1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:37:15.20 ID:NCMQYoNE0

::::...    ∧_∧
::::.川*д( ;・∀・)
 r -(  ( O┰O
..::ii'⌒< <  ) 冊冊〉
::'、__,,l!しし(_)l!lJ´
        '、__,l!j


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:41:12.09 ID:NCMQYoNE0

アパートの六畳一間は、緊迫した空気に包まれていた。

( ;・∀・)「……」

ビデオデッキに伸ばした手が震えている。

大学生の彼は、呪いのビデオと言われるものをとあるフリーマッケットで手に入れていた。
ホラー好きな彼は、今夜一人でそれを見るつもりなのだ。

( ;・∀・)「たまんねえぜ……この緊迫感が……」

ちなみに彼はホラー好きだが幽霊は否定派だ。
というか恐がりだ。


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:43:00.52 ID:NCMQYoNE0

( ・∀・)「恐がりなのになんでホラー好きかって?」

( ・∀・ )「へ……ジェットコースターが流行る理由を考えてみなよ」

こっちみんな。

( ;・∀・)「いくぜ……ライドオン!(?)」

再生のボタンが押される。
砂嵐だった画面が暗転し、ビデオが再生された。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:48:38.50 ID:NCMQYoNE0



(*‘ω‘ *)『イッツ オートマーティック!』



( ・∀・)「始まった!」

画面に映っているのは、女性シンガーのPVだ。
二昔前に流行したこの唄のPVは、一部のビデオに不可解なものが映るともっぱら噂されていた。

彼はネットでその情報を知っていたのだが、既に販売停止だったこのPVの入手には手こずっていた。
フリーマーケットで彼がビデオを見つけた時、もはや運命だとか気持ちの悪い発想にまで至った程だ。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:53:14.28 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・) ドキドキ…

( ・∀・)

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「この子可愛いなー」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「……あれ?」

PVは、およそ30分程で終わった。
仕方なく停止ボタンを押し、ため息を一つ。

( ・∀・)(やっぱり嘘だったか……)

多少の落胆と、助かったという安堵感が心を満たす。この程度で良いのだ。
本当に幽霊が出たら彼は「おかああさぁぁぁん!」と言って気絶してしまうだろうから。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 00:57:25.44 ID:NCMQYoNE0

ちなみに彼が聞いた噂というのは、ビデオにおかしな女性が映るというものである。
その女性を見てしまった者は、一週間以内に死ぬという、ありきたりといえばありきたりな話だ。

( ・∀・)(そろそろ寝るかな……明日は早いし)

時計の針は、午前1時を回ろうとしていた。
ビデオデッキの電源を落とし、畳の上に布団を敷き始める。


その時だった。


(*‘ω‘ *)『イッツ オートマーティック!』


( ;・∀・)「うお!?」

電源を落としたはずのデッキが、何故かビデオを再生し始めた。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:02:34.58 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)(え? 嘘……マジで……)

食い入るように画面をのぞき込む。
次第にテレビとの距離が近くなり、鼻先が画面に触れそうなほどまで接近していた。

( ;・∀・)「……」

目頭が熱くなり、頭の中で誰かが囁きかけてくる。

『危ないよ……』『痛いよ……』
『……て……』『こっち……な……』

恐がりの彼は、金縛りがかかったかのようにテレビの前から動かない。

( ;・∀・)「!」

すると、映像が乱れ、まるで揺れる水面のように画面が波打った。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:05:56.50 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「う……ううう……!」

「よ……な……ない……」

頭の中で囁いていた声は、すぐ目の前から聞こえてくるようになってきた。
何かが、近づいてきているようだ。


( ;・∀・)「だ……誰か……! 助けて!」

「ない……あ…い……!」



( ;・∀・)「うああああああああああ!!」



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:10:48.48 ID:NCMQYoNE0


川;д川「だから危ないっつーの!!」

( ;・Д・)「ぐああ! 何故!?」


テレビから飛び出してきた少女は、彼にヘッドバットをかました。
鼻をやられた彼は、顔を押さえてうずくまる。

川;д川「ありえないでしょ……どれだけテレビ好きなのよ。
      もっと離れて見なさいよ……」

( ;∀と)「うう……鼻が……鼻がぶちゅりって……」


( ・∀・)

川д川

( ・∀・)「……誰?」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:13:07.36 ID:NCMQYoNE0

川д川「……あ」

( ・∀・)「え?」

川д川「私?」

( ・∀・)「うん……」

川д;川 ゴソゴソ

川д川「えーと……」
つ□と

川д川「私は貞子。貴様を呪い殺す為にやってきた」
つ□と

( ・∀・)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:16:31.58 ID:NCMQYoNE0

