- 61 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:45:33.43 ID:vjOn+Ksc0
ドク遭難、の報を聞いてかフサギコさんが部屋を訪ねてきた。
ミ,,゚Д゚彡「やぁドク。心配したよ」
('A`)(あんたが心配したのは、俺じゃなく成績の方だろ)
悪い出来事が重なったからなのか、
ドクはすっかり卑屈になっていた。
ミ,,゚Д゚彡「機体の方も大した損傷は無いそうだ。
若干の整備は必要になるとは思うけどね」
('A`)「そうですか、ありがとうございます」
ドクのそっけない態度に戸惑ったのか、
フサギコは間の悪そうに言う。
- 64 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:47:12.73 ID:vjOn+Ksc0
ミ;,゚Д゚彡「ま、まぁ、誰もが通る道だ。
気を落とさずに次のフライトに挑んでくれ」
('A`)「えぇ、言われなくとも。
俺もブーンも引きませんよ、絶対」
ミ,,゚Д゚彡「頼もしい言葉だと言っておこう」
すべてが煩わしい。
今は、誰とも会いたくも話したくも無かった。
('A`)「すみません、寝るんで」
ミ;,゚Д゚彡「あぁ、済まない。そういえば相方も入院してたよね?」
('A`)「えぇ、444号室です」
ミ,,゚Д゚彡「分かった、彼にも会ってこよう」
そう言うとフサギコはサッサと部屋を出ていった。
- 67 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:49:35.92 ID:vjOn+Ksc0
ミ,,゚Д゚彡(ブーン・ノーベルか……。
ドクのTOP維持に障害が出るようなら、権利も剥奪してやる)
ポッと出の新米ダイバーがTOPを維持できるほど甘い世界じゃあ無い。
ドクにも荷が重いだろう。
だからせめて、熟練ダイバーをパートナーとして同乗させたかった。
そんな事を考えながら病室へと向う。
ミ,,゚Д゚彡(何て言ってやろうか)
そして彼は扉を開けた。
- 69 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:52:27.94 ID:vjOn+Ksc0
( ^ω^)「お?いらっしゃいだお」
ミ;,゚Д゚彡「おっ、お前は……」
「内藤!!」
自分の同期を見間違えるはずがない。
しかも目に写るのは、若き日のライバル。
- 72 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:53:45.30 ID:vjOn+Ksc0
ミ;,゚Д゚彡「な、何故お前がここにいる!?」
( ^ω^)「?」
ミ;,゚Д゚彡「そして……何故生きている!?」
急に現れた男に訳の分からない言葉を投げ付けられる。
だが、男の尋常じゃ無い焦り具合・聞き覚えのある声
そして『内藤』という名前
(; ^ω^)「あ…う…?」
- 75 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:55:47.04 ID:vjOn+Ksc0
ミ,,゚Д゚彡「答えろ!内藤!」
( ゚ω゚)「生きて……な…い……とう」
ピピピピピ
男に繋がっている、医療機器がけたたましい音で鳴りだす。
ミ;,゚Д゚彡「!!??」
(# ゚ω゚)「あ……ひっ……」
バンッ
大きな音を立て、医者が飛込んで来た。
(;´_ゝ`)「ブーン君ッ!」
- 79 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:57:55.62 ID:vjOn+Ksc0
ミ;,゚Д゚彡「ブーン……こいつが…?」
(# ゚ω゚)「お……お……」
(;´_ゝ`)「さぁ、この薬を飲むんだ」
兄者はブーンに薬を、ムリヤリ飲ませると、
怒りの形相で振り返る。
( ´_ゝ`)「おい貴様!何をした!」
ミ,,゚Д゚彡「ブーン……内藤……」
(# ´_ゝ`)「早く出ていけ!」
唖然とするフサギコを、兄者は強引に追い出す。
- 81 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 21:59:09.61 ID:vjOn+Ksc0
ミ,,゚Д゚彡「内藤……ドクオ……ブーン……ドク」
フサギコの頭の中で、記憶が繋ぎ合わさって行く。
---------------
ノノ'A`)「なぁ、もしブーンが生きていたら」
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ミ,,゚Д゚彡「!!ドクオ!!」
この出会いが運命を大きく左右する事となる。
- 85 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 22:00:47.59 ID:vjOn+Ksc0
ドクはすぐに退院できた。
頭の傷も縫う必要は無く、包帯を巻くだけで済んだ。
('A`)(……とりあえず、機体の整備しとかなきゃな)
する事が見付からず、取り敢えず自宅へと歩を進める。
ブーンの事が頭から離れなかった。
('A`)(また、二人で……飛べるよな?)
そして自宅前に差し掛かったとき、壁に寄りかかる人の影があった。
- 87 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 22:02:16.18 ID:vjOn+Ksc0
(,,゚Д゚)「……」
('A`)「……」
ドクは目が合い、一瞬立ち止まるが、
すぐに目線を外し通りすぎようとした。
そして横切った瞬間
(,,゚Д゚)「次は……ないぞ」
('A`)「……」
その言葉で通じあった。
小さいときから兄貴と読んできた男は、
この瞬間、完全に敵になった。
だが最後に見せてくれた優しさに命を救われた。
- 89 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 22:03:41.02 ID:vjOn+Ksc0
('A`)「ギコさん……今まで…ありがとうございました」
(,,゚Д゚)「……」
ギコは何も言わずその場を立ち去る。
ドクも何もなかったかのように、自宅の扉を開けた。
(;A;)「うっ……ぐっ」
ダイバーになって皆が離れていった。
父、ショボン、ギコ
- 91 :通訳(福島県):2007/04/28(土) 22:04:29.48 ID:vjOn+Ksc0
だが飛ばねばならない。
父の意思、そして自分の目的のため。
少年は飛ぶ
運命という鎖に繋がれたまま……。
29話完
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