1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:37:18.54 ID:dCEubEHQ0

(´・_ゝ・`)「ジェーーーーーン!!」



('、`*川(あ、あれはジョージ?)

(,,゚Д゚)「どうしたんだい?ジェーン?
     さあ、誓いのキスをしよう。」




(´・_ゝ・`)「ジェーーーン!!!!!!」



('、`*川(ごめんなさいジョージ……)



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:38:06.91 ID:dCEubEHQ0



( ゚д゚ )「なんだあいつは?何者だ?」



川д川「邪魔しに来たのかしら?」






(´・_ゝ・`)「ジェーン!!アイラービュー!!」



(,,゚Д゚)「……あの野郎。まだ諦めてなかったのか。」


('、`*川(この人と結婚すれば家は安泰……でも。)



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:38:52.95 ID:dCEubEHQ0

(´・_ゝ・`)「ジェーーン!!アイニードゥ!!」


('、`*川「ごめんなさい、スミス。あなたとは結婚できないわ!!」


(,,゚Д゚)「何を今更?君だって納得してくれたじゃないか。」

('、`*川「納得はしたけど、それを受け入れられるほど私は大人じゃなかったのよ。」



('、`*川「ジョーーーーージィーーーーー!!アイラーーアビューーー!!」

(,,゚Д゚)「ど、どこへ行くんだ!?」




(´・_ゝ・`)「ああ、ジェーン愛してるよ。君を幸せにする。」

('、`*川「いいえ、あなたを幸せにするわ。」


ぶろろろろぉ


                 fin

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:41:04.24 ID:dCEubEHQ0

ξ;凵G)ξ「えぐっえぐっ、いい映画ねぇ。」

川 ゚ -゚)「ああ、恋愛を取るか家を取るかでの女性の葛藤がよく描かれていたし
     それに演技もよかった。悩みをコーヒーカップで表すところもよかったしな。」

川 ゚ -゚)「そしてはい、ティッシュ。」

ξ゚听)ξ「ああ、もう冷めちゃうじゃない。気持ちよく浸ってるのに。」

川 ゚ -゚)「すまないな。どうもそういう視点でしか見れんのだ。」


ξ゚听)ξ「まあいいわ。中々の映画だったわ。72点ぐらいね。」


川 ゚ -゚)「中の上、上の下ぐらいか。泣いたわりには今一だな。」

ξ゚听)ξ「当たり前でしょ。私にはいつも物足りないわ。」


/ ,' 3「まだ終わって無いから静かに。」

ξ゚听)ξ「あ、ごめんなさい。」

川 ゚ -゚)(スタッフロールも映画の一部と見る人かな。)


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:42:21.78 ID:dCEubEHQ0

館内に明かりが灯る。


川 ゚ -゚)「で、何が物足りないんだ。」


ξ゚听)ξ「何が?」


川 ゚ -゚)「今の映画さ。私は85点はあげるけどな。」


ξ゚听)ξ「冷静に見てた割に結構つけたわね。」


川 ゚ -゚)「ああ、ブローチの引っかき傷を気にしなくなったとこや
    コーヒーに入れる砂糖の数を数え忘れたりするところや
    特にそれに気付いたときの表情がとてもリアルだった。
    そういったところが気に入った。ビデオが出たら借りようと思う。」

ξ゚听)ξ「案外気に入ってるのね。でも私は駄目。絶対借りないわ。」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:44:19.38 ID:dCEubEHQ0

川 ゚ -゚)「何故?」

ξ゚听)ξ「確かに映画自体はよかったわ。ある要素をなくすなら95点はあげるわよ。
    でも駄目。肝心なのがあの映画にはないわ。」

川 ゚ -゚)「肝心なもの?」

ξ゚听)ξ「ええ、そうよ一番大事なもの。
    物語の後、一体二人はどうやって暮らしていくのか?
    どういう風になるのか。その辺りが全く描かれていないわ。」

