19 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:18:53.36 ID:oQEO59p00

〜14話〜


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第8研究所
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(`・ω・´)「・・・・」

/ ,' 3 「クククク・・・」

(`・ω・´) (やっぱり何か変だ・・・。毎週( ^ω^)こんな顔の奴が来るようになってから
          父さんの様子がおかしい・・・)


20 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:21:30.32 ID:oQEO59p00


ビーッ
アラームのような音が鳴り
1人の男が部屋に入ってくる。


( ^ω^)「こんにちはですお」

/ ,' 3 「おぉ!待っていたよブーン君!」

(`・ω・´)「・・・・・いらっしゃい」

( ^ω^)「今日もべんきょう、よろしくお願いしますお」

21 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:23:04.79 ID:oQEO59p00

そうブーンは毎週、荒巻教授のところに通っている。

勉強などと上辺だけであり、
理由は他でもないブーンの成長の調査である。


/ ,' 3 「今日から少し難易度を上げた問題で行くよ!?」

( ^ω^)「望むところですお」

(`・ω・´) (・・・・)

/ ,' 3 「シャキン、お前は倉庫の点検を頼んだぞ」

(`・ω・´)「・・・・はい」

23 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:25:21.01 ID:oQEO59p00

いつもそうだ、この男が来ると自分は追い出される。
まさか、ウホッ的な事をしてるわけでもあるまい。

一体、何を・・・。
シャキンはスゴスゴと部屋を後にする。


/ ,' 3 「素晴らしい!君は本当に素晴らしいよ!」

(* ^ω^)「えへへ〜だお」


急激な成長を見せるブーンに、荒巻は絶賛の言葉を投げる。

それは勿論、人としてのブーンにではなく
研究の対象、自らの成果に対しての意味合いが強い。

24 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:28:23.12 ID:oQEO59p00

/ ,' 3 「よし、後は採血をして終わりだ」

(; ^ω^)「ちゅうしゃだけはどうしても慣れないお」


抜き取った血も、サンプルとしてすべて保存されている。


( ^ω^)ノシ 「じゃぁ、荒巻先生また来週だお〜」

/ ,' 3 「うむ、健康には気をつけるんだぞ」


ブーンが扉を開け部屋を後にする。

そして物陰から1人の男が顔を出す。

25 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:30:44.80 ID:oQEO59p00


( ・∀・)「ふむ・・・彼が例の?」

/ ,' 3 「そうだ、彼が私のクローン成功の第一例だ」

( ・∀・)「見た目とは違って、随分と子供っぽかったようだが?」

/ ,' 3 「何を言う。彼はこの世に産まれてまだ2週間だぞ?
        それが一気にあそこまで・・・素晴らしい・・・」

( ・∀・)(産まれる・・・ねぇ・・・)

/ ,' 3 「私の悲願が叶う日は近いッ!」

( ・∀・)「期待しているよ、教授」


では失礼 と男は言い残し部屋を出て行った。


/ ,' 3 (貴様等、凡人には一生わからんのだろうな)


教授の何かが狂い始めていた。

26 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:32:46.73 ID:oQEO59p00


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ショボン家
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男は扉の前でずっとたたずんでいる。
行動を起こすか、立ち去るか、悩んでいるようであった。

だが一刻、考えそのボタンを押した。


ビーッ


(´・ω・`)「はいはい、ドクオ・ブーンいらss」

27 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:33:45.19 ID:oQEO59p00

(;´・ω・`)「ッ!!!」

(`・ω・´)「やぁ兄さん」

(;´・ω・`)「シャ、シャキン・・・」

(`・ω・´)「上がっても・・・いいかな?」

(;´・ω・`)「あ、あぁ・・・いいとも」


同じ顔が並んで部屋に入る。


28 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:34:58.64 ID:oQEO59p00

  _
( ゚∀゚)「お〜い、ドク。来たんならコーヒー・・・」



(´・ω・`)(`・ω・´)


    _
Σ(; ゚∀゚)






(´・ω・`)「「やぁすまない」」(`・ω・´)


    _
Σ(; ゚∀゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


ジョルジュは逃げ出した

29 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:36:45.14 ID:oQEO59p00

(;´・ω・`)(・・・何も逃げなくても・・・まぁ邪魔だしいいか)

