6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:12:56.18 ID:KsylfVuz0

魔族たちは異次元に要塞を建設していた。


(’e’)「密かになあ!」

( ФωФ)「ときにセントバーナード」

(’e’)「セントジョーンズです魔王様」


( ФωФ)「神曲を奏でる連中が生き残っていると聞いたんだが?」

(;’e’)「ギックゥゥゥゥドッキィィーーンカアアーーーーーン!!!」

( ФωФ)「うわそんな露骨なのアニメでも観たことないわ」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:17:15.56 ID:KsylfVuz0

(’e’)「まあいるかといえば、それを否定するにはとても難しい所行なのではないかと私個人は思っている所存ですね」

( ФωФ)「いるんだな」

(’e’)「いますね」

( ФωФ)「よし、(侵略)諦めよう」

(;’e’)「魔王様!? なんだか昔より諦めがいいですよ良すぎですよ!」

( ФωФ)「諦めのよさがわしのチャームポイントだからな」

(’e’)「そんな○び太みたいなこと言わないで、少し私の言葉に耳をお貸し下さい」

( ФωФ)「なに?」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:18:25.17 ID:KsylfVuz0


 「神曲――いえ、ロックなど、私が殺して差し上げましょう」



 ( ^ω^)音楽が世界を救うようです



 第四話「刺客」




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:21:48.65 ID:KsylfVuz0

国防省本部に、ブーンたち最後のロッカーが集まっていた。


( <●><●>)「点呼!」

( ^ω^)「いち!」

( <●><●>)「…他の者は」

( ^ω^)「知りませんお」


はずだったが、ブーン以外のメンバーの姿は無かった。


(;<●><●>)「あのねー!私たちは遊びでやってんじゃないのよー!?
        集まれっつったら集まりなさいよいつまで学生気分なのよぉー!」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:24:38.38 ID:KsylfVuz0

国防省の役人であり、規律を尊ぶワカッテマスからすれば、
彼らのだらしなさは耐えきれないものだった。

( <●><●>)「担当かえてくんないかしら」


( ^ω^)「ブーンだけでもやるお!俺の弾き語りを聴けば気分も良くなるお」

(#<●><●>)「今日は対魔族想定の訓練で集まるはずだったのよ!
        あんた一人だけ集まっても意味ないのよ!」

( ^ω^)「怒るとしわが増えて死ぬお」

( <●><●>)「大体、危機感ってものが無いのよあんたたち」

( ^ω^)「危機感?」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:27:59.03 ID:KsylfVuz0

( <●><●>)「いつ魔族がまた襲撃に現れるかわからないのよ。
         もしもバンドのメンバーが個別に襲われたら、どうするつもり?」

( ゚ω゚)「メンバーの変更になる!」

( *~ω~)「ひゃっほーい!次はA○B48みたいなバンド作りたいですお!」

(#<●><●>)「怒怒怒怒怒怒怒怒」



バンドのメンバーが集まらなければ演習が始められない。
仕方無く、ワカッテマスとブーンはこちらからメンバーを迎えにいった。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:32:08.79 ID:KsylfVuz0


  ○モララー  ( ・∀・)

年齢 23歳
職業 アクセサリーショップの店員
ベーシスト

脱色が大好きで全身の毛が金色。
ピアスの開けすぎで体のどこかが常に炎症を起こしている。


( <●><●>)「資料の情報はこんなものね。監視員によると、今は女とデート中みたいよ」

( ^ω^)「この車ってやつ?よくわかんないけど。これでモララーをひき殺してやりますよ」

(;<●><●>)「ネタがマイナー過ぎるわ」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:33:42.37 ID:KsylfVuz0



  キャッキャウフフ
( ・∀・)ミセ*゚ー゚)リ


ミセ*゚ー゚)リ「モララー愛してるわ」

( ・∀・)「おれもだよーミセリー」

ミセ*゚ー゚)リ「私たちずっと一緒にいようね」

( ・∀・)「ずっと一緒だよーミセリー」

ミセ*゚ー゚)リ「嬉しい!絶対結婚しようね!」

( ・∀・)「結婚だよーミセリー」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:36:18.46 ID:KsylfVuz0



  キキィー!