川 ゚ -゚)「そらそうさ。二時間で終わらせなければいけないんだ。
    もし全部描こうと思ったら後50年は映画を見続けなければいけないぞ。」

ξ゚听)ξ「変なとこで融通が利かないわね。
    違うわよ。想像できないの。好きな人と一緒になりました。
    はい、ハッピーエンドじゃ納得できないの。あたしはそれを受け入れられるほど大人じゃないの。」

川 ゚ー゚)「さっきの台詞じゃないか。」

ξ゚ー゚)ξ「んふふ。」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:45:54.23 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「でもね、あの後にいろんなことが想像できるじゃない。
    ずっと熱烈に愛し続けることなんて出来ないし。
    そういう波乱があった二人は平凡に生活できるのかしら?
    いろんなことが考えられるわ。普通に貧しくとも幸せかもしれないし
    後悔するかもしれない。もしどちらかが後悔したらどうなるのかしら。
    確実に破綻するわ。あの結婚式のことを持ち出してね。」


川 ゚ -゚)「君は変なところでこだわるな。
     映画としてみたらとても上出来なのに。
     いい映画だぞ。とてもいい。87点あげてもいい。」

ξ゚听)ξ「さっきとあんまり変わらないじゃないの。さ、行きましょう。
    次の回が始まっちゃうわ。」



映画の神様が二人を見ていた。

(´・ω・`)「なるほど。そういう見方もあるか。」

(´・ω・`)「実際どうなるんだろうね……」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:47:34.46 ID:dCEubEHQ0

「あのぉ。」


(´・ω・`)「もし現実の人間が映画のような体験をしたら……か、興味深い。」


「あのぉ。もしもし?聞こえますかお?」

(´・ω・`)「誰だい?」

「ここにいますお。」

(´・ω・`)「ああ君か。どうだったこの映画は?」

「上出来ですお。とても楽しめましたお。
他の仲間達にも見してやりたいぐらいですお。」

(´・ω・`)「それはよかった。」

「ところでお願いがあるんだお。」

(´・ω・`)「ん?」

「さっき、言いましたおね?現実の人間が、って。」

「それ僕にやらしてもらえませんかお?」

(´・ω・`)「君が?」


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:49:46.01 ID:dCEubEHQ0

「僕あの子が好きなんだお。映画を見てるときの真剣な顔。
笑った顔、泣いた顔、考える顔。声。全部全部好きなんだお。
お願いだ。僕にやらせてくれお。」

(´・ω・`)「ふぬ……」

「お願いだお。一度で言いからあの娘とお話したいんだお。
あの娘の好みは何でも知ってるお。絶対に上手くやって見せるお。」

(´・ω・`)(ふーん。人間には干渉しないってのが僕の掟だけれども、これはどうだろう。)

「お願いしますお。絶対あなたを満足させるようにしますお。」

(´・ω・`)「けどなぁ。結局君は傷つくし、
あの娘だって、もし上手く言った場合は最終的に失恋するわけだしねぇ。」

「大丈夫だお。あの娘は強い子だお。僕は知ってるお。映画を見続けた僕がいうんだお。」

(´・ω・`)「ん〜、まあいいかな、やってみよう。私が干渉するわけでは無いのだからいいだろう。」

(´・ω・`)「しかし、やるからには徹底的にやってもらう。期間は一ヶ月。この間に熱烈な恋愛を
    それこそ映画のような恋愛を私に見してくれ。」

「ありがとうございますお!!」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:51:25.22 ID:dCEubEHQ0

