19 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:33:10.64 ID:tm9ITpOd0


ドクオのMemories





('A`)「終わりました」


( ´∀`)「どれ…良し合格」


「またドクオか…相変わらずはえーな」


( ^ω^)「終わりましたお」


( ´∀`)「よし合格だモナ」


「「やっぱりあいつらはすげぇ」」

20 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:33:33.58 ID:tm9ITpOd0

今は整備の実習だ。
俺はいつも通り一番に作業を終え、ブーンが二番手。

だがあいつは途中居眠りをしていたはずだ。


('A`)「おまえ、また寝てただろ」

(; ^ω^)「そっ、そんなことないお。真面目にやってたお」

('A`)「じゃあ、そのよだれの跡はなんなんだ?」

(; ^ω^)「お?ちゃんと拭ったはずなのに…」

('A`)「バーローwww跡なんて付いてねぇよ」

(; ^ω^)「あうあう…やられたお…」

('A`)「真面目にやりゃぁ一番になれんのによ」

(; ^ω^)「そ、そんなこと無いお」

('A`)「ま、お前らしくていいけどな」


どうやら勉強や細々したことは眠くなるらしい。

21 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:34:05.92 ID:tm9ITpOd0

ここ『VIP』には伝統がある。
総合成績でトップをとった者が、一番先にフライトに行ける。

まぁ当然ちゃぁ当然のことなんだが…。


('A`)「ま、そのノリで実地も頼むぜ」

( ^ω^)「それだけは譲れんお!」


そう、このニヤケ顔。自分が好きな実地となると
異常な力を発揮する。


おかげで実地はいつも俺が二番手だった。

22 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:34:21.35 ID:tm9ITpOd0

('A`)「まぁ今日の整備の結果で、俺がまた総合トップに返り咲きだけどな」

(; ^ω^)「あうあう…またしても短い期間だったお」


そう実地のあとは、一瞬だけブーンがトップになるのだが、
次の課題で手を抜くためすぐに落ちてしまう。


ピーンボーンパーンポーン


『今からミーティングを行う。
42期生は至急にミーティングルームに集まる事。』


('A`)「ミーティング?なんだろな」

( ^ω^)「また、誰かが掃除当番すっぽかしたんじゃないかお?」

('A`)「また説教か…」

23 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:34:55.53 ID:tm9ITpOd0

俺らは重い足取りでミーティングルームに向かったが、
そこでは思わぬ報告があった。


( ´∀`)「みな、日頃の訓練ごくろうだモナ。
     そこで朗報だ。来月ユースフルがフライトするのは知っているかと思うが、
     42期生から1名、乗船することとなったモナ」


('A`)「!」(^ω^ )


( ´∀`)「乗船させる者は今までの成績と、来週の訓練を加味して決めるモナ」

('A`)(今までの総合でなら俺が上なはず!)

(; ^ω^)(来週の訓練は頑張らなきゃお…)


「教官、来週の訓練はなんですか?」


そうだ、それが重要だ。
実地訓練ならブーンに、机上・作業訓練なら俺に分がある。


24 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:35:17.18 ID:tm9ITpOd0


( ´∀`)「来週の訓練内容は…」


(;'A`) 土器土器 (^ω^ ;)




( ´∀`)「机上訓練だモナ」

ガタンッ (*'A`)b「ぃよっしゃぁぁぁ!」

(; ^ω^)「お?」

(//A//)「ハッ、し、失礼」

( ´∀`)「以上!解散」

25 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:35:52.60 ID:tm9ITpOd0

やった、やった、やった!机上は今まで誰にも負けたことが無い。

もし仮に、今回ブーンに負けたとしても総合成績で捲られることはない。

事実上、俺の総合トップは確定だ。


(*'A`)「ブーン頑張ろうな!」

(* ^ω^)「分かったお!」


俺は少し嫌味の入った励ましだったのだが、
ブーンは屈託の無い笑顔で答えた。

嫌味のない、奢りのない、朗らかなこいつを俺は好きだった。



決してウホッ的な意味ではない。

その晩、俺は宇宙に行ったらとか、月に行くときの事を考えながら眠った。


26 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:36:47.79 ID:tm9ITpOd0



ブーンの部屋が、いつまでも明かりが付いていたことも知らずに。






( ´∀`)「それでは始めるモナ」


机上訓練が始まった。
まぁ訓練とは言うものの、実施はテストなのだが。

俺はいつも通りスラスラと解いていったが、どうしても解らないところが一つだけあった。


('A`)(まぁ、95点ってとこかな)


( ´∀`)「終了そこまでだ、提出して退出しろ。
          結果は2時間後に貼りだすモナ」


ゾロゾロと皆が「あーだった」「こーだった」と話ながら退出していく。


27 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:37:26.26 ID:tm9ITpOd0


('A`)「よぉ、ブーンどうだった?」

(* ^ω^)「今回は自信有りだお!」







2時間後



28 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:37:51.70 ID:tm9ITpOd0


1、内藤・ホライゾン 100点
2、ドクオ・ニート 95点
3、フサギコ・ハニャーン 84点





('A`)「…」

(* ^ω^)「やったお!初めてドクオに勝ったお!」

(;'A`)「ふんっ、総合順位は変わらんがな」

(; ^ω^)「あうあう…でも一矢報いたお」



29 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:38:25.24 ID:tm9ITpOd0


( ´∀`)「静まれー」


訓練の賜物か、その一言で一斉に静まり返る。


( ´∀`)「よろしい。ユースフルに乗船する者だが、
     明日ここに辞令を出すモナ。各々確認するように。解散」


('A`)(明日か…)

( ^ω^)(ドクオのお祝いでもするかお)


乗船が決まればすぐにユースフルの研修に参加しなければならない。
勿論建物も別だし部屋も変わる。

俺は荷繕いをしていた。


30 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:39:44.66 ID:tm9ITpOd0



翌日



以下の者に辞令を下す。


※内藤・ホライゾン



本日限りでVIP宇宙局第42隊から除名。
VIP宇宙局第10隊への移動を命ず。

本書を確認次第、管理局まで申し出る事。



31 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:41:02.51 ID:tm9ITpOd0


ちなみに10隊より下の番号が、実際に飛行士として活動している隊員だ。




('A`)「…」

(* ^ω^)「やった!やったお!」


「おい、内藤。管理局に出頭だとよ」

(* ^ω^)「おっ!行ってくるお!」



('A`)彡


(; ^ω^)「あっ、ドクオ…」


聞こえたのか、聞こえなかったのか。
ドクオは振り返らず歩いて行った。


32 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:41:47.05 ID:tm9ITpOd0


( ^ω^)(ドクオ…)



自分の部屋に着いた。
きれいにまとめられた荷物と、ガランとした部屋。


('A`)「…あ…戻さなきゃ」


バックに詰め込まれた服や、家財道具。
取り出しては、元あった場所に戻して行く。


35 :◆3m0SptlYn6:2007/01/27(土) 19:43:52.92 ID:tm9ITpOd0

('A`)「…」




なんて惨めな…




(;A;)「…ふぐっ」


そして見慣れた部屋に、俺は立ちずさんでいた。


(;A;)「わあぁぁぁぁ!」



その後、ブーンと何度かやりとりし。(4話参照)

出発時期が早まった、と、宇宙へ旅立った。


命の片道キップを手にして。


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