- 7 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 20:59:09.74 ID:Ps90Oyq80
− 第十一章 テストと私と旅行のしおり −
〜 第一話 〜
こんばんは、都村トソンです。
日差しの厳しい盛夏の頃、もうすぐ前期の授業が終わります。
大学生になっての初めての夏季休業。私の周りは少々浮かれ過ぎなくらいはしゃいでいる人達ばかりです。
ミセ;´へ`)リζ(´へ`;ζ川д川
……訂正、ばかりでした。
夏休みが近付く、イコール、もう1つの行事も近付くわけで……。
(゚、゚トソン 「随分余裕ですね? その真っ白なレポート用紙を見る限り、呆けてる時間もないような気はしますが」
ζ(´へ`;ζ 「余裕じゃないもん……」
ミセ;´へ`)リ 「書けねーだけだっつーの……」
- 8 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 20:59:41.05 ID:Ps90Oyq80
もう1つの行事、定期試験、いわゆるテストというやつですね。
大学のテストがどんなものか話には聞いていましたが、実際に受けるのは今回が初めてです。
合格しないと単位がもらえない、つまりは半期分の授業時間が無駄となってしまう恐ろしいものです。
ミセ*゚ー゚)リ 「あ、そーだ、トソン白好きだよね? この純白のレポート用紙とそっちの薄汚れたレポート用紙を
取り替えてあげよう」
(゚、゚トソン 「馬鹿なこと言ってないで、ホントに真面目にやらないと間に合いませんよ?」
中には、テストではなく、レポート提出という形で単位認定される授業もあります。
レポートは自宅でやれるわけですし、資料なども見放題で楽な気はしますが、そこはやはり大学という最高学府の授業、
ある程度は授業内容を理解していないと全く書き様がなかったりもします。
中には、本当に簡単なレポートもありましたけどね。
ミセ#゚д゚)リ 「そんなもん、出来ればやっとるっちゅーねん」
ζ(´へ`;ζ 「このレポート用紙が白いのはねー、白くしたくて白いわけじゃないんだよー?」
(゚、゚;トソン 「逆ギレですか? 普段から真面目に聞いていれば……」
- 9 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:01:50.47 ID:Ps90Oyq80
私の言葉に2人は口を尖らせて反論します。
この授業は午後一の教養で必修、加えてあまり面白みのないという何重もの苦を背負っていた授業ではありましたが、
それでもやはり、聞かずに寝てる事が多かった2人の自業自得という点に端を発しているのは明らかなのですが。
川д川 「まあまあ、お茶でも淹れるから落ち着いて」
ミセ*゚ー゚)リ 「コーヒーがいい。アイスー」
ζ(゚ー゚*ζ 「私もー」
(゚、゚;トソン 「あなた方は……」
川ー川 「フフフ……。トソンちゃんもそれでいい?」
(゚、゚トソン 「ええ、ありがとう。でも、あの2人はあんまり甘やかさなくていいですよ?」
川д川 「まあ、2人にだけ出さないってのも変でしょ? ヒートちゃん達も何か飲む?」
そう言って貞子は、隣の部屋にいるヒートちゃん達に声をかけました。
貞子の部屋は2部屋ありますから、こういう時は便利です。
勉強に集中できないから、という理由でヒートちゃん達3人には隣の部屋で遊んでもらっています。
- 11 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:03:38.44 ID:Ps90Oyq80
集中できないのは主にデレとミセリなんですけどね。
私は、ブーンがいた方がむしろ落ち着くぐらいですから。
ノハ*゚听) 「冷たいのがいいぞぉぉぉぉ!」
ゴチン
ξ゚听)ξ 「あんたねえ、何でアタシらが別の部屋にいるか考えなさいよ」
( ^ω^) 「ぼくも冷たいのがいいお!」
ツンちゃんは気を使ってくれていますが、ブーンやヒートちゃんの声はふすまを閉めていても、隣の部屋に
漏れてきていましたけどね。
川д川 「じゃあ、アイスココアでいいかな?」
ξ*゚听)ξ(〃^ω^)ノハ*゚听) 「「「うん(お)!」」」
3人はいっせいに元気よく頷きました。
アイスココアは私も飲んでみましたが、思いの外美味しかったです。
これに関しては、ホットよりもアイスの方が好みかもしれません。
- 13 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:04:05.24 ID:Ps90Oyq80
ミセ*゚ー゚)リ 「つーかさ、そろそろ手伝ってくれてもいい頃合でない?」
(゚、゚トソン 「まだ単位1つも落としてないから、今回ぐらい落としても大丈夫ですよ」
ミセ;゚д゚)リ 「ホントにギリギリまで手伝わんつもりか!?」
冗談ですけどね。
でも、私は冗談のつもりで言ってるのですが、何故かみんな本気として受け取るんですよね。
そういえばブーンにも言われたんでしたね、冗談がわかりづらいと。
(゚、゚トソン 「最低限、ここだけ読んで感想は書いておいて下さい。後は適当に話を膨らませて……」
ζ(´∀`*ζ 「わーい、トソンちゃん、好きー」
(゚、゚;トソン 「抱き付かないでください。レポートを書きましょう」
ミセ*´∀`)リ 「わーい、トソンちゃん、す──」
スキアリー!
ヽノパ听)┌┛#)д゚)リ ブベラッ!
ミセ;゚д゚)リ 「ヒートちゃん!? いきなり何お!」
- 14 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:04:42.59 ID:Ps90Oyq80
イイコイイコ
ノハ*゚听)⊂川д川
ミセ;゚д゚)リ 「またお前かー!」
ξ゚听)ξ 「まあ、しょうがないわよ。キモかったし」
ええ、存分にキモかったですね。ヒートちゃんと貞子にお礼を言いたくなるぐらいには。
しかし、デレもこうやってじゃれ付いてくるのは勘弁して頂きたいものです。暑い季節ですしね。
デレの場合、外でもあんな感じですので。
(〃^ω^)U 「おー。つめたくておいしいお!」
(゚、゚トソン 「あんまり飲みすぎると、お腹壊しますからね?」
(〃^ω^)U 「お。ちょっとずつ飲むお」
そういう問題でもないのですが。まあ、貞子がその辺は見てくれているみたいですから大丈夫でしょう。
こちらも勉強に集中しなければなりませんね。明日提出のレポートはいいとして、その次の日のテスト勉強もしなくては。
- 15 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:06:14.33 ID:Ps90Oyq80
ミセ*゚ー゚)リ 「でもさー、楽しみだよね、夏休み」
ζ(゚ー゚*ζ 「そうだねー。大学生になって初の長期休業」
ミセ*゚∀゚)リ 「ガキんちょだった今までは出来なかったことがいーっぱい!」
ζ(´∀`*ζ 「やっほーい!」
(゚、゚トソン 「まあ、現実は先立つものもなければ足も無く、コネも当てもない、平凡な休日な気はしますけどね」
大学生とは言え、我々は未成年ですしね。
サークルにも入ってないですし、どちらかと言えば私達は皆、あまり活動的ではありません。
ミセ*´へ`)リ「「……」」ζ(´へ`*ζ
(゚、゚;トソン 「な、何ですか、2人して?」
ζ(´へ`*ζ 「私は常々思います。トソンちゃんはリアリスト過ぎます」
ミセ*´へ`)リ「トソンは遊び心という物がない」
- 17 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:07:59.51 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚;トソン 「今は遊び心より勉学だと思いますがね、2人の場合は」
ζ(´へ`*ζ 「そうやってすぐ現実に引き戻すぅー」
ええ、時間は刻一刻と進んでいるわけですから。現実はそんなに甘くありません。
ξ゚听)ξ 「あんたらさ、来年になってトソン先輩って呼びたくないならもうちょっとがんばんなさいよ」
ミセ;゚д゚)リ「「!!!」」ζ(゚д゚;ζ
ツンちゃんの非情な一言に固まる2人。
本当は1年の単位はいくら落としても進級は出来るみたいなんですけどね。
2年時以降に振り替えで取るという形で。当然、授業が多くなって大変ですが。
(-、-トソン 「……まあ、時間はありますし、少しぐらいならどこか遊びに行く金銭的な余裕もあるでしょうが」
川ー川 「フフフ……」
(゚、゚;トソン 「何ですか、貞子?」
- 19 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:09:07.43 ID:Ps90Oyq80
わかってますよ。皆まで言わないでください。
どうにも手のかかる子供達ですね、本当に。
ζ(´∀`*ζ 「わーい、さっすがトソンちゃん!」
(゚、゚;トソン 「だから、抱き付かないでくださいと。別に私が計画を立てるわけじゃ……」
ミセ*´∀`)リ 「わーい、トソ──」
モイッチョー!
ヽノパ听)┌┛#)д゚)リ マダナニモイッテネーッ!