(´・ω・`)「もし出来なかったら君の存在を消すよ。それぐらいのリスクはないとね。
それでもいいね?」

「もちろんだお!!あの娘とお話できないくらいならそっちのほうがいいお。
もう、あの娘が来るたびに悲しい想いをするのは嫌なんだお!!」

(´・ω・`)「よし、じゃあまず君を人間にしようかね。そのまんまじゃ恋愛なんて出来ないだろ
う。
    あの娘の好みは知ってるんだろう。」

「はいですお。」

(´・ω・`)「まずは輪郭をっと。」


(   )「もうちょい肉をつけてくれお。少し太目がいいんだお。」


(´・ω・`)「あいよ。次は目をっと。こんな感じが今風かな?」


( ゚ ゚)「ちがうおあの娘はもっと柔和な顔が好きだお。
映画で言う、いい人だけど報われない感じの目だお。」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:53:39.30 ID:dCEubEHQ0


(´・ω・`)「じゃあこれかい?」


つ^^

( ^^)「そうこれだお!!そして口は愛嬌のある口だお。」


(´・ω・`)「愛嬌愛嬌っと。」

つ∀

( ^∀^)「違うお。動物的な愛嬌だお。」

つД

( ^Д^)「違うお。もっと可愛らしい感じお。」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:55:00.12 ID:dCEubEHQ0

(´・ω・`)「めんどくさいなぁ。ほらこれでどうだい。」

つω


( ^ω^)「お、これだお。完璧だお!!あのこの好みはこれだお!!」

(´・ω・`)「なんかぱっとしないな。本当に大丈夫?」

( ^ω^)「当然だお。これでまず見かけは最高だお。
      いつも映画を見ずにあの娘を見てたんだお。絶対いけるお。」





一時間後。



(´・ω・`)「ではやってもらおう。内藤ホライゾン。
    もう必要なものはないね。」

( ^ω^)「完璧だお。じゃあ見といてくれお。」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:56:32.05 ID:dCEubEHQ0

ある日の映画館。


ξ゚听)ξ(今日はクーもいないけど、まあその分集中できるかな。)


( ^ω^)「よいしょっと。」


ξ゚听)ξ(あらこんな時間に。)


( ^ω^)「ポップコーンうめぇ。」



ξ゚听)ξ(あらあら、美味しそうにポップコーン頬張っちゃって。
     でも納得の体つきだわ。そしてコーラ。もちダイエットじゃないやつ。)

館内が暗くなり、予告編が始まる。

ボリボリボリ。

ξ゚听)ξ(ポップコーンでよくあんなに音出せるわね。)

ぼりぼりぼりぼり。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 15:59:05.28 ID:dCEubEHQ0


ξ゚听)ξ(うーん、注意しようかな?)


( ^ω^)「あ、始まっちゃうお。」

ボリボリボリボリボリボリ!!


ξ゚听)ξ(すっごい勢い!!)


( ^ω^)「ふぅ。」



ξ゚听)ξ(案外まともなのね。まあこれで映画に集中できるわ。)



画面が暗転し本編が始まる。

*(‘‘)*「んふふ〜あたしはいけない子。
   他人の秘密を見るのがだーいすき。」

*(‘‘)*「あの人の秘密は〜っと。」

そして終わった。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:01:44.99 ID:dCEubEHQ0


ξ;凵G)ξ(ああ、いい映画だったわ。73点って所ね。)

ξ;凵G)ξ「ん、あら?ティッシュティッシュ……。」




ξ;凵G)ξ(そういえばいつもクーに貰ってたわね。)

鞄をまさぐるツン。

ξ;凵G)ξ(こんな日に限ってハンカチもないわ、どうしようこの服買ったばかりなのに。)


( ^ω^)「あの、よかったらこれを。」

椅子から中腰に立ち、ポケットからティッシュを渡す。


ξ;凵G)ξ「あら、ありがとうございます。」

( ^ω^)「あ、それあげます。それでは。」

立ち去るブーン。
ブーンの椅子の上には財布が。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:03:43.95 ID:dCEubEHQ0


ξ゚听)ξ(忘れてるわ。ああ、一緒のポケットに入れてたのかな。)


