……意識が…………もう、みんなとは……おわ……かれ……か……」

川 ゚ -゚)「待て、勝手にお別れするな。 お前に貸した私の2000円札はどうなる?」

(゚、゚トソン「ちょwwwww血wwww溢れ出てますよwwwww大変wwwwwwwwwwwwww」

( ;ω;)「ドクオーッ!! 死んじゃ嫌だおーーーーーーーーッ!!」

あぁ……今思えば……何もかも楽しかった……
今思えば……何もかも素晴らしかった……

変わらない……平穏な日常……それは……あたりまえだったけど……
とても大切で、幸せな……

あ……もう意識g……


( A )

川 ゚ -゚)「待つんだドクオ。 逝く前に私の2000円をだな……もう2000円札でなくともいいから2000円を……」

(゚、゚トソン「ちょwwwwwwwww絶命wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

683 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:12:56.36 ID:0e0pjRCB0
やっぱり、思っていることは正直に言うべきだったな。
相手を傷つけてしまうかも知れないけど、言うべきだったんだ。

人は誰も傷つけずに生きていくことなんか出来ない。
だから、傷つけてしまうのも、それで自身が傷つくのも、恐れていてはいけないんだ。

傷つけてしまったその相手とは、それから長い長い時間の中で気まずい関係になるだろう。
それでも時間が一年、二年、三年と経てばすっかりそんな事も水に流される。時間が傷を癒してくれる。

「時間が一番残酷で優しい」
そう言ったのは、誰だったか……。いや、まぁそれは良いんだ。


今になって気づいた。

何も思い悩む必要なかった。

何の対策を立てる必要もなかった。

何も、葛藤する必要なんかなかったんだよ。


ブーン……お前…………クセーんだよ……。
なに食って生きてやがんだよ……。この、馬鹿野郎が……。


( ;ω;)「ドクオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」

('A`)「いや、クセーから近づくな、騒ぐな、息するな、この白豚野郎。死ね、氏ねじゃなくて死ね」

685 :('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです:2007/07/07(土) 23:13:38.05 ID:0e0pjRCB0

   ,、  ,  
   ミ.'、⊂⊃.i! 
  ミ ハ i.!  
  ヽ`('A`)    ('A`)ドクオが死刑囚じゃないけど葛藤するようです−完−
   ( ,(ヽ   
   ノノ



お題
・零れ落ちる砂の様に、誰も時止められない
・この定め冒す者、僕が(俺が)消してみせる必ず。
・ハハ ロ -ロ)ハ「I'm free to be whatever 」
・ハ ン ニ バ ル ・ ラ イ ジ ン グ 
・臭人のジレンマ
・頭蓋骨に穴空けろ☆
・801
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