3 :◆3m0SptlYn6 :2007/01/01(月) 18:16:39.90 ID:eyZwbPcV0
〜第3話〜


マザーCP「座標γー30971・10273到着しました。周囲に危険反応は無。探索開始できます」

ノノ'A`)「・・・む、着いたか」


眠っていたドクオを眼を擦りモニターに眼をやる。


ノノ'A`)「流石に、座標通りのとこにあるわけが無いか。
       マザー、周辺に生命反応と金属反応、電波反応のソナーを出せ」

マザーCP「了解しました。ソナー発動します」

4 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:17:44.48 ID:eyZwbPcV0

ノノ'A`)「反応があったものはモニターに返せ、それと運転を手動に切り替える」

マザーCP「了解しました。モニター全画面表示に切り替えます。運転切り替え完了」


辺り一面隕石が密集している。
通常、船の操作はすべてマザーCPに任せオートで障害物を検知・回避するのだが
ドクオの場合、すべて手動で運転している。

小さな隕石に衝突してしまえば、制御がままなくなり
ピンボールのように次々と衝突してしまう危険もある。

だが、ドクオは勘とセンスでスルスルと隕石の間を縫うように運転している。
もし、常人のパートナーが乗っていたとしたら冷や汗物だろう。

5 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:20:00.36 ID:eyZwbPcV0

ノノ'A`)「この辺りの流れはこっちか・・・だとすると・・・ブツブツ」


確信しているかのようにドクオは船を移動させる。
そして、そこに在るべくして在ったかのようにボロボロになった
遭難船が浮遊していた。

ノノ'A`)「在ったか・・・マザー、X40の方向距離270にソナーだ」

マザーCP「X40、距離270、了解しました」




マザーCP「物体検知、生命反応無、金属反応有、電波反応有」

ノノ'A`)「運転を自動に切り替える、補足した船に制動させながら接近しろ」

マザーCP「運転切り替え完了、接近します」

ノノ'A`)(・・・。)

6 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:24:24.37 ID:eyZwbPcV0

船が近づいてくる、割と大きい船のようだ。
少なくともレオパルトの3倍以上はある。

ようやく目視で船の全容を把握できる距離まで近づいた。



ノノ'A`)「違ったか・・・」



ボソリと落胆したような声でドクオが呟く。

7 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:26:33.81 ID:eyZwbPcV0

ノノ'A`)「マザー、一定の距離を保ち円周運動しろ」

マザーCP「了解しました。円周運動開始します」

遭難船の周りをレオパルトが回り始める。
誰がどう見ても相当旧式の船であることは一目瞭然だった。

ノノ'A`)(こりゃぁ化石物だな)


船の造り、素材、形など今の時代から見ると
非効率で扱い難く、乗り難い船だろう。

そして反対側まで回った時、ドクオに船の名前であろう、
ペンキのようなもので書かれた文字が眼に入った。

8 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:27:46.18 ID:eyZwbPcV0

【 Y o u t h f u l 】


ノノ'A`)(ユースフル・・・・ユースフル号か・・・)






ノノ゚A゚)「!」


ノノ゚A゚)(ユースフル号・・・俺は・・・聞いたことがある・・・)

ドクオは過去に乗った船、すべての記憶を洗い出す。
だが、なかなか思い出せない。

9 :◆3m0SptlYn6:2007/01/01(月) 18:28:53.32 ID:eyZwbPcV0

ノノ゚A゚)(いつだ・・・間違い無い、俺はこの船を知っている)

記憶は遡る、クーと共に飛んでいた時代、
終わりと始まりの年、地球に居た頃の訓練時代。


ノノ゚A゚)「!」

その時、ドクオの脳裏にVIP(航空宇宙局)の訓練生時代がフラッシュバックする。
その時常に隣にいた、ドクオ唯一無二の親友の顔が。

ノノ゚A゚)「ブーーーーーーンッ!」


そう、このユースフル号は、親友ブーンの『乗った船』であり、
自分が『乗れなかった船』であった。


第3話    〜完〜


  次へ戻る inserted by FC2 system