川д川「助かりたくば、このビデオを別の者に……」
つ□と

( ゚∀゚)「おか――さ――――ん!!!!」

川;д川「うわあ! ええ!?」


彼は不思議な踊りを踊りながらその場に倒れた。
何とも期待通りの男だった。


川;д川「何なのこの人もう……」


貞子は、気絶した彼を敷いてあった布団に運んでやった。
薄暗い電球の光が、笑うように瞬いた。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:17:55.89 ID:NCMQYoNE0
    ____
   /川д川 /\ノロマース
 /| ̄∪∪ ̄|\/
   |        |/
     ̄ ̄ ̄ ̄


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:20:39.94 ID:NCMQYoNE0

(  ∀ )「ん……」

( ・∀・)「……?」

彼が目を覚ましたのは、午前2時過ぎだった。
草木も眠る何とやらの時間だ。

( ・∀・)「……夢か」

川д川「何の夢を見ていたんですか?」

( ・∀・)「テレビの中から女の子が出てくる夢だよ」

川д川「むう……夢じゃないのに……」

( ・∀・)「夢であって欲しかった……」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:23:51.87 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「何だよ! 何だよお前……何なんだよ!!」

川;д川「ええぇぇ……何ギレですか」

( ;・∀・)「とりあえず叫ばないと心が折れそうなんだよ!」

川д川「なるほど……あ、私は貞子です。こにちわ」

( ・∀・)「どうも。モララーといいます」

( ;・∀・)「違うよぉ!!」

川;д川「な、何が……?」

( ;・∀・)「何でテレビから出てきたんだよ!」

川д川「だって……幽霊だもん」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:27:42.73 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「幽霊は電子機器から出てきちゃ駄目だろ!」

川д川「私もそう思ってたんですけど、以前先輩の幽霊と話してた時……」


 △
('、`*川『やっぱサプライズって重要よね。え、嘘!? マジで!? 的な』

川д川『サプライズですか……私はインパクト無いから駄目ですよね』
 △
('、`*川『そこは工夫次第よ。例えば……テレビの中から出てくるとかさ』

川д川『それイタダキ!』



川д川「……とこのような下りがありまして、今までの常識を覆すサプライズを提供しようかと」

( ・∀・)「どうでも良いけど、派手な幽霊より地味な方が怖いと思うよ」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:30:57.48 ID:NCMQYoNE0

川;д川「……あ」

( ・∀・)「え?」

川д;川 ゴソゴソ

川д川「私は貴様を呪い殺す為に……」
つ□と

( ;・∀・)「もういいよ聞いたよさっき」

川д川「続きがあるんですよ」

( ・∀・)「そうなんだ……ていうか今度から台詞は覚えてこような」

川д川「助かりたくば、このビデオを別の者に見せるのだ。ぐわーははは」
つ□と

( ;・∀・)「うう……モララー大ピンチ! あ、でも待てよ……?」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:32:48.98 ID:NCMQYoNE0

( ・∀・)「別の人って、何人に見せれば良いの?」

川д川「一人で良いですよ」

( ・∀・)「じゃあ……その人がまた僕に見せたら?」

川д川「……」


川;д川「……あああ!」

( ・∀・)「今気付いたー」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:34:35.91 ID:NCMQYoNE0

川;д川「ああ……どうしましょう……貴方死んでくれないですか?」

( ・∀・)「うん……全力で生きたい」

川;д川「生きてても良い事無いですってばぁ……」

( ;・∀・)「あるよ!」

川д川「例えば?」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「一晩考えさせてくれないかな」

川;д川「即答出来ない時点で諦めてよ……」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:38:09.27 ID:NCMQYoNE0

( ・∀・)「ま、いいや。ビデオは明日ブーンにでも見せようっと」

川;д川「あわわわわわ……」

( ・∀・)「ちなみに期日は?」

川;д川「一週間後の同じ時間です……」

( ・∀・)「まだ余裕あるな」

川д川「……」

川д川「そうだモララーさん。今から旅行に行きませんか? 南アジアにでも」

( ・∀・)「その手は食わんぞ……」


モララーと貞子の戦いは、ここから始まった。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:40:22.84 ID:NCMQYoNE0
   .┌┐
  / /
./ / i
| 川д川 <ノロマース
|(ノi  |)
|  i  i
\_ヽ_,ゝ
  U" U


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:45:13.39 ID:NCMQYoNE0

次の日。
寝不足の頭を抱えながら、モララーは布団から起き上がった。

( ・∀・)「……」

川д川「zz・・・」

( ・∀・)「寝るんだ……幽霊も」

布団の端に頭を乗せている格好で、貞子は寝息を立てていた。
こうして見ると、幽霊ではなく普通の少女のように見える。

( ・∀・)「……」

( *・∀・)(パンツ見えないかな……)


