20 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:14:26.82 ID:ofidk8ij0

〜第16話〜



( ^ω^)「ドク、両翼の設計はこれでどうかお?」

('A`)「どれどれ」


2人は倉庫で設計図を引いていた。

勿論、ドクがメインで図面を作っているが、
ブーンも部分、部分で任されている。


21 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:15:02.85 ID:ofidk8ij0

('A`)「ふ〜ん、中々いいんじゃね?」

(* ^ω^)「ホントかお!?」

('A`)「あぁ、後でショボンさんにも見てもらおうぜ」

( ^ω^)「自信作だお!」


2人は設計図を持って毎度の如くショボンの家へと向かう。


('A`)「いいか、怪しまれないように。
    あくまで、自主的に『設計図作ってみました、見てください』ってな感じだぞ?」

( ^ω^)「おkだお」







|ω・´)


22 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:16:02.03 ID:ofidk8ij0

  |
ショボン宅
  |



ピンポ〜ン

反応が無い。


('A`)「あれ〜、今日行くって言ってあるはずなのになぁ」


ドアの開閉ボタンを押してみるが、Lockされいるらしく反応が無い。


('A`)「どうしよっか・・・」


23 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:16:36.93 ID:ofidk8ij0

( ^ω^)「おっ!?」


(´・ω・`)「ん?」

( ^ω^)「ショボンさんだお!」

(´・ω・`)「・・・・」


タイミング良くショボンが帰ってきたとこだった。
だが、何処と無くショボンの顔色が優れない。

24 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:17:26.76 ID:ofidk8ij0

('A`)「あ、ショボンさん、今日は設計図書いてきてみたんです。
       見てください!」

( ^ω^)「ブーンも手伝ったんだお〜」

(´・ω・`)「・・・中へ」


3人がショボンの家へ入り、
ドクがテーブルの上に設計図を広げる。


(*'A`)「こんな感じで作ってみたんす」

(´・ω・`)「・・・ふむ」

(;'A`)(なんだろう・・・さっきから。機嫌悪いのかな・・・)


ショボンは一通り設計図に目を通した後口を開く。

25 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:18:15.27 ID:ofidk8ij0

(´・ω・`)「悪くないね」

(*'A`) !

(´・ω・`)「この設計なら飛ぶのにはまず問題ないだろう」

(*'A`)「やった!」

(´・ω・`)「ただ、『飛ぶ』だけならね。ドク、君がなりたいのは?」

('A`)「ダイバーです」

(´・ω・`)「そうだね、この設計だと回収する時に不備が出る。
         回収した機体や、エンジンなんかは何処に固定するんだい?」

(;'A`)「あっ」

26 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:18:45.98 ID:ofidk8ij0

そう、ダイバーの船はそこまで大きくない。
船1隻をまるごと回収する際には、アームで自分の機体に回収船を固定し
そのままの状態でコロニーまで引っ張ってくるのだ。

ドクの設計では、回収船を固定するとバランスが悪くなり
まともな操縦はできなくなるような設計だった。


('A`)「あちゃ〜」

(´・ω・`)「そういう事だ。ちなみにこの翼の設計もドクが?」

('A`)「いや、そこはブーンに書かせてみました」

(´・ω・`)「そうか・・・ブーンか・・・」

('A`)「?」

27 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:19:41.60 ID:ofidk8ij0


正直、ショボンが見たこの翼の設計は完璧なものだった。
むしろ完璧というより、今まで誰も発想できなかった設計だったのである。

その設計図を見て初めて、『ああ、なるほど』と納得できるような設計。

一見、めちゃくちゃに見えるが実に理に適っていた。


(´・ω・`)「・・・翼も悪くない。まぁ、まだまだ改良の余地はあるけどね」


ショボンはドクの自尊心も考慮し、このブーンの設計に評価は出さなかった。
正直な評価を出せばドクは大きく傷ついただろう。

だが、この設計図を見る限りブーンは既にドク、いや並みのダイバーの領域を超えていた。



28 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:20:59.41 ID:ofidk8ij0

('A`)「ブーンも良かったな、悪くないってよ」

( ^ω^)「おっおっ、もっと頑張るお!」

(´・ω・`)「・・・」

('A`)「そうだ、ショボンさん」


ドクが思い出したように切り出す。


(´・ω・`)「ん?なんだい?」

('A`)「その・・・昨日からシャキンさんの様子がおかしいんだけど・・・」


29 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:22:36.56 ID:ofidk8ij0

(´・ω・`)「シャキンが?」

('A`)「うん・・・ショボンさん何か知らないかなーって」

(´・ω・`)「うーん」

('A`)「なんか切羽詰った感じで、父ちゃんを探してたみたい」

(´・ω・`)「・・・」




―――――――――――――――


(`・ω・´)「・・・奴が来るようになって・・・お父さんは変わってしまった」


「知り合いも何も、彼はドクと一緒にうちに入り浸ってるよ」 (´・ω・` )


(`・ω・´)「ドクオさんが何か知っている・・・はずだ」



―――――――――――――――


30 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:23:22.66 ID:ofidk8ij0

(´・ω・`)(確かに・・・そう考えるとドクオさんが何かの情報を持ってるのは間違いない。
        親父が完成品と言うブーン・・・ドクオさんに何の関係が・・・?)