(`・ω・´)「彼・・・大丈夫かい?」

(´・ω・`)「あぁ、気にしなくていい。アレだから」

(`・ω・´)「アレか・・・仕方が無いな」

(´・ω・`)「そこに座ってくれ、今コーヒーを淹れる」


シャキンがソファーに腰掛け、ショボンがコーヒーを淹れる。
他人が見たら、スタンドか分身だ。

そしてショボンがコーヒーをテーブルに置き、ソファの対面に腰掛ける。


31 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:37:50.17 ID:oQEO59p00

(´・ω・`)「それにしても、話すなんて久々だな」

(`・ω・´)「・・・そうだね」

(´・ω・`)「・・・何か・・・あったのか?」

(`・ω・´)「・・・・」


シャキンは少し考え、そしてポツリと呟いた。


(`・ω・´)「父さんが・・・」

(´・ω・`)「倒産が?」

32 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:38:55.85 ID:oQEO59p00

(`・ω・´)「『お』父さんが変なんだ」

(;´・ω・`)「あぁ、親父ね。
        あの人の変人っぷりは今に始まった事じゃないだろう?」

(`・ω・´)「違うんだ・・・何かが違う」

(´・ω・`)「何か?」


シャキンは、決して目を合わせず少しずつ喋りだす。

33 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:40:32.10 ID:oQEO59p00

(`・ω・´)「最近、家にブーンという男が来るようになった」

(´・ω・`)「ブーン君が?」

(;`・ω・´)「しっ、知り合いなのか?」

(´・ω・`)「知り合いも何も、彼はドクと一緒にうちに入り浸ってるよ」

(;`・ω・´)「どういうことだ?」

(´・ω・`)「今、知っての通り僕はドクの師的立場だ。
        だが、最近になってドクが彼を連れてくるようになったんだよ」

(;`・ω・´)「最近・・・・ドクと・・・」

(´・ω・`)「彼は・・・凄いね。知識の吸収力が半端じゃない」

34 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:42:02.97 ID:oQEO59p00


お父さんも彼をもの凄く買っているようだった。
そして兄にでさえ『凄い』と言わせる男。


(`・ω・´)「・・・奴が来るようになって・・・お父さんは変わってしまった」

(´・ω・`) (親父も研究対象としては興味深いだろうな)

(`・ω・´)「なんと言うか・・・奴の事しか考えてないと言うか」

(´・ω・`)「親父は昔からそうだ。入れ込むと周りが見えなくなる」

35 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:43:11.42 ID:oQEO59p00

果たしてそうなのか?
優秀だから、興味を持っているだけなのか?