( ・∀・)「え?」


仲良く歩く二人の前に、ワカッテマスが運転する車が急停止した。


( <●><●>)「迎えに来たわよ」

( ;・∀・)「え、ちょ、今日は無理なんだけど」

ミセ*゚−゚)リ「モララーくん、誰、それ」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:39:11.33 ID:KsylfVuz0

(#<●><●>)「誰でもいいわよ!ほら、モララー早く乗れ!」

ミセ*゚−゚)リ「モララーくん!私とその女、どっちを取るのよ!」


( ;・∀・)「いや、どっちっていうか」


(・∀・; )「もちろん大事なのはミセリだけど」


(#<●><●>)「モララァァー!!」

( ;・∀・)「わかっ…、今行くから!」


ミセ*;−;)リ「わぁぁぁぁんモララーくんに捨てられたぁー!」


(・∀・; )「違うんだ!ミセリ!ミセリぃー!」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:45:11.62 ID:KsylfVuz0

走り去ってゆく女を名残惜しげに見送ってから、モララーは車に乗り込んだ。

( ・∀・)「せめてデートくらいいいじゃねえかちくしょう…」

( <●><●>)「助手席の人に同じこと言える?」

( ゚ω゚)「全テノ リア充ヲ 殺シ 私モ 死ノウ」

( ;・∀・)「わぁぁぁぁぁ修羅がいる!?ごめんなさい!」


( <●><●>)「先が思いやられるわホント…。
        あんたたちのバンド、えっと、“サイコクラッカー…クラック?クラ…スラックス?”」

( ・∀・)「ちげえよ。“サイコクラッカーオーブン…?クラックスオーブン…?”」

( ^ω^)「確か“プッシーウィンナーズ”じゃなかったかな?」

( ・∀・)「それは却下されたおまえの案だ」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:51:00.09 ID:KsylfVuz0

( <●><●>)「自分たちのバンド名くらい覚えておきなさいよ…」

( ・∀・)「なげぇんだよアレ、無駄に。改名だろこりゃあ」

( ^ω^)「次は誰を拾うんだお?」

( <●><●>)「トソンよ」



 ○トソン  (゚、゚トソン

年齢 21歳
職業 パン工場
ドラマー

ドラムと家出が趣味。小さい頃はピアノも習っていた。
親からは絶縁状態。赤い髪。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:54:20.52 ID:KsylfVuz0

( <●><●>)「監視員からの情報によると、今日は仕事が休みで家にいるみたいよ。
         ちょっと気になるのが、さっきから通信が途絶えてることだけど」

( ・∀・)「思ったんだけどよ…おまえらに雇われてる状態なんだから、今の仕事やめていいよな?」

( <●><●>)「ていうかなんでまだフリーター続けてんのって感じだけど」

( *・∀・)「ヒャッハー!これで自由だ!明日店長殴ろう!」

( ^ω^)「ブーンはこれを見越して今までニートを続けていたんだお」

( <●><●>)「…そう」



( <●><●>)「着いたわ」

( ^ω^)「ここがあの女のハウスね!」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:58:12.02 ID:KsylfVuz0

ワカッテマスが車を止めたのは、古びたアパートの前だった。


( ・∀・)「ぼっろ」

( ^ω^)「馬鹿だなあ。貧乏な女の子の方が萌えるんだお」

( ・∀・)「しらねえのか。性格の悪いヤンキー女ってのは、おしなべて貧乏人なんだぜ」

( ^ω^)「それでもブーンは信じる。心の純粋な貧乏ヤンキーの存在を」

( ・∀・)「…そうか」


( <●><●>)「監視員がいないわね…まいっか。トソン。いる?開けてちょうだい」

ある部屋のドアをノックする。
しかし返事が無い。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:01:30.31 ID:KsylfVuz0


「きゃああああああああ!」


(;<●><●>)「どうしたの!?」

( ;^ω^)( ;・∀・)「!?」


突如部屋から聞こえてきた叫び声に三人は焦る。

目を合わせて頷いたあと、ブーンとモララーはドアに体当たりをしようとした。


(゚、゚トソン「はいはい、なに?」


     「うわっ!!!」
( ゚ω゚);・∀・)   (゚、゚;トソン



ところが体当たりでドアをぶち破るまえに、トソンがドアを開けて顔を出した。
危うくぶつかる所であった。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:03:54.94 ID:KsylfVuz0

