- 111 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:42:26 ID:x2mVuTHI0
あの日から二週間が過ぎた。
あの同窓会の日、お酒を飲みすぎた僕は、いつの間にかあの場で眠ってしまっていた。
同窓会が終わり、ジョルジュに起こされた時には既に彼女の姿はなく、あの話はあそこで終ってしまった。
酔っていたから全てを覚えているわけではないが、今思えば何とも不思議な話だったと思う。
彼女との話は一見無駄ばかりな様で、その実やっぱり無駄ばかりだったとも思うが、
それでも何故か僕の中に残ってしまっている。
その理由はわからない。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第二章
.
- 112 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:50:36 ID:x2mVuTHI0
- _
( ゚∀゚)「オッス、オラジョルジュ。お前がナンバーワンだ」
( ^ω^)「こんにちはですお、オラジョルジュさん。後半キャラちげえお」
季節は変わり秋の初め、いつものように前触れなくジョルジュが僕の部屋を訪ねて来た。
ジョルジュがこの部屋に来るのは、あの同窓以来初めてだ。
ここしばらくは後期授業の始まりとかで色々忙しかったとジョルジュは弁明する。
( ^ω^)「別に僕の事は気にする必要ないお」
_
( ゚∀゚)「まあそう言うなよ。お前だって、俺が来なくて寂しかっただろ?」
( ^ω^)「全く」
_
( ゚∀゚)「つめてえ。友達が容赦なくつめてえ」
二週間ぐらい間が空いた所で、特に思う所はない。
そのくらいで僕とジョルジュの関係は劇的に変わるものではないから。
- 113 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:56:11 ID:x2mVuTHI0
ジョルジュが言う所の友だちというものなら、そういう物ではないだろうか。
_
( ゚∀゚)「しかし、内藤さん、外はすっかり秋めいてますよ」
_
( ゚∀゚)「こういう穏やかな日は、のんびりと外を散歩したりなんかするのがいいと思いませんかね?」
( ^ω^)「んなわけねえお。まだ残暑が厳しい盛りだお」
暦の上では秋ではあるが、まだ三十度を越す暑い日が続いていると天気予報では言っていた。
いつものボケにしては随分と杜撰だが、ジョルジュの意図は何となくわかる。
( ^ω^)「別に僕は外に出るのが怖いとかいうわけじゃないお」
( ^ω^)「用がある時はちゃんと出るから変な気回すなお」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、コンビにでパン買って来て。焼きそばパンな」
( ^ω^)「酢昆布で我慢しろお」
ジョルジュは引き篭もりである僕を、外に連れ出したいだけなのだ。
味を占めたという言い方も変ではあるが、あの同窓会に僕が出た事がよっぽどお気に召したとみえる。
いつもながら色々と気を揉ませてしまって申し訳ないと思う。
- 114 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:02:13 ID:x2mVuTHI0
そうそう、申し訳ないと言えばもう一つあった。
( ^ω^)「そういえばジョルジュ、こないだは悪かったお」
_
( ゚∀゚)「こないだ?」
( ^ω^)「同窓会で、結局酔っ払った僕に付き合わせて途中で抜けさせちゃった事だお」
_
( ゚∀゚)「ああ、別にいいさ」
もう終わりの時間だったから気にするなとジョルジュは言う。
確かに同窓会自体は終わりの時間ではあったのだが、あの後二次会もあったのだ。
当然、ジョルジュはそれに誘われていたはずだ。
それが僕の所為で参加出来なくなってしまった。
_
( ゚∀゚)「だから気にすんなって。俺、カラオケ苦手だし」
ジョルジュは自分が言う様に歌は上手くない。
けれど、カラオケが苦手というのどうであろうか。
- 115 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:08:35 ID:x2mVuTHI0
ああいった賑やかな空気は嫌いではないはずだ。
それも久しぶりに会った友人達と一緒なのだ。
きっと参加したかっただろう。
_
( ゚∀゚)「それよっか、俺こそ悪かったな。結局、一緒に飲めなくてさ」
( ^ω^)「それこそ気にすんなお」
_
( ゚∀゚)「いやあ、あいつら無駄にテンション高くてな」
_
( ゚∀゚)「絡むは泣くは踊るはで、抜け出せなくってさ」
( ^ω^)「楽しそうで何よりだお」
なおも謝るジョルジュに、僕は大きく首を振って見せ、気にしてない事を繰り返した。
遠慮とか拗ねている訳ではなく、それこそが僕の望む展開だったのだから望み通りだ。
_
( ゚∀゚)「……うーん、どうだったんだろうな」
( ^ω^)「お? つまらなくはなかったお?」
- 116 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:16:02 ID:x2mVuTHI0
ジョルジュは珍しく神妙な顔で首を捻る。
時々盗み見ていたジョルジュの様子はつまらなさそうには見えなかったと思うのだが、
どうも僕に気を使っているという風でもなく、本気で何か疑問を抱いているようだ。
_
( ゚∀゚)「そりゃまあ、楽しくなかったとは言わないけど、何か違和感もあったんだよな」
( ^ω^)「違和感? どんなだお?」
_
( ゚∀゚)「いや、違和感って言うほどの物もない、些細な事なんだけどさ」
_
( ゚∀゚)「やっぱ皆、どこかしら変わってんだよな、当たり前だけど」
( ^ω^)「そりゃ小学生と大学生ぐらいじゃだいぶ違うお」