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:47:43.37 ID:NCMQYoNE0

( *・∀・) ソーット……

川д川「んん……」

( ;・∀・)「は!」

(・∀・; )「駄目だ駄目だ……例え姿形は女の子でも実際は幽霊なんだ。
      惑わされてはいけない。この子は化け物だ。人の生き血を吸う鬼なんだ」

大げさだった。

( ・∀・)(ブーンに連絡するのはバイトが終わってからでいいや……)

支度を調えると、モララーは一人アパートを出て行った。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:49:57.79 ID:NCMQYoNE0

川д川「zz・・・」

川д川「……」

川д川「ペニサスさん……」

川д川「そのネタじゃ忘年会乗り切れませんよ……」

川゚д川「は!」


川д;川

川;д川

川;д川「逃げられた!」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:53:03.60 ID:NCMQYoNE0

川;д川「うう……無理矢理鎖で繋いで身動き出来ないようにしていれば良かった……」

川д;川「何処に行ったんだろ……ブーンって人の所かな……」

川д川「……あら?」


その時、ビデオデッキの横に別の電子機器を見つけた。
大きくXと書かれたマークの入っているそれには、コントローラーが二つくっついていた。

川д川「……」

川*д川「わかった! これが噂のふぁみりーこんぴゅーたぁってやつね!」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:56:25.83 ID:NCMQYoNE0
 △
('、`*川『あー久々にゲームしたいな』

川д川『何やります? かくれんぼ? 鬼ごっこ?』
 △
('、`*川『違う違う。テレビゲームよ。人間たちが開発した電気で動く玩具』

川д川『はあ……ビデオデッキ的な』
 △
('、`*川『まあそんな感じ的な』

川д川『ペニサスさんはしたことあるんですか?』
 △
('、`*川『私はナウでヤングだからもちろんあるわよ。ファミリーコンピューターとかね』

川д川『うわーナウいなあ』



川*д川「ようやく時代に追いついたわ……」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 01:58:42.40 ID:NCMQYoNE0

川д川「確かソフトっていうやつを中に入れれば……」

川;д川

川д;川

川д川「あ、これかな?」

川д川「……でっどらいじんぐ?」

川д川「横文字わかんないや……これにしよっと」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:00:57.28 ID:NCMQYoNE0
          ノロマース
      川*д川
ピョン   ( O┳O)
 ピョン   し-||-J
      ⊂§⊃
        §
⌒ヽ〃⌒ヽ〃


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:06:45.54 ID:NCMQYoNE0

( ・∀・)「はあ……」

モララーはくたくたに疲れた体でアパートの階段を上っていた。

( ・∀・)(コンビニ店員に道聞くなよ……地元の人じゃねえからわかんねえっつーの)

鍵を差し込み、かちりと回す。
薄汚れたアパートのドアが、音を立てて軋みながら開いた。




( ・∀・)

川*д川「うおおおおおお!」

( ・∀・)

川*д川「ゾンビこの野郎! 駆逐してやる!」


とりあえず、凄い熱気だった。


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:09:51.94 ID:NCMQYoNE0

( ・∀・)「何してんの……」

川;д川「今話しかけないで!」

( ;・∀・)「す、すいません……」


(・∀・; )(落ち着け……落ち着くんだモララー。
      家に帰ったら幽霊が360してるなんてよくある状況じゃないか……)

(・∀・ )

( ;・∀・)「いや無いから!」

おそらく無い。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:13:23.27 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「ストップ! スト――ップ!」

川;д川「何!?」

( ;・∀・)「何!? じゃないよ! こっちが聞きたいよ!」

川;д川「だから今忙しいんだってば……!」

( ;・∀・)「だから……」

川;д川「うわああまた変な人出てきた!」

( ・∀・)「それボスだよ! ショットガンに切り替えて!」

川;д川「あわわわ……」

( ・∀・)「まずは後ろに乗ってるやつから仕留めるんだ! ヘッドショット!」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:15:30.80 ID:NCMQYoNE0

川;д川「……」

( ・∀・)「……よし! 次は運転席の奴!」

川;д川「えい!」

( ・∀・)「もう一発!」

川;д川「……あ!」

( ・∀・)「……上手い! 勝った!」

川*д川「やったー!」

( ・∀・)「安心するのは早いぞ! 早く安全地帯に避難しないと、周りのゾンビが……」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:17:14.06 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「違うわ――!!」

川;д川「な、何!?」

( ・∀・)「何でゲームしてんだよ!」

川;д川「そ、そこにゲームがあるから……」

( ・∀・)「登山家か!」

川fд川f ノロマース

( ;・∀・)「今更幽霊ぶるな!」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:21:15.79 ID:NCMQYoNE0

