6 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:16:00.76 ID:nba5u2MV0
21話



( ^ω^)「ツン!エンジン始動だお!」

ξ゚听)ξ「了解!」



( ^ω^)「・・・」

ξ゚听)ξ「・・・」



だがいつまでたってもエンジンが始動する様子はない。


( ^ω^)「エンジン・・・欲しいお」


そう。まだブーン達が作った船にはエンジンが積まれてないのだ。


8 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:16:39.22 ID:nba5u2MV0

ξ#゚听)ξ「いったいいつになったら私を飛ばしてくれるのよ!?」

(;^ω^)「僕もドクも一生懸命バイトしてるんだお」

ξ゚听)ξ「その言葉を聞いてもう3ヶ月もたつけど?」

(;^ω^)「うっ・・・」





ウィィィン


('A`)「ただいまー」

9 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:17:16.28 ID:nba5u2MV0

(;^ω^)「あっ!ドクおかえりだお」

('A`)「お!お前も帰ってきてたのか」

ξ゚听)ξ「おかえり」

('A`)「あぁ、ただいまツン」


最近は寝るとき以外、ツンの電源を入れっぱなしにしている。

ツンは移動もできないし、電源を入れなきゃ喋れもしない。

ドクは寂しさをまぎらわすため、
僕はそんなドクを見ていられないため・・・。

10 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:17:41.26 ID:nba5u2MV0

( ^ω^)「そう言えばドク。貯金はどの位貯まったをだお?」

(;'A`)「まだ目標の半分くらいだ・・・」

(;^ω^)「道のりは遠いお」


ξ゚听)ξ「ったく・・・。ショボンに言えばエンジン位くれるでしょうに」

('A`)「・・・それだけは・・・絶対ダメだ」


ドクはあれ以来、ショボンに会おうとはしなかった。

ショボンさんは関係ない

頭では理解できてるつもりだったが、
難くなに拒否し続けた。


ショボンも察しているからなのか、
気まずいからなのか訪ねて来ることは無かった。

11 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:18:07.26 ID:nba5u2MV0

(;^ω^)「ま、まぁ後退はしてないお。
        ちょっとずつでも前進することが大事だお」


あの事件から3ヶ月。
色んな事が変わった。

まずダイバーの規制が厳しくなった。

事実がどうであれ、最も偉大と言われていたダイバーが、
起こしたとされる大事件。

ダイバーへの信頼度は地に落ち、
政府治安維持隊の監視下におかれる事になった。

その中でまともに活動できていないダイバーは、
権利を剥奪され運搬作業員として、政府に雇われていった。


かつては二万人以上いたダイバーも、現在では五千人足らずだ。

12 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:18:24.42 ID:nba5u2MV0

('A`)「今日はちょっと出かけてくる」

( ^ω^)「お?またギコさんから呼び出しかお?」

('A`)「いや、まぁ関係ないわけじゃないがな・・・」


ドクはそう言うと作業着から着替え、そそくさと出かけていった。


ξ゚听)ξ「・・・女ね」

Σ(;^ω^)「そんなはずはないお!
         というか同じ男として抜け駆けは許さんお!」

ζ ゜凵K)ζ「まぁ、ドクに限って有り得ない事か・・・」

(;^ω^)(今、さりげなく酷い事を言ったお・・・)


14 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:20:49.21 ID:nba5u2MV0

カランカラン


('A`)「こんにちは」


ミ,,゚Д゚彡「やあ、いらっしゃい。待ってたよ」

('A`)「お久しぶりです。ギコさんのお父さん」

ミ,,゚Д゚彡「ドク、大きくなったね。」

('A`)「前に会ったのは、もう10年以上前ですからね」

ミ,,゚Д゚彡「そうか・・・そんなにたったか」


フサギコはふぅっと息をつくと口を開いた。

16 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:22:44.67 ID:nba5u2MV0
ミ,,゚Д゚彡「もう君は大人だ。現実を受け入れるだけの器もあると思った上で話そう」

('A`)「?」

ミ,,゚Д゚彡「君も知っての通り・・・」


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今の政府の上層部は殆ど元vip隊員だ。

人類を一時的とは言え救った功績と、
宇宙に関しての知識から言って当然だとは思うけどね。

ただそれを快く思わない連中も多い。
元々、支配階級にいた奴らさ。

彼等は互いに手を結び、反政府組織として秘密裏に活動を開始した。


愚か過ぎる


地球で犯した争いによる過ちを再び繰り返そうと言うのだ。


もしvipから政権を奪い返したとしても、
今度は組織内で争いになるに決まってるのに。

-------------------

17 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:23:44.47 ID:nba5u2MV0

ミ,,゚Д゚彡「今はまだ統制組織はひとつであるべきなんだ」

(;'A`)「ちょ、ちょっと待って」


力説しているフサギコに割って入る。


('A`)「ぶっちゃけ俺はvipだとか、反政府組織だとかどうでもいいんです。
         俺の生きる目的はひとつだけだから」

ミ,,゚Д゚彡「・・・君は知らなかっただろうが、
         ドクオは未だにvipの隊員だ」

('A`)「・・・え?」


ミ,,゚Д゚彡「あ、いや。隊員だったが正しいか」


18 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:24:31.88 ID:nba5u2MV0

('A`)「・・・」

ミ,,゚Д゚彡「気を悪くしないで聞いてくれ」


No1ダイバーには特典がある。
その称号と、ダイバーとしての権利を放棄する変わりに、
政府総統の専属飛行仕として富と地位を手に入れることができる。


ミ,,゚Д゚彡「まぁ殆どのダイバーがこれ目当ての様なものだ」

('A`)「・・・」

ミ,,゚Д゚彡「・・・続けよう」



19 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:25:18.56 ID:nba5u2MV0


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だがそれ目当ての連中の中には反政府組織の奴らもいた。

そんな奴に総統の船を運転させられるか?

そう言う奴らからドクオはvipを守り続けて来たのさ。

No1ダイバーであり続ける事によってね。


-------------------


ミ,,゚Д゚彡「もちろん、正式にvipに籍を残してるわけじゃないから、
          間接的にって事になるけど」

('A`)「それで・・・俺にどうしろと?」

20 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:25:52.36 ID:nba5u2MV0

ミ,,゚Д゚彡「率直に言おう。君もダイバーになって、
          No1を死守して欲しい」

(;'A`)「なっ!?何言ってるんすか。
       俺なんてまだダイバーの資格すらないんですよ?」

ミ,,゚Д゚彡「ダイバーの資格なら、ボクが今ここであげよう」

(;'A`)「はぁぁ?」

ミ,,゚Д゚彡「ボクはダイバー発案者にして協会の会長も担っている」

(;'A`)「そんなこと言われても・・・あ、俺エンジンも持ってないし」


21 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:26:28.46 ID:nba5u2MV0

ダイバーにはなりたいけど、こんな重荷は背負いたくない。
ドクは必死で言い訳を探す


('A`)「だいいち、実際にその反政府の奴がダイバーでいるとは・・・」

ミ,,゚Д゚彡「いるんだ、しかもNo1が狙えるような奴が」


フサギコが強い口調で言い返す。


(;'A`)「No1を狙える?」

嫌な予感がする。


これは・・・聞かなきゃ良かったって言うフラグだ。

22 :◆3m0SptlYn6:2007/02/20(火) 21:27:13.53 ID:nba5u2MV0








ミ,,゚Д゚彡「ギコだよ」




耳を塞ごうとした両手の隙間からその言葉が入り込んできた。





第21話   完


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