_
( ゚∀゚)「まあ、そうなんだけどさ」
_
( ゚∀゚)「やっぱ昔知ってた顔が前提にあるからかな」
_
( ゚∀゚)「あれ、こいつこんな事言うやつだっけ、とか」
_
( ゚∀゚)「細かいとこが気になってね」
- 117 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:23:04 ID:x2mVuTHI0
( ^ω^)「意外に小心者ですね、オラジョルジュさん」
_
( ゚∀゚)「繊細といえ、繊細と。俺は意外とナイーブなんだよ」
( ^ω^)「自分で意外と言う時点でよくわかってるじゃねえかお」
茶化しはしたが、ジョルジュが言う事もわからなくはない。
隣に座った人の顔や名前すら思い出さなかった僕は、違和感どころの騒ぎじゃなかったのだし。
_
( ゚∀゚)「そういやお前、案外楽しめてたみたいだな」
_
( ゚∀゚)「誰かは知らんが、いい雰囲気だったじゃねえか?」
( ^ω^)「あれがいい雰囲気だったとは断じて思い難いお」
( ^ω^)「……って、あれ? ジョルジュもあの子の事、わからなかったのかお?」
_
( ゚∀゚)「ああ、わからなかったな」
( ^ω^)「へー、ジョルジュもかお」
_
( ゚∀゚)「んー、あんなかわいい子、子供の頃もかわいかったはずだから忘れ様はないとは思ったんだが」
- 118 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:32:14 ID:x2mVuTHI0
ジョルジュの言葉に、僕は彼女の容姿を思い出す。
セミロングの黒髪に、細い切れ長の眼。
何となく眠そうというか気怠そうな印象も受けはしたが、確かに全体的に見て美人の部類に入ったのだろう。
人見知りの僕が、そんな彼女と物怖じせずに話せた事は、今考えると意外なことだ。
_
( ゚∀゚)「で、あの子なんて名前だったの?」
ジョルジュの興味津々とした目が僕を覗き込む。
( ^ω^)「1 素直シュールさんだお
2 須藤シャーミンさんだお
3 キャサリン・セント・ジョーンズさんだお
4 えっと……あれ……なんて名前だっけ? 」
安価
>>119
- 119 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:47:44 ID:tEsX4IRk0
- 4
- 140 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:19:12 ID:9KN/jPlA0
( ^ω^)「えっと……あれ……なんて名前だっけ?」
_
( ゚∀゚)「おいおい、ボケるにはまだ早い年だろ?」
( ^ω^)「うるせーお、ちょっとド忘れした……」
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「ん? どうした?」
( ^ω^)「……あれ、ホントに思い出せねえお」
_
( ゚∀゚)「何だよ、それwww」
_
( ゚∀゚)「まさか、かわい子ちゃんの前で舞い上がっちゃって、何話したか全く覚えてないってオチか?」
そんなはずはない。
確かにちょっと雰囲気に飲まれはしたが、そんな浮き足立っていた覚えはなかった。
それに、何を話したかはちゃんと覚えている。
- 141 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:24:39 ID:9KN/jPlA0
( ^ω^)「いきなり話しかけられて……手羽先……昔の話をして、でも覚えてなくて……」
_
( ゚∀゚)「あ? 話の中身は事は覚えてるのか?」
( ^ω^)「自己紹介して……脱線して……ジョルジュが使えなくて……」
_
( ゚∀゚)「名前も聞いたと。つーか、使えないって何だよ」
僕は口を挟んで来るジョルジュを無視し、あの場で彼女と話した内容を頭から上げて行く。
自分に言い聞かせるよう、口に出して。
( ^ω^)「近況を話して……酔って……彼女もニートで……選ばれし者で……そして……」
_
( ゚∀゚)「そして?」
( ^ω^)「僕が魔王だお」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
- 142 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:30:35 ID:9KN/jPlA0
- _
( ゚∀゚)「な……」
( ^ω^)「……」
_
( ;∀;)「なんだそりゃwwww」
_
( ;∀;)「選ばれし者にwww魔王wwwwって」
最後まで話の道筋を辿った僕に、笑いを抑えきれず、腹を抱えて転げ回るジョルジュ。
その反応はまあ、仕方がないものかもしれない。
酒宴の席の片隅で、何を熱心に話しているかと思えば、何とも痛々しい厨二話だ。
僕だって自分で話してて、馬鹿らしいと笑い飛ばしたくなる内容だと思う。
しかし、僕は全く笑えない。
( ^ω^)「実際、そんな感じの話をしてたお」
( ^ω^)「酔って寝てたけど、ちゃんと話した内容は覚えてるみたいだお」
- 143 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:37:39 ID:9KN/jPlA0
- _
( ;∀;)「まあ、こんな馬鹿みたいな話、忘れたくてもなかなか忘れられねえよwww」
( ^ω^)「僕もそう思うお。」
( ^ω^)「……でも一つだけ、思い出せない事があるお」
_
( ;∀;)「何だよ、魔王様のソウルネームか?www」
( ^ω^)「近いお」
_
( ;∀;)「あ?」
( ^ω^)「魔王じゃなくて、選ばれし者の……彼女の名前だお」
_
( ゚∀゚)「……」
僕の言葉に、ぴたりと笑うのを止めたジョルジュは、僕の顔をじっと見詰める。