ξ--)ξ 「騒がしい連中ね……。勉強はどうしたのよ……」
川ー川 「フフフ……」
(〃^ω^)U 「ココアおいしいお!」
〜 第一話 おしまい 〜
− つづく −
- 21 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:12:47.83 ID:Ps90Oyq80
〜 第二話 〜
(´・ω・`) 「なるほど、それで頼りになる人生の先輩として、僕のとこに相談に来たわけだね」
(゚、゚トソン 「いえ、ただお茶菓子を買いに来たついでに、話題もなかったので口にしただけです」
(´・ω・`) ショボーン
翌日、何とかデレとミセリにレポートを書き上げさせ、無事提出が終わって午後の帰り道。
私は買い物帰りにショボンさんのお店に立ち寄りました。
これといって話題もなかったので、何の気なしにこの辺で出かけるのに良い場所がないか聞いてみたところです。
見たところ、ショボンさんは1人でお店を切り盛りされてますし、休みもほとんどないみたいなので、
レジャースポットには疎そうでしたから、あまり適した話題とは言えなかったと思います。
(゚、゚トソン 「この辺りは良くも悪くも学生の街ですからね」
(´・ω・`) 「多少、ひなびてはいるけどね」
- 22 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:14:36.20 ID:Ps90Oyq80
日々の生活や娯楽はそれなりに適した、要は安価なものが揃ってはいますが、大き目のテーマーパークやら
アミューズメント施設は存在しません。
……ああ、一軒だけありました。
(´・ω・`) 「ヤングセンターとかどうだろう?」
(゚、゚トソン 「……却下で」
名前からしてかなりアレですが、これが唯一の大型施設です。中身はスパリゾート、無理矢理横文字で言えばですが。
実態は心はヤングなお年寄り方が集う、温泉風の集会所みたいなものです。
(´・ω・`) 「そうなるともう手詰まりだね」
(゚、゚;トソン 「期待はしてませんでしたが、随分と手札が少ないですね……」
(´・ω・`) 「ははは、ごめんね。今日はおまけいっぱいサービスするから、それで勘弁してね」
今日は、じゃなくて、今日も、ですからね、この人の場合。
こちらが一方的に相談を持ちかけただけなのに、何故そんなに申し訳なく感じられるのでしょうね。
まあ、その答えは、ショボンさんがいい人だから、という一言で片付くのですが。
- 24 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:16:41.45 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「いえ、お気になさらず。街中の施設を考えてもダメだということが再確認できただけでも十分です」
(´・ω・`) 「うーん、そういわれてもやはり申し訳なくは感じるね。僕の他に地元の人間で知り合いはいないの?」
もう1人いますね。と言いますか、この後そちらにも寄るつもりでしたけど。
(゚、゚トソン 「ペニサスさん──、あ、マンションの管理人さんにも話を聞こうかと」
(´・ω・`) 「あれ? ペニちゃんと知り合い──って、管理人さんってことはあそこに住んでるのか、トソンちゃん」
意外なことにショボンさんとペニサスさんはお知り合いのようです。
よくよく考えれば、年齢的にはそれほど離れてなさそうですし、同じ街で商売する同士、
どこかで接点があってもおかしくないですね。
(´・ω・`) 「なら、ペニちゃんに聞いた方が早いよ。あの子はこと、遊ぶことにかけては達人級だ」
そう言ってショボンさは快活に笑います。
- 26 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:18:18.33 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「どういったお知り合いなのですか?」
(´・ω・`) 「昔っからのお得意さんさ。そうだね、今のトソンちゃんみたいに、ここに買いに来ては世間話をするような」
(゚、゚トソン 「なるほど。何となくその姿が思い浮かびますね」
ごく自然な関係です。聞けば、ペニサスさんが中学生頃からのお付き合いらしいです。
ショボンさんはその頃にはもう、お店を手伝ってたということです。
・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「では、私はこの辺で」
それからしばらく世間話をし、いくつかのお饅頭を買ってお店を出ようとしました。
(´・ω・`) 「これからペニちゃんのとこへも行くの?」
(゚、゚トソン 「ええ、早速お話を聞こうかと」
- 27 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:20:20.18 ID:Ps90Oyq80
そう考えていたものの、少々時間的には厳しいですかね。
この時間帯はペニサスさんのお店は混んでる可能性があるかもしれません。
(´・ω・`) 「だったらこれ、届けてもらえないかな?」
そう言って、ショボンさんはそう大きくはない紙袋に、いくつかのお饅頭を詰め込んで差し出されました。
(゚、゚トソン 「それは?」
(´・ω・`) 「ペニちゃんの好きな豆大福。喫茶店始めてからは忙しいみたいだからね。以前よりは来られないみたいでさ」
(゚、゚トソン 「なるほど」
少し寂しげに言うショボンさん。私は、人の心の機微には疎い方ですが、何かしらあることぐらいには気付けます。
まあ、それについてとやかく言うのは野暮という物でしょう。
(゚、゚トソン 「わかりました。よろしくお伝えしておきます」
(´・ω・`) 「ありがとね。次来た時にはまたサービスするからさ」
(゚ー゚トソン 「いつもサービスしてもらってますよ」
- 29 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:22:36.37 ID:Ps90Oyq80
(´・ω・`) 「そうかい? ありがとう、また来てね」
私は、ショボンさんの明るい声に見送られて庶凡屋を出ました。
・・・・
・・・
カランカラーン
('、`*川 「いらっしゃい」
(゚、゚トソン 「こんにちは」
('、`*川 「いいところに来た!」
(゚、゚;トソン 「え?」
店に入るなり、ペニサスさんはつかつかと歩み寄り、私の肩に手を当て、カウンターに押しやります。
そして、有無を言わさず私を座らせ、自身は店の奥へ入って行かれました。
(゚、゚;トソン 「えっと……」
- 30 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:26:24.22 ID:Ps90Oyq80
程なくして、ペニサスさんは戻ってこられました。
その右手には、何やら皿に乗せられた──
('、`*川 「はい、どうぞ」
(゚、゚;トソン 「これは?」
('、`*川 「試作品よ。フルーツたっぷりタルト」
そう言って、ペニサスさんは右手の皿を私の前に置かれました。
なるほど、確かにお言葉どおり様々な果物が乗ったタルトですね。
(゚、゚トソン 「流れからして、試食、感想を、ということですか?」
d('、`*川 「いぇ〜す。さ、ちゃちゃっと食べてみて。もちろん、コーヒーも出すからさ」
ペニサスさんはやけに高いテンションでコーヒーを淹れられます。
(゚、゚トソン 「コーヒーは有り難いのですが、こういった柑橘系のフルーツとコーヒーの組み合わせは、
個人的には少々苦手なのですが……」
d('、`*川 「その辺も大丈夫。ちゃんとフルーツは加工してあるわよ」
- 31 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:27:28.48 ID:Ps90Oyq80
いわゆる砂糖漬け、甘みを増してあるそうです。
出されたものを粗末に扱うのも失礼なので、私は、そのフルーツたっぷりタルトを口に運びました。
(゚、゚トソン パクッ
;;(゚n゚;トソン;;
('、`;川 「おりょ?」
私はコーヒーを一気にあおりました。
(゚o゚;トソン 「熱!!!」
('、`;川 「いや、そりゃそうでしょ、淹れたてだし……」
(゚o゚;トソン 「──!」
('、`;川 「……ええと、とりあえずお水ね。んで、落ち着いたら感想聞かせて欲しいかなーなんて……」
私は、無言でコクコクと頷きました。
- 32 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:27:46.67 ID:Ps90Oyq80
- ・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「甘過ぎます」
('、`;川 「mjd?」
多少の時間をいただき、幾分落ち着いた私は開口一番そう告げました。
ええ、本当に。甘いとか言うレベルではなく甘過ぎです。
(゚、゚トソン 「どうやったらここまで……」
クリームのみならずフルーツまでもが。
酸味など皆無です。全てが甘味、その一点に凝縮されています。
(゚、゚トソン 「ひょっとして味見は……?」
('、`;川 「いや、さすがにしたよ? 他人様にお出しするもんだし」
それでいてこの甘さはもしや……
- 35 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:29:56.92 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚;トソン 「ひょっとしてペニサスさん、甘党ですか?」
('、`*川 「うん、よく人にそんなこと聞かれるからそうなんじゃないかな?」
やはりですか。その言葉に説得力のある味でした。
しかし、あれだけ苦味や酸味も適度にあるコーヒーを淹れる人がこうも甘党とは、なかなか不思議なものですね。
ブーンと気が合いそうなくらいの甘党です。
(゚、゚トソン 「さすがにこれは、普通の人にはちょっときついかもしれません」
('、`*川 「そっかなー? 甘味は抑えたつもりなんだけどねー。ひょっとして、トソンちゃん辛党?」
(゚、゚;トソン 「特にそういった嗜好はありませんが……」
自分の食の好みは、至って普通だと思っております。
少なくとも、誰からか○党? というような聞かれ方をしたことはありません。
('、`;川 「うーん、まあ、こっちもトソンちゃんなら信頼置けると思って試食頼んだんだし、そのトソンちゃんが
そう言うのなら、これは甘過ぎるのかなー」