ξ゚听)ξ(んーどうしよう。戻ってくるかな。気付かず帰るかな?
    これは迷いどころ。映画館に預けるか、交番の方がいいか。)



ξ゚听)ξ(とりあえず場内から出て、見当たらなかったら交番行きましょう。
    そっちの方が確実だもんね。)




ポップコーンなどが売っているフロアに出たツン。


ξ゚听)ξ(いないわね。ま、いいか交番行きましょう。)




ξ゚ー゚)ξ(中身は何が入ってるのかな。あたしったらいけない子。)


ξ゚ー゚)ξ「んふふ〜っと。」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:05:31.36 ID:dCEubEHQ0


ξ゚听)ξ(なになに、ふーん。別に秘密って程でもないわね。
     あら、これは。何とびっくりレンタルビデオ屋のレシート。)


ξ゚听)ξ(どらどら、なにを借りているのかな?
     お、いい趣味。あたしと気が合いそうじゃない。)

レシートを伸ばして、隠れていたところを見る。


ξ;゚听)ξ「きゃっ。」


淫乱バーバラ、愛の花園。



ξ;゚听)ξ「ふ……不潔……」


ξ;゚听)ξ「なにか、一緒に借りてた映画が汚されたようだわ。」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:06:45.39 ID:dCEubEHQ0


交番へ。


ξ゚听)ξ「あのーすいません。落し物です。」


( ・∀・)「はいはいっと。では確認するのでご一緒にお願いします。」

ξ゚听)ξ「はい。」

ξ゚听)ξ(あのレシートも読み上げるつもりかしら。)


( ・∀・)「まず、お金がえーっと、15612円。
     カード類が7枚。それとレシート3枚。それと免許証っと。」


( ・∀・)「あ、確認してもらえました?
     では拾った場所を。」


ξ゚听)ξ「VIP映画館の所です。
    隣の男性がポケットから落としたらしく席にありました。」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:10:10.11 ID:dCEubEHQ0


( ・∀・)「免許証の男性( ^ω^ )で間違いないですか?」


ξ゚听)ξ「若干感じが違いますけど、この人だと思います。」


( ・∀・)「では謝礼など来るかもしれませんのでこちらに住所と……」



(;^ω^)「どぁーーっと、すいません、財布届けられてないですか!?
      これぐらいの黒の革の二つ折りの正面の右の下に傷があるやつで!?」

ξ゚听)ξ「あ。」
( ・∀・)「あ、きた。」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:12:01.31 ID:dCEubEHQ0


(;^ω^)「あれ、あなたはさっきの。」

ξ゚听)ξ「先ほどはティッシュありがとうございました。」

(;^ω^)「いえいえどういたしまして。それよりも財布知りませんか?
      これぐらいで黒の革の二つ折りの正面の右の下に傷があるやつで。」

ξ゚听)ξ(黒の革の二つ折り。そして正面の右の下に傷がある。)


ξ゚听)ξ(二回も言うから覚えちゃったじゃない。)

( ・∀・)「あのぉ、それなら今しがたここに。」


(;^ω^)「ああーこれだお!!ありがとうございますお。」


( ・∀・)「あなたで間違いないですね。
      じゃあ面倒くさいけど書類かいちゃったんであなたの住所や名前お願いします。」


(;^ω^)「はいはいはいはい。」


ξ゚听)ξ(はい言い過ぎじゃないかしら?まあよかったわね)


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:14:10.69 ID:dCEubEHQ0

そして交番の外へ。

( ^ω^)「いやーありがとうございますお。」


ξ゚听)ξ「いえいえ、ティッシュのお返しと思えば。」


( ^ω^)「映画好きなんですか?」


ξ゚听)ξ「ええ。」


ξ゚听)ξ(新手のナンパかしら?いいえ私はついていきませんとも。)