_
( ゚∀゚)「話のインパクトが強すぎて、忘れちまったんじゃねえの?」
人見知りの僕が、親しくもない人の名前をまともに呼べたとは思えないし、とジョルジュは続ける。
- 144 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:44:33 ID:9KN/jPlA0
( ^ω^)「いや、何回かは名前で呼んだ覚えはあるお」
今になって思えば、それも不思議なことかもしれない。
ジョルジュが言う様に、僕の性格を考えれば、僕の中では初対面の、
それも女性を気軽に名前で呼ぶというのは想像出来ない。
精々呼べて名字止まりではないだろうか。
( ^ω^)「やっぱり変だお……」
_
( ゚∀゚)「本当に名前聞いたのか?」
_
( ゚∀゚)「向こうはお前の事知ってて、お前は忘れてたから適当に話を合わせたとかじゃないのか?」
( ^ω^)「いや、確かに聞いたお」
その事は覚えている。
そして自分が彼女の事を名前で呼んだ事も。
だのに何故……
- 145 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:49:25 ID:9KN/jPlA0
( ^ω^)「何故、肝心の名前だけが思い出せないんだお?」
_
( ゚∀゚)「……あの時お前、酔っ払って寝ちまったから、それで忘れたんじゃないのか?」
( ^ω^)「彼女の名前だけを? それは不自然だお」
_
( ゚∀゚)「でも、実際に忘れてる」
酔った話だからそういう事もあるだろうと、ジョルジュは僕を諭すように言う。
先ほどまでの冗談めかした口調は微塵も感じられない。
恐らく僕は相当深刻な顔をしていたのだろう。
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「まあ、いいじゃねえか。久しぶりに外に出て、人と話して気疲れでもしたんだろうさ」
( ^ω^)「……かもしれんね」
どう見ても納得したと思えない返事をした僕に、ジョルジュは表情を曇らせる。
また余計な責任を感じているのだろうと気付いた僕は、ジョルジュにある頼み事をすることにした。
- 146 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:56:18 ID:9KN/jPlA0
( ^ω^)「ジョルジュ、同窓会の幹事の誰かに連絡取れるかお?」
_
( ゚∀゚)「その手があったか!」
ジョルジュは指をパチンと鳴らし、ズボンから携帯電話を取り出す。
その言葉だけで僕が何をして欲しいのか、すぐに察してくれたらしい。
こういう時はいっそ頼った方が、ジョルジュも気が晴れるだろうと考えての事だが、その目論見は奏功したようだ。
_
( ゚∀゚)「チッ、留守電か。……あー、ジョルジュです、至急、折り返し電話くんね?」
( ^ω^)「そんな急ぐ話でもないから、暇な時にでもって言っておけお」
_
( ゚∀゚)「いいんだよ、善は急げって言うし──って、お前、何やってんの?」
押入れの戸を開け、何かを探す僕の方にジョルジュが疑問を投げかける。
( ^ω^)「探し物だお」
電話が繋がったのか、更に続くであろうはずだったジョルジュの質問の言葉はない。
僕は乱雑に積み上げられた段ボールの箱の一つを取り出し、中身を確認する。
- 147 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:02:57 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「──で────いねえの?」
ガサゴソと物を漁る音でジョルジュの電話の内容はよく聞き取れないが、簡単にはわからないかもしれない。
( ^ω^)「この箱じゃないか」
箱の中に、目的の物は見当たらなかった。
自分で片付けたはずだが、どの箱だったかまるで思い当たらない。
面倒でも一つ一つ調べるしかないようだ。
僕は押入れから引っ張り出した段ボール箱を部屋の隅に押し流し、また別の段ボール箱を取り出す。
( ^ω^)「これは……中学の頃のものかお」
この箱でもない。
一応ざっと中を確認してみたが、やはりこの箱には入っていなかった。
再び段ボール箱を滑らせる様にして部屋の隅に押しやり、新たな段ボール箱を取り出す。
そんな作業を何度か繰り返した後、僕はようやく目的の物を探し出す事が出来た。
- 148 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:09:14 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「何探してたんだ?」
( ^ω^)「これだお」
_
( ゚∀゚)「卒業アルバムか。お前にしては冴えてるじゃねえか」
ジョルジュは一瞥しただけでそれが何なのか、すぐにわかったようだ。
受け取ってから一度も中を開いた事のない僕と違い、見慣れた物なのかもしれない。
( ^ω^)「そっちはどうだお?」
_
( ゚∀゚)「連絡待ちだな。何人かには連絡付いたんだが、肝心の出欠名簿持ったやつが捕まんなくてな」
( ^ω^)「じゃあ、まずはこっちから見てみるお」
_
( ゚∀゚)「おk」
僕は床の上にアルバムを置き、ページを開いた。
密閉されていた所為か、年月を経た割には真新しい本の匂いがした。
_
( ゚∀゚)「まずはクラス写真だな」
僕は頷き、パラパラとページを進める。
- 149 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:15:24 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「ここだここだ。どれどれ……」
( ^ω^)「……」
