21 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:25:10.61 ID:s0HffMIu0

〜第6話〜


(*'A`)「ねぇねぇ、ショボンさんこれは?これは〜?」

(´・ω・`)「あぁ、これは先週回収した機体のシャフトで」

(*'A`)「あっ、これは〜?」

(;´・ω・`)「それは、予備としてとってあるC-55型エンジンだね」

(*'A`)「おっ!こいつぁ〜すげぇや」

(;´・ω・`)「・・・・・」


22 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:26:23.85 ID:s0HffMIu0

  _
(;  ゚∀゚)「だぁ〜〜〜〜〜!ドクうるさいぞ!」

(*'A`)「あっ、ジョルジュさん。整備終わったんですか?」

  _
(# ゚∀゚)「お前がうるさいから気が散って進まねーんだよ!」

(*'A`)「フヒヒ、サーセンwww」

(;´・ω・`)「まぁまぁ、ジョルジュ」

  _
(# ゚∀゚)「お前ものんびり話してないで整備手伝えよヴォケが!」

(;´・ω・`)「はいはい。ドク、整備も少しずつ教えてあげるからこっちに」

(*'∀`)「はぁ〜い♪」

23 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:27:49.72 ID:s0HffMIu0

ドクはいよいよ本格的に、船に関れるようになって活き活きとしていた。
今まで、父の整備を手伝った事も無ければ部品の名前すら知らないままだった。

ショボンはドクオの息子でありながら、無知の極みであるドクに最初は驚いていたが
飲み込みの速さ、積極的な態度に嫌がらずに教えてくれた。


(´・ω・`)「いいかい・・・ここは船にとって一番重要な場所だ。
         ここの整備を怠ると取り返しの付かない事になるからね」

(*'A`)「ふんふん」


ドクは熱心にショボンの言った事をメモにとり
図入りでノートに記していく。


24 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:30:32.48 ID:s0HffMIu0

  _
( ゚∀゚)「おい、ドク。ここはそうじゃねーんだ、こうやるのよ」

(*'A`)「ほほぅ」


ドクは今日ここに来て2日目。
いや、最初に話たのを入れれば3日目。

異常なスピードで吸収していく知識にショボンも、ジョルジュも驚いていた。

それは勿論、ドクの強い意志と学ぶ姿勢もあり、
それプラス、ショボン・ジョルジュといった上級ダイバーの指南である所も大きい。

25 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:31:53.34 ID:s0HffMIu0

(´・ω・`)「よし、今日はここまでだ。コーヒー飲んで休憩しよう」

  _
( ゚∀゚)「あいよ〜う」

(*'A`)「あ〜い」


トポトポとドクがコーヒーを淹れる。
掃除や、お茶汲みなど雑用は進んでやった。


(´・ω・`)「うん、ドクの淹れるコーヒーは美味しいね」

  _
( ゚∀゚)「そっち本職にしたらどーだ?
       毎日飲みに行ってやるぜ?」

(;'A`)「本気で言ってんすか・・・?」

  _
( ゚∀゚)「HAHAHA、Neet喫茶、流行ると思うぜ!?」

(;'A`)「これは酷い・・・」

26 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:33:27.24 ID:s0HffMIu0

(´・ω・`)「ははは、ドク。親父も君を預かってる身で心配するだろうから
         それを飲んだら帰るんだよ?」

('A`)「はぁ〜い、明日また来ていいですか?」

(´・ω・`)「勿論だとも。明日は、明後日のフライトの最終点検をするから
        あんまり構ってあげられないけど、自分で見て勉強するんだ」

('A`)「明後日、行っちゃうのかぁ・・・」


ドクは残念そうに、そして羨ましそうに呟いた。

27 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:34:25.57 ID:s0HffMIu0

(´・ω・`)「まぁまぁ、まだまだ勉強しなきゃいけないことは多いから
          今は我慢だね」

('A`)「はぁ〜い」

  _
( ゚∀゚)「そういや、ギコが明日帰還するらしいぞ。報告が入った」

('A`)「えっ!ギコさん帰ってくるんだ!」

(´・ω・`)「同じ人に教わるより、色んな人から学んだほうが
        ドクの身のためにもなると思うから、明後日以降はギコ君に教えてもらったら?」

('A`)「はい!頼んでみまっす」

(´・ω・`)「そうそう、これは宿題ね」


そう言って、ショボンは小さな箱をドクに渡す。

29 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:37:13.48 ID:s0HffMIu0

('A`)「これは・・・マザーCPの核?」

(´・ω・`)「そう、良くわかったね。マザーCPにも色々タイプがあって
        自分で設定できるんだよ」

('A`)「へぇ〜」

(´・ω・`)「それはデフォルトの命令服従型になってるけど、
        設定をいじれば、命令にも意見したり不備を通報するタイプにもできる
         まぁ、意見するだけで命令は必ず実行するけどね」