- 37 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:31:29.89 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「大半の人が私と同じ感想を抱くかと」
私は、2杯目のコーヒーを口に運びながら答えます。
やはりこのコーヒーはそんなに甘くは無いですよね。不思議なものです。
('、`*川 「とにかくありがとね。うーん、次の試作はどうするかな……」
(゚、゚トソン 「何故急に、お菓子作りなどを?」
('、`*川 「うちでも何かオリジナルの物を出したいなー、って数日前に思い付いた」
聞けば、経営難とか営業拡大とかの話ではなく、単に思い付きのようですね。
アイデアとしては有りでしょうが、これを出されたらさすがに店として厳しいものがあるような。
(゚、゚トソン 「ペニサスさんは調理師免状は持ってたんですね」
('、`*川 「まあ、一応ねー」
調理師免状の取得に、味覚はさして問題ではないことがわかっただけでも今日は勉強になったと思うべきでしょうか。
- 39 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:32:59.42 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「さて、そろそろ──」
私は、頃合なので席を辞そうとした矢先に、買い物袋の上にちょこんと置かれた紙袋の存在を思い出しました。
(゚、゚トソン 「危うく忘れるとこでした。ペニサスさん、これを」
('、`*川 「ん……? あれ、これ、ショボくれのとこの袋じゃん。どしたの?」
私は、ペニサスさんに庶凡屋でのいきさつを話しました。
紙袋を渡す時のショボンさんの様子は省いて。
('、`*川 「確かに最近行ってないなー」
何だかんだで喫茶店の方も忙しいからね、とペニサスさん。
確かにそうでしょうね。お1人でやっておられるのですから。
('、`*川 「お、豆大福じゃん。久しぶり。あいつんとこのは少々甘さが足りんけど、美味いのは美味いのよねー」
そう言いながらペニサスさんは、早速豆大福を頬張っています。
私にも勧められましたが、今は甘い物は控えたいのでやんわりとお断りしました。
- 40 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:33:21.78 ID:Ps90Oyq80
('、`*川 「そっか。何か色々悪かったね、今日は」
(゚、゚トソン 「いえいえ。日頃のお礼と考えればまだまだ足りないぐらいかと」
('、`*川 「相変わらず謙虚だね。よし、残ったタルトをあげよう」
(゚、゚;トソン 「い、いえ、それはご遠慮──、あ、お1つ頂いても?」
('、`;川 「え、マジ? ……実はやっぱり美味しかった?」
(゚、゚;トソン 「感想は変わりませんし、私は食べませんが、同居人が──」
・・・・
・・・
カランカラーン
(゚、゚;トソン 「ふう……」
私は、ペニサスさんの上機嫌な声に見送られ、お店を出ました。
結局、残りのタルト全て、数にして5つ程受け取らされて。
御自分は、豆大福もあるし、とのことで。
加えて、また試食頼むだろうからね、と。
- 41 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:35:23.88 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚;トソン 「どうしたものやら」
ブーンは喜んで食べそうですが、さすがに5つも与えるのは食べ過ぎです。
1つはミセリに食べさせるとして、残りはどうしますかね……。
(-、-;トソン 「とりあえず、一旦帰りましょう」
私は、少々精神的に疲れた身体を引きずり部屋に戻ろうとしましたが、数歩歩いた所である事に気が付きました。
(゚、゚;トソン 「レジャースポットの件を聞くのを忘れていましたね……」
私は、今日はその件は忘れる事にして部屋に帰りました。
〜 第二話 おしまい 〜
− つづく −
- 44 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:36:58.89 ID:Ps90Oyq80
〜 第三話 〜
ミセ*゚ぺ)リ 「それで全く進展なしと。ダメだなー、トソンは」
時刻は進み夕飯時。部屋に帰ると、ブーンはおらず、デレの部屋にいるという書置きが1つ。
ブーンを迎えに行くと、そのままの流れで何故か3人を引き連れて私の部屋へ。
更に何故か私の部屋の前にいるミセリ。この暑い中をご苦労な事です。
(゚、゚トソン 「仕方ないでしょう? 色々と予期せぬ事がありましたから」
ζ(゚ー゚*ζ 「まあ、聞ける当てがあることがわかっただけでもね」
そのまま当然のように私の部屋で晩餐という運びに。材料はミセリが適当に買って来ていました。
そして現在は遊ぶ計画の進捗状況を報告中なわけですが。
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、明日以降、お話聞いといてよ。おかわり」
(〃^ω^) 「お!」
ブーンがいそいそとミセリの茶碗にご飯をよそいます。
最近はブーンも色々な事を覚え、こと食事に関する準備などは出来る事が増えてきました。
- 45 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:37:35.48 ID:Ps90Oyq80
ξ゚听)ξ 「自分でやんなさいよ。ブーンも、ミセリだけは放置でいいからね?」
( ^ω^) 「おー? ミセリもお客さんだお」
ミセ*゚ー゚)リ 「偉いな、ブーンちゃんは。お姉ちゃん、ブーンちゃん大好きだ!」
ツンちゃんが何も言わないのか、という目で私を見ますが、ここはブーンの方が正しいんですよね。
ミセリにだろうと分け隔て無く接するブーンは、とてもいい子なんですから。
私は、ツンちゃんに“あとで”と口の動きでけで伝えました。
私は、ペニサスさんの試作品の件はこの場で詳しく話していませんでした。
(゚、゚トソン 「その件で聞きたいのですが、どういったところへ行きたいのですか?」
ミセリやデレは、どこか遊びに行きたいとは言いますが、具体的にどことは言及していません。
もし、ペニサスさんに相談して、候補が複数上がった場合、今のままだと決める指針がありません。
ミセ*゚ー゚)リ 「そりゃあ──」
ζ(゚ー゚*ζ 「夏といえば──」
ミセ*゚ー゚)リ「海!」「山!」ζ(゚ー゚*ζ
- 46 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:39:58.97 ID:Ps90Oyq80
ミセ*゚ー) 「「……」」 (ー゚*ζ
珍しく意見が揃わなかった2人は、お互い、何か言いたげに見詰め合っています。
私は、ブーンに頼んで食後のお茶を淹れてもらいました。
クーラーの効いた部屋で熱いお茶を飲む。ささやかな贅沢です。
ミセ*゚ー゚)リ 「え、何、デレ? 夏に山って本気?」
ζ(゚ー゚*ζ 「ミセリちゃんこそ、夏だから海って安直過ぎない?」
(゚、゚トソン 「今日は私が片付けますか」
ξ゚听)ξ 「いいわよ、アタシらがやるから」
ミセ*゚ー゚)リ 「夏に海行かないでどうするのよ? 山なんていつでも行けるじゃん」
ζ(゚ー゚*ζ 「夏の山は涼しくていいよ? 海なんて人が多くて逆に蒸し熱いよ」
- 48 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:42:24.29 ID:Ps90Oyq80
(〃^ω^) 「トソンはお料理作ったから、お片付けはお休みだお!」
(゚、゚トソン 「ですが、2人だけだと届かない場所もあるでしょう?」
ミセ*゚−゚)リ 「え? 何で山にこだわんの? ひょっとしてデレってトンカチ?」
ζ(゚−゚*ζ 「それを言うならハンマーだよ。ミセリちゃん、それで水着着たいの?」
ξ゚听)ξ 「かなづちよ、バカコンビ。……大丈夫、ブーン踏み台にすれば届くし」
(〃^ω^) 「お! 届くお!」
(゚、゚トソン 「踏み台って……、ああ肩車ですね」
ミセ#゚−゚)リ 「あ? 水着? 着れるさ。トソンじゃないんだし」
ζ(゚−゚#ζ 「私だって泳げるもん。トソンちゃんじゃないんだし」
( 、 トソン
・・・・
・・・
- 50 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:44:23.46 ID:Ps90Oyq80
ミセメ;д;)リ 「すみませんでした」
ζ(;д;メζ 「ごめんなさいでした」
(゚、゚トソン 「全く……」
ようやく大人しくなった2人を正座させ、私は話をまとめます。
ブーン達は2人でお方付けの真っ最中。ツンちゃんがいますから、私が目を離していても大丈夫でしょう。
(゚、゚トソン 「海か山、そういった候補があればそれを優先すればいいですね? 最終的には、
条件のいい方か多数決で決めると思いますが」
ζ(;д;メζ 「はい、それでいいです」
(゚、゚トソン 「何にせよ、ペニサスさんの話を聞いてからではありますが」
ミセメ;д;)リ 「トソンさんの意のままに」
(゚、゚トソン 「……2人とも、反省はしているようですね」
ミセメ;д;)リ「「もちろんです」」ζ(;д;メζ
- 51 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:47:27.02 ID:Ps90Oyq80
(゚ー゚トソン 「そうですか。では、お茶を淹れて差し上げましょう。……冷たい方がいいですかね?」
私は、そう言って2人に優しく微笑みかけました。
何故か2人とも、一気に表情が固くなったような気がしましたが、たぶん気のせいでしょう。
(゚、゚トソン 「では、アイスコーヒーにしましょうかね。ブーン達の分まで作りますから少々お待ちを」
ミセメ;д;)リ コワイコワイ ζ(;д;メζ
ξ;゚听)ξ 「うっわー……」
(〃^ω^) 「お! お片付け終わったお」
(゚、゚トソン 「ご苦労様、ブーン。はい、コーヒーとお菓子ですよ」
ヾ(〃^ω^)ノシ 「わーいお! トソーン、ありがとだお!」
私は、ブーンの前に淹れたてのアイスコーヒーとシロップ、それにペニサスさんから頂いたタルトを置きます。
(〃^ω^) 「このおかしすごいきれいだお! おいしそうだお!」
ξ゚听)ξ 「へー、ホントきれいね」
- 53 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:50:03.77 ID:Ps90Oyq80
ツンちゃんが、私も欲しいと言いたげにこちらを見ましたが、私は目配せで合図を送り、代わりに、デレとミセリの前に
アイスコーヒーとタルトを置きました。
ミセ*゚ー゚)リ 「おー! 私達の分もあるんだ!」