僕は無言で居並ぶ名前を目で追う。
人の顔を覚えるのが得意とはいえない僕の記憶では、写真はあまり参考にならない可能性が高い。
今と昔でどのくらい彼女が様変わりしているのかも定かではないし。
それならば恐らく聞いたはずの、彼女の名前を探す方が効率的だ。
写真は彼女の顔は見たジョルジュに任せることにする。
ずっと見ていたわけではないだろうけど、それでも僕よりはマシな気もする。
_
( ゚∀゚)「うーん……」
( ^ω^)「どうだお?」
時間にして、ゆうに五分はアルバムとにらめっこしていたが、どれもピンと来る名前ではない。
ジョルジュも同様らしく、僕の問いにゆっくりと首を振って返す。
_
( ゚∀゚)「おかしいな……同窓会なんだから、この中にいるはずなんだが……」
普通に考えればジョルジュの言う様に、この中の誰かのはずでなければならない。
小学校の、それもこのクラスの同窓会だったのだから。
_,
( ゚∀゚)「こいつは……違うよな……こいつ……も違うな……」
- 150 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:24:26 ID:kYfblMr20
( ^ω^)「……」
眉根を寄せ考え込むジョルジュを尻目に、僕は少し冷めて来ていた。
考えてみれば、もう二度と会うかどうかもわからない人の事を調べてもしょうがないのではないかと思い始めていたのだ。
不思議な体験ではあったが、これといって損も得もない話だ。
そこまでして考える必要もないのではないかと思う。
しかし同時に、心のどこかに引っかかりを覚えているのも事実だ。
それは久しく忘れていた、僕の心を支配する諦めの感情とは正反対の思い。
そんな相反する思いを摺合せ、僕はジョルジュに一つの提案をする事にした。
( ^ω^)「1 確かあの日、学年全部のクラスが同窓会やってたんだおね?
2 あの日、たまたま他の学校の同窓会が近くでやってたりとか……
3 天狗じゃ、天狗の仕業じゃ。
4 もういいお。 そんな事よりゲームでもやるお 」
安価
>>151
- 151 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:59:36 ID:ddD5GDi60
- 4
- 152 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 01:44:25 ID:kYfblMr20
( ^ω^)「もういいお。 そんな事よりゲームでもやるお」
僕はアルバムを閉じ、両手で持ち上げてジョルジュにそう伝えた。
_
( ゚∀゚)「おいおい、いいのか?」
( ^ω^)「別にいいお」
彼女の名前を知ったところで、今後二度と会わない可能性の方が高いと主張する。
_
( ゚∀゚)「そりゃそうかも知れないが、ぶっちゃけ、気になってんだろ?」
珍しく率先して卒業アルバムを探し出したりした事が、ジョルジュにそう判断させたのだろう。
実際、こんな不思議な事が気になっていないはずがないので、それは間違いではない。
( ^ω^)「そうだけど、それ以上に……」
_
( ゚∀゚)「それ以上に?」
( ^ω^)「めんどくさそう」
僕はそういうと同時に、卒業アルバムをベッドの上に放り投げた。
_
( ゚∀゚)「……まあ、否定はしないな」
- 155 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:26:33 ID:kYfblMr20
現状、最大の手がかりであった卒業アルバムからは何の手がかりも得られなかった。
この状態で、闇雲に調べた所で何かがわかるとは思い難い。
ジョルジュに僕の考えを説明し、ひとまず調査は切り上げようと提案した。
本当は終了しようと言いたかったのだが、電話してもらった件もあり、
その答えも聞かずに打ち切ってしまうのも申し訳のない話だ。
それに多分、めぼしい情報は出て来ないだろうという予感もあったから、
調査の終了を提案するのはその時でいいだろう。
( ^ω^)「じゃあ、ゲームでもやるお」
_
( ゚∀゚)「んー、お前の家、古くせえゲームしかないからな」
( ^ω^)「僕のコレクションにケチつけんなお」
_
( ゚∀゚)「ま、たまにはいいか」
どちらかといえばアウトドア派のジョルジュではあるが、僕に付き合う内にそこそこゲームの腕はあがっていた。
反面、インドア派でプレイ時間も長い僕は、ジョルジュとそう変わらぬ腕しかない。
この辺りが何でも卒なくこなすジョルジュと、何でも大して出来ない僕との明確な差なのだろう。
- 156 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:27:40 ID:kYfblMr20
人が何でも平等に生まれて来るものではない事はわかっているが、それを羨ましく思う事は賎しい事なのだろうか。
憧れを抱ける内はまだ健全なのだろうと僕は思う。
いつかそれが決して届かぬことに気付いて、全てを諦めしまう日が来るよりはいいのだと。
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ^ω^)「……何でもないお」
_
( ゚∀゚)「んじゃ、これやろうぜ」
そう言って僕のゲーム箱からジョルジュが取り出したのは……
1 超AAバスターズという冒険アクションゲームだった。
2 街頭歯車王という格闘ゲームだった。
3 牛姫さまというシューティングゲームだった
4 僕が見た事もない真っ黒なカートリッジだった。
安価
>>157
- 157 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 06:20:08 ID:oOydv7vMO
- 4