( ^ω^)「僕もよくあそこにいるんですけど、ちょくちょく顔を見ますから。」



ξ゚听)ξ「……だから?」




(;^ω^)「いえ、別に。」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:14:50.61 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「あなたこそ、映画が好きなようで。」



(*^ω^)「おっおっ、大好きだお。」



ξ゚听)ξ(牽制しとこうかしら。)


ξ゚听)ξ「そうねぇ、あなたバックトゥザフィーチャー好きでしょ?」


(*^ω^)「おっ、あれは最高だお。誰にも絶対!!チキンなんていわせないお。」


ξ゚听)ξ「……(ノリいいわね。)」


(*^ω^)「君にはちょっと早かったかな」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:16:42.48 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「それとペテン師と詐欺師なんか好きそうね。」


(*^ω^)「実は私、ヨーロッパのある国のレジスタンスでリーダーをやっていまして。」




ξ゚听)ξ「リッチーリッチーもね。」


(*^ω^)「わぉ、快感……」


(;^ω^)「あの、もしかして見ました?レシート。」



ξ゚听)ξ「はい、確認のために交番で。」


(;^ω^)「……」

ξ゚ー゚)ξ「それからそうねぇ、あとなんだったかしら?」


(;^ω^)「あ、あう、あう。」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:18:25.25 ID:dCEubEHQ0

ξ゚ー゚)ξ「バーバラ?」



(;^ω^)「その先はもうなかったことにしてくださいお。」


ξ゚听)ξ(さてこれで大丈夫ね。)



別れて、ツンは買い物へ。




ξ゚听)ξ(あのしょげた顔。)



ξ゚ー゚)ξ(だめだ、にやけちゃう。
     あたしったらいけない子。)




ξ゚ー゚)ξ(今日は今着てる服に合うブーツを買ってそれから本屋によって、と。)


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:19:59.64 ID:dCEubEHQ0

そして三日後。




ξ゚听)ξ(いけん、遅刻してまうばい。クーが待っちょるけんのう。)


ξ゚听)ξ(あれクーと一緒にいるのって。)



川 ゚ -゚)「そうなのか。デロリアンはもう作れないのか。」


( ^ω^)「ええ、あのボディのプレス機を海に捨てたって言うぐらいなんですお。」



( ^ω^)「それに、もともとデロリアンは大衆車がコンセプトでしたから
見かけとは違って別にスポーツ性があるって訳でもないんですお。」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:22:01.63 ID:dCEubEHQ0


ξ゚听)ξ「ちょっとあなた何してるの?」


(;^ω^)「あ、この前の。」


(;^ω^)「この間はどうも。」



川 ゚ -゚)「知り合いか?」


ξ゚听)ξ「ええ、そうよ。ねえバーバラ?」


(;^ω^)「あ、あうあう。」


川 ゚ -゚)(バーバラ?)


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:23:48.77 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「何してるの?クー。」

川 ゚ -゚)「いや、ほらストラップ。デロリアンだろう。
     これ欲しくてな、声をかけたんだ。」



ξ゚听)ξ(声かけてどうするつもりだったんだろう?)



( ^ω^)「これはあげれませんお。限定品でいくつも出回ってるものではないんですお。」



川 ゚ -゚)(よけい欲しくなるじゃないか。)


( ^ω^)(ていうか世界に一つだお。)


ξ゚听)ξ(いいなぁ。デロリアン。)


( ^ω^)「もちろんガルウィングは開きますお。」


ξ゚听)ξ(自慢入った。でも欲しい。)


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:24:54.34 ID:dCEubEHQ0


川 ゚ -゚)「ふむ、どうだ何かと交換しないか?」



( ^ω^)「なにかとは?」


川 ゚ -゚)「例えば等身大アインシュタイン人形とか。」


ξ゚听)ξ(そんなのもってたの?)


