5 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:46:40.97 ID:VNyIbUws0

25話


('A`)「タフガイ・・・一茂・・・すまん」

(; ^ω^)「タフガイ?一茂?」

(;'A`)「あ・・・いや・・・その・・・。
     なんとなく謝っておかなきゃって・・・」

ξ゚听)ξ(役立たずだったわね)



食糧持った

燃料も満タン

整備もバッチリ


( ^ω^)「レオパルト発進」

ξ゚听)ξ「了解!」


(;'A`)「胃が・・・」


6 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:48:45.01 ID:VNyIbUws0

ξ゚听)ξ「さ、初の回収フライトは何処に行くの?」

('A`)「もう決めてある」

( ^ω^)「バッチリ計算してきたお」

ξ゚听)ξ「ふーん、なかなか用意がいいじゃない」

('A`)「やみくもに飛ぶわけにもいかんしな」

( ^ω^)「過去に回収歴が少なく、
       隕石群のある地域を割り出したお」

ξ゚听)ξ「ま、詳細はあんた達に任せるわ。座標を頂戴」

('A`)「γ6000,15000だ頼む」

ξ゚听)ξ「座標セット、到着予定時間は20時間後よ」


8 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:50:14.24 ID:VNyIbUws0

目的地まで移動する間、現地に着いてからのプランを練る。

あとは仮眠を取ったり、窓から外を眺めたりした。

期待に胸を膨らませながら。


ξ゚听)ξ「目的座標に到着まで後10分よ」

('A`)「ふぁぁ。ようやく到着か」

( -ω-)「ふごーふごー」

('A`)「おい、ブーン起きろ。着いたぞ」

( -ω-)「ぶおーぶおー」

ξ゚听)ξ「起きなさいよ、この豚!」


Σ( ゜ω゜)「ふひっ!きょ、教官すみませんですお!」


10 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:53:47.99 ID:VNyIbUws0

('A`)「・・・教官?」


( ゜ω゜)「今すぐ準備しますお・・・」

(; ^ω^)「って、ドクオかお。驚かすなお!
          また寝坊したかと・・・」

('A`)「・・・なんの話だ?」

(; ^ω^)「あ・・・ドク・・・?・・・夢・・・かお」

('A`)「俺が教官だったらお前はクビだ!」

(; ^ω^)「そんな横暴な・・・」

(*'A`)「へへww冗談だ。さぁ、さっさと準備するぞ」

ξ゚听)ξ「目的座標に到着。現座標で待機するわ」

( ^ω^)(妙にリアルな夢だったお・・・)


13 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:54:41.95 ID:VNyIbUws0

ドクが海図を広げペンで印を着ける。


('A`)「現在地がココだ」

そこからスウッと線を引き、グルッと一周してもとの場所に戻る。


('A`)「ここから先は隕石群だ。β星雲ほどじゃないにしろ、
      船にとっては劣悪な環境と言っていい」


ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「だからこそ座礁船がある可能性が高いんだおね?」


('A`)「そうだ。回収歴も少ないことから見て、穴場なんじゃないかな?」



15 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 22:57:24.10 ID:VNyIbUws0

ξ゚听)ξ「・・・ねぇ?」

('A`)「ん?なんだ?」

ξ゚听)ξ「初の回収フライトにしては難易度が高すぎない?
          政府でも危険地域に指定されてるわよ?」

('A`)「大丈夫、そんなに奥までは入り込まないし
          やばそうだったらすぐに引き返す」

ξ゚听)ξ「でも・・・」

('A`)「虎穴に入らずんばなんとやらだ」

( ^ω^)「ツン、安心するお。
        僕も危ないと思ったらドクを止めるお」

ξ゚听)ξ「・・・」


('A`)「さぁ行こう。ツン前方にソナーを。
      そのまま手動運転に切り替える」


ξ゚听)ξ「・・・了解」


19 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:01:06.13 ID:VNyIbUws0



レオパルトUはゆっくりと隕石群に突入していく。

入口はまだ気にならない程の大きさの隕石だったが、
程なくして、機体をも越える大きさの隕石が目立ち出す。


('A`)「ブーンは左半分を頼んだ。俺は右を見る」

( ^ω^)「了解だお」


船の操縦席には二つとも操作レバーが付いており
互いに息を合わせて操作する。

一人で運転するものは、全視界を把握し自らで操作するしかない。

二人の場合はその負担が半分になるものの、
それぞれが意思を持って操縦するためコミュニケーションが何より大事になる。

一緒に操縦の訓練を受けてきたもの同士、息はピッタリと合った。


21 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:03:58.49 ID:VNyIbUws0

('A`)「左方旋回15℃」

( ^ω^)「下方修正8℃」


見事に隕石群をかわしながら、縫う様に船を移動させていく。


ξ゚听)ξ(見事な練度だわ。心配は杞憂だったかしら)