- 160 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:16:59 ID:UF/VPXxs0
そう言って僕のゲーム箱からジョルジュが取り出したのは、僕が見た事もない真っ黒なカートリッジだった。
( ^ω^)「……何だお、それ?」
_
( ゚∀゚)「何だって言われても、この中にあったんだからお前が知ってんじゃねえの?」
ジョルジュはゲーム箱を指差して言うが、僕にはそのカートリッジに見覚えはない。
僕はジョルジュからそれを受け取り観察してみる。
( ^ω^)「シールも何もないおね」
一度は貼ってあったのか、シールを剥がした後は残っている。
流石にそのわずかな破片から、これが何のゲームなのか判断する事は出来ない。
_
( ゚∀゚)「動かしてみた方が早いんじゃねえの?」
( ^ω^)「うーん……」
一応、僕の持つゲーム機に対応した端子は付いていたので動かす事は出来そうだ。
見た感じだいぶ古そうなので、動くかどうかは定かではないが。
- 161 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:23:12 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「やっぱり見覚えないんだおね」
_
( ゚∀゚)「忘れてるだけじゃね?」
さっきの話みたいに、とジョルジュは言う。
そう言われると返す言葉もないが、むしろさっきの話を前提に置くと、これがより一層奇妙なものに見えてくる。
( ^ω^)「何だかやな予感がするお」
_
( ゚∀゚)「やな予感ねえ……。確かに、お前が忘れてるんじゃなきゃ、これは怪しさ大爆発の逸品だな」
( ^ω^)「それか、ジョルジュが僕を引っ掛ける為にこっそり仕込んだか」
_
( ゚∀゚)「んな暇な事しねえよ」
( ^ω^)「僕もそう思うお」
わざわざ一世代前のゲーム機のソフトを買って来て、加工して持ち込むなんて手の込んだ事を、
ジョルジュがやるとも思えない。
他にこの部屋に入るのは親ぐらいだろうが、僕はほとんど部屋の中にいるし、仕込むのは難しいのではないだろうか。
そもそも親の線はジョルジュ以上にそれをやる意味がわからないし、考え難いと思う。
- 162 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:30:15 ID:UF/VPXxs0
ただ時間に関しては、二週間前に同窓会に出席してこの部屋を長時間空けた時もあるから、
仕込もうと思えばどうにか出来た可能性はある。
しかし、あれから何度かゲームはやってるから、ゲーム箱の中も見てはいる。
その時はこの謎のゲームの存在は確認していない。
と言っても、箱の中をじっくり確認したわけでもないから、ずっと箱の中に入っていたとしても気付かなかったかもしれない。
_
( ゚∀゚)「もう、スパッと立ち上げてみた方が早いだろ」
( ^ω^)「それでハードが壊れたら、ジョルジュが責任取ってくれるのかお?」
_
( ゚∀゚)「……うん、壊れたらやだな」
( ^ω^)「やだお。でも、ちょっと立ち上げてみたい僕もいるお」
ゲーム機本体を壊すようなプログラムを流すソフトなんて、コンシューマゲーム機では聞いた事もない。
CD等のディスクならまだしも、基板の入ったカートリッジソフトを個人が作るのはかなり難しいだろう。
そういった点を考えると、やはりただのシールが外れたソフトだと思うのが正しいのではないだろうか。
_
( ゚∀゚)「その辺はよくわかんねーけど、壊れる心配はなさそうって事か」
- 163 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:37:28 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「多分」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、点けて……」
( ^ω^)「まだ別の問題があるお」
_
( ゚∀゚)「何だよ?」
( ^ω^)「いつ、誰が、何の目的でこれを僕の部屋に置いたのかだお」
_
( ゚∀゚)「たまたま紛れ込んだ……なわきゃねえな」
偶然紛れ込むような事は当然考えられない。
となると誰かが持ち込んだことになるのだが、その誰かも思い当たらない。
( ^ω^)「ひょっとしたら誰も持ち込んでいない可能性もあるお」
_
( ゚∀゚)「何だそれ? まさかこのゲームが勝手にお前の部屋の中に入って来たとでも?」
( ^ω^)「そうだお」
_
( ゚∀゚)「……えっと、どういう事?」
- 164 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:45:13 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「こういう都市伝説を聞いた事はないかお?」
_
( ゚∀゚)「都市伝説?」
( ^ω^)「呪いのゲーム」
_
(;゚∀゚)「呪いの……ゲーム……?」
( ^ω^)b
ある日気付くと、いつの間にかそのゲームは部屋の中に落ちていた。
不審に思った部屋の住人だが、折角だからとそのゲームを起動させてみた。
しかし、画面には何も映らない。
壊れているのだろうと結論付け、ゲーム機の電源を切りカートリッジを抜こうとしたが抜けなかった。
どうにか抜こうと悪戦苦闘していると、突然部屋の電気が消え、辺りは闇に包まれた。
慌てふためく住人は、立ち上がり、電気のブレーカーの元に走ろうとするが、新たな異変に気付く。
電気が消えた部屋で何故か起動しているゲーム機。
そして……