('A`)「・・・ショボンさん?」

(´・ω・`)「あっ、すまない。僕は最近シャキンとは話もしてないからね。
        研究資金とかの事じゃないかな?」


ショボンは咄嗟に嘘をついた。
まだ、ドクと本人であるブーンに話す訳にはいかない。


('A`)「そっかぁ、金かぁ」

(´・ω・`)「まぁ、君が心配するような事じゃないと思うけどね」

('A`)「そうですか」

31 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:24:05.97 ID:ofidk8ij0


( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・!」


ずっと設計図と睨めっこしていたブーンが思い立ったように、設計図に一線を加える。


( ^ω^)「ショボンさん、こうするとどうですかお?」

(;´・ω・`)「ッ・・・・」


その瞬間、ブーンが書いた完璧だと思われる翼の設計図は
更なる進化を見せた。

32 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:25:00.91 ID:ofidk8ij0



危険だ。



ショボンはブーンに対して、『凄い』や『優秀』では無く
その印象を感じた。


こいつはこのまま成長したらどうなる?




―――――――――――――――


凄まじいあの成長ぶり、異常なまでの吸収力。
カラカラのスポンジに、水を垂らしたが如く。

それがいっぱいになった時、水は溢れるのか?
それとも・・・


―――――――――――――――

33 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:25:47.99 ID:ofidk8ij0

カラカラのスポンジ?
こいつに常人の器が当てはまるのか?


(;´・ω・`)「ダ、ダメだッ、そんな事をしたらまるでダメだ」


理詰めの得意なショボンが『まるでダメ』などという
根拠の無い言葉しか言うことができない。


(; ^ω^)「そうかお〜、いいと思ったんだけど」

('A`)「ははっ、そう簡単に上手く行くかよww」

34 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:26:28.47 ID:ofidk8ij0

(;´・ω・`)「す、すまない。今日は色々と用事があるんだ、今日はこれで」

('A`)「あっ、はい。忙しいのにすみませんした」

(;´・ω・`)「じゃぁ、またね」


2人を追い出すように部屋から見送る。


(;´・ω・`)「完成品・・・完璧・・・一体あいつは・・・」


ショボンは言いようが無い不安を感じていた。


35 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:27:41.67 ID:ofidk8ij0


('A`)「あ〜、設計もまだまだ勉強しないとな〜」

( ^ω^)「だおだお」

('A`)「よし、帰って図面を引きなおそうぜ」

( ^ω^)「了解だお」









|ω・´)


2人はいそいそと倉庫へと戻って行くのだった。



36 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:28:21.86 ID:ofidk8ij0

   |
レオパルト
   |



ノノ'A`)「マザー、コロニーに帰還する」

マザーCP「帰還了解しました、到着予定時刻は8時間後です」

ノノ'A`)(シャキンのあの様子・・・一度教授と話す必要があるな)


ノノ'A`)「マザー、回線をシークレットに繋げ」

マザーCP「回線2、シークレットに接続成功」


37 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:29:17.62 ID:ofidk8ij0

ノノ'A`)「俺だ聞こえるか?」


(???)「えぇ、聞こえてますよ。どうしたんですか急に?」

ノノ'A`)「戻り次第、Aに接触する。Bに関しての事だ」

(???)「Bは今のところ何も問題はないはずですが?」

ノノ'A`)「むしろAがおかしい状況らしい」

(???)「むぅ、今、事を荒立てたくないんですが・・・」


38 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:30:22.78 ID:ofidk8ij0

ノノ'A`)「あぁ、わかってるよ。お前に迷惑はかけない・・・・モララー総統」

( ・∀・)「ドクオさん・・・いくら専用回線だからと言ってその台詞危険だ」

ノノ'A`)「お前こそさん付けは止めたらどうだ?もうVIP時代とは違うんだ」

( ・∀・)「私にはドクオさんはドクオさんですよ。
       総統になってもあなたから受けた恩はまた別だ」

ノノ'A`)「ふっ、それとAの息子の様子もおかしい。
       少しずつ気づき始めている」

( ・∀・)「彼か・・・対処を考えましょう」


ノノ'A`)「手荒にはするなよ?あいつは・・・可哀想な奴なんだ」

( ・∀・)「把握した、気に入っているんですね」

ノノ'A`)「昔の自分を見てるようでな・・・まぁいい、戻る」

( ・∀・)「お気をつけて」

39 :◆3m0SptlYn6:2007/01/21(日) 18:31:28.85 ID:ofidk8ij0

コロニー政府を統括している人物は公に姿を現さない。
反政府組織も存在するし、自由に動くためには偽る必要があった。

モララー、元VIP隊員。
表向きは政府所属の監査員。





ドクオの後輩である。




〜第16話〜  完

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