ζ(゚ー゚*ζ 「美味しそー!」
(゚ー゚トソン 「ええ、2人の分もありますよ。どうぞ、召し上がれ」
ミセ*゚∀゚)リ 「やっほーい!」
(〃^ω^) 「おいしいお! これ、すっごくおいしいお!!!」
先に食べ初めていたブーンは、私の予想通り、ペニサスさんのタルトを大絶賛しています。
ζ(´∀`*ζ 「うわー、そんなに美味しいんだ!」
(〃^ω^) 「うんお!」
- 54 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:50:39.35 ID:Ps90Oyq80
ミセ*゚∀゚)リ 「私らも早速!」
ζ(´∀`*ζ 「食べよう! 食べよう!」
ミセ*゚∀゚)リ「「いっただっきまーす」」ζ(´∀`*ζ
パク
ミセ*゚∀゚)リ「「……」」ζ(´∀`*ζ
;;ミセ;゚n゚)リ;;「「!!!」」;;ζ(゚n゚;ζ;;
何でしょう、ツンちゃんがすっごく醒めた目で私達3人を見ています。
私としては、いたいけなこの胸を傷付けられたささやかな仕返しを敢行しただけなのですが。
ミセ;゚n゚)リ 「何これ!? 甘!!!」
ζ(゚n゚;ζ 「おぇういあぁ!?」
- 55 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:51:01.34 ID:Ps90Oyq80
私は、無言で2人の前のアイスコーヒーを指差します。
2人とも一気にそれを飲み干しました。
ちゃんと普通の冷たいコーヒーを置いている辺り、私は慈悲深いですよね。
ミセ;゚д゚)リ 「なんじゃこりゃ? 死ぬかと思ったわ!?」
ζ(´へ`;ζ 「ブーンちゃん?」
(〃^ω^) 「お? あまくておいしいお!」
ξ--)ξ 「あんたらって、ほんっっっとにバカよね」
(゚、゚トソン 「今のは私も含まれていましたね?」
ツンちゃんは無言で頷きます。
私は、全員にこのフルーツたっぷりタルトを頂いた経緯を説明しました。
一応、まだタルトはありますが、ツンちゃんはどうするか聞いたところ、遠慮するとの返事でした。
(゚、゚トソン 「ちゃんと残さず食べてくださいね」
ミセ;゚ぺ)リ 「無茶言うなよ」
- 58 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:52:52.17 ID:Ps90Oyq80
ζ(´∀`*ζ 「ブーンちゃん、ブーンちゃんにデレお姉ちゃんの分もあげよう」
(〃^ω^) 「お! いいのかお? ……おー、でも、食べすぎたらトソンに怒られるお」
私はブーンにあと1つなら食べてもいいですよ、と許可を出しました。
ブーンは喜んでタルトを口に運んでいます。
ミセ;゚ー゚)リ 「えーっと……」
(゚ー゚トソン
ミセ*;д;)リ 「チクショー! 食べればいいんでしょ! 食べれば!!!」
〜 第三話 おしまい 〜
− つづく −
- 60 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:54:53.40 ID:Ps90Oyq80
〜 第四話 〜
川д川 「どうしたの、ミセリちゃん?」
その翌日も2教科ほどテストがありましたが、それが両方とも午前中なので、本日の授業はこれでおしまいです。
テスト終了後、ぐったりしているミセリに貞子が話しかけます。
ミセ;-へ-)リ 「んー? なんつーか胸焼けがね……」
(゚、゚トソン 「テストの出来があまりにも悪かったからですか?」
ミセ;゚д゚)リ 「お前のせいだよ!」
首をひねる貞子に、私は昨日の一連の流れを簡単に説明しました。
川д川 「それはまた……。ペニサスさん、そういうの器用にこなしそうだけどね」
ζ(゚ー゚;ζ 「見た目とか食感はいいんだよ。器用とかそういうの度外視で、単に味覚の問題だね」
一口しか食べてない割には的確にタルトを語るデレ。
デレも甘党のはずでしたが、さすがにあれは許容範囲外でしたか。
- 62 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:56:56.22 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「私はこれからペニサスさんの所へ伺おうと思っていますが、皆はどうしますか?」
午後からの予定は特に組んでおらず、暇をしていたのでしょうか、3人とも私に着いてくるとの返事がありました。
その前に昼食を取りに一旦部屋に戻るつもりでしたが、
全員が着いて来るという展開は予想していなかったのでどうしましょうか……。
ミセ*゚ー゚)リ 「ブーンちゃん、トソン待ち?」
(゚、゚トソン 「一応、簡単なものは作って冷蔵庫に入れておいたので、先に食べておいていいとは言ってあります」
川д川 「トソンちゃんがお昼に帰るって言ってあったなら待ってそうだよね」
ζ(゚ー゚*ζ 「待ってるねー、きっと」
やはりそうですかね。それなら早く帰ってあげないと行けませんね。
川д川 「じゃあ、私はヒートちゃんの様子見て来てからトソンちゃんちに行くね」
貞子も私と同じ様に、ヒートちゃんに伝えてあったみたいですが、せっかくだから、とのことです。
今日はよい天気なので、多分午後からブーンとヒートちゃんはいっしょに公園に行くでしょうから、
私は貞子にヒートちゃんも連れてくれば、と提案しておきました。
- 63 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:57:25.37 ID:Ps90Oyq80
川ー川 「うん、そうする。それじゃ、また後で」
ζ(゚ー゚*ζ 「んじゃ、私達はトソンちゃんちでお昼かな」
ミセ*゚ー゚)リ 「さんせー」
(゚、゚トソン 「自分達の分は自分達で用意してくださいね?」
ご飯は2人分しか炊いてませんし、それほど作り置きのおかずがあるわけでもありません。
ミセ*゚ー゚)リ 「今日は胸焼けしてるから、軽いもんでいいよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「パスタとか」
(゚、゚トソン 「……作れ、と?」
ミセ*゚ー゚)リ 「違う違う、そんな上から物は言わないよ」
ζ(´д`*ζ 「作ってください」
(゚、゚;トソン 「下から言おうが同じことなんですがね……」
- 65 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:58:30.61 ID:Ps90Oyq80
全く、仕方ありませんね。これ以上押問答を繰り広げても埒が明かないでしょうしね。
甘やかし過ぎ、と、またツンちゃんに怒られそうですが。
(゚、゚トソン 「取り敢えず帰りましょう。ブーンが待ってます」
ζ(゚ー゚;ζ 「ツンちゃんは先に食べてそうだなー……」
ミセ*゚ー゚)リ 「待ってると予想」
私もミセリと同意見ですね。デレが帰ってきたら文句は言いそうですが、ちゃんと待っているのでは。
私はデレに、ツンちゃんにお昼ご飯は何を用意して置いたのか聞いてみました。
ζ(゚ー゚;ζ 「え、あり物で食べてて、ってしか言ってないから特には……」
ミセ;゚ー゚)リ 「デレー、もうちょいお姉ちゃんらしく出来ないかなー?」
(゚、゚トソン 「まあ、明らかにツンちゃんがデレのお姉さんですから仕方ないでしょう」
ζ(-へ-*ζ 「えー? 何それ? 私がお姉ちゃんだよー?」
- 66 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 21:59:52.30 ID:Ps90Oyq80
私達は、ふくれるデレをあしらいながら家路に着きました。
デレの部屋にある食材も計算しながら、どんなパスタを作るか考えつつ。
・・・・
・・・
カランカラーン
(゚、゚トソン 「こんにちは」
('、`*川 「あら、いらっしゃい──こりゃまたお揃いで」
川д川ミセ*゚ー゚)リ「「「こんにちはー」」」ζ(゚ー゚*ζ
昼食を終え、私達4人はペニサスさんのお店にお伺いしました。
ブーン達3人は公園に遊びに行っています。
ワカッテマス君も今日は来るらしいので、今頃は4人で元気に駆け回ってる事でしょう。
(゚、゚トソン 「先日のお礼──」
ミセ*゚д゚)リ 「参りに」
- 69 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:02:06.55 ID:Ps90Oyq80
ζ(゚ー゚;ζ 「ミセリちゃん?」
('、`*川 「あはは、その様子だとあのタルト食べたんだ」
(゚、゚トソン 「ええ、ミセリがどうしても食べてみたいと言うものですから」
ミセ;゚д゚)リ 「言ってねー!!!」
('、`*川 「てことは、やっぱり甘過ぎというトソンちゃんの意見は正しかったみたいね」
コーヒーサービスするから勘弁してね、と言い、ペニサスさんはコーヒーを淹れ始めました。
さすがに、4人で押しかけてたかるのは迷惑極まりないので、後でお代はちゃんと受け取ってもらおうと思います。
(゚、゚トソン 「で、本日ご伺いしました用件なんですが──」
私は、夏休みにどこかへ遊びに行きたいという件を、大学生の懐事情も交えてペニサスさんに話しました。
ミセリ、デレの希望、それから昨日、ショボンさんのとこを経由してきて話をするのを忘れたとこまで含めて全部です。
貞子は特にこれといって行きたい場所も思い付かないという話で、
ブーン達は海と山、どっちがいいかわからないみたいなので2人の希望を優先する事にしました。
- 70 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:02:25.57 ID:Ps90Oyq80
('、`*川 「あー、ショボくれからね……、私が遊び人だと……」
(゚、゚;トソン 「そこまでは仰られてませんが」
('、`*川 「……にゃろめ」
ζ(゚ー゚*ζ 「それで、ペニサスさんはこの辺りでキャンプ向きの山とかご存じないですか?」
ミセ;゚ー゚)リ 「さり気なく山に絞ろうとすんなよ。海水浴でもいじゃん」
川д川 「2人とも、ケンカは……」
('、`*川 「うーん……、そうねー……ん?」
ペニサスさんは頬に手を当て、しばらく考えておられましたが、ふと、何やら思いついた様子で私の顔を見つめています。
(゚、゚トソン 「どうしました?」
('、`*川 「え、あー、いや、うん……まあ、あいつなら有り得るかな、と」
(゚、゚トソン 「?」
ちょっと待てっててね、とペニサスさんどこかへ電話をかけだされました。
- 71 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:05:06.00 ID:Ps90Oyq80
川ー川 「ここのコーヒー美味しいよね」