- 165 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:53:11 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「不意に点灯するテレビ。映し出される真っ暗な画面。それが突然揺れだして……」
_
(;゚∀゚) ゴクリ……
( ^ω^)「……てなところでおもむろにこのカートリッジをゲーム機に差し込んでみる」
_
(;゚∀゚)「うぉぉぉぉぉい!? 何やってんの、お前!!!」
話を中断し、手に持っていたゲームのカートリッジをゲーム機に差し込もうとすると、恐ろしい勢いでジョルジュが僕の腕を掴む。
( ^ω^)「何すんだお、離せお」
_
(;゚∀゚)「何すんだじゃねえよ! お前、今何しようとした?」
( ^ω^)「何って、このゲームやってみようかと……」
_
(;゚∀゚)「何でだよ! 何で今の話の流れで点けようとすんの?」
( ^ω^)「いや、これが何なのか調べるためには結局試すしかないんだし……って、いてえから離せお。力入れ過ぎだお」
- 166 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:01:15 ID:UF/VPXxs0
ほんの冗談のつもりだったのだが、ジョルジュは全力で僕を止めにかかって来ている。
その力の入り様は半端なものではない。
何とか宥めすかし、その手を外させることに成功したが、ゲームは取り上げられてしまった。
( ^ω^)「軽い冗談だったのに」
_
(;゚∀゚)「冗談で済むか。あんな話した直後にふざけた事するんじゃねえよ」
ジョルジュは頬に汗を浮かべ、鼻息荒く怒鳴る。
ジョルジュがこんな話一つ、それもまだオチまで言っていない物に、いささか大袈裟な反応を見せるのには理由がある。
勝気な性格で、腕力もあるジョルジュではあるが、この手の怖い話は大の苦手だったりするのだ。
( ^ω^)「で、話のオチなんだけど」
_
(;∩∀∩)「もういい、聞きたくない!」
ジョルジュは顔を両手で多い、聞きたくないという素振りをする。
しかし、聞きたくないなら抑えるのは耳な気がするが、混乱しているのか怖いもの聞きたさ(?)なのか定かではない。
僕はそんなジョルジュにかまう事無く、話のオチを告げる。
- 167 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:08:09 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「ウソだお」
_
(;゚∀゚)「……は?」
( ^ω^)「だからウソ、都市伝説自体、僕が今適当にでっち上げたウソだお」
外は優れない空模様で、カーテンは閉め、電気は点けているが、いささか怪談には遅い季節な上、まだ日のある時間帯だ。
怪談話をするにはあまり適さない雰囲気にも関わらず、
ジョルジュにはだいぶ効果的だった様だ。
_
(;゚∀゚)「……」
ぽかんとした表情で、僕の方をじっと見詰めるジョルジュ。
やがてようやく僕の言葉の意味を察したのか、恨みがましい目を向ける。
_
(;゚∀゚)「……お前なあ」
( ^ω^)「冷静に考えればわかるお。何だお、呪いのゲームって。明らかに呪いのビデオのパクりだお」
_
(;゚∀゚)「いや、響き的にあってもおかしくなさそうじゃねえか」
( ^ω^)「ねえお。簡単に騙されんなお」
僕は少し意地の悪い笑みを浮かべ、ジョルジュの方へ手を差し出す。
- 168 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:13:44 ID:UF/VPXxs0
- _
( ゚∀゚)「何だ? 仲直りの握手か?」
( ^ω^)「ちげえお。ゲームを渡せって事だお」
_
( ゚∀゚)「いいけど、何するんだ?」
( ^ω^)「無論、点けてみるに決まってるお」
_
( ゚∀゚)「……あんな話の後にかよ」
( ^ω^)「あれはウソだって言ったお?」
_
( ゚∀゚)「……だよな。何もねえよな」
( ^ω^)「ないから渡せお」
_
( ゚∀゚)「うん、渡す。渡すよ……渡そうかな……いや、やっぱり……」
(;^ω^)「いいから渡せお」
僕は半ば強引にジョルジュから謎のゲームを奪い取る。
少しからかいが過ぎたかもしれない。
- 169 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:19:33 ID:UF/VPXxs0
( ^ω^)「んじゃ、セットして……ジョルジュ、帰ろうとすんなお」
_
(∀゚ )「してねえし。ちょっとトイレにだな……」
( ^ω^)「はいはい。電源入れるお」
かちりという硬質な音が響く。
しかし、通電したような様子は見られず、テレビの画面にも変化はない。
( ^ω^)「壊れてるのかおね」
_
( ゚∀゚)「だろうな。……ところでそれ、ゲーム機から抜ける?」
( ^ω^)「当たり前だお。何をビビって……」
_
( ゚∀゚)「……内藤君?」
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「いや、もう、そういう冗談はいいから」
- 170 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:27:32 ID:UF/VPXxs0
抜けない。
それはがっちりと嵌ってしまい、イジェクトレバーを押そうが、無理やり引っこ抜こうとしようが微動だにしない。
あまりに不可解な話ではあるが、今、目の前でそれは起きている。
( ^ω^) ガチャガチャ
_
(;゚∀゚)「おいおい、もうわかったからさ……そんな抜けないふりなんかしなくていいよ」
僕はジョルジュの言葉には答えず、何とかカートリッジを外そうとするが外れる気配はない
何となく嫌な予感が僕の中で膨れ上がった瞬間、不意に部屋の電気が消えた。
_
(; ∀ ) ヒッ!?