( <●><●>)「…今の叫び声は?」

(゚ー゚;トソン「え?なにそれ、知らなーい」

( <●><●>)「中に入るわよ」

(゚、゚;トソン「ちょま!」


ワカッテマスが中に入ると、全裸の監視員が泡を吹いて倒れていた。
散らかり放題の狭い部屋には、得も言われぬ異臭が漂っている。


(;<●><●>)「あんたなにしてたの?」

(゚ー゚;トソン「な、なんだろうね〜」


( ;><)「が…かはっ」

監視員は虫の息だ。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:07:36.77 ID:KsylfVuz0

     ジー
( <●><●>)   (゚、゚;トソン


(゚ー゚トソン「いや、あの、なんかね、私のこと見てる人がいたからさ。
      外は寒いじゃん?中に入れてあげたの。まあ、そしたらこう、ムラムラと…」

( <●><●>)「もう、いいです」



( ;><)「う…う…」

( ・∀・)「遺言なら聞くぜ」

( ;><)「た…」

( ^ω^)「た?」

( ;><)「たま………が……つい」


監視員がそこまで言ったとき、トソンの鋭い蹴りが監視員のみぞおちにめり込み、
彼はとうとう力尽きた。


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:10:17.36 ID:KsylfVuz0

(;<●><●>)「ビロォード!」

(゚、゚トソン「あらごめん。足が滑った的な?」

(;<●><●>)「ぐ、まあいいでしょう、仕事中に色気に騙された罰ですね」


( ・∀・)「たまがつい…ってなんだ?」

( ^ω^)「…?さあ」


ようやく三人まで集まった。
次は最後の一人、アヒャである。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:15:30.18 ID:KsylfVuz0


  ○アヒャ ( ゚∀゚)

年齢 26歳
職業 無職
ギタリスト

全身にタトゥーあり。ドラッグ漬け
一年の半分以上を刑務所で過ごしている


( <●><●>)「監視員の話によると、バッドトリップして三輪車で海に飛び込んだあと
        二キロ先の海岸で全裸になり海藻を振り回しながら沿岸の店先で踊っているらしいわ」

( ・∀・)「通報しねえか?」

(゚、゚トソン「もうずっと投獄しとこうよ」

( <●><●>)「一応メンバーだし、迎えに行くわ…」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:20:49.76 ID:KsylfVuz0


監視員から指定された場所へ行くと、海藻を持ってぼーっと立ちつくしている男がいた。
全身にタトゥーがあるので、全裸でも服を着ているように見えるアヒャだった。


( <●><●>)「アヒャ。アヒャー?聞こえる?」

( ゚∀゚)「…聞こえる……」

( <●><●>)「これから対魔族のね、演習をやるから、車に乗ってついてきて」

( ゚∀゚)「聞こえる……聞こえるぞ…死神の歌が…」

( ・∀・)「もう一度訊くが通報はしないのか?」

(゚、゚トソン「この際大きい病院に入れましょ?ね?」

( ^ω^)「おまえらの素っ気なさは尊敬すら覚えるお」

( <●><●>)「エレキギターのパートが無くなるとまずいの。我慢して」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:25:02.92 ID:KsylfVuz0

( <●><●>)「ほら、こっち来なさい!」

( ゚∀゚)「アヒャ!やだ!やだやだ!」

( <●><●>)「ダダこねないの!一番年上でしょ!」

( ゚∀゚)「おうち帰る!」

( <●><●>)「おうち無いくせに!」

( ゚∀゚)「公園に帰る!」


( ;^ω^)「今日は演習は無理だお」

(;<●><●>)「そうみたいね、あぁ〜もう上司にどうやって報告すればいいのよ」



 「報告の必要など無い!」

( ・∀・)「あん?」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:29:23.15 ID:KsylfVuz0


(’e’)「おまえたちはここで死ぬのだからな」



(;<●><●>)「げっ!」



五人はいつの間にか大勢の魔族に囲まれていた。
ほんの一瞬の隙を狙われた巧妙な作戦にかかったのだ。


(’e’)「…いや終始隙だらけだったけど!」

( ・∀・)「卑怯だぜ!こちとら楽器ないと何もできねえってのに!」

(’e’)「卑怯とは言うまいね!なにせこっちは楽器があると逆に何も出来んのだ」

( ゚ω゚)「ぐ、ショボーンの仇を取るお!」

(;<●><●>)「落ち着いて!冷静にならないと死ぬわよ!」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:35:04.78 ID:KsylfVuz0