('A`)「なるほど、自分の好みのタイプに組み立てるわけですね」

(´・ω・`)「そういうこと、口調なんかも変えることもできるよ」

('A`)「了解です!色々試してみます」

30 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:38:46.55 ID:s0HffMIu0
ドクは一気にコーヒーを飲み干すと、箱を大事そうに抱え部屋の扉を開ける。


('A`)「ショボンさん、ジョルジュさん、今日もありがとうございました。
         また明日よろしくお願いします!」

(´・ω・`)「はいはい、またね」
  _
( ゚∀゚)「おう!またな」


2人はドクが嬉しそうにスキップしながら帰っていくのを見送った。


(´・ω・`)「やれやれ、血は争えないな」
  _
( ゚∀゚)「あぁ、ちょっと飛ばしすぎな気もするが、あいつはダイバーの素質がある」

(´・ω・`)「それを言ってあげたら、さぞ喜ぶだろうに」

  _
(;  ゚∀゚)「るせぇ、俺は叱って伸ばすタイプなんだよ」

(´・ω・`)「弟子なんか取ったこともないくせに・・・」

  _
(;  ゚∀゚)「るせぇ、るせぇ。さぁ明日の最終点検の準備するぞ」

(´・ω・`)「そうだね、今夜は遅くなりそうだ」

35 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:57:11.46 ID:s0HffMIu0

 |
 |
荒巻家
 |
 |


('A`)「ただいま〜〜っと」


研究所とはまた別の荒巻教授の家。
整っていて、ショボンのそれとは違い単純に生活するための家。

まだ、荒巻もシャキンも研究所から戻っていないようだった。

37 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:00:19.08 ID:s0HffMIu0

(;'A`)「うへぇ〜、体がすすで真っ黒だし、油臭ぇぇぇ」


ドクは服を脱ぎ、慣れた手付きで風呂の用意をする。


('A`)(作業着も必要だなぁ)


などと考えながら汚れを洗い流す。

('A`)(明日は午前中にショボンさんのところに行って、午後はギコさんに挨拶に行こう
       あっ、そうだ宿題があったんだ。これもやらなきゃ)


少年の面影が強いドクであったが、すっかりダイバーの顔になりつつある彼であった。


(*'A`)「ふぅ〜スッキリ」

38 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:02:28.30 ID:s0HffMIu0

部屋用の服に着替えると、早速ショボンから貰ってきた箱をいじり始める。


('A`)「まずはモニターに繋いでっと」


フィィィィ・・・・・・ィィィィン
父の出発するときに良く耳にした機械音が響く。


(*'A`)「なんか、船に乗ったような気分ww」


マザーCP「システムオールレッド、起動準備できません」

('A`)「あったりめぇよ、何にも繋いでないしww」


39 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:04:42.60 ID:s0HffMIu0

とりあえず、ショボンから教わった通りに配線やら基盤を少しいじる。


マザーCP「システムオールレッドだ、起動準備できねぇよ」

('A`)「・・・生意気な・・・」


いじる


マザーCP「システムはオールレッドですわ。起動準備が出来ませんことよ」

('A`)「萌えww」


いじる


マザーCP「システムオールレッドなりぃ、起動準備ができないナリよ」

('A`)「キ○レツゥ〜〜wwww」

40 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:06:35.22 ID:s0HffMIu0

('A`)「おもすれぇぇぇぇwwww、次は命令系統を」

いじる


('A`)「マザー起動準備しろ」

マザーCP「起動準備了解ナリ・・・・エラー発生ナリよ」


いじる


マザーCP「起動するための設備がないナリ」


いじる


マザーCP「起動するためには、配線を各機関部と接続する必要があるナリ」

('A`)「そろそろコ○助うざいな」


こうやって、ドクの一夜は更けていった。


41 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:08:24.86 ID:s0HffMIu0
  |
  |
トレジャー号
  |
  |