(;^ω^)「……これは駄目かもわからんね」
僕はカートリッジを外すのを諦め、大きく息を吐く。
色々な可能性を頭の中で推測してみたが、最悪の答えしか思い浮かばない。
_
(; ∀ )「で、仕掛け人は誰よ?」
- 171 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:48:21 ID:UF/VPXxs0
(;^ω^)「……こういう話知ってるかお?」
_
(; ∀ )「どんな話?」
(;^ω^)「心霊スポットとかで、それっぽい怖い話すると霊とか呼んじゃったりする事があるんだってお」
_
(; ∀ )「ふーん。それで、ここは何の心霊スポットなの?」
(;^ω^)「えーと、妖怪ヒキコモリーノとか、生霊ドロップアウツとか?」
_
(; ∀ )「うわあ、退治してえ……」
軽口を叩きながらも、僕らの目はある一点に注視されている。
先の僕の話をなぞるなら、この先起こるであろう変化のある場所に。
(;^ω^)「ゲーム機、そしてテレビ……」
_
(; ∀ )「なあ……」
(;^ω^)「謝罪しろと言うのなら、全力で謝らない事もないお」
_
(; ∀ )「それは後でたっぷりしてもらうとしてだな……」
(;^ω^)「後でって、まだ諦めてはいないんだおね」
_
(; ∀ )「当たり前だろ。俺、故郷に帰ったらあの子に告白するんだ」
- 172 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:56:52 ID:UF/VPXxs0
(;^ω^)「わざわざ死亡フラグ立てんなお。つーか意外と余裕あるおね」
余裕はあるというよりは錯乱しているだけかもしれない。
というか、こんな馬鹿なやり取りをしてる暇があるならさっさと逃げるなりなんなりすれば良かったのではと思う。
そんな事を考えていると、いつの間にかゲーム機の電源は点いており、短い音とともにテレビが点灯した。
_
(; ∀ )「……で、さっきの話、結局オチってどんなのだったの? 何が出て来んの?」
(;^ω^)「あれは……」
さっきの話は都市伝説でもなんでもなく、僕のでっちあげだ。
しかしながら、今のこの状況は明らかに僕の話をなぞっている。
ジョルジュが言う所の話のオチは、ウソの話とはいえ一応考えてはいた。
しかしそれを口にすると、それが本当に起きそうな雰囲気である。
この一言次第では取り返しのつかない事態になるかもしれない。
(;^ω^)「1 そりゃあれのパクりだから、出てくるものといえば悪霊的なものだお。
2 僕的には、魔王らしく眷属の一人でも召還したいとこだお。
3 テレビの中から女の子が出て来て、ドッキン、ウフフのラブストーリーが始まるお。
4 あいつだよ、あいつ、ほら、えーっと…… 」
選択肢安価
>>173
♀AA安価
>>174
- 173 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 00:49:27 ID:QngzJv7o0
- 4
- 174 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 00:55:33 ID:T8oXWQ/s0
- ∬´_ゝ`)
- 175 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:44:07 ID:cGZny6O.0
(;^ω^)「あいつだよ、あいつ、ほら、えーっと……」
ヤバいものを想像をしないように、必死に取り繕おうとするが、何も思い付かない。
もたもたしている間に、画面の揺れは一層大きくなり、最早手遅れになりつつある。
(;^ω^)「あ……えっと、その……」
気が焦るばかりで、まともな言葉が口を吐く事はない。
それでも、何とかしなければという気持ちが僕を突き動かす。
(;^ω^)「何でもいいから出て来んなお!」
気付けば僕はテレビに怒鳴りつけていた。
(;^ω^)「お……?」
その瞬間、画面の揺れは収まり、部屋の電気も点いた。
まるで何事もなかったかのように、僕の部屋は日常へと回帰する。
(;^ω^)「何が……」
僕は狐につままれた様な、わけのわからない心境でジョルジュの方を見る。
- 176 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:53:29 ID:cGZny6O.0
- _
( ∀ )
(;^ω^)「……ジョルジュさん?」
_
( ∀ )
(;^ω^)「返事がない。ただの屍のようだお」
屍、というのは冗談だが、どうやら気絶したらしい。
怖い話嫌いのジョルジュには、少々酷な体験だったようだ。
(;^ω^)「……一体何だったんだお?」
< ピンポーン♪
(;゚ω゚)「うぉっ!?」
原因を探ろうと、立ち上がりかけたその瞬間、玄関からチャイムの音が鳴った。
あまりのタイミングの良さに心臓が止まるかと思うほど驚きはしたものの、何とか部屋を出て玄関へ向かった。
(;^ω^)「ったく、こんな時にどちらさまですかお」
- 177 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:59:38 ID:cGZny6O.0
∬;´_ゝ`)「こんにちは、突然すみません」
( ^ω^)「お?」
ドアを開けると、そこには作業着のようなものを身に着けている見慣れぬ女性の姿があった。
何だか浮かない顔をしているが、何かあったのだろうか。
∬;´_ゝ`)「先ほど、こちらのお宅も停電なされませんでしたか?」
(;^ω^)「停電?」
∬;´_ゝ`)「あれ? してないはずはないんですけども、その……」
その女性が言うには、この近くで電気工事をしていたのだが、
作業中のミスでこの近辺が短い時間ではあるが停電したので、一軒一軒説明と謝罪をして回っている最中との事だ。
(;^ω^)「ああ、はい、確かに電気は消えましたが……」
∬;´_ゝ`)「ですよね。誠に申し訳ございませんでした」
(;^ω^)「いえ、特に被害はありませんでしたので、お気になさらず……」