川;д川「で、でも……フランクが助けないと、みんなゾンビに襲われちゃうから……」

( ・∀・)「さっそくゲーム脳になってるじゃないか……」

川;д川「人が人を助ける事に、理由なんていらない!」

( ;・∀・)「何か急に良いこと言い出したし。俺を憑き殺そうとしてる癖に」

川д川「それはそれ。これはこれ、という事で」

( ・∀・)「頭痛くなってきた……今日はもう寝よう」

川д川「……もうちょっとやってて良いですか?」

( ・∀・)「好きにして……」

川*д川「やった」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:23:37.61 ID:NCMQYoNE0
  ム
//|ヽ\
⌒.|⌒
  」⊂川д*川
   .ノ ̄ ̄Uヽ
   )___(
   |ヤクルツ|
   .| ̄ ̄ ̄ ̄|


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:27:11.85 ID:NCMQYoNE0

次の日、モララーが目を覚ました時、貞子はコントローラーを持ったまま眠っていた。
画面はタイトル画面に戻っている。

( ・∀・)「まさか一日でクリアしたのか……ゲーマー幽霊め」

時刻は既に昼過ぎだ。
モララーは携帯を取りだし、数少ない友人の一人にメールを送った。


( ・∀・)「……」


数分後、メールが返ってきた。
『わかった。今すぐ行くお』

( ・∀・)「これで一安心、かな」

安堵のため息をつきながら、携帯を閉じる。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:30:22.36 ID:NCMQYoNE0

十分後、部屋の呼び鈴が鳴った。
モララーがドアを開けると、一人の男が息を切らしてそこに立っていた。

( ;^ω^)「はあ……はあ……モララー!」

( ・∀・)「よく来てくれた」

( *^ω^)「鍵の新作、もうネットで落とせたって本当かお!?」


モララーがどういうメールを送ったかというのは想像に任せる。


( ・∀・)「まあ部屋に上がれよ」

( ^ω^)「お邪魔するお!」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:33:30.56 ID:NCMQYoNE0

( *^ω^)「早くプレイしたいおー」

( ・∀・)「ああ、それなんだけど嘘だ」

( ^ω^)

( ・∀・)「で、こいつを見て欲しい」

川*д川「zz・・・フランク……あんたもう人間じゃないよ……むにゃ」

( ^ω^)

( ・∀・)「こいつは幽霊だ。ビデオを見てたらテレビから出てきた」

( ^ω^)

( ・∀・)「誰か一人にビデオを見せないと俺は死ぬらしい。頼む! ビデオを見てくれ!」




( ^ω^)


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:36:06.33 ID:NCMQYoNE0

 ともだちが

 ゲームを貸すと

 言ったのに

 ぜんぶ真っ赤な

 嘘だったよちくしょう


   ( ^ω^ ) ブーン。心の俳句




( ゚ω゚)「死ぬ準備は出来たかモララー」

( ;・∀・)「うわああすげえ怒ってる! 顔きもい!」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:40:25.05 ID:NCMQYoNE0

川д川「zz・・・!」

川д川「あ……おはようございます」

( ゚ω゚)

川д川「どちら様ですか……?」

( ゚ω゚)「俺はブーン。地獄からやってきたんだお……」

川*д川「おお。私も地獄出身です。同郷ですね」

( ;・∀・)「信じるなよ! そこのファミマ曲がった先のアパートから来たんだぞそいつ!」

( ゚ω゚)「そうさ……ファミマという名の時空の歪みを越えてな……」

( ;・∀・)「俺その時空の歪みで働いてるんですけど!」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:46:16.45 ID:NCMQYoNE0

( ;・∀・)「なあ頼むよほんと……ビデオを俺たちで貸し合えばどちらも死なないだろ?」

( ゚ω゚)「それと嘘をついた事は別問題だお……」

( ・∀・)「意外と根が深いんだな……」

川*д川「ゲームして良いですか?」

( ;・∀・)「またゲームかよ。もうクリアしたんじゃなかったのか」

川*д川「二週目がしたいんです。ステータスを持ち越せるみたいなので」

( ;・∀・)「いいよもう、勝手にしろよ」

川*д川「あとネットのアカウント作っちゃったんですけど、良かったですか?」

( ・∀・)「もう……もう何でもいいよもう……」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:50:37.30 ID:NCMQYoNE0

( ゚ω゚)「遺言の準備はしなくていいのかお……」

( ;・∀・)「機嫌直せって。落としたコードギアス、全話やるから」

( ゚ω゚)「公式サイトで無料視聴出来るからいいお」

( ・∀・)「くそう! ネット社会の弊害だ!」

川*д川「フランクつえー」


その後、ブーンの機嫌が直る事は無かった。
あと貞子のフランクがレベル50になった。

( ・∀・)「フランクつえー」

川*д川「もはや人間じゃないね」

結局、何も解決しないまま、一日が終わった。


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/20(水) 02:53:16.24 ID:NCMQYoNE0
    ωミ
 ω     ω
          ゛  ホィホィ
ω  川д川  ω
 ミ ⊂  つ 彡
   /  〜
  ,,(/ U,,,


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