(゚、゚トソン 「ええ。ですが、これを考慮すると昨日のあのタルトが何故あんなに甘くなるのか不思議でなりません」
川д川 「うーん、コーヒー自体は甘味はほぼないからねー。普通に淹れれば苦くなるだろうし」
ζ(゚ー゚*ζ 「あんなに甘党なのになんでコーヒー好きなのかとか、ブラックで飲めるのかとか色々あるよね」
そうですね。私の疑問もデレと同じ様な事です。
少なくとも、ペニサスさんがコーヒーに砂糖類を入れているところは見たことがありません。
ミセ;゚ー゚)リ 「あれはちょっとした兵器レベルだよ。今後、ここで固形物出された時は身構えちゃうね」
川;д川 「固形物って……」
私達が勝手な事を言いあってると、電話を終えたペニサスさんが少々不機嫌な表情で戻ってこられました。
('、`*川 「全く、あのバカはやっぱり忘れてやがったね」
(゚、゚トソン 「どちらへおかけで?」
('、`*川 「んー? ショボくれんとこよ」
- 72 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:06:27.78 ID:Ps90Oyq80
何となく予想はしていましたが、やはりショボンさんの所のようです。
私は、何故ショボンさんの所に電話をしていたのか聞くことにしました。
('、`*川 「あのバカ、自分に当てがあることすっかり忘れてんのよ」
川д川 「当て……ですか?」
('、`*川 「そう。あいつの従兄弟にね、シャキンってのがいるんだけど、そいつが隣の県の海の方で民宿やってんのよ」
ミセ*゚∀゚)リ 「それはつまり!」
('、`*川 「うん、あいつ経由で格安で泊めてもらえるはず」
妙な奇声を上げて喜ぶミセリ、少々複雑な表情のデレ、わずかに笑顔の貞子、3人を順々に見回した後、私はペニサスさんに尋ねます。
(゚、゚トソン 「忘れてらした、ということは疎遠だったり仲があまりよろしくなかったりとかでは……」
('、`*川 「ううん。ちゃんと毎年、時節の挨拶やら何やらやり取りしてるし、仲もいいわよ」
純粋に忘れてただけ、バカだから、と続けられました。
その点については、少々失礼ながらも納得は出来ましたが、まだいくつか問題がありそうなのでペニサスさんに問います。
- 74 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:08:08.32 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「そういったつてがあるのはわかりましたが、それを私達のように、
それほど親しくないものがお世話になってもよろしいのですか?」
('、`*川 「いいんじゃない? 私も昔よく行ってたし。それに、トソンちゃんショボくれんとこのお得意でしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ 「トソーン、考え方が固い。私ら、貧乏学生は使えるコネは最大限有効活用しようよ」
川д川 「私も、ちょっと図々しいかなとは思うけど、ミセリちゃんの言う事も、もっともかなとも思う」
('、`*川 「そうそう。いい若いもんが遠慮しない」
(゚、゚トソン 「デレはどう思いますか?」
私は、行き先候補として海が上がってから発言のないデレに話を振ります。
ただ山が好きで山に行きたいだけなのか、それとも海が嫌いだからなのかはちゃんと聞いておいた方がいいように思えます。
(゚、゚トソン 「デレは海が嫌いなのですか?」
ζ(゚ー゚;ζ 「え? いや、嫌いってわけでもないけど、そんなに好きではないかな。泳ぐ事も嫌いじゃないけど」
('、`*川 「……」
ペニサスさんがデレの胸元をじっと見詰め、考え込んでいます。
ミセリも同様にデレの胸元に視線を合わせ、考え込んでいます。
- 75 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:08:23.92 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「では、別に海でも構わないですか?」
ζ(゚ー゚;ζ 「え、う、うーん、まあ、みんなといっしょなら──」
('、`*川 「……視線か」
ミセ*゚ー゚)リ 「……胸か」
デレの言葉を遮り、考え込んでいた2人がぼそりとつぶやきます。
私は何の事かわからず、デレを見ると──
"ξ(/、//*ξ コクッ
川д川 「ああ……」
(゚、゚トソン 「?」
('、`*川 「ん……、つまりね、デレちゃんは、海が嫌とかじゃなくて、水着になるのが嫌って事かな」
ミセ;゚ー゚)リ 「……確かに見るわな、それ。ある種、凶器だもん」
- 76 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:08:56.52 ID:Ps90Oyq80
そこまで言われてようやくわかりました。
デレは割と着やせするタイプ、と言いますか、普段はそれが目立たないような緩めの服を着る事が多かったですからね。
実際は良くお育ちですから。ええ。
( 、 トソン 「ああ……」
ミセ*゚∀゚)リ 「まあ、トソンが気付かなくても仕方ないよ。トソンには一生え──」
イッチャダメ! モガー ソレイジョウハコロサレル!
川;д川゚つ゚⊂リζ(゚ー゚;ζ
そうですか。デレは私に気を使っていた部分もあるのですね。
それで言い出しづらかったという訳ですか。
( ー トソン 「デレ、すみませんね、気を使わせて」
ζ(゚д゚;ζ 「ききききき、気とか使ってないよ、全然!」
デレは何を怯えているのでしょうか?
私は全然気にして──あ……
- 79 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:13:01.45 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「失礼、私は気にしてないですから、本当に困っているのならちゃんと言ってくださいね?」
ζ(゚ー゚;ζ 「う、うん、ごめんね」
少々表情が強張ったままだったようですね。私とした事が、取り乱していたようです。
そういう物は個人差ですから、全然気にしていませんよ。
ええ、気にしてませんとも。身長も体重もさほど差がないのに、あれだけの差があることなんて気にしてませんとも。
('、`*川 「えーと、それでどうする? そこに行くなら私からショボくれとシャキンと両方に話し付けるけど?」
川д川 「え? さすがにそこまでお願いする訳には……」
('、`*川 「大丈夫、だいじょーぶ、あの2人とも私に頭上がんないから、私がねじ込んだ方が話が早い」
そう言ってペニサスさんは御自分の御立派な胸をドンと叩かれました。ええ、御立派な。
そこまで甘えてしまっていいものか、正直悩みますが、ペニサスさんの、子供は大人を頼りなさい、という一言で、
私達はその申し出に甘える事に決めました。
('、`*川 「何泊したい? 2週間? 1ヶ月?」
- 80 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:13:20.60 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚;トソン 「いや、そんなには……、精々、1泊か2泊で……」
ミセ*゚д゚)リ 「おいおいせっかくの申し出だ、そんなしみったれた……」
('、`*川 「まあ、さすがにそんなに長いとちょっとバイトやら何やら手伝わさせられるけどね」
私達は、その後ペニサスさんのアドバイスの元、海への小旅行のスケジュールを決めました。
期間は1週間ほど。私の申し出で、その間に多少のバイト、と言いますかお手伝いはさせてもらえるようにお願いしました。
ペニサスさんは、こんな若くて可愛い子が4人も行くんだから、むしろ金もらって泊めてもらえみたいな無茶な事を
仰られてましたが、シャキンさんはショボンさんとよく似ているらしく、つまりはいい人なんでしょうね。
・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「長々とすみません。色々ありがとうございました」
('、`*川 「気にしない、気にしない。2人にはこっちから連絡しとくからさ。詳しい日程が決まったら伝えるね」
- 82 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:14:22.90 ID:Ps90Oyq80
川д川 「ショボンさんには直接お話、と言いますかお礼を伝えておきますね」
('、`*川 「あれは放置でもいいけどねー。まあ、あれの言伝をシャキンに届けるぐらいはしてもいいかもね」
ζ(゚ー゚*ζ 「ありがとうございましたー」
('、`*川 「……うん、大変そうだ」
ξ(/、//*ξ 「な、何ですか!?」
ミセ*゚ー゚)リ 「それじゃ、また、どうもでした」
カランカラーン
私達4人はペニサスさんに多大に感謝をし、喫茶店を出て私の部屋に帰りました。
〜 第四話 おしまい 〜
− つづく −
- 83 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:16:53.95 ID:Ps90Oyq80
〜 第五話 〜
ミセ*゚∀゚)リ 「いやー、何かトントン拍子に決まっちゃったねー」
つ^ω^⊂
私達が部屋に戻ると、ブーン達3人は既に部屋に戻ってきていました。
暑い中走り回ったせいで汗だくだったのか、3人ともシャワーを浴びたようで、抱き心地の良いふんわりボディーになっています。
川д川 「海かー。しばらく行ってないから楽しみだなー」
つノ*゚听)
ζ(゚ー゚;ζ 「えー、何で私は抱っこダメなの?」
ξ゚听)ξ 「暑苦しい。以上!」
(゚、゚トソン 「晩ご飯は冷麦でいいですかね?」
川д川 「あ、何かちょっとつまむものも作るよ」
(゚、゚トソン 「そうですか、では、そちらはお願いします」
- 84 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:17:15.99 ID:Ps90Oyq80
私と貞子は、手分けして晩ご飯の支度を始めます。
デレとミセリはのんびりブーン達と戯れていますが、大事な事を忘れているみたいですね。
(゚、゚トソン 「2人とも、何か忘れてませんか?」
ミセ*゚ー゚)リ「「?」」ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚听)ξ 「あんたら、明日のテストは大丈夫なの?」
ミセ;゚д゚)リ「「!!!」」ζ(゚д゚;ζ
そうです。明日もテスト、しかも3教科あります。
私と貞子は、それなりに真面目にやっていたので、少し見直す程度で多分大丈夫でしょうが、この2人はどうでしょう?