いや、違う。それだけであるならば目の前にいる優秀な兄は、
無理やりにでも研究助手をさせられていたはずだ。

あの人は、自分がすべてだ。
自分にとってプラスとなる要因にしか興味が無い。


36 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:45:13.59 ID:oQEO59p00

(`・ω・´)「・・・ブーン・・・ドク・・・・・お父さん・・・」

(´・ω・`)「?」



繋がった。



(`・ω・´)「ドクオさんが何か知っている・・・はずだ」

(´・ω・`)「ドクオさんが?」

(`・ω・´)「兄さん、邪魔したね。また来るよ」

(;´・ω・`)「おいおい、訳がわからんぞ」

(`・ω・´)「すまない、急用ができた」


シャキンは慌てたようにショボンの家を飛び出す。


37 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:46:04.67 ID:oQEO59p00


(´・ω・`)ノ


ショボンのシャキンを掴もうとした手が、空間をニギニギしていた。


(´・ω・`)ノ 「・・・」


だが、確かに気にかかる。

最初は記憶喪失と聞いていた。
それに、それを肯定するように彼も精神的に幼かった。

だがあの成長ぶり、異常なまでの吸収力。
カラカラのスポンジに、水を垂らしたが如く。

それがいっぱいになった時、水は溢れるのか?
それとも・・・


(´・ω・`)「・・・ブーン・・・か」


38 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:47:05.38 ID:oQEO59p00



ハッハッハッハッ

息を切らすなど、いつ以来だ?
だが、一刻も早く確かめたい事がある。


(;`・ω・´)「ハァッハァッ」


シャキンはドクオの家まで来て、呼び出しのアラームを鳴らす。

しかし、何の反応も無い。


(;`・ω・´)「くそっ・・・家にはいないのか」

39 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:48:07.50 ID:oQEO59p00


その時、正面からよく見知った顔が歩いてくる。


('A`)「あれっ、シャキンさん。こんにちは」

(;`・ω・´)「ドクッ!」


勢い良く肩を掴み、揺さぶりながらドクに問う。


((;'A`))「ななっ・・・なんだぁ」

(;`・ω・´)「ドクオさんは今何処にいるッ!?」

((;'A`))「シャキ・・・さん・・・落ち・・・着いてッ」

(#`・ω・´)「何処だ!」


怒鳴る

40 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:49:07.32 ID:oQEO59p00

(;'A`)「ひぃっ・・・今発着場だよ・・・今日はフライトに行くんだ、
       今、見送って来た所だよ」

(;`・ω・´)「なっ・・・もう『外』へ?」

(;'A`)「まだ、出てない・・・んじゃないかな?」

(;`・ω・´)「くっ」


シャキンはドクを離すと、発着場のほうへ走り去っていった。


((;'A`))「あ〜れ〜」


ドクはアレのようにクルクルと回っていた。


42 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:50:02.98 ID:oQEO59p00

(;`・ω・´)(フライトか・・・間の悪い・・・間に合うか)


シャキンは息を切らしながら発着場へと到着する。


(;`・ω・´)(何処だッ?レオパルトッ!)


周りを見渡す。
その時、視界の隅にまさに飛び発たんとするレオパルトを発見する。



43 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:51:12.54 ID:oQEO59p00


ノノ'A`)「システムオールグリーン、マザー、エンジン始動だ」

マザーCP「起動オールクリア、エンジン始動します」


フィィィィ・・・・・・ィィィィィイイイイン


ガタガタと機体が揺れる。
お構いなしにドクオがレバーを引こうとした時、

誰かが窓を叩いた。



44 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:51:58.67 ID:oQEO59p00


ノノ#'A`)「非常識な・・・」


ドクオが怒りをあらわにし、窓を見やると。


(#`・ω・´)「!・・・・・!・・・・!!・・・・・!」


シャキンが何か怒鳴っている。
いや、正確には何も聞こえないが表情でそれがわかる。

ドクオは窓を開け、シャキンに言い放つ。

45 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:52:40.64 ID:oQEO59p00

ノノ'A`)「シャキンッ!何を考えている!」

(#`・ω・´)「ドクオさんッ!あなたにひとつ聞きたいッ!」

ノノ'A`)「何事だ?」

(#`・ω・´)「ブーンはッ!・・・あいつは何者なんです?」

ノノ'A`)「・・・・」


ドクオは語らない。沈黙を守る。


(#`・ω・´)「答え・・・ろッ!!」


バンッとレオパルトの機体を、両手で叩く。


46 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:53:32.02 ID:oQEO59p00

ノノ'A`)「シャキン・・・」

(#`・ω・´)「あいつが来るようになってから・・・お父さんが変だ」

ノノ'A`)「・・・」

(#`・ω・´)「何かッ、知ってるんだろ!?」

ノノ'A`)「・・・えろ」

(#`・ω・´)「何?」

47 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:54:48.90 ID:oQEO59p00








ノノ゚A゚)「消えろ」







そう言ったドクオの目を見た瞬間、
シャキンは固まる。

48 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:55:37.38 ID:oQEO59p00








殺される







シャキンは瞬間、本気でそう思った。


49 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:56:33.87 ID:oQEO59p00


(;`゚ω゚ ´)「ッ・・・」

ノノ'A`)「失せろ」


そう言い放つとドクオは窓を閉める。

それと同時にレバーを強く引き切った。


ゴウッ
と一瞬の強い衝撃にシャキンは吹き飛ばされる。


(;`・ω・´)「うわぁぁぁぁ」


ゴロゴロと転がるシャキン。
そして視界からレオパルトが一瞬で消え去った。

51 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:57:49.68 ID:oQEO59p00


ノノ'A`)「マザー、座標をδ-2000・30000にセットしろ」

マザーCP「座標δ-2000・30000セットしました。到着予定時刻は・・・・」






ノノ'A`)(シャキン・・・・済まない・・・)



レオパルトは暗闇の中でさらにkskし、溶け込んで行った。



52 :◆3m0SptlYn6:2007/01/17(水) 00:58:49.69 ID:oQEO59p00







(`;ω;´)「ド・・・ドクオ・・・さん・・・・・・なんでッ・・・」



シャキンは恐怖と怒りと悲しみに打ちひしがれ、
何度も・・・何度も床を叩いていた。




何度も・・・・。

第14話    〜完〜

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