旦(゚、゚トソン「そうよ。私のように優雅にお茶をたしなむくらいの余裕が無いと」

( ・∀・)「負けていられねえ!じゃあ俺は上下スウェットであぐらかいて週刊誌読むぜ」

(;<●><●>)「なんの勝負をしてんのよ!」



(’e’)「とうとう終わりだな!神曲を奏でし…えっと…バンド名はなんだ?」


( <●><●>)「え…っと…“サンゴクラッ…クラ…ク…クラーク?”」

( ・∀・)「ちげえよ。“サイヤ人オーブ…?バー…?バーゲン…?”」

( ^ω^)「確か“プッシーウィンナーズ”じゃなかったかな?」

(゚、゚トソン「それは却下されたあんたの案よ」

(;’e’)「うろ覚えかよ!?」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:40:53.84 ID:KsylfVuz0

( ゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ!バンド名は俺が決めた!」

( ^ω^)「なんていうんだったっけ?」

( ゚∀゚)

(;’e’)「…………っ忘れたのかよ!大丈夫かおまえら!」

( ^ω^)「大丈夫。未来を信じる力があれば」

( ・∀・)「俺たち、過去は振り返らない主義だから」

(゚、゚トソン「名前よりも大事なことってあると思うんだ」

(;<●><●>)「言い訳がかっこよくてムカツク!」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:46:42.44 ID:KsylfVuz0

(’e’)「茶番はここまでだ。さあ死んでもらおうか!」

( ゚ω゚)「ブヒィィィッィ!誰か助けておおおおおお!」



そのとき、空の雲が割れ、差し込んだ光の柱がブーンたちを照らした。

(;’e’)「なんだ、なにが起こってる?」

魔族たちは不快に感じた光だったが、ブーンたちはとても暖かい光だと思った。


( ;^ω^)「一体何が起こってるんだお?」

(゚、゚トソン「分からない。でもなんだか…スポットライトみたい。僕たちを照らしてくれてる」

( ・∀・)「同じこと考えてたぜ」

( ゚∀゚)「俺もだ」

( ・∀・)「嘘つけ」

( ゚∀゚)「うん嘘」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:52:34.01 ID:KsylfVuz0

( ;^ω^)「まさか、ショボーン?ショボーンなのかお!?」

(;’e’)「ショボーン?なんだそりゃあ。でも俺は思い出したぜ。
     この光、昔浴びたことがある。そうか、何処にいったのかと思ってたけど、そういうことか。
     魔族の封印と共に、神器も封印されてたってことか。そして今、封印が解かれた…!」

(;<●><●>)「いつもなら説明乙って言いたいところだけど、もうちょっと詳しくお願い!」

(;’e’)「神器は神の楽器。選ばれし者だけが弾ける、究極の対魔兵器だ!ってなんで説明しちゃったの俺!」

( <●><●>)「説明乙。もういらんわあんた」


光が急速に強まった瞬間、ギター、ドラム、ベース、そしてマイクが地面に現れた。
それぞれ神々しく、淡い光を放っている。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:56:10.84 ID:KsylfVuz0

( ・∀・)「神器かなんだかしらねえが、ありがてぇ!これで演奏できる!」

( ゚ω゚)「ギターが一つしかねえええ!そして形状からしてあれはエレキだお!」

(゚、゚トソン「マイクがあんだから歌いなよ。ほい」

( ;ω;)「弾きながら歌うのが格好いいんだお!」

(-、-トソン「わがまま言わないの。はい、受け取れ。あんたのマイクよ」

( <●><●>)「素晴らしいわ…神器。アンプが無くても音を出せるようね」

(;’e’)「〜〜〜〜〜〜認めん!認めんぞこんな都合のいい展開!
    どうしてこうなった!どうしてこうなった!」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:59:55.02 ID:KsylfVuz0