マザーCP「コロニーに到着。着艦の順番待ちは6隻」

( ,,゚Д゚)「だぁ〜、今日は多いな。マザー申請を出せ」

マザーCP「着艦申請打診・・・受付完了」

(*゚ー゚)「タイミング悪いねぇ、まぁゆっくり待と」


ダイバーだけで20000隻以上の船がある中、コロニーの収容口が足りるはずも無く
混んでいる時は、順番でコロニーへと収容される。



42 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:10:56.47 ID:s0HffMIu0

  |
一時間後
  |


マザーCP「コロニー収容部より往信、着艦可能」

( ,,゚Д゚)「よし、着艦しろ」

マザーCP「了解。No20に着艦開始」


トレジャーがゆっくり収容口に近づくと、コロニーよりアームが3本伸びる。
トレジャーはエンジンを停止し、アームによりコロニーに収容された。

43 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:11:40.84 ID:s0HffMIu0

( ,,゚Д゚)「ふぅ、やっぱり足に来るな」

(*゚ー゚)「こればっかりは慣れないわね」


コロニーは人口重力装置が稼動している。
宇宙空間ではあるが、地球の約1/3くらいの重力が働いている。

船は自動的に格納庫へと移動され、後に個人の作業場へとレールで搬送される。
要するに、コロニー全体にレールが張り巡らされ、各個人の家と繋がっている事になる。

ギコとしぃが受付を済ませ、発着場を後にしようとすると、
遠くから駆け寄ってくる人影が見えた。

44 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:13:20.22 ID:s0HffMIu0
('A`)「ギコさ〜〜ん!」

(;,,゚Д゚)「げっ・・・・」


ギコは間の悪そうな顔をしながらもドクに歩み寄る。


(#'A`)「げっ って何すか げっ って!」

(;,,゚Д゚)「はは、わりぃわりぃ」

(*゚ー゚)「はぁ〜い、ドク君」

(*'A`)「しぃさんこんにちは」


前述のように、女性不足の世の中では
あまり女性と話す機会も少ない。

だた、しぃは女性というだけではなく、美しかった。

45 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:14:48.26 ID:s0HffMIu0

( ,,゚Д゚)「で、帰って早々どうしたんだ?」

('A`)「そうそう、ギコさん次のフライトまでの間でいいから
      俺に船の事教えてよ」

(;,,゚Д゚)「あ・・・?船の事?」

(*゚ー゚)「長く・・・なりそうね。ギコ私は先に部屋に戻ってるね」

( ,,゚Д゚)「あ、あぁ。了解だゴルァ」

(*'A`)「しぃさんまたね〜」

(*゚ー゚)「はぁい、ドク君バイバイ」


しぃが片手で手を振るのに対し、ドクは両手で手を振る。

47 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:16:17.06 ID:s0HffMIu0

( ,,゚Д゚)「で、船の事教えろってどういうことだ?」

('A`)「うん、今ショボンさんから設備やメンテナンスの事教えて貰ってるんだけど
         ギコさんからも教わったほうがいいって」

(;,,゚Д゚)(野郎・・・面倒な事を・・・)


( ,,゚Д゚)「ん〜、そうだな。実はドクオさんからドクを俺の船に乗せてくれって言われてたんだ」

('A`)「えっ!父ちゃんが?」

49 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:18:11.26 ID:s0HffMIu0

( ,,゚Д゚)「あぁ、だが俺は次のフライトまで結構時間が空いちまう。
       それに俺は設備の事とか、言葉で教えるタチじゃねぇ」

('A`)「確かに・・・ボソッ」

(#,,゚Д゚)「・・・だから、トレジャーじゃなく作業用の船を使って
                実地訓練してやるよ」

('A`)「トレジャーじゃないのかぁ・・・」

(#,,゚Д゚)「嫌ならいいんだがな?」

('A`)「船の扱いならダイバー1上手いと言われるギコ兄貴!
         勉強させていただきやす」


ドクが敬礼しながらギコに言う。

50 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 22:20:01.37 ID:s0HffMIu0

( ,,゚Д゚)「ドクオさんも人がわりぃ・・・自分の息子だろうがよ」

('A`)「父ちゃんは馬鹿なんで」

( ,,゚Д゚)「ははは、まぁドクオさんに恩もあるしミッチリ仕込んでやるよ。
          弱音は許さんぞ?」

('A`)「了解っす!よろしくお願いしまっす!」


設備・メンテはショボン。実地はギコ。
ダイバーを目指すものにとってこれ以上無い環境。

ドクはダイバーとしての素質をメキメキ伸ばす事になる。




だが、事件は4日後に起こる。


第6話    〜完〜

  次へ戻る inserted by FC2 system