- 4 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 20:59:26.81 ID:s0HffMIu0
〜第5話〜
('A`)「母ちゃんか・・・」
ドクはショボンから母のことを聞き、
それ以降母の事が気になって仕方が無かった。
『ドクオと並ぶダイバーだった』
ドクはこの言葉に心底喜んでいた。
自分もダイバーになりたい、
そんな自分の父と母が、名を馳せたダイバーなのだ。
- 5 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:00:13.46 ID:s0HffMIu0
('A`)「となれば俺に乗れないはずがねぇwww」
もはや嬉しいを通り越して、有頂天。
ドクの『外』への願望は、もう留められるものではなかった。
('A`)「明日もショボンさんの家に行こう!色々教えてもらうんだ!」
彼はこれを機に、ショボンがフライトに行かない日は彼の家に入り浸る事になる。
- 6 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:00:43.91 ID:s0HffMIu0
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第8研究所
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(`・ω・´)「お父さん、監査は何と?」
/ ,' 3 「いつもと同じだ。研究の進捗状況と他愛も無い話だよ」
(`・ω・´)「そうですか、ところで今僕が開発している船のエンジンなんですが・・・」
/ ,'
3 「ふむ、設計図を見せてみなさい」
- 9 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:01:20.72 ID:s0HffMIu0
荒巻は表向き、船のパーツの研究者である。
シャキンも荒巻の本業は知るところではなかった。
/ ,'
3 「なるほど、いい設計だ」
(`・ω・´)「ありがとうございます」
/ ,'
3 「だが、ここの配線をこうすると・・・」
荒巻がシャキンの設計図に1線書き込む
(`・ω・´)「あ・・・・」
/ ,' 3 「こうなって、より伝送損失が少なくなるな」
- 11 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:03:06.11 ID:s0HffMIu0
(`・ω・´)「気が付かなかった・・・流石お父さん・・・」
/ ,' 3 「ふぉっふぉ、伊達に何十年もやっとらんわい」
(`・ω・´)「ふむ・・・」
/ ,' 3 「発想を忘れるな、理論に基づく考えだけでは
従来品のようなものしか創れんぞ」
(`・ω・´)「・・・はい」
/ ,'
3 「ところで、ショボンは元気だったか?」
(`・ω・´)「はい・・・元気そうでした」
/ ,'
3 「あの男も研究者になれば、偉大な発明家になれたろうに」
(`・ω・´)「・・・」
- 12 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:04:34.78 ID:s0HffMIu0
電脳コンピューターが開発されたのは今から10年前。
今でこそ通常船に搭載されてはいるが当時は画期的な発明だった。
その電脳コンピューター、開発者こそ荒巻博士と記されているが、
実際に発案したのは、他でもないショボンだった。
当時12歳である彼は、父の手伝いをしながらおもむろに造ったのが
電脳コンピューター第1号である。
それに、父である荒巻が改善を重ね使用可能となったのが
世に発表された第1号だった。
12歳にして非凡なる発想と技術を持ったショボン。
彼に研究者としての期待は並々ならぬものがあったが、
彼はダイバーを選んだ。
- 13 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:06:21.43 ID:s0HffMIu0
「あの男も研究者になれば、偉大な発明家になれたろうに」
自らが好んで研究者となったシャキン。
彼にとって、この言葉が当てはまる実の兄にコンプレックスを抱くのはごく普通の事であろう。
彼の目標は
『父のような偉大な研究者になること』
よりも
『兄より良い評価を、父から貰うこと』
になっていた。
- 14 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:07:48.54 ID:s0HffMIu0
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トレジャー号
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( ,,゚Д゚)「さてと・・・」