( ・∀・)「どうして?決まってるじゃねえか」



( ^ω^)( ・∀・) 「ロックの神はライブが好きだからだ」 (゚、゚トソン




( ゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!ライブが始まる!ライブが始まる!」



初めて手にした楽器を、まるで何十年も使い込んだもののように彼らは扱えていた。

ギターが旋律を、ドラムがリズムを、ベースがより重厚に、


( ゚ω゚)「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」


そしてブーンが魂を歌った。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:03:37.09 ID:KsylfVuz0


(゚ e’)「馬鹿なあああああああああああああああ!!!!!!!!」



魔族たちは苦しみながら、地面に倒れていった。

最後まで耐えていたセントジョーンズも、苦々しそうにブーンたちを睨み付けたのち、
膝から崩れ落ち、もう二度と動かなかった。


やがて周りの住人達がライブを見物しにやってくる。
一人、二人、五人、十人、五十人、百人、五百人…。
人間の渦が瞬く間に広がっていく

ロックの神がかざした光の中で、ブーンたちは踊り続けた。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:08:30.11 ID:KsylfVuz0


( ;゚ω゚)「はぁ…はぁ…む?」


彼らが演奏を終えると、神器は光の粒に一度分解され、彼らの体に散らばっていった。

モララーが扱っていたベースはモララーの口のピアスに。
トソンが叩いていたドラムセットはトソンの髪留めに。
アヒャの弾いていたギターはチェーンのネックレスに。
ブーンのマイクは指輪となって、彼らの体に装着された。


( ^ω^)「戦隊ものだお」

(゚、゚トソン「戦隊ものね」

( ゚∀゚)「仮面ライダーかもしれない!」

( ・∀・)「いや戦隊ものだな」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:13:59.16 ID:KsylfVuz0


( <●><●>)「神器か…そんなものがあったとはね。
         最後のロッカーであるあなたたちの為に、神様が送って下さったんだ」

( ・∀・)「これで楽器を持ち歩く必要が無くなったぜ!」

( ゚∀゚)「しかし大変なのはこれからだ。
     魔族たちの襲撃はより深刻なものに変わってゆくだろう。
     今からはより団結を固めあい、魔族の襲撃に備えなければならない。
     今日のようなラッキーはもう無いと思わなければな」

(゚、゚トソン「バッドトリップし過ぎると真人間になるのねこの人」

( <●><●>)「一週回ったんでしょうね」



( ^ω^)(これでショボーンの仇討ちがしやすくなったお。
      ショボーン、ロックの神様が俺たちに味方してくれるお!)


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:18:56.93 ID:KsylfVuz0


新しい楽器も手に入り、波に乗っているブーンたち。

魔族たちには反対に、敗戦のムードが漂いつつあった。

セントジョーンズが撃破されたというのは、魔族側にとって衝撃のニュースなのであった。


( ФωФ)「やべえー人間こえぇー。やっぱ征服やめる。家業継ぐわ。あ、うち自営業じゃなかった…」

(’e’)「ご安心ください魔王様」

( ;ФωФ)「うわあああああああああなんで生きてんのマジやめてそういうの幽霊的なやつこええええ!!」

(;’e’)「ご安心ください魔王様マジで!私ですセントジョーンズです!」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:25:37.92 ID:KsylfVuz0

( ФωФ)「てっきり死んでたと思ったが、大丈夫だったのか?」

(’e’)「いえ、セントジョーンズは死にました」

(。фωф)「びええええええええもうホントやめてこの世に未練とかホント駄目だから駄目だと思います私!」

(’e’)「ですが、死んだセントジョーンズはセントジョーンズの中でも最弱」

(’e’)「我々はまだ戦えます」

( ФωФ)「何人かいるんだセントジョーンズって」

(’e’)「いるんですよこれがまた」


撃破していたと思われたセントジョーンズだったが、セントジョーンズは何人かいたので、
これからも何人かいるセントジョーンズがやってくると思われる。

この戦いに終わりはあるのか。
そして忘れられたバンド名はどうなるのか。


第四話「刺客」 終



おまけ


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 19:28:01.82 ID:KsylfVuz0

  ○ブーン ( ^ω^)

年齢 22歳
職業 無職
ボーカル

体重90キロ。デスボイスとラップも歌える。
ロリコンではないが中学生まではアリだと考えている。


終わりです!ありがとうでした

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