進む方向を一定に保つように座標を確認しながら船を進める。


( ^ω^)「軌道、α方向に3℃ズレだお」

('A`)「了解、修正する」


軽度の誤差が後々大きな問題になる。

ダイバー初心者にありがちなミスだが、
二人は師の教えを守り正確に運転していた。


22 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:06:07.16 ID:VNyIbUws0

ξ゚听)ξ「現在、ソナーに感無し。座標は予定航路に乗っているわ」


隕石群に突入して、5時間程経過。

確たる収穫も無いまま、船は進んでいく。

実際に一日中、詮索しても回収品が見つかる事は稀だ。

だが全てのダイバーは、自分の計画と勘を信じ、
船を進めるしかないのだ。


やがて10時間が経過。



23 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:07:12.60 ID:VNyIbUws0

( ^ω^)「右方7℃旋回」

(;'A`)「了解」


ξ゚听)ξ「・・・ドク?」

(;'A`)「なんだ?ソナーに反応でもあったか?」

ξ゚听)ξ「いえ、脈拍がやや上がり気味だわ。
        少し疲れてるみたいよ」

(;'A`)「流石になぁ・・・」

(; ^ω^)「ドク、ボクも疲れたお。
           少し休憩するお」

(;'A`)「そうだな・・・そうしよう」


24 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:07:54.18 ID:VNyIbUws0

ダイバーが隕石群の真っ只中で休息を取るときは、
機体よりも大きめな隕石にアームで固定して、
流れに任せるのである。

隕石と言うのは、大小で違いはあれど同じ流れに乗っている。

したがって隕石同士がぶつかり合うことも稀で、
こういった手法がとられている。


もちろん流されるので、後からの軌道修正は与儀なくされるが。


25 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:08:30.77 ID:VNyIbUws0

ξ゚听)ξ「接合完了。周囲に危険反応は無し」

('A`)「ふー」

( ^ω^)「やっと一息付けるお」

(;'A`)「しかし、予想はしてたが本当に回収品、見つからんな」

(; ^ω^)「現実は甘くないお・・・」

ξ゚听)ξ「ところで、そろそろ折り返し地点だけど、
           まだ進むの?」

('A`)「さっき、船の破片が見つかったから
     もうちょっとこの付近を捜索しでみようと思う」

26 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:09:18.55 ID:VNyIbUws0

( ^ω^)「使われてた部品からみて、結構新しい船のだお!
         回収できれば高額な値が付くに違いないお」

ξ゚听)ξ「回収できればね」

('A`)「あぁ、後2時間程、仮眠を取ったら出発しよう」

( ^ω^)「了解だお」

ξ゚听)ξ「了解。一応ソナーは射出したままにしておくわ」


('A`)「あいよ。軽く・・・寝る」


ドクもブーンも疲れのピークからか、泥の様に眠りの淵に落ちていった。



27 :◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:10:08.76 ID:VNyIbUws0

一方


(*゚ー゚)「回収品発見♪」

( ,,゚Д゚)「んー、今回発見した奴の中では一番マシかな」

(*゚ー゚)「そうね、今回はこれにしましょう」


通常、ダイバーが回収していける数は1つが限界である。

そのため上級ダイバーともなれば、
回収品を見つけたからと言って直ぐに回収することは少ない。



28 名前:◆3m0SptlYn6:2007/03/07(水) 23:11:23.75 ID:VNyIbUws0


(*゚ー゚)「それにしてもここ、本当に穴場ね。
       他にもそこそこの奴が何点かあったけど」

( ,,゚Д゚)「あぁそうだな。通常のダイバーであれば、
      できるだけ付きたくない場所だろうからな」

(*゚ー゚)「とりあえず回収して、この区間から脱出しましょう」

( ,,゚Д゚)「了解、マザー座標をγ 6000,14000にセット。
       回避行動を取りながら微速で進め」


マザー「座標セット、推定到着時刻15時間後」




25話 完


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