(;^ω^)「ん〜、やめときますお。こう、ちっさいものがいいですお。」



ξ゚听)ξ「これなんてどうかしら。」



(;^ω^)「こ、これは、限定品のタイムサーキット!!」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:26:59.04 ID:dCEubEHQ0


ξ゚听)ξ「これとならどう?」


川 ゚ -゚)(こんなのあったのか。欲しい。)



(;^ω^)「ン〜、ン〜。」



ξ゚听)ξ(難しい顔してるわね。)


川 ゚ -゚)(もう一息だ。)


ξ゚听)ξ「当時の英語版パンフもあるわよ。」


川;゚ -゚)(私にくれ!!)


(;^ω^)「ン〜、よし。交換するお。」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:28:13.53 ID:dCEubEHQ0


ξ゚ー゚)ξ「成立ね。じゃこれ。」


( ^ω^)「パンフレットはいつくれますかお?」


ξ゚ー゚)ξ「パンフ?ああ。でも交換なんていってないわよ。
    持ってるって言っただけ。」


(;^ω^)「ちょ、ずるいですお。」


川 ゚ -゚)(確かにあげるなんていってないな。)


ξ゚ー゚)ξ「んふふ〜。」


川 ゚ -゚)(あの顔。危ない遊びを見たな。)


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:29:41.25 ID:dCEubEHQ0

そして二週間後。


( ^ω^)「いや荒野の七人もいいお。」


ξ゚听)ξ「駄目。あんなの丸パクリじゃない。」


川 ゚ -゚)「そうだ。あそこまで似通ってると、どうも楽しめん。
     七人の侍との違いを探すことに終始してしまう。」


( ^ω^)「違うお。もっと純粋に楽しむんだお。
      活劇として見るんだお。娯楽映画として気楽に見るんだお。」


川 ゚ -゚)「いや無理だ。君はドラえもんが他の国で勝手に放映されていても許せるのか。
     黄色いドラえもんが堂々と出ているんだぞ。」


( ^ω^)「あれはパクリだお。荒野の七人はちゃんとしたオマージュだお。」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:33:04.55 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「なんにもわかってないわね。
    あなたどうせタイタニックでは疑問もなくディカプリオを海に落とすでしょう?」


( ^ω^)「それとこれとは違うお。あれはあまりに酷すぎるお。」


川 ゚ -゚)「うんあれは酷い。無理に感動させようと必死すぎた。」


( ^ω^)「クーさんはわかってるお。」


ξ゚听)ξ(あたしあれで感動したんだけど。)


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:33:40.10 ID:dCEubEHQ0

( ^ω^)「といういことで、荒野の七人は、よし、だお。」


ξ゚听)ξ「いや、だめね。」


( ^ω^)「ふん、純粋に映画を見れない人は駄目ってろお。」


ξ♯゚听)ξ「……」


川 ゚ -゚)(まだパンフレットにこと根に持ってるな。)


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:35:48.63 ID:dCEubEHQ0

夜。



(´・ω・`)「ねぇ、全然進展してないけど大丈夫なの?」


( ^ω^)「もちろんですお。このままいけば最高の映画の後を見してあげれますお。」


(´・ω・`)「ふ〜ん。きっとだよ。」


( ^ω^)(そんなわけないお。)



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:38:21.77 ID:dCEubEHQ0


雑貨屋にて。


川 ゚ -゚)「ふぬ。非常口が置いてある。」


ξ゚听)ξ「いくら?」


川 ゚ -゚)「5980円。」


ξ゚听)ξ「高い。」


(;^ω^)「買ってどうするんだお。」


川 ゚ -゚)「部屋につけるのさ。
    もしものさいに、慌てふかめずドアに一直線だ。」



川 ゚ -゚)「私は非常口の光があったからここにいます。  21歳  Cさん」


川 ゚ -゚)「てな具合にな。」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:41:39.67 ID:dCEubEHQ0

