16 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 20:56:58.09 ID:8ZR54huC0

〜第10話〜




ノノ'A`)(ブーン…)「生きて…いるのか?」

/ ,' 3 「勿論だとも。実験は成功だ。
      僕の理論は間違ってはいなかった」

ノノ'A`)「ブーン…」

/ ,' 3 「彼は貴重なデータを提供してくれた。
      時間はかかるだろうが、完全なるクローン技術は完成する!」

17 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 20:58:42.20 ID:8ZR54huC0



( -ω-)。゚



ノノ'A`)「…もう起こせるのか?」

/ ,' 3 「問題無い。今、彼の正式なる誕生を見せてあげよう」


荒巻は、カプセルに付いている赤いスイッチを押す。


18 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:01:27.57 ID:8ZR54huC0

同時にカプセルの天上から触手が伸び、
ブーンの体に張り付く。

そしてカプセルの中の液体が完全に抜けきった。


( -ω-)


彼は触手に吊られる形で力なくうなだれている。


ノノ;'A`)「お、おい…ピクリともしないが…?」

/ ,' 3 「くくくく」


19 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:04:05.25 ID:8ZR54huC0

荒巻は不気味な笑い声を上げ、次に緑色のスイッチを押す。


その瞬間、バチンッ と言う音と共に、
ブーンの体が大きく反動する。


ノノ;'A`)「っ・・・・」


正直、一瞬吐き気がした。
自分は神などこれっぽっちも信じてはいないが、


これが人間に許される行為であるのか?


本気で瞬間考えた。

20 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:05:53.39 ID:8ZR54huC0



( -ω-)


やがて、触手が彼の体から離れ力なく崩れ落ちる。








かに思えた。


だが、彼は自らの両手を床に付き、
自分の体を支えていた。

21 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:08:04.40 ID:8ZR54huC0


/ ,' 3 「さぁ!」



荒巻が大きな声で呼びかける。





( ゚ω゚)「おーーーーおーーーー」




それは・・・産声・・・だった




22 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:09:57.75 ID:8ZR54huC0

( ゚ω゚)「おーーーーおーーーー」


ノノ;'A`)「うぉぉ・・・」


ドクオは一瞬たじろぐ。
飛んでる時は、どんな危険な目にあっても
命が危険にさらされようとも決して引かなかった彼が。


/ ,' 3 「おー、よしよし」

( ゚ω゚)「おっおーーーー」


荒巻がまるで子供をあやすかのように、
彼を支える。

23 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:12:02.02 ID:8ZR54huC0

ノノ;'A`)「く、狂ってる・・・」


ドクオは思わず口に出してしまう。


/ ,' 3 「狂ってる?何を言っているのかね。
      彼は今生まれたばかりだ、ドク君の時を思い出したまえ」


生まれたばかり?どうみても成人男性だ。


24 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:14:09.37 ID:8ZR54huC0

ノノ;'A`)「し、しかし」


( ゚ω゚)「おっおっ」


/ ,' 3  「いいかね?彼の肉体、脳はまっさらな状態だ。
       体の大きさだけは成人男性に見えるが、筋肉・脳・精神は
         全くの赤子と同じなのだよ」

ノノ;'A`)「人格までは・・・ダメって事か?」

/ ,' 3 「当たり前だろう。その人間の生きている脳でも移植しない限り、
       全くの同一人物を作ることなど不可能だ」

ノノ;'A`)「なるほど・・・そういう事か」

25 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:17:04.81 ID:8ZR54huC0

/ ,' 3 「彼、ブーンはこれから言葉を覚え、学び、成長して行くのだよ。
     ただ、同じ遺伝子なのだから以前のような青年になる可能性は非常に高い」

ノノ;'A`)「ふむ」

/ ,' 3 「子育てと一緒だ。君が育てて行くのであれば、
      君の教育が非常に重要になってくる」

ノノ'A`)「・・・」

/ ,' 3 「ひとつだけ言っておこう。彼の遺伝子は18歳の頃のものだ。
       同じ18歳位までならば爆発的な成長を遂げるだろう」

ノノ'A`)「爆発的・・・?」

27 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:18:52.75 ID:8ZR54huC0

/ ,' 3 「そう。1年で18歳の精神まで成長するかもしれんし、
      ひょっとすると1週間でそうなるかもしれん」

ノノ'A`)「マジか・・・」

/ ,' 3 「答えは分からん、だが彼自身が答えを出してくれるだろう」


( ^ω^)「おっ!おっ!」


28 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:20:48.12 ID:8ZR54huC0

あまりにも現実味離れしていた。
自分で頼んでおいて、信じることが出来なかった。

だが、彼にとって幸か不幸か再び同じ生を受けた。
その責任は自分にある・・・とドクオは考えた。


ノノ'A`)「・・・よし・・・いいだろう。ブーンの人生・・・。
     22年間を空白に戻し、ここからの再出発だ」

( ^ω^)「おー」

29 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:23:01.69 ID:8ZR54huC0

ノノ'A`)「ブーン!お前はブーンだ。
     そして俺はドクオだ」

( ^ω^)「おー?お゛ーん、お゛くお!おっおっ!」


/ ,' 3 「・・・言語を・・・理解しだしたか・・・」

ノノ'A`)「・・・ブーン・・・」


( ^ω^)「おー!おー!」

30 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:24:07.13 ID:8ZR54huC0

ドクオはブーンを車椅子に乗せ、改めて引き取る意思を示した。

荒巻は1週間に1度は必ず、自分に検診させることを約束させ
2人を見送った。


ノノ'A`)(さて・・・ドクにはなんて説明すりゃいいかな・・・)

( ^ω^)「おっー、お゛−ん」

ノノ'A`)「子育てか・・・可笑しなもんだな?ブーン」

( ^ω^)「おっおっ」

31 :◆3m0SptlYn6:2007/01/04(木) 21:25:18.86 ID:8ZR54huC0






西暦2038年 奇しくも  12月24日



ブーン・ノーベル 18歳  が誕生した。





第10話    〜完〜

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