(゚、゚トソン 「追試になっても、旅行のスケジュールは変更しませんからね?」
ミセ;゚д゚)リ「「ええぇー!?」」ζ(゚д゚;ζ
川ー川 「そだね、私とトソンちゃんとヒートちゃん達で楽しんでくるね」
- 86 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:18:53.22 ID:Ps90Oyq80
ミセ;゚д゚)リ 「い、いや、ちょい待ち!」
ζ(゚д゚;ζ 「置いてくの? ひどくない?」
(゚、゚トソン 「合格すれば済む事じゃないですか」
ξ゚听)ξ 「うだうだ言ってる暇があったら勉強しなさいってことでしょ? 何であの2人がご飯作ってると思ってんのよ?」
さすがはツンちゃん、よくわかってます。
私達は勉強せずとも何とかなりますから、ダメそうな2人に時間を与えてあげている私達の優しさをちゃんと理解してくれています。
(〃^ω^) 「トソーン! 海ってお魚さんがいっぱいいるんだおね? クジラさんもいるかお?」
ブーンがお魚図鑑を広げて、私の所へトテトテと走ってきます。
先程、梅へ行く事を説明してからずっと図鑑を見ているようでした。
ブーンは海は見た事ないらしいですが、テレビなどで海がどんなものか理解はしています。
(゚、゚トソン 「残念ながらクジラさんはいないでしょうね。あんな大きいのは、もっと海の深いところに行かないとダメですから」
( ^ω^) 「おー……、そうなのかお? ざんねんだおー」
- 87 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:19:42.11 ID:Ps90Oyq80
(゚ー゚トソン 「小さいお魚さんならいますよ。近くにちょっと小さいですが水族館もあるみたいですから、行ってみましょうか」
( ^ω^) 「すいぞっかん?」
(゚、゚トソン 「お魚さんの動物園のですよ」
(〃^ω^) 「おー! すいぞっかんすごいお! 行きたいお!」
ノハ*゚听) 「私も行きたいぞぉぉぉぉぉ!」
私達の話を聞いていたのか、いつの間にかヒートちゃんがそばに来て話に加わっていました。
貞子がいっしょに行こうね、と、ヒートちゃんの頭を撫でています。
ミセ;゚д゚)リ「「……」」ζ(゚д゚;ζ
ξ゚听)ξ 「……あんた達のやるべきことは?」
ミセ*;д;)リ「「テスト勉強ですぅー!!!」」ζ(;д;*ζ
やれやれ、ようやく2人とも状況を理解しましたか。
普段からそうやって真面目にやればいいんですけどね。
- 88 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:25:08.35 ID:ynl2T178O
ツンちゃんがこちらを向いてにっこり微笑みました。
ツンちゃんもデレといっしょに行きたいでしょうからね。
私は自然と笑顔になっていたのかもしれません。
(〃^ω^) 「お? どうしたんだお? なんかいいことあったかお?」
(゚、゚トソン 「え? ……特別にはないですが、……多分、今はいつもの生活がいい事だらけなんですよ」
私は、そういってちょっと首をかしげていたブーンに微笑みかけます。
ブーンも私の顔を見て、にっこりと微笑みました。
(〃^ω^) 「お! ぼくもまいにち楽しいお! トソンやみんなといっしょでうれしいお!」
私はブーンの頭を優しく撫でました。この幸せが、ずっと続くことを願って。
(;^ω^) 「おー……、トソンの手、ちょっとネギくさいおー」
そう言えば冷麦用の薬味の葱を切ってる最中でしたね。
しかし、ブーンもムードの無い事を言いますね。そんなじゃモテませんよ?
- 90 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:27:50.05 ID:ynl2T178O
(゚、゚トソン 「はいはい、ご飯の用意しますから、向こうでデレ達の邪魔にならないように遊んでてくださいね」
(〃^ω^) 「うんお!」
ブーンはまた、来た時と同じ様にトテトテと走って行きました。
(゚ー゚トソン 「さて、お湯は沸きましたかね……」
・・・・
・・・
「「「「「「「いただきまーす(お)」」」」」」」
川д川ノハ*゚听)ミセ*゚∀゚)リξ゚听)ξζ(゚ー゚*ζ(^ω^ )(゚、゚トソン
(〃^ω^) 「おー! これ、おいしいお! おうどんかお?」
(゚、゚トソン 「うどんはうどんですが、一般的には冷麦と呼ばれますね」
ちょっとだけ太さが小さいのです、と説明しました。
さらに細いと素麺にになりますが、今はそこまで話す必要はないでしょう。
- 93 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:29:17.41 ID:ynl2T178O
ξ゚听)ξ 「ふーん。よく知ってるわね」
ミセ*゚ー゚)リ 「トソンは時々変なこと詳しいよね。ぶっちゃけ無駄知識と言うか」
無駄は失礼ですね。知っていて無駄な知識はないといいますのに。
知っていればこそ、その知識を使うか使わないかの選択が出来、知らなければ使わないという選択しか出来ません。
まあ、知らない方が気が楽ということも多々ありますがね。
ζ(´へ`*ζ 「あー、おいしいなー……」
ノパ听) 「どうしたデレぇぇぇぇ! 顔がしょんぼりしてるぞぉぉぉぉ!」
ζ(´д`*ζ 「このおいしいご飯食べ終わったら、またべんきょー……」
ミセ;゚д゚)リ 「ええい、今は勉強の話は禁止だぁーっ!」
(〃^ω^) 「ひやむぎおいしいお! ご飯食べたらぼくも勉強するお! デレもがんばるお!」
ζ(´∀`*ζ 「ブーンちゃんやさしー。だーい好き!」
(;^ω^) 「おー……、ご飯食べてるとき抱きついちゃダメだお。こぼれるお」
- 95 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:31:03.10 ID:ynl2T178O
ノハ*゚听) 「うまいぞぉぉぉぉ!!!」
ξ゚听)ξ 「うるさい! 黙って食べなさいよ」
ミセ*゚ー゚)リ 「これ何? あんま食べたこと無い味だけど?」
川ー川 「これは蕗の煮物だよ。一旦帰った時に持ってきてたの」
ミセ*゚д゚)リ 「蕗ってあのフキかー。ふーん、こんな味なんだ」
(゚〜゚トソン ツルツルツル
ξ;゚听)ξ 「何でそんな黙々と食べてんのよ」
(゚、゚*トソン 「この葱とワサビのほのかに絡んだ味と香りが好きなんですよ」
川*д川 「あー、私も好きだな。葱の食感もいいしね」
ζ(゚ー゚*ζ 「おかわりー」
ξ;゚听)ξ 「あんた、もそもそ食べてた割には早いわね」
- 96 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:32:28.40 ID:ynl2T178O
ノパ听) 「私がついでくるぞぉぉぉぉぉ!」
ζ(゚ー゚*ζ 「ありがと、ヒートちゃん──って、多い多い!」
(〃^ω^) 「お! ぼくが半分もらうお!」
ミセ*゚ー゚)リ 「このそぼろ美味いな! ご飯が進みすぎる。 ブーンちゃん、これご飯に乗せるとすごい美味いよ」
(〃^ω^) 「お! くださいお!」
(゚〜゚トソン ツルツルツル
ξ;゚听)ξ 「あんたが誰にも突っ込まないと何か場が混沌とするわね……」
川*д川 「美味しい……」
ζ(゚ー゚*ζ 「はい、ツンちゃん。ツンちゃんもいっぱい食べようね」
ξ*゚听)ξ 「わざわざ取ってもらわなくても自分で取れるわよ。……まあ、ありがと」
ミセ*゚∀゚)リ 「うめー!」
(〃^ω^) 「おいしいお!」
- 98 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:34:08.06 ID:ynl2T178O
- ・・・・
・・・
「「「「「「「ごちそうさまでした(お)」」」」」」」
川*д川ノハ*゚听)ミセ*゚∀゚)リξ*゚听)ξζ(´∀`*ζ(^ω^〃)(゚、゚*トソン
・・・・
・・・
ミセ*゚ー゚)リ 「うし! 終わったー!」
ζ(´ー`*ζ 「終わったぁー」
明けて翌日、テストは問題無く終了。デレとミセリも、昨夜は結構真面目にやってはいましたので、
今日のテストはそれなりに手ごたえがあったようです。
(゚、゚トソン 「その様子だと、追試の心配はせずとも良さそうですか?」
ミセ*゚ー゚)リb 「ばっち」
dζ(゚ー゚*ζ 「ぐー」
川д川 「そりゃ良かったねー」
結局昨夜は、私も貞子も付きっ切りで2人に勉強を教えましたからね。これでダメだったら報われないものがあります。
- 99 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:35:36.45 ID:ynl2T178O
明日は明後日は休日で、週明けからまたテストです。
今日は特に誰かの部屋に集まるということをせず、大人しく帰ることにしました。
ミセリは何故か貞子に付いていきましたが。貞子も別に迷惑そうにはしていなかったのでいいんでしょうね。
・・・・
・・・
デレと2人で歩く帰り道、大学に通い始めてからは当たり前になった光景です。
私よりは少し歩みの遅いデレに、自然とペースを合わせる事も、身体が覚えてしまいました。
ζ(゚ー゚*ζ 「ちょっと考えてたんだけどさー」
(゚、゚トソン 「何をですか?」
いつものようにたわいもない会話をしながらの下校中。
デレは、いつもの調子で話題を切り出しました。
ζ(゚ー゚*ζ 「ペニサスさんの試作品」
(゚、゚;トソン 「あれですか……。あれが何か?」
- 103 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:39:54.37 ID:ynl2T178O
あのペニサスさんの様子だと、再度試作するようでしたね。
また試食を頼むというような事も言われましたし。
ζ(゚ー゚*ζ 「また作るのかな?」
(゚、゚;トソン 「十中八九は」
次回はそれなりに心構えも出来ますから、まだ被害も少ないかもしれませんが、正直なところ、かなり厳しいものがあります。
しばらくはミセリかブーンを連れて、ペニサスさんの所へお伺いしましょうかね。
ζ(゚ー゚*ζ 「だよねー」
(゚、゚トソン 「張り切っておられた様に見えましたし」
ζ(゚ー゚*ζ 「ペニサスさん、ショボンさんと仲いいんだよね?」
(゚、゚トソン 「ショボンさんはペニサスさんが中学生ぐらいの頃から知っていると仰られてましたが」