ξ゚听)ξ「どんな状況よ。そんなもん買ってもしょうがないわよ。」


川♯゚ -゚)「何が、そんなもん、だ。非常口は大事だ。
      心理学的にも人間行動学的にも実証されてるんだぞ。」


(♯^ω^)「そうだお。クーの言うとおりだお。
     希望の光があるからこそ、人は生きていられる。
     限界の状況でもそこに光り輝く緑があるからこそ
     絶望せず自棄にならず暴動も起こさず非難することが出来るんだお。」


( ^ω^)「その点クーはわかってるお。」


川 ゚ -゚)「これだから無学な者は。」


ξ♯゚听)ξ(腹たつわ、この二人。)


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:44:10.83 ID:dCEubEHQ0

川 ゚ -゚)「そういえば最近映画館の非常口が光ってないな。」


ξ゚听)ξ「そういえばそうね。」


( ^ω^)「上映中は消してるんじゃないかお。」


ξ゚听)ξ「いや、常時点灯だったような気もするけど。」


川 ゚ -゚)「ま、気にすることでもあるまい。」


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:45:06.68 ID:dCEubEHQ0


そして、最後の一日を迎える前。




(♯´・ω・)「ちょっと!!いい加減進展がないじゃないか。」


( ^ω^)「鼻をほじほじ。」


(♯´・ω・)「いいのかい?僕を満足させなきゃ君は消えるんだよ。」


( ^ω^)「は〜い。」


(♯´・ω・)「やる気あるの?!」


( ^ω^)「ガサゴソ。おー、ポケットの中に入ってましたお。」



( ^ω^)(あと一日かお。案外、長かったような気もするお。)


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:48:00.56 ID:dCEubEHQ0


映画館にて。



ξ゚听)ξ「日曜にレディースデイなんかやらないでよ。まったく。」



( ^ω^)「今日はこんでるお。」




映画が始まった。


(´・ω・`)(どうやら始めからやる気はなったみたいだね。)



(´・ω・`)(それなら僕にも考えがある。)


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:51:00.12 ID:dCEubEHQ0


( ^ω^)(あー、駄目だ。全然集中できないお。)





(^ω^ )「……」



( ^ω^)(完璧入ってるお。)


煙がもわもわとでてくる。


(;><)「火事なんです!!」


(;゚∀゚)「火事だと?!」


(;´_ゝ`)「大変だ、皆避難しろ!!」


(;^ω^)(まずいお。今非常灯は……)


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:51:31.90 ID:dCEubEHQ0


映画は中断され、場内は真っ暗になり煙が充満しだす。


(;*゚ー゚)「キャー!!」


(;*゚∀゚)「真っ暗怖いよー!!」


(;´_ゝ`)「皆さん落ち着いて。非常口があるはずです。」


(>< 三 ><)


(;><)「ないんです!!非常口がないんです。」



(;゚∀゚)「そんな、非常口がなければ……」


(;´_ゝ`)「この映画館はどうなってる?!非常灯すらないなんて!!」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:53:42.91 ID:dCEubEHQ0

\(^o^)/「くっそー非常口がなかったら逃げられない。人生オワタ。」


(*;∀;)「真っ暗やだよー!!」


\(^o^)/(いや、終わってない。これからだ。)



\(^o^)/「おら脱ぎやがれ!!どうせ焼け死ぬんだ!!
       その前に俺が天国に連れてってやるよ!!」



(*;∀;)「キャー!!イヤー!!」


(;*゚ー゚)「つーちゃん!?」


(*;∀;)「ママー助けてー!!」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:55:25.46 ID:dCEubEHQ0


(;´_ゝ`)「やめなさい!!こういうときこそ落ち着いて!!」


\(^o^)/「うるせぇ!!」

ガッシ!!ボカ!!