- 178 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:08:08 ID:lq/lW4pY0
平謝りする女性に気にしていない旨を告げ、お引取り願う。
僕は部屋に戻りながら、さっきの事を考えていた。
( ^ω^)「電気が消えたのは停電という事で辻褄は合うお」
しかし、いくつか腑に落ちない点が残っている。
一つは、ゲームのカートリッジがゲーム機から抜けなかった事。
これで抜けなかったらちょっと面白いかなという様な事は考えはしたものの、あれは本気で抜こうとして抜けなかった。
次に、停電中にも関わらずゲーム機とテレビの電源が点いた事。
( ^ω^)「そして最後に、テレビの画面が揺れた事……」
どれも簡単に説明のつく事ではない。
全て見間違いで済ませるには、少々無理がある。
部屋に戻ると、ジョルジュはまだ気絶していた。
ベッドに寝かせてやろうかと考えもしたが、重そうなので止めておいた。
ひとまずジョルジュは放置し、異変の元を調べる事にする」
- 179 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:17:40 ID:lq/lW4pY0
( ^ω^)「まずはゲーム機だけど……」
この落ち着いた状況だと簡単にカートリッジが抜けそうだと考えていたら、案の定あっさりと抜けてしまった。
試しにもう一度刺して電源を入れたが、何も起きない。
カートリッジもまた簡単に抜けた。
( ^ω^)「テレビにも細工はないおね」
テレビの液晶画面を触ってみたが、液晶画面の独特の手触りがあるだけで、さっきの様に揺れられる弛みは無さそうだ。
( ^ω^)「異常なし、と」
ざっと調べた所で、特に怪しい点はないという事がわかった。
状況の再現も出来ないし、この場でこれ以上打てる手は思い付かない。
( ^ω^)「さっきと今で何かが違うのかお?」
何となく口に出してみたが、違いは多々あると思う。
さっきは怖い話をして何か起こりそうな雰囲気はばっちりだったし、ジョルジュも健在だった。
僕自身も、何か起こったら面白いだろうなと考えていたし。
- 180 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:24:34 ID:lq/lW4pY0
今は冷静に分析しようとしているから、色々な点を懐疑的に見ている。
(;^ω^)「うーん……何か引っかかるものはあるんだけど……」
何かを見落としているのか、それとも見ていながらも気付いていないのか、
どっちにしろ現状ではよくわからないと結論付けた。
( ^ω^)「でも、何かが起きた事は事実なんだおね」
でなければ、僕の隣で気絶しているジョルジュの立場がない。
まさか二人して幻覚を見たというような事もないだろう。
それはそれで怖いものもあるが。
( ^ω^)「それに、こいつがあるお」
僕は真っ黒なゲームのカートリッジを眼前に掲げる。
二度目の異変は起こらなかったが、これ自体がどこから来たのかという謎はまだ解けていない。
- 181 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:35:29 ID:lq/lW4pY0
先にジョルジュに話した様に、これに心当たりはなく、僕が持ち込んだという事は有り得ない。
持ち込んだ記憶を消されでもしていない限りの話だが。
( ^ω^)「調べるならこれだおね」
とにかく、現状で唯一はっきりとした形を持った手がかりはこれしかないのだ。
このゲームについて調べていけば何かわかるかもしれない。
となるとまずは……
1 調査の基本はインターネット。呪いのゲームっぽい話がないか調べてみよう。
2 このゲームが何なのか、ゲームショップにでも持ち込んでみよう。
3 呪い……この漢字をばらすとロ兄……つまり……
4 呪いのゲーム、つまり呪いということなら神社でお払いしてもらおう。
安価
>>182
- 182 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:40:03 ID:xCGxLd2wO
- 3
- 183 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:59:22 ID:lq/lW4pY0
呪い……この漢字をばらすとロ兄……つまり……
( ^ω^)「ロリコンで兄のあの男に相談してみるかお」
などと勢いで言ってみたが、ぶっちゃけ何の解決策にもなってない気がする。
ただ、誰かと相談するというのはいい手だと思う。
ずっと一人で考えているよりは、違う角度からの意見も聞けていいのではないだろうか。
ヒキニートの僕ではあるが、ジョルジュ以外の知り合いがいないわけでもない。
その中で相談事の出来る友達となると、かなり限定されてしまうが、少なくとも……
_
( ∀ ) チーン
( ^ω^)「この件に関しては、ジョルジュよりは頼りになるおね」
僕は未だに目を覚ます様子のないジョルジュを見て、大きくため息をついた。
第二章 了
つづく・・・
追加安価
- 185 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 01:15:25 ID:lq/lW4pY0
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第三章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>186
ロ兄の♂AA
>>187
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 186 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 01:47:48 ID:4IK/0tyA0
- 1
- 187 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 08:06:36 ID:Xo6tF7k.O
- (´<_` )
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