(*゚ー゚)「月に写真置いてきてあげるなんて、ギコったらセンチね」
(
,,゚Д゚)「う、うるせぇ。男にとって夢ってのはなぁ」
(*゚ー゚)「はいはい、熱くならない熱くならない」
(;,,゚Д゚)「むぅ・・・」
- 15 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:08:54.01 ID:s0HffMIu0
今、最も若いダイバーにして優秀な成績を収めるギコ。
隣で冷静に突っ込むパートナーはしぃ。
彼らの操るトレジャー号は最新の機器を揃え、
スピードではどの船よりも速い、と言われているほどの船である。
実際、ドクオのレオパルトが28時間かかった遭難船の座標まで、
トレジャー号では、20時間かからずに到着する。
( ,,゚Д゚)「と、ところでドクオさんから、息子さんをこの船に乗せてくれって言われちまったんだが・・・」
(*゚ー゚)「ん〜、いいんじゃない?C-60型エンジン貰ったんでしょ?」
(;,,゚Д゚)「いいんじゃないって・・おま」
(*゚ー゚)「ギコはドク君のお兄さんみたいなもんでしょ。
それに、ダイバーの後見人になってくれたのもドクオさんだし
いっぱい、いっぱ〜〜いお世話になってるよね」
(;,,゚Д゚)「そりゃそうだが・・・」
- 16 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:10:36.16 ID:s0HffMIu0
ダイバーになり、自分の船を持つには政府に申請し許可を貰う必要がある。
それも、現役ダイバーの『推薦書』のようなものを貰う必要もあった。
名ダイバーとして名高いドクオのそれであれば、
申請の際に絶大な効力を発するのは当然である。
( ,,゚Д゚)「まぁ、ドクがなんて言うか・・・だな。
乗りたくないって言うことも考えられるし」
(*゚ー゚)「まぁ99%、眼を輝かせて即答でしょうけどね」
- 17 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:11:54.69 ID:s0HffMIu0
(;,,゚Д゚)「うっ・・・、何にせよC-60の取り付けだとか
諸々の作業があるからな、次のフライトまでには時間がかかりそうだ」
(*゚ー゚)「だね〜。とりあえずコロニーに戻る?」
( ,,゚Д゚)「うむ。マザー、コロニーに帰還する。エンジン全開だ」
マザーCP「帰還了解。全速による到着予定時刻は5時間後の予定」
(*゚ー゚)「はぁ〜、回収したものより、貰ったもののほうが高価なんて恥だわ」
(;,,゚Д゚)「それを言うな」
マザーCP「全速運転開始」
トレジャー・キャット号、名前に似合わず洗練された船は
一途コロニーへと向かった。
- 18 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:14:01.68 ID:s0HffMIu0
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ユースフル号
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(ノノ'A`))「これで・・・・良しと」
ドクオはユースフルにプラスチック爆弾を仕掛け、
スイッチを入れるとタイマーが発動する。
(ノノ'A`))「・・・あばよ」
繋がったホースをたどりながらドクオがレオパルトに帰還する。
- 19 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:15:04.77 ID:s0HffMIu0
ノノ'A`)「ふぅ、マザー室内温度を2度下げてくれ、暑くて適わん」
マザーCP「2度冷却了解しました。」
ヘルメットを脱ぎ一息付いたドクオは再びユースフルに眼をやる。
当時は技術の粋を集めて作ったであろう機体。
大きく、荘厳ではあるがその役目を終え、沈黙を守っている。
ノノ'A`)「・・・マザー、コロニーに帰還する。アームを収納しろ」
マザー「アーム収納了解しました。回収後、コロニーへと進路を取ります」
- 20 :◆3m0SptlYn6:2007/01/02(火) 21:16:06.67 ID:s0HffMIu0
アームがユースフルから離れ、レオパルトへと収納される。
ノノ'A`)「・・・」
マザーCP「アーム回収完了。エンジン始動、コロニーへの到着予定時刻は29時間後の予定です」
ドクオは何も言わずレバーを引く。
レオパルトは無音のまま勢い良く離脱する。
次の瞬間、ユースフルは音も立てず宇宙の塵へと変わった。
そしてドクオのすぐ横にはあの『日記』があった・・・。
第5話 〜完〜
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