ζ(゚ー゚*ζ 「だったらさ、製作協力とかできないのかな?」
私は足を止め、デレの顔をまじまじと見ました。
そんな私の様子に、デレも足を止め、こちらを見ながら首を傾げました。
- 104 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:41:30.30 ID:ynl2T178O
(゚、゚トソン 「それは思い付きませんでした。正直、ナイスアイデアかと」
ζ(゚ー゚*ζ 「でしょ? ショボンさん、甘さの使い分けが上手いしさ」
(゚、゚トソン 「ええ、洋菓子も一応は作れるとも仰られてましたし」
ζ(゚ぺ*ζ 「問題は、ショボンさん、お店1人だし忙しそうなんだよねー」
良いアイデアだと思います、本当に。
ペニサスさんもお1人で作られるよりは、本職の意見も取り入れた方が良いものが出来るのはお分かりでしょうし。
ショボンさんのお時間の件にしても、多分大丈夫だと思います。
私は、そうデレに伝えました。
ζ(゚ー゚*ζ 「え? 何でそんなこと言い切れるの?」
(゚、゚トソン 「そうですね、上手く言えませんが、その、女の勘……のようなものです」
ζ(´へ`;ζ 「それは当てにならんなぁ……」
(゚д゚;トソン 「何ですと!?」
- 108 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:43:41.31 ID:ynl2T178O
さらりと私の言葉を全否定するデレ。
発言の撤回を求めようとするも、無情にもマンションに到着。
話はまた後日、ということで今日は別れました。
ζ(゚ー゚*ζ 「あはは、そんじゃまたねー」
(゚、゚;トソン 「色々と納得いきませんが、では、また」
・・・・
・・・
(゚、゚トソン 「ん?」
デレと別れ、自分の部屋の鍵を開けようとして、扉の郵便受けに挟まれているものに気付きました。
見たところ紙の束のようですが……。
(゚、゚トソン 「またブーンでしょうか……」
私は、紙束を郵便受けから引き抜き、鍵を開け、部屋に入りました。
- 109 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:45:12.80 ID:ynl2T178O
ガチャ
(゚、゚トソン 「ただいま」
(〃^ω^) 「おかえりーだお!」
(゚、゚トソン 「ブーンはいるんですね」
(;^ω^) 「お……? いるお?」
私は、紙束をキッチンのテーブルに置き、部屋儀に着替えながらブーンに話しかけました。
(゚、゚トソン 「今日は何をして遊んでたんですか?」
(〃^ω^) 「お! みんなで公園でブーンってしたお! いっぱい遊んだお!」
(゚ー゚トソン 「そうですか。それは良かった」
今日あった事を楽しそうにお話してくれるブーン。
もう、日課のようなものですが、楽しそうに話すブーンを見ていると、自然と心が安らぎます。
ヾ(〃^ω^)ノ 「そんで、ワカッテマスがズデーンってころんだんだお! ワカッテマスは頭はいいけど、足がちょっと遅いお」
(゚、゚;トソン 「ケガはしませんでしたかね? 人間、得手不得手があるのですから、あんまり運動苦手な子に無茶させちゃダメですよ?」
まあ、ツンちゃんもいっしょだったなら大丈夫でしょうし、ワカッテマス君自身もしっかりしてますしね。
- 110 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:45:28.99 ID:Ps90Oyq80
(〃^ω^) 「お。ちゃんところんだワカッテマスをおこしたお!」
(゚ー゚トソン 「そうですか。偉いですね」
(〃^ω^) 「お友だちは大切にだお!」
私は着替え終わり、晩ご飯の支度をしにキッチンに入りました。
ブーンにコーヒーを淹れてくれる様に頼んで、先程置いた紙束を手に取ります。
(゚、゚トソン 「ん? 手紙? ペニサスさんから?」
「やっほー、ペニサスだよー
旅行の日取り、こんな感じでどうかな?
取り敢えず、電話してみたら、向こうも大歓迎な雰囲気でさ、すぐ決まっちゃったから
調子に乗ってこんなの作ってみた。
日程自体は後ろにシフトは可能。
読んだらみんなと相談してこれでいいかどうか教えてね。
あなたのペニサスお姉さまより
P.S. こういうのって、同居人の子が喜んだりするかなーと思ってねd('、`*川
- 113 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:47:02.45 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚;トソン 「あなたのって何ですか……」
私は、いっしょに括られてたもう1つの紙片、こちらは何枚かがステープラーで止められていましたが、
それを開いてみました。
(〃^ω^)つU~ 「はい、コーヒーだお。 ……お? それなんだお? ……しおり?」
(゚ー゚トソン 「ペニサスさん……」
もう1つの方の紙片に書かれてていたのは、
(゚、゚トソン 「これは、旅行のしおり、と読むのですよ」
( ^ω^) 「おー? りょこうのしおり?」
(゚、゚トソン 「ええ」
(〃^ω^) 「りょこうはわかるお! 今度海に行くことだお!」
(゚、゚トソン 「そうですね。遠くに出かけることは大体旅行といいます」
以前に行った、動物園へのお出かけ等も旅行ですね、と説明すると、ブーンはおー! おー!
と納得がいった様にうなっています。
- 114 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:47:59.97 ID:Ps90Oyq80
(;^ω^) 「でも、しおりはわからんおー。おでかけの何だお?」
(゚、゚トソン 「しおりというのはですね、いくつか意味があるのですが、これは案内、旅行でのルールや日程が書かれてるものですよ」
そのまま説明したら、多少言葉が難しくなったので、少しずつ、言葉の意味を砕きながらブーンに説明します。
(〃^ω^) 「お! わかったお! これを見て、お出かけのお勉強するんだおね?」
(゚ー゚トソン 「まあ、そんな感じですね」
早速見せてくれとせがむブーンに手渡そうとして、瞬時に思い止まりました。
一応、自分で中をチェックしておかないと、ペニサスさんのことですから軽く不安があります。
ブーンに悪影響が出そうな事が書いてないといいのですが。
(〃^ω^)ソワソワ
(゚、゚トソン 「……」
読み始めてすぐ、そういった考えが杞憂だと思い知らされました。
平仮名を多用した平易で読みやすい文章。内容自体も目的地近辺の紹介など、私が見てもなかなか面白い内容です。
所々に描かれている、上手とは言えないながらも味のあるイラスト。
どれも子供向きで、このままブーンに読ませても問題のない、しおりでした。
- 116 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:49:35.61 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「はい、どうぞ」
(〃^ω^) 「お!」
(゚、゚トソン 「ツンちゃん達にも読ませてあげたいから破いたりしちゃダメですよ?」
(〃^ω^) 「わかってるお! ご本は大事に読むものだお!」
私は、ブーンに旅行のしおり渡し、晩ご飯の支度にかかりました。
手馴れた感じで作られた旅行のしおり。これが指し示す事実は……。
(-、-トソン 「無粋な詮索ですね。今はただ、ペニサスさんに感謝しましょう」
私は、思い浮かんだ小汚い顔を振り払い、料理に専念する事にしました。
しかし、まな板を取り出し、材料を吟味しようとした時点である事に気付きます。
(゚、゚;トソン 「……献立を全く考えていませんでしたね」
(〃^ω^) 「トソーン! すいぞっかんが書いてあるお! ほら、ここだお!」
(゚ー゚トソン 「どこですか? ……ああ、ホントに。これなら歩いていけそうですね」
- 117 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:49:56.85 ID:Ps90Oyq80
(〃^ω^) 「お! 行けるお! 行きたいお!」
(゚ー゚トソン 「ええ、行きましょうね」
(〃^ω^) 「うんお!」
無邪気に笑うブーンを見て、旅行のしおりを自分で作りたくなるのもわかる気がしました。
あの人の無邪気な笑顔なんて思い浮かびませんが。
(〃^ω^) 「りょこう、楽しみだお!」
(゚ー゚トソン 「私もですよ」
私はブーンの頭を撫でながら、自分が感じたままの答えを返していました。
〜 第五話 おしまい 〜
− つづく −
- 119 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:53:21.66 ID:Ps90Oyq80
〜 ( ^ω^)の日記 〜
7がつ×日 はれ
きょうも、おそとでいっぱいあそんだお。
お日さまがちょっとあついけど、こうえんであそぶのたのしいお。
ブーンってしてたらワカッテマスがころんだけど、みんなでおこしてあげたお。
ワカッテマスはありがとう、っていったお。みんなでわらったお。
おうちにかえったら、トソンからおもしろいご本もらったお。
りょこうのしおりっていうんだお。
うみのこととか、うみのおうちとか、すいぞっかんとかかいてあったお。
おもしろそうだお。はやくいきたいお。
みんなでりょこう、たのしみだお。
- 120 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:53:49.67 ID:Ps90Oyq80
〜 (゚、゚トソンの日記 〜
大変だったテストも、そろそろ終わりそうです。
大変だったのは、主に自分のことが主原因でないのが少々恨めしいですが、
何はともあれ、全員合格出来そうだと思っております。
そして旅行です。
ミセリの言った何気ない一言から、あれよという間に海への一週間もの旅行が決まってしまいました。
人の縁というのは不思議なもので、かつ、とても暖かいものですね。
こちらへ来てまだ数ヶ月、それほど長い付き合いなわけでもない私達に、色々と慮ってくれる
ペニサスさんやショボンさんには、ただただ感謝の言葉しかありません。
しかし、ショボンさんとペニサスさんですか……。
昔馴染みのお知り合いらしいですが、それぞれが抱いている感情はどんなものでしょう?
