3 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:19:01.01 ID:lpDBgokG0

〜プロロ〜グ〜


2038年


2016年、地球が生命の存在を否定した年、「終わりと始まりの年」
それから20余年、人類は宇宙へと逃避していた。

2015年に起きた宗教戦争で勝ち残ったキスリト教は
人類の科学力・知力を総動員し、地球と月の間に一つの「惑星」を作った。

月の1/10の質量、そのすべてが鉄でできた要塞「コロニー」である。
月は地球の1/81の質量らしいから、単純に地球の1/810くらいの大きさなんだそうだ。

現在この要塞には5000万人ほどの人類が生存している。

放射性物質と闇に覆われた、地球から資材や
放射線に犯されていない地層から土や鉱物を搬入し
第2の地球を人工的に作るのが最終目標らしい。

地球は防護服無しでは1秒たりとも存命できる環境ではないが、
地下では、2000万人の人が生存・作業していると言われている。

4 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:20:54.09 ID:lpDBgokG0

----コロニー----


第8研究所


(`・ω・´)「地球からの物資が届きましたお父さん」

/ ,' 3 「あぁ、シャキンご苦労様。放射線検査をしてから、いつもの倉庫に入れておいてくれ」

(`・ω・´)「はい、了解しました」


ウィィーン と研究所の扉が開くと同時に
1人の男が入れ替わりで入ってくる。

(`・ω・´)「あっ、ドクオさん!こんにちは!」

ノノ'A`)「おぉ、シャキンか元気でやってるか?」

(`・ω・´)「はい!」

ノノ'A`)「それは良かった。ところで教授いるかい?」

(`・ω・´)「えぇ、奥の部屋で休憩しています」

ノノ'A`)「ありがとう。」

5 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:21:43.82 ID:lpDBgokG0

コツコツと無機質な音を立てながら奥の部屋へ男は向かう。


ノノ'A`)ノ「よぅ、荒巻さん」

/ ,' 3 「おぉドクオ君か、いつ出発するのかね?」

ノノ'A`)「明日だ。トレジャー号のギコから面白い報告が入ってな、
          今回のフライトは長くなるかもしれん」

/ ,' 3 「そうか。ギコ君も若いのによく頑張るね」

ノノ'A`)「俺の息子と殆ど年は変わらないんだがな、
      あいつは良くやってるよ」

/ ,' 3 「それで、今回もドク君は置いていくのかね?」


6 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:22:34.52 ID:lpDBgokG0

ノノ'A`)「あぁ、あいつにはまだ『外』は早い。
       教授、すまないが今回も預かってくれるか?」

/ ,' 3 「別に構わないが、いいのかね?
         ドク君は今回こそ連れて行って貰えると期待してたみたいだが?」

ノノ'A`)「いいんだ、『外』の怖さは俺が一番知っている」

/ ,' 3 「そうか・・・。分かった、ドク君のためにも早く帰ってくるんだぞ?」

ノノ'∀`)「分かってる。あいつには俺しかいないからな。
              じゃぁ頼んだぜ」

そう言って男は部屋から出て行った。
荒巻は、その哀愁を身に纏ったような男の背中を見送るだけだった。


プロローグ    〜完〜


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