ξ;゚听)ξ「そんな、皆絶望に打ちひしがれている……」


(; ∀ )「しょっぱい人生だったぜ。」


(;´_ゝ`)「これが人間か。」


(;><)「もうたすからないんです。」



(´・ω・`)(さーてどうするブーン君。)


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:57:46.06 ID:dCEubEHQ0


ξ;゚听)ξ「ここで死んじゃうの?ねぇブーン?」


(;^ω^)(クソ!!あいつの仕業だお。
      しかし今戻ったらどうなる。)



\(^o^)/「おら!!脱がせにくい服着やがって!!」

(*;∀;)「ママー!!ママー!!」


(;*゚ー゚)「助けてください。お願いします!!」


(;´_ゝ`)「あんな野獣私には手が終えません。」


(;´_ゝ`)「くそぅ。もっと冷静になれば。」



ξ;゚听)ξ「いやよこんなとこで死ぬの。」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 16:59:18.42 ID:dCEubEHQ0


(;^ω^)(考えてもしょうがないお。やるしかないんだお。)


( ^ω^)「ツン、今までありがとう。」


ξ;゚听)ξ「え、なによ急に?」


( ^ω^)「非常灯は僕が照らすお!!」


( ^ω^)「皆―!!僕を見てるんだおー!!」


⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーーーーン」





(;´_ゝ`)「なんなんだ?」


(; ∀ )「何をやっても無駄さ。
    非常灯が光らなきゃ、出口は見えない。」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:02:11.84 ID:dCEubEHQ0


\(^o^)/「はん!!受け入れて最期を楽しもうぜ!!」


(;><)「もうだめなんです。」


(*;∀;)「助けてー!!」



じ…じじじ…パッパ

ピカァ!!

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:09:19.20 ID:r/VOZ5si0

















  .‐'' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
  |    ________                       |
  |    |           |                    |
  |    |  ( ^ω^)   |                    |
  |    |ー'´     \  |                     |
  |    |_/\  \\)|                    |
  |    |     \  \ |  ,.ヘ                   |
  |    |    / /\ ̄ `´/               |
  |    |   / /   ヽ._ /     非常口       |
  |    \ く /     \                 |
  ゝ、     \ \ \     \             ノ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:11:38.87 ID:r/VOZ5si0



(;´_ゝ`)「ひ、光った!!」


(;゚∀゚)「見えるぞ、出口が見えるぞ!!」


\(^o^)/「なにぃ!!」


(;><)「あそこから出れば助かるんです。」


(*;∀;)「ママー!!」


(;*゚ー゚)「つーちゃん早く逃げましょう。」



ξ;゚听)ξ「ブ、ブーン?」






6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:12:56.40 ID:r/VOZ5si0


その日の夜。

(´・ω・`)「さて。どうだい気分は?」


( ^ω^)「別にだお。」


(´・ω・`)「僕をだまくらかしてくれたわけだが。」


( ^ω^)「あんなもので騙されるあんたが悪いお。
      だれが好きな子に悲しそうな顔をさせるかお。
      一度でいいからお話したかった。そういわなかったかお?」


(´・ω・`)「ふん。彼女はせいぜい不思議な体験をしたぐらいに思うんだろうね。」


( ^ω^)「映画の終わりに疑問を持っちゃいけないお。
      それぞれが決めて、またそれを話のネタにすればいいんだお。」


(´・ω・`)「映画のラストねぇ。」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:14:25.82 ID:r/VOZ5si0


( ^ω^)「ところで僕を消さないのかお?」


(´・ω・`)「君は自分で戻ったじゃないか。言わなかったかい?」


( ^ω^)「さあ。」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/13(木) 17:15:55.76 ID:r/VOZ5si0


何年後か……

「おら、さっさと歩け!!」

「人生オワタ」



「あのお、財布落としちゃったんですけど……」


「はいはい。どんな財布ですか?」


「黒の革の二つ折りの正面の右の下に傷があるやつなんですけど。」


「ああ、届いてますよ。」


「君の人生ハジマタ」




( ^ω^)ブーンは飛び出し駆け出すようです     終わり。


  戻る inserted by FC2 system