私の、デレ曰く当てにならない女の勘だと、ショボンさんはペニサスさんに、
ある種の思慕を抱いてるのではと推測されましたが。
ペニサスさんはどうなのでしょうね?
- 121 :◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:54:13.33 ID:Ps90Oyq80
ここまで書いて気付きましたが、ひょっとしてブーン達が見えるショボンさんは、以前、ペニサスさんと
いっしょにいたかもしれない夢見も見てるかもしれませんね。
しかし、この件はどうしましょう。
ペニサスさんご本人は触れて欲しくなさそうな話題ですしね。
勝手にショボンさんから聞いていいものやら。
あの旅行のしおりは、いえ、旅行のしおりを書くという発想自体、色々と推測できる事があります。
しおり自体も、意外と言っては失礼かもしれませんが、子供向きを想定された読みやすい中身でしたし。
この件、興味本位だけなら触れずにおきたいですが、ブーンの夢の事も考えると、
なるべく知っておきたいこともあるんですよね。
(-、-;トソン 「でもこのしおり、過去にホントにあの人向けに書かれたんですかね……」
− 第十一章 テストと私と旅行のしおり おしまい −
− 夢は次章へつづきます −
- 125 :お題:みんなのバストサイズ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:55:36.45 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「水着? そのくらいはありますが……何故そんなに怯えながら聞くのですか?」
ζ(゚ー゚;ζ 「え、い、いや、持ってるならいいんだよ。ないなら買いに行かなきゃって思ったから」
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、サイズ的には変わらな──何でもないです、ごめんなさい」
川д川 「私は買わなきゃないな……」
ミセ*゚ー゚)リ 「貞ちゃん、意外とあるもんね。未だ成長期?」
川//、/川 「そ、そんなんじゃないけど、まあ、高校の時よりは」
ζ(゚ー゚;ζ 「私も買わないと、その──」
ξ(/、//*ξ 「入らなかったから……」
ミセ;゚д゚)リ 「貴様もまだ成長期か!?」
(゚、゚トソン 「まあ、旅行に間に合う様に買ってくればよろしいかと」
ミセ*゚ー゚)リb 「せっかくだから、みんなで行こうぜ?」
- 126 :みんなのバストサイズ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 22:56:12.21 ID:Ps90Oyq80
ζ(゚ー゚;ζ 「そ、それはトソンちゃんがかわいそうだよ!」
川;д川 「軽くいじめだよ!」
( 、
トソン 「ほほぅ……」
・・・・
・・・
川メд川ミセメ゚д゚)リ「「「すみません、失言でした!!!」」」ζ(゚д゚メζ
(゚、゚トソン 「別に買い物に付き合う分には構いませんよ。そういう物は個体差がありますので、気にしてませんし」
ζ(゚ー゚;ζ (気に……してない……?)
ミセ*゚ー゚)リ 「おお、太っ腹なご意見。胸は太くな──」
(゚ー゚トソン
川;д川((何で学習しないんだろ……))ζ(゚ー゚;ζ
・・・・
・・・
- 129 :みんなのバストサイズ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:00:08.01 ID:ynl2T178O
ζ(゚ー゚*ζ 「トソンちゃんは、ホントに買わなくていいの?」
川д川 「サイズ云々は置いておいて、ファッションとして考えてもね」
(゚、゚トソン 「別に泳ぐだけですから。授業の時使ってたやつで十分でしょう」
ζ(゚−゚*ζ 「じゅ……?」
川−川 「ぎょう……?」
ミセメ゚д゚)リ 「いや、それはアウトだろ!」
(゚、゚トソン 「名札は外してありますが」
ζ(゚ー゚;ζ 「うん、でも、アウトかなー……(似合いそうだけど)」
川;д川 「いっしょに買いに行きましょう」
(゚、゚;トソン 「だ、ダメですかね?」
ミセ;゚ー゚)リ 「うーん、正直勘弁願いたいかなー」
- 131 :みんなのバストサイズ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:01:58.96 ID:ynl2T178O
(゚、゚;トソン 「面倒ですね……。わかりました、買い換えましょうか」
ζ(^ー^*ζ 「そうしよっ? かわいいの選んだげるから」
(゚、゚;トソン 「お手柔らかにお願いします」
ミセ*゚ー゚)リ 「まあ、どうせ平らだから、シャツとかでも良さそうなんだけどね」
(゚、゚;トソン 「……常々思っていましたがデレと貞子にならまだしも、ミセリに言われるほど差はないかと思いますが?」
ミセ*゚ー゚)リ 「んー? そうかなー? ちぃーっと触ってみ?」
(゚、゚;トソン 「な──!? ……わ、わかりました」
)⊂(゚、゚;トソン ソッ
ミセ*゚ー゚)リ
)⊂(゚、゚;トソン !!!
ミセ*゚ー゚)リ
)⊂( 、 ;トソン
- 134 :みんなのバストサイズ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:02:56.26 ID:ynl2T178O
ミセ*゚ー゚)リ 「フッフッフ、己が無力さを思い知ったか」
( 、 ;;トソン
川;д川 (ああ、負けを理解したんだ……)
ζ(゚ー゚;ζ (トソンちゃんがミセリちゃんにやり込められてるの、初めて見た気がする……)
ミセ*゚ー゚)リ ( 、 ;;トソン
− みんなのバストサイズ おしまい −
- 145 :ツンと近所のネコ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:15:57.82 ID:Ps90Oyq80
< ホワイトVIP裏手 >
ξ゚听)ξ 「よっと……」
∧ ∧
( ・∀・) モニャラー
∧∧
( ∵) ……
.∧∧
(=゚ω゚)ノ ニャーョウ
ξ゚听)ξ 「ん、全員揃ってんのね。久しぶり」
( ・∀・) モニャラー
ξ゚听)ξ 「はいはい、待ちなさいな」
( ∵) ……
ξ゚听)ξ 「物欲しそうな目で見ない。もっと野生の矜持を持ちなさいよ」
- 147 :ツンと近所のネコ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:17:20.21 ID:Ps90Oyq80
(=゚ω゚)ノ ニャーョウ
ξ゚听)ξ 「ほら、お食べ」
(*・∀・) モニャラー
(*∵) ……
(*゚ω゚)ノ ニャーョウ
ξ゚ー゚)ξ 「フフ……」
.∧∧
(,,゚Д゚) ナーゴルァ
ξ゚听)ξ 「ん? あんた、見ない顔ね?」
ξ゚听)ξ 「他所者かしら? ……随分とまあ、薄汚いわね」
(,,゚Д゚) ナーゴルァ
ξ゚听)ξ 「水浴びぐらいしなさいよ。ほら、あんたにもこれあげるから」
プイッ
(゚Д゚,,) ナーゴルァ
- 148 :ツンと近所のネコ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:17:53.68 ID:Ps90Oyq80
ξ゚听)ξ 「何、あんた? 他人の施しは受けないタイプ?」
ξ゚听)ξ 「なかなか見所あるじゃない」
(゚Д゚,,) ナーゴルァ
ξ゚听)ξつ ソッ
ξ゚听)ξ 「んじゃ、アタシは行くから」
トコトコトコ
(,,゚Д゚) ξ゚听)ξ
(,,゚Д゚) ……
(,,゚Д゚) ……ナー……ゴルァ
(,,゚Д゚) パクパク
ξ゚ー゚)ξ 「フフフ……」
(゚、゚*トソン
- 150 :ツンと近所のネコ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:20:48.51 ID:Ps90Oyq80
ξ;゚听)ξそ 「ト、トソン!? あんた何で!? ど、どこから見て──」
d(゚、゚*トソン 「“全員揃ってんのね。久しぶり”、辺りからでしょうか」
ξ;゚听)ξ 「ほとんど初めからじゃないのよ! 隠れてないで出てきなさいよ!」
(゚、゚トソン 「私が出て行ったら、皆さん逃げて行かれる可能性もありましたしね」
ξ;゚听)ξ 「あの3匹なら大丈夫よ。アタシといっしょなら」
(゚、゚トソン 「それは残念な事をしました。しかし……、優しいですね、ツンちゃんは」
ξ///)ξ 「あ、あんたね……」
(゚、゚トソン 「わかってます。デレには内緒にしておきます」
ξ///)ξ 「ん……。他の奴らにも──」
(゚ー゚トソン 「ええ」
ξ;゚听)ξ 「全く……。見られてたとはアタシとしたことが……」
- 151 :ツンと近所のネコ◆iW2kGg44LU:2008/11/27(木) 23:21:12.20 ID:Ps90Oyq80
(゚、゚トソン 「別に隠す事でもない気はしますがね」
ξ゚听)ξ 「うるさいわね。いいでしょうが、別に──」
(,,゚Д゚) ナーゴルァ
彡 サッ
ξ゚听)ξ 「あ……」
(゚、゚トソン 「……今のはお礼でしょうね、きっと」
ξ゚听)ξ 「……」
ξ゚ー゚)ξ 「愛想の無い猫ね……」
− ツンと近所のネコ おしまい −
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